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8/26/2017

The Golden Sword, Book 7 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

The Golden Sword, Book 7 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約65,720語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第7巻。

珍しくこの巻はちょっとしたミステリー風味で、主に3人の若者とMacGreagorでおきた殺人を軸に物語は展開していきます。

一人目は森の中で母と孤立するように暮らしていてる少年Essen MacKinnon。母を亡くして一人で彼女を埋葬したその日、なぜかEssenの名前を知る男が現れ、黄金の剣の話をします。自分は老い先短いから、お前が探しさなさい、そのために一人でも生きていける術を教えるから、と、Essenとしばらく暮らし、そして彼もまた死んでいきます。Essenはそこから数年、一人で暮らしますが、やがて旅にでてもやっていけそうだと思えた18の年に、宝剣探しの旅へ出ます。

もうひとりはスコットランドの宮廷に仕えるBethal MacGreagor。彼女は四巻のカップルHannishとBethiaの娘です。とても気の利く彼女は、すっかり女王のお気に入りとなり、王にも気に入れられます。しばらく宮廷で働いたら、故郷へ戻って結婚しようと考えていたBethalですが、王は手放したがらず、逆に、MacGreagorの独身男を連れてくればいいではないか、と思い至ります。

そして3人目はPatches。彼女はJustinの一番末の妹です。彼女は同年代であまり相性のよくないBreiveから、ある日、あなたはさっさと結婚するべきね、と言われます。Breive曰く、Justinには二人の娘しかいないから、次期Lairdはきっと妹たちの夫ということになるでしょう。その為にあなと結婚したがる男たちが、あなたの結婚が決まらない限り結婚しようとしないから、私たちの結婚も遅れるのよね、と。Patchesはそんなことを考えたこともなかったから、悩みだします。そして翌日、Breiveは何者かに殺されます…。一体誰が彼女を殺したのか…?

このEssenがある種の純粋培養というか、無垢な感じでとてもいいんですね。そして黄金の剣といえば、かつてNeil時代にWalrickが抜いて見せたMacGreagorの剣ですよね。どんどん氏族の歴史も積み重なって、そこからまた物語がつながっていって…。まさに氏族のsaga。巻数を積み重ねるにつれどんどん深みもましていきますね。

  • Essen MacKinnon…母とふたり森の中に隠れ住んでいる少年。
  • Moran Larmont…Essenが森の中で出会った男性。優しそう。
  • Allie MacKeith…Essenが旅の道中出会った女性。野垂れ死にしそうだった。MacBainの人と結婚したが、MacBainsから追放された。
  • Patches MacGreagor…Justinの四人姉妹のうちの一番末の妹。クリスチャンネームもあるけど幼いころしばしば服をダメにしてつぎはぎだらけだったのでみんなからPatchesと呼ばれることに。
  • Bethal MacGreagor…Scotslandの宮廷で務めている。BethiaとHannishの娘。the Slype-Groat boardが得意。Scotlandの女王のお気に入り。王にも気に入られる。
  • Donan MacGregor…走るのが得意。Patchesとそれまでそう親しく話したことがあるわけではなかった。Patchesより六歳年上。かなりハンサム。
  • Breive MacGreagor…Patchesと同い年の少女。Donanが好き、だいたいのことで意見が一致しないのでPatchesは苦手意識。Bethalとは仲が良い。
  • Carley MacGreagor…Justinの四人姉妹のうちの3番目の妹。Mefinと昨年結婚。
  • Mefin MacGregor…Carleyの夫。Jusitinの妹を嫁にしたわりに出世しない。食事はいつも遅刻、とだらしない。
  • Shaw MacGreagor…Justinの一番上の長女の夫。第二司令官。Justinがもっとも信頼する男。
  • Trallen MacGreagor…夫に暴力を振るわれた。Kennedysに嫁いでいた。4巻で9人姉妹の一人Alisonと結婚したBenの従妹みたいですね。
  • Balloch MacGreagor…双子と仲がいい。双子にいつもゴシップを教えてくれる独身男性。
  • Catell MacGreagor…双子の姉妹のひとり。Donanに惚れていたが、だんだんBallochを好きに。
  • Jinty MacGregor…双子の姉妹のひとり。Donanに惚れてる。
  • Ruskin MacGreagor…JustinがScotland王のもとに連れて行った独身男性の一人。宮廷で女性といい仲に。

8/19/2017

Betrothed, Book 6 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

Betrothed, Book 6 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約115,9400語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第6巻。

この巻から短編の集まりではなく、1冊で1話という感じになるようです。そしてMacGregorsも世代変わりして、Neilの息子、JustinがLairdになっていました。

子ども時代からして性格がよさげなJustinでしたが、妹が4人。母のGlennaは健在。Neilがしっかり一族繁栄の土台を気づいていたこともあって、Neilが亡くなってから3年。なかなかMacGreagorsは繁栄しているようです。

そこへある日、例の言葉"hollow"がEnglandから届き、Justinは困惑します。祖父時代のLairdとEnglandの王たちの間の秘密の合言葉。しかしこの言葉を知る最後の王はすでに死んでいる筈。いまさら誰が、MacGreagorのLairdをEngland側で招集しているのだ…?

一方England側では、Lady Deora Medwinは彼女の意志に反して王の非嫡出子のTrumbleとの婚約を強要されていました。母は亡くなり、今は父と娘二人だけの家族。Deoraは父のMedwinを深く愛していましたが、こんなひどい結婚を強要してくるなんて、父はこんなことをするような人間だったのだろうか?お嬢様のDeoraにできることはもはやただ一つ、逃げること。

Ψ

ということで、この二人が主役になりますが、まぁJustinの不器用っぷりが可愛いです。Neilの当初の不器用っぷりを思い出す(笑)。

そして妹たちに対する過保護っぷり、シスコンぶりときたら…!

ちなみにDeoraの父親はなんと前巻1話目「Clare」でAlcottの執事をやっていたStuartですね。例の決闘で土地を手に入れ、裕福になっていました。MacGreagorsと生涯の友情を約束していたから、どこかで出てくるのかなぁとその時は思いましたが、その伏線の回収がこの巻でした。

登場事物一覧

  • Lady Deora Medwin…Medwinの一人娘。
  • Lord Stuart Medwin…Deoraの父。かつてLord Alcott of Cumberlandを殺して今の領地を得た。
  • Swete…Deoraの子供の頃からの侍女。
  • Lord Elseway Trumble…Deoraの婚約者。ぼんくら。王の非嫡出子。
  • Baron Vance…Trumbleと犬猿の仲で、Deoraと結婚したがっていた。
  • Franklin…Vanceの下男。
  • Justin MacGreagor …MacGreagor のlaird 。
  • Shaw MacGreagor…Justinの右腕。英語を話せる。Justinの妹Brennaが好きだが、これまでシスコンのJustinがうるさいので近寄れなかった。
  • Ginnion MacGreagor…戦闘のときは誰より獰猛だけど、女性がいるときは優しく子羊のようにおとなしい。頭痛治療が得意。
  • Cowall MacGreagor…Justinの護衛。 Hewitt、Toshと従兄弟。
  • Hewitt MacGreagor…Justinの護衛。Cowall,Toshと従兄弟。
  • Tosh MacGreagor…Justinの護衛。Cowall, Hewitt と従兄弟。
  • Lennie MacGreagor…Justinの護衛。
  • Moan MacGreagor…第二司令官。Justinの留守中は村を預かる。
  • Ceanna MacGreagor…Justinの一番上の妹。もうすぐ17才。Glenna に似ている。
  • Brenna MacGreagor…Justinの妹。シャイ。15才。庭造りが好き。
  • Carley MacGreagor…Justinの妹。14才。
  • Lorna MacGreagor…Justinの妹。9才。
  • Dicocail Kennedy…Swintonsとの戦争のあとLairdになった。Justin曰く公正で賢明なタイプだから氏族のために尽くすだろうと。

オマケ

このシリーズときどきplaidを着るのを手伝うシーンとか、プリーツを作っているシーンがでてきて、前から着方が気になっていたんですよね。そういえばいまどき動画があるんじゃない?と思って検索したらちらほらありました。

plaidは想像以上に大きい布だし、一人で着こなすには寝ころばないとムリじゃない…?という気がしました。こういう動画は面白いですねぇ!

Marti Talbott's Highlander Series 5 (Clare, Dolee, Catlin & Lasha)(YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 5 (Clare, Dolee, Catlin & Lasha) (English Edition) (語数約73,160語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第5巻。

1話目は4巻でEnglandへのKadickの夫探し、独身男の嫁探し騒動で、姉のGreerに修道院から救い出されたClareのお話。修道院でも扱いにこまるほどの彼女は凄い美人で、目立たないようにいつもボロを着ていた。ところで村へついてボロを脱いだらものすごい美人。ということで、男たちからの注目を集め、女たちからは、"彼女が結婚を決めないと、独身男たちがチャンスがあるんじゃないかといつまでも決断をしない"と嫉妬され…。姉との再会は嬉しかったけれども、周囲からのプレッシャーで針のむしろの気分で過ごしていた。というのも修道院にいた頃、たまたま市場で知り合ったAlcott of Cumberlandと恋に落ち、ひそかに手紙のやりとりをしていたのだ。その彼が死んだという手紙を受け取り、絶望していたところへ、姉が現れて修道院から連れ出してくれた。しかし彼への思いは消えず、とても結婚するような気分ではない…。こんなに結婚への周囲のプレッシャーが強いなら、いっそEnglandへ戻った方がいいのではないか?

…ということで果たしてClareはEnglandへ戻ることになるのかどうか?という展開ですね。

2話目は子宝に恵まれない夫婦の話。とても夫のCamranを愛し合っているのにどうしても子どものできないDolee。さまざまな治療や薬をためして体も壊しそうになって夫からはもう無理して試そうとするな、と止めれていた。

土地柄、結婚後3年たっても子どもができなければ夫は離婚してもいいというルールがあった。3年目に入り、Camranはそれでも自分を愛してくれているという思いもあったが、子どものことを諦めきれないDoleeは、九人姉妹の一人Nessaから、Kennedy一族によくあたる女占い師がいるのよね、という話を聞いて…。

3話目はなんと予想外の来訪者がMacGreagorへやってきて…、というお話。LairdのNeilが、父親が死んで兄のSweenと争っていた時、叔母のRachel一家は仲のいいCameron一族へ去っていき、戻ってきませんでした。その子どもたちが、来訪するのです。

MacDonald一族にMacGregor一族が襲撃されたとき、Cameron一族はMacDonaldよりの中立、というような雰囲気でしたが、一体LairdになったBlairや、Englandの王位継承権をBlairと結婚するために放棄したCharletたちはどうしたんだろうと思っていました(それから出世しそうだったハンサムボーイYuleとかSteppenの姉Mareeあたりは全然若いと思いますが、どうしたんでしょうかね…。疫病?)。RachelたちやCharletのその後はこのお話でわかります。

4話目は新天地にきてからのご近所氏族Haldaneとのお話。この氏族はMacGreagor氏族の周辺をウロウロし、偵察されていることはわかっていましたが、一向に対話しようという気配もなく、敵対的なのかどうかもわからず、不気味な存在でした。ある日、狩りの途中で立往生している子どもをみつけたCowan MacGreagorは、キルトの柄からHaldaneの子どもか、と察して、誘拐の誤解を受けても困るので、Haldaneへ単身、子どもを送り届けます。子どもはLairdの一人息子で、Lairdからも感謝されます。そこでわかったことは、どうやらHaldaneのLairdはまともだが、その妻が相当な情緒不安定で、村全体がおかしくなっていること。この気分屋の妻がいるために、妻をつれてMagCreagorへ挨拶にいくこともできないし、かといって置いていくこともできない。それでもこの妻を愛しているのだという。一方、Lairdの妹Lahsaは独身で、兄家族と同居しており、このヒステリックな義姉にうんざりしていた。いずれこの小さな村の中の男と結婚することが義務だと思い込んでいたが、今日甥っ子を助けてくれたあの男性は…?という感じの一目ぼれ展開ですね。個人的には、HaldaneのLairdは、この妻相手に忍耐強く、面白いなぁと思いました。

NeilはLairdとして繁栄期って感じですね。ときどき女性たちから、「出ていく!」とか言われてドキマギしていますけれども賢いGlennaもいますからね。序盤に彼は苦労しすぎているので、若死にするのではないかと心配していました。

1話:Clare

  • Clare …Greerの妹。凄い美人なのでいつでも注目の的で苦労している。
  • Marlow…修道院の人間でよく市で売買している。
  • Alcott of Cumberland…イングランド人。Lord Wickerlyに。
  • Stuart of Cumberland…Alcottのsteward。半分ScotなのでGaelicを話せる。
  • George of Leics…Englandの新しい王。
  • Tristan MacGreagor…Englandの新王の噂を最初にNeilへ知らせる人物。偵察に長けている。英語を話せる。
  • Lucas MacGreagor…Jesuupの再婚相手。
  • Jessup MacGreagor…Englandの女性。亡くなったEngland王と親しかった。

2話:Dolee

  • Dolee MacGreagor…心からCamranを愛している。21才。
  • Camran MacGreagor…Doleeの夫。毛皮職人。
  • Nessa…九人姉妹の五女。いつも姉妹からはwitlessとか言われている。
  • Ros MacGreagor…Nessaが好きな相手。しかしEmilyがいつも彼の回りにいる。母親違いの年の離れた弟たちがおり、面倒見がよい。

3話:Catlin

  • Catlin Cameron…BlairとCharletの娘。身のこなしが素早い。Liardの息子Lammondから追いかけまわされている。
  • Thomas Cameron…RachelとConnorの子ども。17才。かなり陽気。
  • Julia Cameron…RachelとConnorの子ども。兄Thomasとはいつも口げんか。
  • Lammond Cameron…Lairdの息子。かなり残虐なタイプ。
  • Thanna Cameron…他に女がいないとき、Lammond Cameronに立ち寄る相手。Lammondのことは嫌っている。
  • Vallam MacGreagor…Catlinとバッタリ森であったときに、彼女にけがをさせられる。不覚をとったと思うも、Catlinから目が離せない。
  • Luag MacGreagor…NeilからCatlinの護衛役に任命。Neilの遠征のときはだいたい第二司令官をやっている。
  • Slade MacGreagor…九人姉妹の長女Edanaの夫。ハンサム。Cameronに親戚がおりMcDonald襲撃のときは親戚に匿ってもらった。
  • Hannish MacGreagor…Bethiaの夫。裏切りのFerguson のlaird を暗殺した。

4話:Lasha

  • Cowan MacGreagor
  • Ena Haldane…lairdの妻。かなり情緒不安定。笑えば美人。
  • Lasha Haldane…laird の妹。
  • Sionn Haldane…Lashaの婿候補の一人。狩人。明るいし、思いやりがある。
  • Lorna…Cowanに気があるけど、お産を考えるととても声もかけられない。
  • Aleen …九人姉妹の末っ子。Lornaと友だち。

8/12/2017

Marti Talbott's Highlander Series 4 (Bethia, Alison, Kadick & Glorie) (YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 4 (Bethia, Alison, Kadick & Glorie) (English Edition) (語数約87,420語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第4巻。

3巻でより北部へ移動してWalrickがLairdをつとめていたMacClurgと合流することになったMacGreagor一族。1話目はそうとは知らず、しばらくEnglandのおばの家に身を寄せていたBethiaの物語です。彼女は恋人が別の女性と婚約したと思い、別の女性と結婚した彼を見て暮らすのは耐えられないと思って、数年前にEnglandへ旅立ちました。しかしEnglandでは叔母が死に、従弟たちはかなり性質が悪くていられなくなり、従弟の馬をとっさに盗んで久しぶりに単身故郷へ戻ってきたわけです。ところがもう村がない。焼け落ちた後がある。MacGreagorは全滅したのか?と思って絶望していたところへ、Neilが散り散りとなった氏族を探すために放った捜索隊の一人、元恋人Hannishが現れて、二人は再会して…、という展開。Bethiaの従兄が相当なワルで、二人はずっとこの従兄に追跡されます。そしてBethiaには叔母の家で働いていて残してきたScotsのハーフメイドGreerを救い出したくて仕方がありません。果たして従弟たちをまいてメイドのGreerを救出することができるのか…?という展開になっていきます。

以降はネタバレあり。それなりに長いシリーズですので備忘録的に!

2話目は前巻で合流した9人姉妹の三女Alisonの物語です。Alisonは母親がお産で亡くなったことから、絶対子どもを産みたくない≒結婚したくないと思い詰めており、男どもの視線にはうんざりしている日々を送っています。Alisonは動物が大好きで、家畜にかまいたくてしょうがない。しかしMacGreagorでは家畜の世話は男の仕事になっているから、遠目にみるだけ。そんなことから家畜の世話をよくするBenの姿がだんだん視野にはいってきます。BenはどうやらAlisonは男が近づくと遠ざかることに気づいて、彼女が自分の方を見ていても気づかないフリをし、彼女から話しかけてくるのを待ち続けています。…なんだかナウシカの「こわくない、こわくない」みたいな感じの展開ですねwさらに別部族でAlisonを見初めて自分の嫁に…、と思い込んでいる男が誘拐を思い詰めてて、という危険も迫ってくる話です。9人姉妹の団結力も見もの。

3話目は生まれつき顔にあざのあるKadickの物語。顔にアザがあるせいで、呪われていると思った実の母親には捨てられ、子どものいなかったMillin夫妻に育てられたKadick。自立して今は一人暮らしをしているけれど、皆から無視されていると感じる日々。あるときNeilたちの会議にあらわれ「私はこの村で無視されている。このままでは夫を得ることができないからイングランドへ夫を探しに行く」と宣言。Neilは驚愕して、イングランドへは護衛をつけてあげよう、と申し出る。Neilの妻Glennaは動じず、どうせいくならイングランドへ独身男をたくさん連れて行って嫁探しもしたら?とそそのかす。イングランド人のJessupやGreerは喜んで、シャツを脱げば嫁にくるわよ、とからかいつつ、お祭りで誘い出したり、とにかくお肉で歓待すればメイドなんかをやっている娘たちはイチコロよ、とアドバイス。結局英語を話せる通訳も必要だということでNeilとGreerが同行することに。果たして独身男たちに嫁はみつかるのか?そしてKadickの夫となる人物は…?

4話目はGlorieというタイトルですが、かなりの部分、Kadickの殺害未遂の事件に起因した展開となります。MacGreagorが来る前、Walrickが現れる以前に、Kadickは小屋に火をつけられ、殺されそうになったことがあった。犯人はわからない。Neilは自分たちがくる以前のこととはいえ、激怒します。そんな大事件を誰も一度も触れずに隠しているとはどういうことなのだ?とMacClurg全体に不信感を抱きます。はたして両氏族は相いれない、と別の道を行くことになるのか?それとも…。

この巻ではNeilは不幸に翻弄されているばかりではなく、偉大なLairdとして皆を率いていく感じがでてきましたね。とはいえ、よく彼を襲う頭痛とか、不穏な感じも多少あるんですよねー。

1話:Bethia

  • Bethia MacGreagor…二年前からEnglandの叔母の家に住んでいたが故郷へ戻ってきた。
  • Aunt Beth…Bethiaのおば。
  • James…Bethiaの従兄弟。Aunt Bethの一人息子。がめつい。もしかして財産狙いで母を殺しました…?
  • Baron Giffart…絶賛妻募集中のイングランド人。でもモテない…。
  • Luella …Bethiaの従姉妹。かなりの意地悪。
  • Hannish MacGreagor…Bethiaが心響を飛び出した原因の人物。Neilが散り散りになった一族を呼び寄せるために各地に放った者の一人。
  • Brendan MacGreagor…BethiaがHannishのガイドで新天地に向かう道中に合流。独身。
  • Greer…BethiaのEnglandでの友だち。叔母の家でメイドをしていたが、スコットランドのハーフでGaelicを解すので親しくなった。

2話:Alison

  • Ben MacGreagor…家畜の世話全般をよくしている若手。
  • Alison…九人姉妹の四女。
  • Nessa…九人姉妹の五女。15歳。
  • Millin MacClurg…Alisonにゴシップを教えてくれる未亡人。疫病で夫を失う。41歳。
  • Cenna MacGregor…NeilとGlennaの娘。Glennaの母親の名前にちなんで。
  • Dominic …Alisonの護衛。
  • Comin MacDuff…Alisonを嫁にしたがって、誘拐するしかないと思い詰めている男。

3話:Kadick

  • Kadick MacClurg…小柄な女性。Millin夫妻が育ての親で愛されて育った。弁がたつ。
  • Donnahail MacGreagor…疫病で生まれつき足の悪かった妹を亡くした。散り散りになったMacGreagor一族の探索に出た八人のうちの一人。とても優しい。
  • Feargon MacClurg…九人姉妹の次女Slavaの思いの人。
  • Luag…Neilがこの旅で第二指揮官に選んだ若者。
  • Maon MacClurg…イングランドへ嫁探しの旅にでる若者の一人。
  • Dora…イングランド人のメイド。
  • Carol…イングランド人のメイド。
  • Glorie…イングランド人のメイド。
  • Maggie…イングランド人のメイド。

4話:Glorie

  • Glorie…イングランド人。祈ることが仕事と思っている。かなり頑固でNeilも手を焼く。
  • Silus MacClurg …Kadickの夫探し、嫁探しツアーに参加した若者。
  • Dora…イングランド人のメイド。赤毛で緑の瞳。
  • Burk MacClurg…Glorieが気になっている。そういえば森の中をさまよっていたWalrickをLairdとして迎えに行った一人であのとき一番の若手で15歳でしたね。
  • Cobb MacClurg…頑固なelder。Burkの叔父。

8/05/2017

Marti Talbott's Highlander Series 3 (Taral, Ralin, Steppen, Edana & Slava)(YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 3 (Taral, Ralin, Steppen, Edana & Slava) (English Edition) (語数約1196600語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第3巻は5話ありますが、1話ずつがかなりの密接具合で、Highlandに蔓延する疫病、半数近くの死者を出すMacGreagor一族、戦闘能力が落ちたところへのMacDonaldの襲撃…、とNeilはまたもや一族の存亡の危機に立たされ、この巻でもあらゆるタイプの苦労をしっぱなしです。 以降はネタバレあり。それなりに長いシリーズですので備忘録的に!

1話目は2巻の終わりでめでたくGlennaと結婚したNeilでこのまま円満夫婦か?と思いきや意外とそうでもなく…。ともかくLairdとしてNeilが忙しすぎて夫婦水入らずの時間が全然ない。Glennaは立場を理解しつつも疎外感いっぱい、一方Neilは結婚のキッカケにやっぱり負い目を感じていて、今一歩踏み出せない状態で、こじれにこじれ…。第2司令官Patrickの妻となったイングランド人のJessupはGaelicがあまり話せないせいでこれまた孤立していたので、言葉が通じないなりにもGlennaとJessupは意気投合。「幹部の男どもは仲良すぎていつもくっついていてなかなか家に帰ってこないじゃない!」とこれまで登場してきた女性陣がストライキを起こす、というなかなか活気のある展開です。

ほほえましい感じになって1話が完結するのかなーと思いきや、展開。終盤、Highland一体で疫病が蔓延して、MacGreagorsはなんと半数近くの死者を出してしまいます。そして主人公としてクローズアップされてきた人々も、半数は亡くるという読者としてもちょっと呆然とするような展開を迎えます。

2巻の終盤で盲目になりつつあるKindelと結婚したWalrickですがこの疫病でKindelを亡くし、絶望のあまり、夢うつつの状態で森をさまよいます…。2話ではこのWalrickの放浪、そこからの北の大地での道の一族との遭遇が描かれています。絶望状態からの「え、どうなるの?」という面白展開なんですよね。一方、並行して疫病で人数を一気に減らして弱体化したMacGreagorsは、北のMacDonaldから狙われることになります。今やFergusonはMacDonaldと同盟を組み、Cameron一族もMacDonaldと戦う気はない、という状況の中、Neilは機密が漏れることを恐れて多くを語らないし、女性たちはどうすれば生き延びられるのかとの不安に右往左往して、それぞれの身の振り方を決めます。年頃のRalinはMacGreagorのGillと惹かれあい、襲撃で結婚生活が短くなることを覚悟しながらMacGreagorの衣装で結婚したいという思いから結婚。一方、疫病でDanを亡くしたTaralは感じのよさげなFergusonの男と結婚して身の安全をはかったりします。

3話はついにMacDonaldが襲撃してくるシーンとなります。

兄のPatrickを疫病で亡くしたSteppenは、NeilとGlennaの家で過ごしていました。MacDonaldによる襲撃を予測していたNeilは、

彼らの幼い息子Justinと宝剣をSteppenに託し、まずは目立たぬように逃げろ、と言い含めて二人を一足先に村の外へ逃します。

Patrickや母が亡くなって絶望したJessupはイングランドへ戻っていたので、Steppenはひとまず義理の姉を頼れ、とNeilから言われていましたが、村を抜け出した晩に村が大火災で焼け落ちるのを目撃して、「MacGregorsは皆死んだのだ、Neilたちの子どもJustinをイングランドで育てるわけにはいかない」と思い、スコットランドの奥地へ、北へ北へと向かっていきます…。

一方のNeilは一族全員をまずは秘密のトンネルから逃し、囮として自身は10人の護衛と共に最後まで村へ残り、村自体を焼き払います。Viking Seriesから読み継いでいる私としては、この土地にやってきた当初からの一族の思い出を知っているので、郷愁的な思いも沸いていて、命をかけてまで土地にしがみつく必要はない、というNeilの決断に、よく決断したなとグッとくるものが…。

Neilは先に逃した妻のGlennaとJessupの屋敷で落ち合いますが、Steppenがいつまで経ってもやってこない。一族を再集結させるための新天地を開拓する役目もあるので後ろ髪惹かれる思いで、やはり彼らも北の大地へ向かう流れとなります。

4話は美青年Sladeの話。MacDonaldの襲撃時に彼はCameronの親戚を頼って10人をかくまってもらいましたが、MacDonaldの追撃もひと段落した今、いつまでも親戚の家にいるわけにもいかず、かといってアテのない旅に子連れは困難…。というわけで、若い彼が10人の先遣隊としてNeilを探し出すことに。やがてSladeはGlennaが一族の為にと残した森の中の目印をみつけ、それを頼りに移動していたところ、父親に「売り飛ばされ」そうになっている9人姉妹に出会います。女性が困っていると首を突っ込むのがMacGregorの男たちなので、Sladeも迷わず彼女たちをかばい、追っ手を避けながらMacGreagorsがいるであろう新天地の旅を続けます。ロクでもない父親と兄弟たちから妹たちを守ってきたEdana。妹たちの「家長」的存在でもあり、妹たちもなかなかにそれぞれにたくましいんですよね!

そして5話目は9姉妹の次女Slavaの話。実は父親が9姉妹をKennedy兄弟に売り飛ばそうとしていたことには根拠があった…、という思わぬ展開。9姉妹の団結力にはちょっと瞠目しました。

それにしてもMacGregorsの女性を大切にする、という鉄則が北の大地でも近隣の村々も巻き込んでいろいろな展開に生きてくるあたりが、このシリーズの面白いところですね。そして一族消滅の危機を乗り越えたNeilの苦労は、この巻でひと段落がつくんでしょうか?

1話目:Taral

  • Taral MacGreagor…朝日が大好きな早起き娘。ユーモアセンスがありよく笑う。2巻でYuleに嫁いでいったMareeの妹。結構苦労します。
  • Dan MacGreagor …Taralが好き。Neilの護衛の一人。繊細で記憶力がとてもいい。
  • Armitage MacGreagor…壁の外に住んでいる。Taralをしきりに散歩にさそい、礼儀正しい。しかし退屈。
  • Olson MacGreagor…Taralの婿候補としては一番若い。楽しい子だけれど落ち着きがない。18才。
  • Steppen MacGregor…Patrickの妹。お話し上手のMareeをとても気に入っていたエピソードが懐かしいですね。Mareeの妹のTaralの親友。
  • Leesil MacGreagor…一歳。NeilとGlennaが育てている娘。
  • Lorne MacGreagor…Neilの護衛の中で一番シャイだが、Fergusonから嫁をもらうことに。
  • Dolak…Ferguson出身のLorneの婚約者。

2話目:Ralin

  • Gelson MacClurgs…Walrickを森のなかで見つけて自分たちのリーダーに良さそうだと拾ってくる。19才。第二指揮官に。
  • Mark MacClurgs…18才。第三指揮官に。
  • Cobb MacClurgs…17才。
  • Austin MacClurgs…17才。
  • Burk MacClurgs…15才。
  • Knox MacClurgs…自分をLaird と思っている男。他人を罰するのが大好き。
  • Ayson MacClurgs…二十歳。イケメンだけどかなりのシャイ。Effieが気になる。
  • Effie MacClurgs…Buchananの夫を持っていた女性。
  • Laird Ronan Graham…MacClurgsと親しくしている族長。
  • Ralin MacGreagor…Taralと親友。壁の外で暮らしていたが、疫病で父を亡くして、壁の内側のTaralと一緒に暮らし始めた。
  • Gill MacGreagor…平均的な男。
  • Steppen MacGreagor…17歳。家族を亡くし、NeilとGlennaの元で暮らしています。
  • Justin MacGreagor…NeilとGlennaの息子。
  • Laird Shaw Ferguson…1巻でKennaが嫁いだFergusonのLairdなので、結構年だね。
  • William Ferguson…好青年に見えるが…。

3話目:Steppen

  • Lucas MacGreagor…逃走経路を綿密に組み上げ、McDonaldからの追手をひきつけ、攪乱。
  • Katie MacClurgs…Walrickの養女。ああいえばこういう、というタイプ。
  • Clifton MacClurg…Katieよりひとつ下。
  • Janell MacClurg…Walrickと同い年くらいの女性。子どもたちの面倒をよく見てくれる。

4話目:Edana

  • Slade MacGreagor…かなりのハンサム。家具職人になることを希望している。結構堅実な考え方。
  • Edana…19歳。長女。姉妹の家長的存在。
  • Slava…次女。内省的。でも猪くらい倒すわよ。
  • Charlotte…三女。
  • Alison…四女。
  • Nessa…五女
  • Sheena…六女。14歳。
  • Colina…七女。
  • Laura…八女。
  • Aleen…九女。11歳。
  • Jonrose MacClurg…Gelsonの妻。
  • Lorne MacClurg…Gelsonの息子。

5話目:Slava

  • Geddes MacGreagor…Taralへ求婚中。とても優しい!
  • Laird Kennedy…ハンサム。結構、理性派なんじゃないかとは思いますよ。