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8/10/2013

The Art of Racing in the Rain: A Novel(YL7)

The Art of Racing in the Rain: A Novel
HarperCollins e-books (2009-03-17)

The Art of Racing in the Rain: A Novel (語数69,306語)

Enzoは他の犬と自分は違うことを知っている。テレビをみたり、飼い主でレサーのDenny Swiftの言葉を聞くことによって自力で様々なことを学習。ほとんど人間に近い魂を持つ哲学者のようなものだ。

飼い主のDennyと二人、平和に暮らしていたわけだが、Dennyがある日Eveという女性を連れてきた。EnzoはDennyの愛情を独占できななりEveにちょっと嫉妬する。しかしそんな二人にZoeという女の子ができ、女の子が生まれた日に、「Enzo、この子をずっと守ってね」とEveに頼まれる。その時からEnzoは決心する。この子をずっと見守ろう。この一家をずっと見守ろう、と。

Ψ

テレビ好きの主人公、犬のEnzo君。彼の人生観はちょっと風変わりだけれど(生まれ変わったら人になれる、とか、サルより自分の方が人間に近いとか、魂の問題とか)、話せない分だけ、じっと飼い主たちの人生を見守り、洞察していくんですね。それが…、本当に犬っぽい!飼い主の家族に忠実で、一家の試練をそばでずっと見守っていく話なんですが、あぁワンコたちはこういうこと、考えてるかもしれないねぇ、と思いました。

Dennyの妻Eveが病に伏すあたりから一家はどんどん悲惨な方向へ転がっていくので、結構、だんだん鬱々としてきました。悲惨な状況をEnzo君はいろんなことを考えながら、見守っていくのですよ。話せないながらも時に励ましたり、行動にでたりしながら。人生を受け入れつつ、諦めることなく、生きることに健気。切ない…!切なすぎる…!

それでもレーサー根性をもったDennyとEnzo君は最後まで諦めない!…でなんとか試練を乗り越えていこうという話で。最後の最後にはやっとほっとできました。

英文は難易度は、前半のEnzo君のテレビからの知識の寄せ集めと感性に基づく独特な人生観が、ちょっととっつきにくかったかな?それからレースの表現も凝っているあたりはとっつきにくかったですね。アイルトン・セナ位は私も知っていますが、F1ファンとかではないので、ちょいちょい飛ばしながら読んでいました(比喩なので、なんとなくそれでも話はわかる)。

ちなみに私はこの本でAudibleを初購入しました。とても耳だけではついていけないので、読みながら聞く、という感じです。comで購入するとAudibleが割引対象になる本ですので、それで購入。Whispersync for Voice機能つきですが、AudibleとPaperWhiteを同時に使っていたので、あまりその辺の恩恵は受けませんでした。1章1章が短い単位になっている、ということの方がむしろ有難かったですね。

※ちなみにこの本、大人向けと児童書と2バージョンあるみたいです。私は大人向けで読みました。児童書の表紙は犬の顔の面積がもうちょっと大きいみたいですね。