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12/18/2016

Death of Kings (The Last Kingdom Series, Book 6) (YL6)

Death of Kings (The Last Kingdom Series, Book 6) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約117,800語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになったBernard Cornwellのベストセラーシリーズの第6巻目。

898年冬。主人公41歳、Alfredが50歳、Æthelflaed29歳になりました。すっかり主人公はÆthelflaedの半分公認の愛人になっていましたよ。家人を養うための土地もÆthelflaedが与えてくれて、それで暮らしている。

この巻ではタイトル通り、Alfredが亡くなるという事柄を中心に事態が進展していきます。

Alfred亡くなる前にDane人でありながらクリスチャンであるEast Angliaの王Eohricから同盟の誘いがWessexに対してあります。自分の死を目前にして同盟を組めるものながら組みたいという思いからAlfredは主人公を遣いとして送り出すものの、一筋縄ではいかないのがEast Anglia。East Angliaは場所柄、Dane人たちはそこを通らなくてもWessexを襲撃でき、かといって仲間にすればそれなりの訓練された兵をEastAngliaは擁しており、心強い。逆にWessexからも同様のことが言え、EastAngliaは誰からも積極的に襲撃されはしないが、仲間にすれば便利な相手。バランサー的なポジションにいて、抜け目ないEohricは常にどっちつかずにいいところどりをする、という存在だ。

East Algliaへの遣いの最中、Sigurdとも対決し、その際にやけに確信に満ちた魔女のÆlfadellの予言を聞かされ、気になりだす主人公。この"予言"も含めて、この巻は圧倒的な情報戦、駆け引き、という感じでしたね。情報を買う、売る、探る、ウラをとる、はたまたねつ造する…。

そして迎える中盤、Alfredの死。

'Wyrd bið ful āræd, lord,’と主人公はいつものフレーズ。Alfredからの返事は、

'fate is difficult. Is all ordained? Foreknowledge is not fate, and we may choose our paths, yet fate says we may not choose them. So if fate is real, do we have choice?’

辛気臭い王様だと思っていたけれど、こういうことをじーっと考えているところがAlfred王の魅力ですね。この巻では"予言"ネタも豊富ですが、fateとは…、ということを形を変えて何度も問うてきます。

そしてAlfredの葬儀の最中にAlfredの甥っ子のÆthelwoldによる反乱。…しかしアホなÆthelwoldは人気がなさすぎて失敗し、北へ逃走。しばらく平穏が続き、戦士である主人公の肩身が狭くなってきたころ(非クリスチャンだし)、Cnut、Sigurd、Haesten、Æthelwoldたちに動きがあります。裏切りモノは誰なのか。いつどこで誰が裏切るのか。

創作も入りつつ、後半まで波乱に満ちています。

Wessex王家周辺

  • Alfred…Wessexの王。病床にある。
  • Æthelflaed…Alfredの長女。Merciaを支配している主人公の従兄弟Æthelredのところへ嫁ぐ。
  • Edward…Alfredの公式長男。Æthelingとも。いまはKing of Cent。CentはWessexの一部。
  • Æthelwold…Alfredの甥。Alfredの兄の甥なので直系だったが、若すぎる&バカすぎるので王になれず、Alfredにが王に選出されたという経緯がある。
  • Steapa Snotor…Alfredに手ずから助けられた経緯もあり、とても忠実な戦士。めちゃ強い…!主人公とは古い友人。

Vikingたち

  • Sigurd Thorrson…Northunbriaのパワフルなjarl。Northunbriaの南部からMarcia北部までも支配。Ragnarの兵隊募集に惹かれてやってきた。
  • Sigurd the Younger…Sigurdの一人息子。18か19くらい。かなり傲慢。
  • Cnut Ranulfson…Northunbriaのパワフルなjarl。Britainで一番すばらしいと評判の剣士。30歳位だが白髪。冗談好き。
  • Jarl Haesten…主人公にかつて助けられたDane人。
  • Ælfadell … 北部の女魔法使い。
  • King Eohric…East Angliaの王。Dane人だけどクリスチャンなのでAlfredやEdwardたちに同盟を求めてくる。
  • Jarl Oscytel…Eohricの司令官。45歳の主人公のこと老人呼ばわりしたよね。

主人公の部下たち

  • Finan…Uhtredの最も信頼する部下。一緒に奴隷時代も過ごした。Irish。
  • Osferth…Alfredの私生児。Alfredは聖職者にしたかったけれども、戦士の道を歩む。戦いに喜びを見出している様子もないが、父親ににてマジメで思慮深く几帳面。戦士として悪くない。結婚しないなーと思っていたら、「私生児」は10世代まで呪われる、と修道士時代に教えられて、絶望しているんだね。キリスト教って本人に罪はないのに、そういうところあるよね。
  • Ludda…20にならないかぐらいのマジシャンであり、町から町を渡り歩いているため、土地に詳しい。SihtricがHuntandonまでの道案内としてつれてきた。
  • Sigunn…17歳。Hasetenたちを攻撃したときに未亡人となったDane人であり、美人なので主人公の女になる。
  • Sihtric…宿敵だったKjartanの私生児。少年時代に主人公が彼を助け、以来従者として戦士として育て上げた。
  • Father Cuthbert …Edwardが主人公に送ってきた牧師。だいぶとぼけてる。Bishop Swithwulfに教育されたらしいが嫌われてもいる。EdwardとSwithwulfの娘を結婚させたのはコイツだ…!

Edwardの女性関係…。

  • Bishop Swithwulf…CentのHrofeceastreのBishop。
  • Ecgwynn…Bishop Swithwulfの娘。Edwardが結婚したがっているがAlfredに反対されている。
  • Æthelstan…EdwardとEcgwynnとの間の双子。男の子。
  • Eadgyth…EdwardとEcgwynnとの間の双子。女の子。
  • Sigebriht…CentのEaldorman Sigelfの息子。なかなかのハンサム。EdwarがKing of Centを名乗りだしたので、Saxon人だがEdwarを嫌っている。EcgwynnもEdwardに好意をもっているし…。ÆthelwoldとDane人達の間をとりもった。
  • Æthelhelm…この人の娘がEdwardと結婚した。
  • Ælfæd…Edwardの許嫁。嫁。

その他

  • Beornnoth…Saxon。
  • Beortsig…Beornnothの息子。
  • Offa…かつてはMercianで聖職者だった。しかし今はBritain中を移動する旅芸人の情報屋。

11/26/2016

The Burning Land (The Last Kingdom Series, Book 5) (YL6.0)

The Burning Land (The Last Kingdom Series, Book 5) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約106,950語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第5巻目。

主人公こそは架空の人物ですが、こんなに面白く波瀾万丈にドラマティックにAlfred大王時代を物語ってくれるシリーズものはありがたいです。

主人公は35歳くらい。古傷で少し足を痛めているけれど、まだまだ戦士として現役のパフォーマンスを維持しています。

Alfredはいよいよ年をとり、軍事権を握っているのはAlfredの長男Edwardと義理の息子のÆthelred。しかし決断力のないこの二人は、Alfredほどの決断力もなく、南のHarald、北のHaestenと挟まれて、片方を攻めれば、もう片方に襲われるんじゃないかと恐れてビクビクして無策のまま。結局、Alfredが決断をくだします…。

今回はこの南北にせまるVikingたちをWessex・Mercia連合軍がどう排除するかという話になります。しかしいまだにThorをはじめとする神々を信仰する主人公は、クリスチャンなAlfredの元ではなにかとすったもんだし、主人公はAlfredに対する誓いをついに破ってNorthunbrianを目指して、義兄弟ともいうべきRagnarたちの元へ身を寄せたりもします。しかしAlfredの娘であり、いまやMerciaの王妃であるÆthelflaedへ、前作でうっかりたててしまった誓いがここへきて生きてきます。Æthelflaedは軽やかにしなやかに強い女性像という感じで描かれていて、大物感が出てきて来ました。マジメ一徹なAlfredよりÆthelflaedの方がユーモアセンスもあって、主人公とはなにかとよい雰囲気ですよねー。

ちなみにHistricalNoteによると、史実的にはHaraldは架空ですが、Harald的な動きをした名の知れぬリーダーは存在するようです。また作者は不当なほどÆthelredを心の狭い男として描いていますが、そこは誤解しないでね、だそうです。…ホント、小説を読んでいるときは1ミリも共感できない男になっていますからね。

主人公の部下

  • Siktric…すっかり大人になって主人公の反対をおしきって娼婦のEalhswithとうまく結婚。子ども二人。
  • Finan…主人公と一緒に奴隷生活も送ったIrish人。今や主人公の右腕。小柄だが戦闘能力は確か。視力もすごくよい。
  • Ethne…Finanの妻。スコットランド人で赤毛。一男一女。
  • Osferth…Alfredの私生児。Alfredは僧侶にしようとするけれど、反発して主人公のもとで戦士としての日々を選択。

Vikingの面々

  • Jarl Harald Bloodhair…二百隻の船をつれて内地まできて略奪しまわっている一大勢力のリーダー。
  • Skade…Skirnir Thorsonの妻だったが、そこを逃げ出してHarald Bloodhairの女になった。絶世の美女。しかし残虐だし、ハングリー精神が凄まじい。
  • Skirnir Thorson…Skadaの正式な夫。自称Sea-Wolf。Jarlと言うけど、獰猛な海賊。天然の要塞とも言うべきFrisianの海岸を根城にしている。
  • Haesten…主人公の元従者だが、戦闘中に紛れて逃走し、いまや一大勢力の盟主。かなりのクセもの。

Saxon

  • Edward…Alfredの長男。ボンボンですが性格はよさそう。若いっていいなーって感じの素直さが漂ってますね。
  • Father Coenwulf…Edwardのtutor。友でもある。Edwardより10くらい年上。
  • Brother Godwin…盲目の修道士。神のお告げを聞き取ることができるとしてBishop Asserが目をかけている。
  • Offa…犬を遣った旅芸人をやっている情報屋。Alfredが長く利用している。
  • Steapa Snotor…かつてAlfredと主人公に手ずから助けられ、Alfredに忠実。

Mercia

  • Æthelflaed…Alfredの長女。従兄弟Æthelredのところへ嫁ぐ。
  • Æthelred the Bold…Merciaの盟主。主人公の従兄弟。M長年、Alfredに忠誠を誓っている。
  • Abbess Werburgh…Æthelflædが逃げ混んだ尼僧院の院長。
  • Weohstan…Lundeneの守衛隊の隊長。Fearnhammeで戦っているので主人公と無駄な争いはしない。30を超えたくらい。慎重なタイプなので守りには向いてるけど攻撃には向いてないかも。
  • Ealdorman Ælfwold…SaxonMerciaの北部の領主。もっともDane人の攻撃を受けている。年寄りで男やもめでこの騒動にうんざりしている。Haestenに屋敷を焼き払われ宿無し。数百人の戦士を扱うことには慣れてるけど1000人はやったことないと告白。

Scot

  • King of Alba…Scotsの王。
  • Constantin…主人公よりちょっと若いScot。Alba王の甥。
  • Cellach mac Constantin…Conswantinの息子。5歳くらい。

Northunbria

  • Sigurd Thorrson…Northunbriaのパワフルなjarl。Northunbriaの南部からMarcia北部までも支配。Ragnarの兵隊募集に惹かれてやってきた。
  • Cnut Ranulfson…Northunbriaのパワフルなjarl。Britainで一番すばらしいと評判の剣士。30歳だが白髪。冗談好き。

11/20/2016

スリップインケースとiRing

4年前に購入したカバーはさすがにボロボロになってきて縦置き機能は果たしてくれるもののボロボロと皮が剥がれてくる!新しいカバーを買うか or いっそOasisとか買っちゃう?と近頃モヤモヤしていました。

100均で購入したスマホスタンドなんかで十分KindlePaperWhiteはたつので、書見台タイプのカバーにこだわる必要はもうないんじゃない?と思い至り、通勤列車で読むときなんかはいっそ裸族の方が軽くて良いよね、という発想に。

というわけで、今回はスリップインカバーとiRingを買いました。さすがにKindlePWを裸族でバッグには放り込めませんのでスリップインカバーは必要です。チャックがあると出し入れに面倒くさいなーと思って、KindlePW対応を謳っているケースにしました。ピッタリサイズなので中身は飛び出さないし、なおかつ取り出しやすさも確保というほどよい加減です。バッグの中でも見つけやすいようにピンクをチョイス!

iRingは高いなーと思いましたが、剥がせるので使いまわしもなんとかできそう。剥がすのに仮に失敗してPWも2012年版なのでなにかあっても諦めつくなと思って購入することにしました。お陰で安定感は急激にUP!これだといかにも持ちやすそうなOasisにする必要はないなー、という心境になってしまいましたw

既存の本体以外の部分の重量については

141g(既存)→35g+27g=62g(今後)に。

これに100均のスマホスタンドを持ち歩く場合はプラス50gくらいでしょうかね。多少は軽い、という程度になります。

iRingにしろバンカーリングにしろさすがにKindleサイズを縦置きしようとすると無理がありすぎます。iRingはリングの外側が直線なのでバンカーリングよりも安定はすると思いますが、縦置きだとグラグラな上、高さもでない。横置きなら安定感はほどほどの安定感はあります。しかし書籍を横向きでは読みませんので、素直に別スタンドで立てた方が読みやすそうです。

▲中心である必要はないのだが、立たせてみようかな…?という色気を出すとこの辺がギリギリのバランスでした。

▲中心にせざるをえないので、これくらいの高さしかでない。横置きすれば安定感は増します。

▲iRingを貼っている程度なら全然OKで滑り込みます。

10/23/2016

Sword Song (The Last Kingdom Series, Book 4) (YL6.0)

Sword Song (The Last Kingdom Series, Book 4) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約124,000語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第4巻目。

主人公Uhtredは28歳くらいで、885年位の話となっています。Alfredの長女Æthelflaedは13,4歳になったので、Uhtredの従兄であり、Merciaの領主でもあるÆthelredと政略結婚して…、という時期です。

この小説ではÆthelredはわりとロクでもない感じで、描かれています。Alfredからの庇護がなければなにもできないわりに、幼な妻Æthelflaed相手に威張り散らすという、DVキャラ!しかも当時の宗教的観念も絡んで「妻は夫に従順に」的な「道徳」も絡んでくるから、Æthelflaedの苦労はお察し。Alfred自身は娘に対して愛情をもっているにしても、キリスト教に対して敬虔すぎるくらい敬虔なので彼女の救いにはならないという時代の超えられないハードル。個人的にÆthelflaedは夫を尻にしいて、Vikingたちと戦っているイメージだったので、結構意外な描写でした(小説ですけど)。

そんな中Thurgilson兄弟という新たなViking勢力も登場し、弟がどうみてもイケメンキャラだよね、と思っていたら、まさかという感じでÆthelflaedと話がつながってきます。ということで、今回はÆthelflaedを中心に物語は展開していき、特に史実というわけではなさそうですが、小説展開の楽しさはありますネ。

Vikingの面々

  • Haesten…かつて主人公に助けられて従者になったDane人だが、脱走し、今はLundeneあたりをウロウロしながら支配している様子。
  • Sigefrid Thurgilson…Haestenと同盟を結んでいるThurgilson brothersのうちの兄。強情なタイプ。
  • Erik…Thurgilson brothersのうちの弟。20をちょっとこえたくらい。
  • Ragnar the Younger…主人公より9才年上。彼の父親を育ての親とばかりに10代を過ごした主人公とは義兄弟のようなもの。

Wessexの面々

  • Æthelflaed…Alfredの長女。13、4になったので、主人公の従兄弟Æthelredのところへ嫁ぐ。
  • Æthelred the Bold…主人公の母方の兄弟の息子。従兄弟。Mercianで長年、Alfredに忠誠を誓っている。
  • Æthelwold…Alfredの甥。主人公と同世代。ハンサムだったが飲んだくれているのでだんだん崩れてきた。オマケにバカ。
  • Pyrlig…今はEastAngliaを治めているGuthrumのメッセンジャーとかやってるみたい。僧侶だけど、元戦士で相変わらず強い。
  • Steapa Snotor…Odda the Youngerのところの強い奴隷だったわけだが、2巻でAlfredと主人公に手ずから助けられ、Alfredに忠実。
  • Finan…Irishman。元戦士で前巻で主人公と一緒に奴隷をやってた。今や主人公の右腕の戦士。
  • Sihtric…主人公の従者。Kjartanの私生児。20前後。
  • Gisela…主人公の妻。Dane人。Guthredの妹。
  • Uhtred…主人公の長男(主人公と同名です!)。四歳。
  • Stiorra…主人公の長女。二歳。名前は、星という意味から。
  • Osferth…見習い修練士。Leofricの甥っ子。てことはAlfredの隠し子かー!
  • Beocca…主人公幼年時代の教育係の修道士。主人公こそがBebbanburgの支配者だと思い定めているが、Alfredの元に身を寄せている。
  • Thyra…主人公の義兄弟ともいうべきRagonerの妹。

9/19/2016

The Lords of the North (The Last Kingdom Series, Book 3)(YL6.0)

The Lords of the North (The Last Kingdom Series, Book 3) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約12,8700語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第3巻目。

相変わらずAlfredとのソリがあわず、自分の故郷である北へ向かう展開となっています。そこでは相変わらず、育ての父Ragnarの敵Kjartan、Sven親子が跋扈し、本来自分が継ぐ筈だったBebbanburgは叔父のÆlfricが支配しています。道中Svenの元にいた奴隷Guthredという若者を主人公は救います。Guthredは奴隷のくせに、CairLiguailというスコットランド人からも襲われ、IrelandからくるVikingたちからは川から侵入さらるという土地柄の王だと言い張る一見バカにみえる若者です。明確なリベンジの戦略もない主人公はGuthredに同行し、彼のサポート役としてとどまり、北での権力闘争へ巻き込まれていきます。

いろいろ気をもむ北での波瀾万丈な展開の第3巻は、結構作者の創作ベースな話のようです。ただし今回物語の軸となるGuthredは実在の人物で、Dane人でありながらクリスチャンであり、Dane人とクリスチャンの多いSaxon人やBriton人の心を惹きつけたこと、奴隷だったという話、聖Cuthbertの亡骸の守護者として有名な人物のようです。

Alfredとの縁もこれで切れるのかなぁと思っていましたが、まさかの展開で(そもそも主人公が架空の人物ですから…!)うーん、これはもうAlfredが死ぬまで引きずっていく縁なんだろうな、ということが見えてきた3巻でした。

Wessex側

  • Hild…CippanhammへAlfredが侵入したとき、直接助けた修道女。19才。それなりに豊かな家の子どもだけど、八番目の末っ子だったので修道女に。
  • Father Willibald…AlfredのEthandunの勝利のニュースをNorthunbrianへ運んできた。戦艦で主人公と親しくなった神父。Eoferwicで再会。
  • Steapa Snotor…Odda the Youngerのところの強い奴隷だったが、2巻でAlfredと主人公に手ずから助けられた。
  • Beocca…主人公幼年時代の教育係の修道士。主人公こそがBebbanburgの支配者だと思い定めているが、Alfredの元に身を寄せている。

Vikingたち

  • Ivarr Ivarsson …Northumbriaの支配者。Ivarr Lothbroksonの息子。
  • Kjartan the Cruel…Wiire 川の谷を支配している。
  • Sven the One-Eyed…Kjartanの息子。Kjartanよりたちが悪いと評判。
  • Tekil…Hergistが送り込んだ戦士たちのリーダー。
  • Sihtric…Kjartanの私生児。Tekilとともに刺客として送り込まれてきた。
  • Rangnar…主人公の義兄弟。3巻の始まりではAlfredとGuthrumの和平交渉でまたもや人質としてAlfredの元で人質生活を送るところからスタート。
  • Thyra…Ragnarの娘でSvenに拉致されその後は…?

北部の人々

  • Guthred…Svenのところに捕まっていた青年。Hardicnutの息子。Eochaidのところで奴隷をやってた。
  • Gisela…Guthredの妹。
  • Abbot Eadred…Lindisfarena出身だが追われてCair Ligualidで教会建設したりしてる。
  • Father Hrothweard…Eofericの神父。狂信的。
  • Hergist…Heagostealdesの領主。年寄だがEadredのEochaid打倒の呼びかけに応じて八人のよりすぐりの戦士を送る。
  • Sverri Ravnson…主人公が売り飛ばされた先の船主。
  • Finan…Irishman。元戦士でSverriのところへ売り飛ばされた奴隷。主人公と励ましあい、奴隷生活をしのぐ仲間。
  • Offa…狗を使った大道芸人で各地を周りながら情報収集している情報屋。
  • Ælfric of Bebbanburg…主人公の叔父。強力な要塞と、Dane人の邪魔をしないことで支配をキープ。

8/28/2016

The Pale Horseman (The Last Kingdom Series, Book 2) (YL6.0)

The Pale Horseman (The Last Kingdom Series, Book 2) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約143,840語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第2巻目。

相変わらず主人公のUhtredと敬虔なクリスチャンであるAlfred王との折り合いは悪いままです。

主人公は嫁のせいで借金まみれの自分の食い扶持をどうにかするためにCornwallへ侵入して、たまたま出会ったDane人のリーダーSvein of the Whiteと組んで略奪を働き、影の女王として扱われていたIseultと出会う。しかしそのクリスチャンたちに対する略奪行為のせいで、"帰国後"、窮地に陥ってしまう。

そんな最中、またもや和平の取り決めを破ったGuthrumたちのChippanhammの急襲によってAlfred王ともども、逃亡生活へ。避難先となった沼地に籠城しても先がないことを悟るAlfred王は、Uhtredを頼りに、Guthrumへ決戦を挑む…。

今回はケルト系でしっかりキリスト教化済みのCornwallの土地の描写も興味深く、アーサー王の伝説の話なんかもちらちらとでてきてその辺も興味深かったです。

とはいえ、やっぱり終盤のGuthrumとの「決戦」が見どころでしたね。あまりにも絶望的な状況の中、突破口はどこにあるのか、必死に一つ一つの状況を洗い出して…。こんなに神様のことばっかり考えている敬虔すぎるAlfred王とともに、果たして主人公のUhtredはGuthrum率いるDane人たちを追い出すことはできるのか?キリスト教とは、OdinやThorたちへの信仰とは…、というあたりの葛藤もこのシリーズ(というか、Viking絡みの歴史ものを読んでいると相対化されるので)では何度も直面しますね。

主人公の義兄弟のRagnerはGuthrumにとってみれば外様大名みたいな立場なので、しょっちゅうSaxon人側へ人質として提供されるので、ほんと、本人たち同士の気持ち(兄弟)と立場(敵対)の食い違いでハラハラしますね。

Wessex側

  • Alfed…Wessexの王。敬虔すぎるほどのクリスチャンのせいで、主人公とは相性はよくないけど、主人公をとことん利用するよね?
  • Æthelfaed…Alfredの長女。Dane人たちの猛攻撃のときまだ六歳。
  • Edward…Alfredの長男。Dane人たちの猛攻撃のとき三歳。
  • Æthelgifu…ÆlswithとAlfredの間の三番目の子供。沼地で生まれた。
  • ÆthelwoldAlfredの甥っ子。とてもイケメンだけど、バカ。
  • Wulfhere…Ealdorman of Wiltunscir。Alfredのいとこ。Æthelwoldと主人公の教育係。
  • Mildrith…主人公Uhtredの敬虔なSaxon人の妻。
  • Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。
  • Steapa Snotor…Odda the Youngerのとても頑強で強い奴隷。
  • Haesten Storrion…Frisianに捕まって殴られ屋みたいな仕事をさせられていたDane人の奴隷。主人公よりちょっと若いくらい。
  • Burgwear…Alfred艦隊の新しいリーダー。主人公の後釜。
  • Cenwulf…Efwyrdの弓矢隊の隊長。
  • Father Willibald…Alfredの艦隊の従軍司祭。結構臨機応変で意外とさばけている。主人公より数年年上。
  • Harald…Defnascirのreeve。Alfredの召喚を主人公に言いに来た。男やもめ。主人公より10歳くらい上。
  • Alewold…Crididnton の司教。
  • Leofric…Alfredの戦士。主人公との相性はいい!
  • Eanflæd…主人公より5歳位年上の女性。商売上手。
  • Æthelred…Contwaraburgの大司教。
  • Father Pyrlig…Iseultの母語、英語、デーン語も話せる。主人公がDefnascirへSveinを追い払いに行っている間にÆthelingægへやってきてIseultにキリスト教の宗教観を吹き込む。てか元戦士!バリバリ戦えます!
  • Hild…CippanhammへAlfredが侵入したとき、直接助けた修道女。Iseultと中良くなる。

Cornwall

  • King Peredur…Cornwallの王。
  • Callyn…Peredurのライバルの王様。
  • Iseult…Peredur王の妻。王妃。主人公より二、三歳年下。美人。陰の女王でBriton人たちの古いミステリ。
  • Asser…ブリティッシュの修道士。

Dane人

  • Guthrum the Unlucky…Alfred王と和解交渉をしては裏切るViking側のリーダー。リッチなWessexを欲しがっている。
  • Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。Ragnarを父親代わりに10代を過ごした主人公とは義兄弟のようなもの。
  • Svein of the White…Cornwallに現れたDane人たちのリーダー。Guthrumのライバル的存在でもある。

沼地で

  • Haswold…沼地の王。Dane人やSAXON人の争いには興味がないし関係ないから、ほっておいてくれと最初は強気。
  • Eofer…Haswoldのボディーガード。弓が得意。

7/24/2016

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1)(YL7.0)

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約153,760語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第1巻目。

時代は9世紀。Uhtredというイングランド、Northumbria生まれの少年から青年になるまでのお話しとなります。Earldormen(Kingより格落ちだが土地持ちで高貴な領主)生まれだけれども、Dane人たちの襲撃で10歳で孤児となり、Dane人たちのリーダーに気に入られ養子のように育ち、Vikingな生き方を教えられます。

England人なのに、こんなにDane人たちに馴染んじゃって大丈夫なのかしら…、と思いながら読んでいると、UhtredこそはNorthumbriaの正当な支配者だと思い込んでいる忠義な修道士たちの働きで、いつしかWessexの王、Alfred王との縁が生まれきます。ヤンチャキャラのUhtredとしては、聖書を読みふける生活よりも、よっぽど戦い方を覚えたりするDane人たちの生活の方が性にはあっているし、キリスト教の聖者の話よりも、よっぽどThorたちの物語の方が面白いししっくりくる。しかし運命はそう簡単には転ばないところが面白いですね!主人公がDane人たちととても馴染んでいるので、Dane人と、England人との世界観の対比なんかがうまくかけていてとても面白いです。

歴史イベントや登場人物はだいたい正しいことが多いようですが、あとがきを読むと、主人公や主人公の育ての親ともいうべきRagnerはそもそもフィクション、さらにイベントごとも物語の都合上、前倒しにしたりの加工はしているようですね。

Alfred大王の話は、Viking本を読んでいるとちらちらっと出てきていて、イングランドからみたViking史としては外せない人だと気にはなっていたのですが、本書でだいぶイメージが強固になってきました…!

※追記

10巻まで読了しましたが、このシリーズ面白い!当初はAlfred大王が辛気臭くて嫌いでしたが、だんだん彼の魅力もわかってきて王が亡くなるときは、寂しかったですよ。ブリテン島がまだ統一される前の時代のお話であり、主人公は軍事司令官としてブリテン島をあちこち移動しますので、シリーズ読了後はだいぶブリテン島の地理感もついてきますし、ウエールズやスコットとサクソン人との関係なんかも飲み込めてきて、UKニュースをみても、あぁ、と思うようになりました。2017年2月現在、10巻までありますので★絶賛オススメ★タグは1巻にだけつけておきます。

主人公の親族

★つきは実在人物確定。

  • Uhtred…主人公。次男でOsbertと呼ばれていたが、長男が殺された後、Uhtredへ改名した。
  • Gytha…主人公の継母。
  • Ælfric…主人公の叔父。主人公が跡取りなので、殺したがっている。
  • Ælfricthe Younger…ÆlfricとGythaの息子だがひ弱。
  • Æthelwulf…主人公の実の母の兄弟。Merciaにいる。
  • Æthelred…主人公のもう一人のおじ。Alfredと結婚したÆlswithの親戚でもある。Æthelwulfの兄弟でWest Saxonの境界線に近いCirrenceastreのEaldorman。40代くらいで暗い雰囲気。
  • Æthelred…Æthelredの長男の名前も父親と一緒!主人公より1歳若いけど、父親同様主人公が憎い。

Northumbria出身の人々

  • Beocca…主人公の四年時代の教育係。神父。主人公がDane人にいる間も主人公を心配し、Alfredに救い出してくれるよう働きかけ。
  • Ealdwulf…鍛冶屋。古い神々を信仰している。主人公のはじめての部下!

England側

  • King Æthelred★…Wessexの王。Alfredの兄。
  • Alfred★…主人公の王。主人公11歳のとき19歳。King Æthelredの弟。兄の死後、Wessexの王となる。とても敬虔で書物好き。病気がち。
  • Ælswith…Alfredの妻。
  • Æthelflaed…AlfredとÆswithの娘。
  • Æthelwold…King Æthelredの長男。Alfredの甥っ子。やんちゃ。
  • Leofric…主人公をトレーニングしてくれるAlfredの戦士。主人公との相性はいい!
  • Mildrith…地方行政官の娘。BeoccaやAlfredがに主人公の嫁候補として猛烈プッシュしてくる娘。敬虔なクリスチャンでDefnascirの土地持ちではあるのだが…。
  • Osferth…Alfredの非嫡出子。Leofricの姉の子なので、Leofricにとってはなんと甥っ子!
  • King Edmund★…East Angliaの王。とても信心深い。
  • Ealdorman Odda…結婚予定の嫁の庇護者?結納金せびってきた!結構ケチくさい。
  • Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。

Dane陣営にいるけどEngland人

  • Brida…主人公の同い年の少女。East Anglia攻めの最中にDane人たちにつかまり、反抗的なのでRagnarが気に入り、主人公に与えた。
  • Weland Godfredson…領主をなくしたので、Ragnarの噂を聞きつけて、雇ってもらいに来た戦士。

Dane人たち

  • Ragnar…兄を殺したDane人のリーダー。金髪のロン毛。主人公を息子のようにかわいがる。
  • Sigrid…Ragnarの妻。二人の男子に一人の女子が生き残り。
  • Ravn…Ragnarの父親。目が見えないけど、マルチリンガル。英語も話すよ。
  • Rorik…Ragnarの次男。主人公より1才若い。
  • Tuyra…Ragnarの娘。主人公が10才位のとき8歳くらい。美少女。
  • Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。
  • Sven…主人公とRorikをいじめようとする男子。Kjartanの息子。
  • Kjatan…Ragnarの右腕な船長。
  • Ivar the Boneless★…Daneのリーダーのひとり。とても痩せている。
  • Ubba Lothbrokson★…Daneのリーダーのひとり。迷信深いので、神々のいうこと(占い)しか聞く耳持ってませーん。
  • Halfdan★…IvarとUbbaの末弟。ちょっとアタマ足りない子かも…。
  • Storri…Ubbaのアドバイザー。宮廷詩人であり、魔術師。
  • Guthrum the Unlucky★…とても背が高い。14の船をもってきた。黒尽くめの軍を率いる。…マザコンなの?と思うシーンがときどき。

7/18/2016

King's Man: No. 3(Viking Trilogy) (YL7)

King's Man: No. 3 (Viking) (語数約119,900語)

第3巻は主にビザンツ帝国での話になります。文化的ってこういうことか、という感じでこれでもかという権謀術数にわくわくしてしまいました。

ビザンツ帝国までたどりついた主人公はそこで護衛として雇われています。Varangiansはコトバもロクにわからず、あらゆる政争の外側にいるから皇帝が直接雇っていて、信頼が厚い、という構図になっていたようですね。そこへVarangian Guard としての職を求めて自分の軍団を引き連れてきたHarald Sigurdssonたちと出会います。

Haraldたちはビザンツ帝国のシーレーンを確保するためにアラブの海賊掃討や、シシリー奪還戦へ赴いたりするわけですが、その際には、ノルマンディーのヴァイキングたちも登場します。自分たちと風貌は似ているけれど、馬術は巧みだし、コトバはなんとかかんとかラテン語で通じるという関係性。このシリーズ、あらゆるヴァイキングのバリエーションを全部ぶっこんでくるので、ヴァイキングオタクにはたまりません。Varangiansはリッチになったら故郷へ戻りたいと思っていますが、Normandyは征服下土地で暮らしたいと思っているあたりが、顕著な違いです。

ついにノルウェイの王座を手に入れたHaraldは、次の目標としてイングランドへの侵攻の野望をもっていました。Haraldは、ThorgilsへノルマンディのWilliam公との間で秘密同盟の話をまとめてこいと命じます。Thorgilsは最後のご奉公とばかりに僧侶のフリをしてWlliam公へ近づき、同盟の話をまとめます。交渉は成立したものの、Thorgilsはいつものあの予知夢とともに、Wlliam公に同盟についていっぱい食わされたことに気付き、急ぎ、イングランドへ向けて出発したHaraldを追いかけます。果たしてOdinの敬虔な信者たちの運命は…。

ビザンツ帝国の面々

  • Basileus RomanusⅢ…ビザンツの皇帝。
  • Zoë…皇后。前皇帝Constantineのお気入りで、彼の主張でRomanousと結婚。
  • John the Orphanotrophus…孤児院の院長。皇帝の次に権力を掌握しているやり手。
  • Halfdan…デンマーク出身のベテランの指揮官。引退するべき年頃だが、仕事好きで、故郷とのつながりも切っているので帰る場所もなくコンスタンチノープルにいる。
  • Alexis of the Studius…宗教的権威の最高峰。
  • Michael IV…Zoëのお気に入り。1010年生まれ。John the Orphanotrophusの弟。
  • Pelagia…the Meseでパンやをやっているエネルギッシュな女傑。主人公と親しい。妹はZoëのお針子として働いている。
  • Halldor Snorrason…Snorri Godiの五番目の息子。東ローマ帝国に就職しにきた。
  • Theodore…Lemnos 島出身のギリシア人。
  • Simeon…銀売りのひとだけど、金や宝石も扱い、金貸しなんかも実際にはやっている。
  • Trdat…建築家の若者。祖父はアルメニア出身の有名な建築だった。
  • Stephen…Johnの義理の兄弟で海軍を掌握。
  • George Maniakes…陸軍の将軍。
  • Nikephorus…包囲攻撃のプロ。Trdatの従兄。
  • Fer de Bras…Iron Arm。Syrabuse包囲作戦時の一騎打ちでサラセンに勝利。
  • Constantine Psellus…前皇帝Romanusの葬式のときに主人公に根掘り葉掘り聞いてきた若者。
  • Michael the Caesar…Johnの甥。MichaelⅣの次の皇帝へ。
  • Constantine…Johnの兄弟。
  • Alexis the Patriarch…Zoëのサポーター。

Harald陣営

  • Harald Sigurdsson…ノルウェーの王。Knutに追いやられてキエフ大公国の庇護の元、Varangian Guard として就職しに軍隊連れてきたな。
  • Magnus the Good…Haraldの甥。Norwayでの王位を主張。魅力的でエネルギッシュで人民からも人気がある。
  • Ulf Ospaksson…Haraldの宮廷で最も経験豊富な元帥。
  • Skule Konfrostre…Haraldの息子Olafの親友の一人。性急。
  • Skyrkar…Ulf将軍の亡き後の、Haraldたちの将軍。

Gotlandで出会った人々

  • Thorald…Serklandで亡くなったと思われる人。
  • Runa…Thoraldの妻。荒地に姉妹の家族と残される。主人公より15歳年下。二人目の嫁。
  • Folkmar…荒野の農夫。Old Beliver。Runaの義兄。
  • Freyvid…主人公とRunaの子ども。双子。
  • Freygerd…主人公とRunaの子ども。双子。
  • Tostig…Northeumbria の支配を主張するもGodwinssonに取られちゃったのでHaraldにくっついている。

イングランドの面々

  • Magbjothr…スコットランドを14年間支配していた王。彼自身の民にはMac Bethad mac Findlaechと呼ばれている。
  • Grouch…スコットランドの女王。直接的な王位継承者の彼女と結婚してMagblotherは玉座を主張。彼自身も王家の血は持つものの身分は低い。彼女の前夫はMormaer of MorayでMagbjothrたちに殺された。
  • The Earl of Northunmbria Siward…スコットランドの前王たちの息子をけしかけて、Bethadに対して王位を主張させる。
  • SveinEstrithson…Knutの甥。
  • Harold Godwinsson…Edwardの継承者としてEnglandを支配。

ノルマンディー

  • William the Bastard…Duke of Normandy Edwardは自分にEnglandを残したと思っていたので、Harold Godwinssonが横取りしたので面白くない。

5/21/2016

Viking Sworn Brother (Viking Trilogy) (YL7)

Sworn Brother (Viking)
Sworn Brother (Viking)
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Pan (2011-08-19)

Sworn Brother (Viking) (語数約124,000語)

第2巻は主に彼の20代のお話しになっています。

舞台は1019年ロンドンから。1巻の終わりで、漂流していた彼はNorse人たちに助けられ、ロンドンへ渡ったわけですが、なんと、北海帝国のKnutの「妻」Aelfgifuの情夫になっていて、ぶっとびました…。美しいAelfgifuに彼はベタ惚れですが、そこは権力争いの主戦場。身ひとつの彼にはコントロールしきれるような場所ではなありません。

最終的に彼はロンドンを飛び出すこととなり、Norwayの首都へと向かう最中、Grettis Sagaで語り継がれることになるGrettirと出会います。主人公はその後、さまざまな場所…、NorwayからIceland、Jomsvikingに参加したり、Sabmeの人々としばらく暮らしたり、ビザンツ帝国を目指す最中には西のViking、Varangiansたちと一緒になったり。ヴォルガ流域ではアッバース朝の人物と出会ったり、と相変わらずの放浪生活を繰り広げることとなります。11世紀初頭の様々なエリアがでてきて本当に楽しいです。以前読んだ A Viking Romance Collection の中の中編にも、Knutの絡みやJomsvikingの話がでてきて、そのときさんざんWikipedia等で年表を睨みながら、似たような時期のことをさんざん調べていたので、今回は入りやすかったですね。裏切者と名高い海賊あがりのThorkelなんかも、あーハイハイ、あのひとね、というようなものです(笑)。Vikingを活用していたキエフ大公国のウラジミール1世の崩御後のVarangiansたちの一種の狼狽ぶり、職探しぶりなどの背景も飲み込んでいるので、Varangiansが職を求めてビザンツ帝国を目指すという流れもナットクです。東から西までのViking全般を全部物語に入れてくるとは、本当に内容が充実しているなぁと思います。

しかしそうした様々な歴史絵巻を取り込みつつ、物語の縦軸は、タイトルにあるように、Grettis SagaのGrettirです。不運を背負ったような人物ですが、弟たちには愛され、主人公とは義兄弟の仲となり、Sageとして語り継がれることになる人物ではあるのです。終盤の締めはそうきたか、という形で、きれいに収束しています。

というわけで、以下は恒例になりつつある登場人物のネタバレ含むメモ書きです。今回も盛りだくさん。

England…Aelfgifuに浮かれている。Edgarの元で狩りを覚えたり、Birthmaerの元では造幣現場をのぞいてみたり。

  • Aelfgifu…Kuntの最初の妻。サクソン貴族の娘。WikipediaだとAelgif of Northamptonの表記で。990年生まれなので、1018年時点で28歳。
  • Emma…Knutの2番目の妻。Knutよりも14歳年上。
  • Herfid…Icelandic Skald。職を探しにKnutの元にきたけれども、あまり巧い詩でもないんだよね…。
  • Thorkel…元海賊あがりのEnglandでの副摂政。裏切りばかりやっているので、悪名高い人物です。
  • Edgar…Aelfgifuの実家にいる王家の狩猟係。主人公のメンター的存在。
  • Kjartan…片手のHuscarl。主人公と親しくなる。
  • Birthmaer…造幣稼業をKnut時代以前から営んでいる。貨幣の勉強になりました…!
  • Thurulf…同い年(18か19)位の青年。赤髭だけど禿げてる!Birthmaerの甥。

Tonsberg distinct of Norway…Grettirとの出会い。

  • Grettir Asmundarson…Grettir the Strongノルウェー行きの船の中で再会。アイスランドの森にいた荒くれ者のひとり。暗闇になにより怯えている。
  • Thorstein the Galleon…Grettirのハーフbrother。父親違いだが、兄と違って落ち着いていてGrettirをとても慕っている。
  • Thorir of Grad…GrettirにNorwayで家族を殺され恨んでいる。

Iceland…ロクでもない新婚時代。

  • Gunnhilder…主人公より四歳年上の初嫁。Snorri Godiに勧められて彼女と結婚することにした。生まれてからずっと放浪生活だったので落ち着きたかったんでしょうね。
  • Audun…ケチ!Gunnhilderの父親。
  • Thrand…1巻でも主人公のメンターの一人として登場していましたが、再び登場。面倒見がいいですね!

Jomsviking時代…戦い方を少しは学ぶ。

  • Arne…Jomsvikingをほそぼそと再建しようとしている男。Thrandの昔の仲間。
  • Earl Ulf…デーン人の伯爵。Knutの姉妹を嫁にもらっている親戚。

Drang Island…Grettir兄弟との孤島での暮らし。

  • Thorbiorn Ongul…Drang Island近くのSkagafiordあたりの地主。独眼。
  • Illugi…Grettirより10位若い弟。一緒にDrang Islandに棲む。兄想いですね!
  • Thorodd…Snorri Godiの息子。
  • Bolli Bollason…Snorri Godiの義理の息子。インテリな農民。早く息子に家督を譲って世界中を旅したいという情熱をもっている。

Sabme…沈黙の取引にひかれてSambeの住む森へ。

  • Rassa…Norse語を話せるSabme。noiade。信じる神は違えども、主人公のメンター。
  • Allba…Rassaの次女。身軽なので、狩りに参加する。

Varangians…Volgaルートで東ローマ帝国へ。

  • Vevmundr…サーメ人と取引している商人。
  • Ivarr…Angantyrで悪名高いVarangian。

Sarklander

  • Salim Ibn Hauk…al-Qadirに仕える。凄いメモ魔で、Volga Vikingsのことなんかも書き残している有名なAhmad ibn Fadlanあたりがモデルなんじゃないかと思いました。Ahmad ibn Fadlanは10世紀の人物なので、時代はズレますけどね。

4/30/2016

Viking Odinn's Child (Viking Trilogy) (Viking)(YL7.0)

Odinn's Child: Odinn's Child No. 1 (Viking) (語数約124,000語)

物語の語り手はサーガで有名なLeif the Lucky and Thorgunnaの息子Thorgils Leiffsonです。

第1巻では、彼が生まれる少し前の母の話からはじまり(主人公は999年生まれ)、10代の終わりごろまでを描いています。どうやら著者はいろんなサーガを詰め込んだようで、主人公のThorgils自体はLeifの息子としてサーガに登場する人物のようですが、ちょっと気付いた分だけでもSaga of Erik the Red、Greenland sagaあたりはVinland絡みの家系なのでNjáls saga、Orkneyinga sagaあたりも出てきます。

早くに母を亡くし、少年時代にVinlandへ行ったこかと思えば、Greenlandへ戻ってからは父Leifからも疎まれ、半ば母の足跡を訪ねて、IcelandやIrelandへ。そこではアイルランド闘争に巻き込まれ、Clontarfの戦いに参戦…。

後ろ盾もない彼は、どこへ行っても「異端者」で根無し草のキャラクターです。ただし場所、場所で、侵略してくる「White Christ」に抗い、古いしきたりに従う様々なメンターが彼の前に現れ、彼はOdinnの存在を感じます。彼には様々な危険を潜り抜けることになりますが、ギリギリのところで助かり、ますますOdinnの存在を信じるのです。

というわけで、主人公の移動距離・根無し草っぷりが素晴らしいので、VinlandでのSkraelingsとの遭遇や、IcelandでのAlthing見物、Irelandでの様々な領主、王たちの争い、ケルト文化の権化ともいうべき人物との出会いまでいろいろな要素が詰め込まれていて大満足の一冊でした。前半は結構開拓暮らしなので、あ、鉄腕Dashでやってたわーとか思いながら、読んでいました。

ちなみに作者のTim Severinはアイルランド在住のイギリス人ですが、有名な冒険家でもあります。航海伝説を実証するために革張りのボートで実際にニューファランド諸島まで実験航海をしている方です。これほどVinlandまでの航海を語るうえで適切な人もいませんよね。フィクションとはいえ、本書に登場しくる様々な道具や生活ぶりの手触りが、一定程度の説得力があるのも、彼のこうした実験実証魂から相当きているような気がします。

こちらの本も登場人物が相当でてきますので、代表的なところをリストにしてみました。ネタバレありのリストなのでご承知おきください(史実やサーガの人物ばかりなので…)。

主人公の幼年期

  • Thorgils…主人公。999年生まれ。スコットランドの北部Birsay生まれ。クリスチャンネームはThangbrand。
  • Thorgunna…主人公の母。Dublinの貿易船でScotlandの一画mBirsayへやってきた。そこでたまたま寄港したLeif Erikosnと出会う。Völva(シャーマン的な女性)の能力があったようで、主人公もその才能を引き継ぐ。
  • Leif Eriksson…「赤毛のエリク」の2番目の息子。主人公の父。幸運に恵まれているので、「Leif the Lucky and Thorgunna」というニックネームも。
  • Thorvald Erikson…「赤毛のエリク」の。次男。LeifのVinlandの探検の結果に興味を持ち、Vinlandを探索、先住民のSkraelingsに襲われる。
  • Thorstein Eriksson…Leifの末弟。家族思いで、Vinlandで亡くなった兄の亡骸を取り戻しにVinlandへ目指すが…。
  • Freydis…主人公のおば。Erikの庶子。かなりのトラブルメーカー。彼女もまたVinlandへ旅立つ。
  • Thjodhild…Erickの妻。グリーンランドでは子どもたちにアルファベットとかを教える先生役。早くからクリスチャンになったので、夫のErickとはその点で対立。
  • Gudrid Thorbjornsdottir…主人公の幼少時の育ての親。若くて美人な未亡人。Völvaの才能があるようだが、熱心なクリスチャン。主人公が7歳くらいのとき、父親の末弟Thorsteinと再婚。Thorsteinが無謀な旅で亡くなった後には、Thorfinnと再婚。彼と一緒にVinlandへ。
  • Thorir…Gudridの夫。東部出身の商人。グリーンランドとアイスランドの定期貿易のパイオニア。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。
  • Thorfinn Karlsefni…Gudridの三番目の夫。アイスランドの商人。Vinlandを目指す。
  • Tyrkir the Smith…ドイツ周辺出身のLeifにとっては育ての親的な奴隷。メンター。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。

Icelander…主人公がGreenlandから追放された直後に出会った人々

  • Snorri Godi…Icelandでわりと権力者。グレイの瞳で表情を読ませない。じっくり考えて行動するタイプ。
  • Thrand Stigandi…怖そうな見た目だが、Snorriの友だち。Ordinを信仰し、予見能力をもち、主人公14歳くらいのメンター。古い神々について彼の元で主人公は体系的に学ぶ。
  • Flosi Thordarson…Burners側のリーダー。
  • Eyjolf Bolverlsson…法律に詳しいのでFlosiに買収された。
  • Thorhall Asgrimmsson…Njalが育ての親。右の足首が感染している。法律に詳しい。
  • Kari Solmundarson…Njalの義理の息子。戦士。主人公に目をかけ、IcelandからIrelandへの橋渡し役。

Orkney

  • Sigurd the Stout…Orkneyの伯爵。
  • Eithne…主人公の母Thorgunnaをかつてむかえ入れた伯爵家の妻。Ireland出身のVölva。Sigurdの母。

Irelander…1014年Clontarfの戦い前後。主人公が15歳くらい。

  • King Sigtryggr…Dublinの王でSigurdのところへ相談にきた。Norseman。商業で大儲け。
  • High King Brian Boruma…戦いにつぐ戦いで暴れまわっているタイプのアイルランド上王。外国人を追い出そうとやっきだが、彼の兵士自身が外国人で構成。キリスト教を広めようとしている。
  • King of Leinster…DublinをHigh Kingと共に狙っている。
  • Kormlod…IrishはGormlaithと呼ぶ。Dublinの王Sigtryggrの母であり、Borumaの元妻(ケンカ別れなので恨んでいる)。King of Leinsterの姉妹。
  • Brodir…巨漢で髪の長いViking。Dublinの王Sigtryggrが同盟を求めた。Thrandの友だちであり、少し予知の能力をもっている。
  • Donnachad…貧しい村のリーダーであり、Battle of Clontarfで主人公は彼に捕まり、奴隷になった。

St Ciaran…主人公はDonnachadの未納の税金のかわりに教会へ引き渡され、三年くらいを見習い修道士として過ごす。

  • Abb Aidan…修道院の院長。修道院の強化には並ならぬ意欲をもつ。
  • Saev Credine…軟弱にみえるけど、修道院きっての石工。
  • Brother Senesach…若者の教育係。気立てがよいので人望ある。
  • Brother Ailbe…司書。本のことになるとうるさい。
  • Brother Domnall…技量のある診療所の治療師だったが疫病対策で旅立つ。
  • Brother Cainnech…Domnallのアシスタントで、診療所を引き継ぐ。患者をいじめるのが好き。
  • Bladnach…足は不自由だが、凄腕の針使い。本を保護するかばん自体が聖人によるもので貴重だから、ボロボロの鞄の修繕をたのまれる。
  • Orlaith…Bladnachの娘。

逃亡生活中のIrelandで出会った人々

  • Eochaid…birthemということですが、いわゆるケルトのドルイド。あらゆることに精通した賢人で、主人公のメンター。彼の存在は感動的ですね!
  • Ardal…Thorvall the Hunterにクリソツ。King's Champion。戦士。The Ua Cannannainに仕えている。

4/10/2016

Sirens of the Northern Seas: A Viking Romance Collection (English Edition)(YL7)

Sirens of the Northern Seas
Sirens of the Northern Seas
posted with amazlet at 17.10.15
Kathryn Le Veque Anna Markland Violetta Rand Emma Prince Elizabeth Rose

Sirens of the Northern Seas (語数約130,820語)

5人の女流作家によるコレンクション。

それぞれ野の花をモチーフにしたVikingもののヒストリカルロマンスです。

KINGDOM BY THE SEA by Kathryn Le Veque

エドガー・アラン・ポーの「AnnabelLee」という詩をベースに現代と過去が交錯するお話しですね!VikingがBritain側の姫様に恋をする、というちょっとおとぎ話めいた展開です。

BANISHED by Anna Markland

年表片手にしながら、個人的にはこれが一番面白かったです。Bluebellsをモチーフに、Jomsviking(漫画「ヴィンサント・サーガ」とかにも出てくるあの幻の!伝説的な!)出身の幼馴染たちのロマンスです。年表的にはちょうど北海帝国を築き上げようかという1017年のCanuteの動きを把握していればバッチリですね。フィクションかな?と思った人物も英語のウィキペディアだとぞろぞろ実在だったりもして、若干ウソもありつつ(あとがきでどの部分が完全なフィクションか作者が種明かししてくれますが)、かなり史実もハマっています。英国史はちょっと…(面倒くさい)、と思っていましたが、Vikingモノから入っていくのもいいかもしれませんね。彼らの動きを追っていると、西はロシア、東はそれこそ北アメリカまで活動していますから、中世の歴史の勉強になります。

ちなみに、本作でもヒロインたちの過去としては、Jomsborgから追放された後、KievanRus(キエフ大公国)のウラジミール1世にしばらく仕えていたようなので、思わずKievanRusのことも軽く調べてしまいました。

デーン人サイド

★つきはWikipediaに単独頁がありました!

  • Audra Fingalsdatter…ヒロイン。VilingWoman。Kaptajin of the Dødspatrulje 女性暗殺部隊の隊長。
  • Sigmar Alvarsen…ヒロインの幼馴染?2歳年上。huscarlsとしてCanuteに仕える。
  • Fingal Adreassen…Audraの父。
  • Alvar Haraldsen…Sigmarの父。Fignalの息子をかつて殺した。
  • King Canute★…デンマーク人で、イングランド・デンンバーク・ノルウェー王。
  • Queen Elfgifu★…Canuteの最初の妻。サクソン貴族の娘。WikipediaだとAelgif of Northamptonの表記で。
  • Gertruda…ヒロインの右腕のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Vasha…ヒロインところの古参のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Dagmar…Sigmarの信頼できる戦士。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Nathan…Sigmarの男奴隷。
  • Torkild den Høje★…Jomsvikingの親玉。Canuteの幼少時のメンターでもあるらしい。以前はEthelred無思慮王と組んでいた。
  • Eadric Streona★…Torkild以上に同盟を切り替えまくっている海賊。Ethelredの娘と結婚。ちなみにCanuteの最初の妻、Elfgifuの父親Ælfhelm of Yorkはこの人に殺されています。さらに1016年のBattle of Assandunで、この人は今度はEdmud Ironsideを裏切って、Canute側についてました。裏切者の代名詞ですね。

イングランドサイド

  • Ethelred the Unready★…最終的にCanuteに追っ払われるイングランド王。1016年に病没。
  • Edmund Ironside★…Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうち3番目。上二人が死んだので、イングランドの王座に。Battle of Assandunで決定的な敗北を喫し、Canuteと和平交渉。どちらかが死んだ時は、死んだ方の領土を生きている方に譲るという話も決めて、1016年のEadwigの死をもって領地はCanuteに譲られ、Canuteはイングランドの王に。
  • Eadwig Ætheling★… Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうちの5番目。1017年にオックスフォードでCanuteに和解を求めています。

VIKING HEARTS by Violetta Rand

Hesse(今のドイツ北部)に家族と住んでいたヒロイン一家はある日、キリスト教圏の手におちて、ヒロインのみ、居合わせたノルウェーの貿易商に拾われてTrondelagまで連れていかれる話。物語が723年からはじまえるのに、なぜかHakkon Sigurdsson(900年代に活躍)の巻物とかでてきてとても混乱しました…。話自体は結構面白いのに、冒頭の723年に縛られてテンションだださがり。Hakkon Sigurdssonが出てくるならスタートという記述自体は不要ですよね。

In THE BRIDE PRIZE by Emma Prince

春を一番先に告げるcoltsfoot(フキタンポポ)がモチーフのお話。本人は女戦士として、西の新しい土地へ向かうJarlの船に乗り込みたいのに、ケチケチした親はさっさと嫁にいけといい、そうだ、祭りの賞品として娘を嫁にだしてしまえ、とたくらむ話。そこへその冬の厳しさに家族をすべて亡くした若者があらわれて…。

A VIKING'S PROMISE by Elizabeth Rose

Forget-Me-Nots(勿忘草)がモチーフのお話。793年のイギリス北部の修道院LindisfarneのVikingによる襲撃は、Viking史的には有名ですが、どうやらそこの部族の話ですね。おさなじみのJarlの息子と結婚の約束をかわすものの、Vikingとして乗り込んだ襲撃先のLindisfarneに置き去りにされてヒロインは恨みつらみ…。結構、クリスチャンの慈悲が軸の話のような気がしました。翻ってVikingはとにかく生活の為に襲撃する、というスタンスで、日本でいうところの倭寇のイメージをもてました。

4/02/2016

The Viking's Son (The Viking Series Book 3)(YL5.0)

The Viking's Son (The Viking Series Book 3) (English Edition) (語数約65,720語)

族長Bissetの娘のDonaldina。彼女の母親は、彼女が4歳のときに亡くなったのだと父はいう。彼女はなにかがおかしいと疑がっているが、それがなんなのか知ることはできなかった。Donaldiaの母親の死後、父親は後妻を次々娶るも、一番愛したのはDonaldiaの母で、Donaldiaを一番にかわいがってくれていた。しかしほかの家族からはかえって嫉妬され、Donaldiaは孤独だった。そんな彼女も今や成長し、Donaldiaを疎ましく思っている後妻にもそそのかされて、父親はついに彼女を結婚させようと決心した。Dpnaldiaは結婚したくはなかったし、なんとかそのたくらみから逃れようとしていた。そこへMacGreagor族の長Wallaceが彼女の氏族からスパイスを仕入れに遠路はるばるやってきていて、彼女は今回も完全に結婚などする気はなかったのだ…。

Ψ

というわけで、Vikingシリーズの3巻目・最終巻は、Stefanの長男Wallanceと、Bisset族のDpnaldiaとのロードムービー的展開でした。

2巻で7人のViking兄弟がきてから五年後のお話しですね。

残念なことにその間に、Stefanとその子どもたちは病死していて今回は登場しません!10人いた子どもたちのうち、生き残ったのは二人の姉妹と二人の兄弟という切ない状況でした。2巻からたった5年でこのありさま。昔の人、ほんとサイクル早いですよね…。

一方、ノルウェーからやってきた7人兄弟はみんな元気で、今回はKarr以外の6人がWallanceの従者としてBisset族のところまで一緒にやってきていました。ちなみに7人はかつてはOdinを信仰してたけど、今はみんなCatholicみたいですね。2巻ではWallance君は、とってもまじめで手厳しいイメージでしたが(下の子たちはみんな優しい長女のCatrinaが大好きで、わりと空気を読まないWallanceについて「なんでWallanceって長男なの?」とか文句を言われてたのが懐かしい)、うん、今回も、結婚したくなくてぷりぷりしているDonaldiaの扱い方がもう…(笑)。MacGreagorの誓いもあるし、じゃじゃ馬ならしは大変そう。Wallanceの四苦八苦を、既婚者もちらほらいるViking兄弟が笑っているのが楽しい。

さらにそこへDonaldiaどころではないわがまま娘が同行することになり、読んでいる方は、へーかつての旅はこんなふうなことに注意しながら旅してたかもね、とか思いつつ、とても楽しく読めました。

とはいえ、Donaldiaの父は、身から出た錆的なところはあるとはいえ、最後は許されないままでかわいそうでしたね…。生物学的になんでそんな疑いもったの?(めっちゃレアケースですよね)とも思うし、残虐は残虐ですが、どっぷり惚れてたわけですからね。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

主な登場人物

  • Donaldina Bisset…Donaldと二番目の妻Lanieとの間の子。金髪。
  • Donald Bisset…スコットランド南部の領主。
  • Lanie…Donaldiaの母親。クリスチャンネームはElaine。イングランド人。
  • Tearlag…Bissetの五番目の妻。Donaldiaに嫉妬して嫌う。
  • Nathair…Tearlagの兄弟。
  • Mairi Bisset…美女になるだろうと言われていた少女。
  • Wallance MacGreagor…Stefanの長男。MacGreagorの長になっていた。
  • Odhan…族から追放されてどこにも所属していない。
  • Bawheed…Odhanの息子で10代前半の少年。
  • Conall MacTavish…のんきなハッピー男。めちゃくちゃ記憶力がいいし頭もよさげ。MacTavish族長の代理で、各地へメッセージを伝えたりしている。
  • Ceit Mackay…Odhanに捕まっていた少女。14歳。と思いきや、実はMacTavishでColnalの妹だった!かなりのわがままで、旅の道中の兄弟全員をげんなりさせるw
  • Laird MacGavish…MacGavishの長。
  • Luke…Donaldiaの古い友達。
  • Juliana…Donaldiaの双子のきょうだい。
  • Magnus…双子男子の父親になってた!
  • Nikolas…未婚。星好き。

3/26/2016

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (YL5.0)

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (English Edition) (語数88,660語)

14歳のCatrina MacGreagorは彼女の母親が亡くなった後、9人の兄弟たちの世話に明け暮れていた。

彼女は兄弟たちを深く愛していたけれど、日々の仕事は退屈でありながらハードで、彼女は夫をもつことなんて考えられなかった。特に好きな若者もいなかったし、自分がだれかに嫁いだら、父親一人でとても兄弟たちの世話をみきれるものではない、という思いもあった。しかしある日突然状況は一変した。七人のVikingたちが、船にのって現れたのだ。そのうち四人は、結婚適齢期だった。

Ψ

というわけで、1巻末で宣言した通りStefanは、自分の氏族MacGreagorをたちあげ、Kannakとの間に11人もの子どもをもうけ(そのうち一番下は亡くなった)、Kannak亡き後、年長の子どもたちの手を借りながら、家族を養い、氏族たちを養っていた(血縁じゃなくても、同じ「氏」になるようですね)。かつてStefanを奴隷にしたBrodies一族の襲撃に備えながら、Macoran一族、Limond一族に挟まれてた環境の中、立ち上げたばかりのMacGreagorは他の一族に比べれば、余裕もなければ、人数も少ない。Catrinaと親友のKennaがそろそろ結婚する時期だけれど、村の結婚適齢期の若者は3人くらいしかいない。MacGreagorとしては氏族の人数を増やしたいから、他所の氏族へ嫁がれるよりも同じ氏族から夫を探したいような部分もある。

そんな中、Vikingたちの登場ですよ。このVikingたち、なんとStefanの父の右腕だったAnunaiの孫息子たちなんですね。上は23歳から下は14歳までの男オンリーの兄弟たち。自分たちにはどうも略奪するVikingは合わないから、平和に暮らせる土地へ逃げよう、ということで、なんとVikingのロングシップを盗んで、スコットランドまで逃げてくるという冒険をこなすんですね。で一気に、にぎやかになり、憎っくきBrodies一族との関係なんかもドラスチックにかわっていき、なかなか楽しめました。

もう1巻でそれぞれのキャラクターに愛着もってますから、この子があの人の子どもで、えー!もうこの人亡くなっちゃったの!的な衝撃もありながら、つるつるっと読めました。まあ毎年子ども生んでたら、Kannakも若死にするよね…(涙)。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

Vikingの7人兄弟

  • Karr Olney…長男。23歳。
  • Hani…Karrと10ヶ月違いの弟。笑わない。22歳。
  • Steinn…かなりマイペース。21歳。
  • Magnus…強がり。20歳。
  • Nikolas…17歳。料理が趣味!
  • Almoor…15歳。子どもの面倒をよくみてくれる!
  • Obbi…末弟。14歳。

Stefan MacGreagorの子どもたち

  • Wallance…長男。15歳。赤毛に青い目。
  • Catrina …14歳。ヒロイン。
  • Elalsaid…妹。13歳。怠惰?
  • Niall…弟。12歳。かなり成長が早いみたい。
  • Carson…弟。
  • Beatan…弟。10歳。
  • Dughall…弟。7歳。母親の記憶が残っているせいかかなりの甘えたがり!
  • Garbhan…妹。6歳。
  • Aileen…妹。5歳。
  • Conan…弟。4歳。

3/21/2016

The Viking (The Viking Series Book 1) (YL5.0)

The Viking (The Viking Series Book 1) (English Edition) (語数64,480語)

15歳になる前に、Stefanついに彼の初めてのヴァイキングの襲撃に、父に参加させてもらえた。しかし戦闘は彼の期待していたものとは異なり、彼は、襲撃先のスコットランドへとりのこされてしまう。

13歳のKannakの問題は、彼の父が彼女と母を捨ててどこかへ行ってしまったこと。彼女たちが生き残るただひとつ生き残る道は、母親の反対をおさえて、彼女が夫を得ることだ、と思い詰めていた。そこへ突然、逃走していたヴァイキングが現れ、彼女は思わず彼をかくまい、助けてしまう。彼女は果たしてスッコットランドの氏族たちから、そのヴァイキングをかくまうことができるのだろうか?

Ψ

というわけで、ヴァイキングのStefanと、スコットランド人のKannakという少年少女を軸に、彼女の母とその領主との隠れた恋、はたまた領主を憎みいつか殺してやろうとたくらむ妻…などなど、それなりに物語は錯綜して展開していきます。主人公のStefanがとにかく健やかなタイプですし、ティーン向けのYAみたいな感じなので読みやすいですよ。個人的にはヴァイキングものを選んだつもりが、まさかの定住路線…、という思惑外れなところもありましたが、全3巻なので、全巻読もうかなーという感じです。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

3/12/2016

Vlad: The Last Confession(YL7.0)

Vlad: The Last Confession: n/a (English Edition) (語数143,840語)

悪名で名高いDRACULA。

しかし本当のDracula、Vladの姿はどうだったのでしょうか?単なる恐ろしい怪物だった?本書では彼の矛盾に満ちたただの人間として描いています。

オスマンがヨーロッパへ膨張してくる時代、キリスト教圏の国々では内輪もめばかり。そんな中、戦闘の最前線のひとつだったワラキアの領主だったVladがどんな戦略でワラキアを導こうとし、オスマンから守ろうとしたのか。「悪魔の息子」と呼ばれた彼は、暴君でもあり立法者でもありました。十字軍院軍の騎士であると同時に大量殺戮者、処刑者であると同時にヒーロー、恋人であるともに殺人者でした…。

Ψ

本書では、Vladが亡くなってから5年後の1481年に、彼の山城だったPoenari城で行われた裁判から彼の生前の姿を描き出す、という形で構成されています。彼をよく知る3人が集められ、彼のオスマン朝での人質生活からはじまり、彼の最期までが語られていきます。Vladと1歳違いのオスマンの王子、Mehmet2世との因縁深いドラマもあって読みごたえたっぷりです。

Vladの一生が、年表を追うだけでもこれだけ激しいものだとは、本書を読むまで知りませんでした。Vladに対するプロパガンダも、生前死後を問わず、君主たちの都合ですごかったんですね。

コンスタンチノープルを攻略してしまうようなスルタンに対して、小国ワラキアの領主(しかも3度返り咲くというハメになる…。目まぐるしい領主たちの裏切り!裏切り!)にすぎないVladは、毎回、絶望的にみえる状況の中で、それなりの戦いをするわけですから、彼の軍司令官としての優秀さは、年表を追うだけでもわかろうというものでしょう。そしてこの圧倒的な戦力差の中で、勝機を見出そうとするわけですから、当然彼は苛烈です。

本書の中では、自分に忠実なものたち対しては優しさをみせるキャラクターとして描かれています。史実かどうかは不明ですが、趣味の鷹匠という属性も、なんだかんだいってキャラクターに説得力をもたせるエピソードで私は好きでした。愛馬や、鳥たちにみせる彼の愛情深さといったら…!いくら彼がワラキアを守ろうと頑張っても誰も信じられないような時代の中で、愛情をかえしてくれる動物たちは慰めだったんだろう、と解釈したくもなります。

年表(≒ネタバレ)を睨みながら読んでいたので、すっかりそんなVladに愛着をもってしまった私は、1476年が近づくと、「Vladがもうすぐ裏切られて死んでしまう…!」と絶望的な気分になっていました。しかしその「死」は、はっとするような終わり方をするし、1481年の裁判の決着もエッ!という展開ですので、絶望的なエンディングではなく最後まで目が離せませんでした。そして「裁判」が1481年だった意味も、Mehmetの年表を見ると、わかってきましたね。

というわけで、オスマン朝の異国情緒もたっぷり、鷹匠ネタも満載、Ilonaとの本当に物語のような(物語なんだけど!)出会いにいたるまで、読み応えたっぷりのヒストリカル・ロマン!!でした。読み終わった後の喪失感がすごい!!!

Ψ

ネタバレアリの登場人物メモ。役職名とかニックネームが散乱しているので、誰のこと言っているのか戸惑いながら読むのは、歴史ものの宿命ですね。登場人物も相当多いですよ!

Vlad Draculの息子たち

  • Mircea Dracula…長男。生き埋めによる死。
  • Vlad Dracula…次男。主人公!ニックネームは、Vlad Ţepeşとか ImpalerとかKaziklu Beyとか全部「串刺し」という意味みたいです。Vladはマルチリンガル。ギリシア語、ラテン語、フランコンニア語、オスマン語?アラビア語もたしなみ、コーランを、暗唱できるっぽいです。
  • Radu Dracula…Vladの弟。Vladの6歳下。Vladと一緒にオスマンで人質生活を送っていました。美少年で美男子に育ち、Mehemed2世のお気に入り。Vladは父の死でワラキアに戻りますが、Raduはそのまま人質生活を続行したことから、オスマンの宮廷で出世。Vladとは対照的な人生を歩みます。最期は哀れ…(涙)。

目撃者たち(1481年の裁判で召喚される告白者)

  • Ion Tremblac…最初の告白者。Vladとの付き合いは子どもの頃からで、5歳でVladと、一緒にトルコへ人質としてきた。Vladの忠実な友であり、家令みたな役割。
  • Ilona Ference…Lamaは奴隷としての名前。ハンガリー語でIlona。Vladの聖域。恋人。
  • Brother Vasilie…the Hermit。隠遁者。Ilonaのお産の時に呼ばれた僧侶。Vladの一騎打ちの戦いのときには兵として参戦していた模様。Vladは無駄な殺戮はしないと考えている。年も近く元戦士ということもあってVladに気に入られ、彼の告白をきくことになる。

オスマン朝の人々

  • Hamza …Hamza agha、のちのHamza pasha。Vladたちの人質時代の講師。鷹匠。Vladと鷹への愛を共有している。
  • Murad Han…Vladの人質自体のときのスルタン。ムラト2世。Mehmetの父。
  • Mehmet Celebi…Muradの息子。のちの「Fath」とか「The Conqueror」とも呼ばれるコンスタンチノーブルを陥落させるスルタンに。Vladより1歳年下。14歳で兵隊連れて暴れたけど、評議会から抗議を受けて1度、皇太子から引きずり降ろされたりしている。
  • Abdullah-i-Raschild…ギリシア生まれの奴隷でMehmetのお気に入り。

Wallaciaの領主たち

  • Albu cel Mare…The Great。 クセモノ。1448年、Vladの味方のフリしてVladislav側についた。
  • Turcul jupan…Wallachiaで2番目の権力者。Gales jupanの兄弟。彼の娘ElisabetaはIlonaのメイド。Ilonaはこの領主が嫌い。
  • Gales…Vladの領主の一人かな?チビで片目みたい。肝心の戦いでVladを見捨てたので、Vladに出くわさないよう逃げ回っている。…が捕まり、Vladの結婚式の日に処刑。
  • Cazan…父親と同じくらいVladに忠実。ワラキアの正当な教会のトップ。

DraculaのVitesji

  • Black Ilie…Vladの逃亡生活中にボディガードとして雇われた。アフリカの血も混ざってる?Vladのvitesjiの一人。親衛隊みたいなもんかな?とても忠実。
  • Stocia…Vladの下僕。口がきけない。なにも言わなくてもニーズを満たしてくれる。とても忠実。

その他

  • Petru Iordache…1481年裁判当時、ワラキアの領主に仕えるPoenari城の若いSpater。裁判の為やってきたHorvathyの為に執事的に動く。
  • Horvathy…Count of Pecs領主。伯爵。ハンガリー王Matthiasの取り巻きのひとり。独眼。1481年の裁判は彼が主導しているみたい。
  • Domenico Grimani…Cardinal of Urbino(イタリア山間部の小都市。ルネサンス期に栄えた)。1481年の裁判の採決を任される。カトリックですよ。(ワラキアは正教が主流ですが)。
  • Hunyadi…ワラキア出身のハンガリーの貴族。Vladの父を斬首することを命じた。MatthiasCorvinusの父。
  • Matthias Corvinus…ハンガリーの王。カラスの紋章みたいで「The Crow」とも。Vladたちより10若いけど2倍老けて見える…。彼は父親のHundtadi。Vladはそんな敵の息子の元で幽閉生活を送ったり、手を組むんですから、お互い凄まじい関係ですよね(Vladを生かしておくMatthiasの政治センスが生臭い)。
  • Thomas Catavolinus…Hamzaと一緒に派遣されてくるギリシア人。オスマン朝の広大さを思いますね。
  • Abdulmunsif…Hamzaと一緒に捕まる大使。
  • Abdulaziz…Murad時代からのマイナーな役人。大使。Hamzaと一緒にVladに捕まる。
  • Han Jiskra…ハンガリー王の欲得ずくの指揮官。Vladへの裏切りに心折れそうな若き日のHorvathyを叱咤する。
  • Elisabeta…Vladの最初の妻。Turculの娘だったと思うな。Ilonaのメイドもしてたんだけど。
  • Ilona Szilagy…Vladの2番目の妻。こっちのIlonaはハンガー王Matthiasの従妹。
  • Janos Varency…ハンガリーの強盗を捕まえる役人。Vladのハンガリーでの幽閉生活の終わりに、捕り物騒ぎで入ってきて、その傲慢さがアダとなりましたな?
  • Stephen Cel Mare…Bogdanの息子。Vladのいとこ。父親が殺されたあと、Vladと一緒に逃亡。たぶんこの方のことも「The Great」と言ってると思うよ。
  • Karafat…Vladの愛馬。メス。小柄だけどVladも背が高いわけじゃないし、愛馬だね。
  • Ahktar…メスのハヤブサ。HazmaからVladへプレゼント。

2/06/2016

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM))(YL2.5)

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM))
Random House Books for Young Readers (2014-07-22)

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM)) (語数14,800語)

アイルランド出身のShackletonの南極横断探検のお話。1914年に船ででかけるも氷塊に囲まれて身動きできず、船は氷に圧迫されて壊れてしまいます。そこからのチーム全員での生還が淡々と描かれています。チームのリーダーとしてのひとつのあり方を提示している感じです。

先日、Hallル女史の「Nansen」の翻訳本で岩波少年文庫からでている「ナンセン伝」を読んだばかりだったので、その頃の極地探検家のお話が気になったので、軽く読めるこちらを読んでみました。

Shackletonの場合はスタートからして船が氷に破壊され、その後も次々に計画通りにいかず、よくぞこれだけの困難をかわして全員生還したものだよ…、という展開でした。

一方、Nansenの場合は北極探検の為に、「いかに氷の圧力をうまくかわすか」というあたりに配慮したフラム号を設計するところからはじまっていました。その後Amundsenがこのフラム号で南極点の到達を達成します。極地探検では氷塊に囲まれて、船が壊れてしまうことはままあることのようなので、今回の本を読んで、改めて、Nansenの凄さを感じてしまいました。

1/31/2016

Bomb: The Race to Build--and Steal--the World's Most Dangerous Weapon(YL6)

Bomb: The Race to Build--and Steal--the World's Most Dangerous Weapon (Newbery Honor Book) (語数60,534語)

第二次世界大戦中のマンハッタン計画をめぐる実話なのです。2013年のニューベリー受賞作品で非常に読みやすかったです。

  • Oppenheimerを中心とする原爆開発チームの話。
  • 米英の原爆開発の研究をさぐろうとする「同盟国」ソ連のスパイたち。
  • ドイツの原爆開発を阻止するために、原爆の材料となる重水素工場を破壊する工作チームの話。

これら3つの動きを軸にしながら、戦中から戦後冷戦までの流れがよく描かれていて読み応えはありました。

エピソード的にはノルウェーの破壊工作話がインパクトがありました。これはアクション映画か?いや実話か!という手に汗握るような展開です。ノルウェーは大戦中、ドイツに占拠されているわけですが、そこには原爆の材料として必要な重水素工場が堅牢な場所にありました。この重水素が原爆の開発に利用されることを恐れた連合国側は、英国軍の特殊部隊で訓練した地元ノルウェーの工作メンバーを送り出して、工場を破壊させるわけですが、とにかく難攻不落な場所の立地とあって、よくぞ成功したな、という顛末でした。

マンハッタン計画に参加している学者たちの「裏切り」行為自体のエピソードも「えーっ」という感じではありますが、彼らの「戦後」も平坦ではありません。

ソ連が米国の予想よりも早く原爆を完成したため、情報漏えいに気付いた米国側は、戦中のテレグラムを全て捜査して、「容疑者」として次々と特定されていくわけです、ドイツ生まれの理論物理学者Klaus Fuchsや、米国生まれの理論物理学者TedHall(19歳でマンハッタン計画に抜擢された最年少の物理学者。しかし自らソ連領事館にかけこみ、情報を流すことを申し出る)、もともと産業スパイとしてソ連にスカウトされいたHarryGold…。そもそも情報を流していた当時は「同盟国」だったソ連への情報提供ですから、それを「裏切り」と糾弾できたものかどうか微妙なところがあるわけですが、「自白」にまで追い詰められたものが多い。

原爆の父と言われたOppenheimerにしても、水爆開発をめぐっては「倫理」感から失意のどん底。それほど幸福な余生を送った様子はありません。

政治的なキーとなる動きもよくまとまっていました。

原爆開発にゴーサインを出したRoosevelt大統領は任期途中で亡くなり、結果として自動的にTrumanが大統領となり、日本へ原爆を1度ならず2度も落とす決定をくだします。TrumanのStalinとの相性の悪さもみてとれるし、戦後の水爆の開発をめぐっては、Oppenheimerにたてつかれながらも、ゴーサインを出します。「どうせソ連に水爆の開発をされれば、今度は、どうして先に水爆を開発しなかったんだとたたかれるのは自分だ」という思いがTrumanにはあったという話も書かれています。…この辺はポピュリズムの弊害でしょうかね?とはいえ、原爆で先を越されたトラウマのあるStalinは、米国が水爆開発をしなくとも、Trumanがいうように水爆を開発させはしたでしょうね。もはや破壊力が巨大すぎて、なんの為の開発かもわかりませんが。そうこうしながら現在に至り、テロリストに奪取されたら…、印パ戦争でもしも勢いで使われたら…、などいう心配の尽きない今にいたる話なのです。