The Viking's Honor (The Viking Series Book 5) (English Edition) (語数約79,980語)
Viking Seriesの第五巻。前巻でまだ8歳だった少年Obbiが、もう40近くの息子をもっているので、50年後くらいでしょうかね。
やっとScotlandの地にScot然として定住したMacGreagor一族。50年で様子はさまがわりし、かつて彼らを向かい入れてくれたChattan一族はしばらくは例の馬で稼いでいたけれども、それも今は昔、種馬がこなくなるまでのこと。
定住してからしばらくはMacGreagor一族ととChattan一族との間での結婚もすすみましたが、代替わりした若いChattanの族長は、このままだと一つの部族になってしまう、と恐れ、MacGreagorとの結婚を禁止し、それどころか、山をおりて別のChattanと一緒になってしまいます。
そんなわけで今ではMacGreagors一族の未婚の男どもは外へ嫁探し。毎年商売で南へ行くので、そのついでに色んな部族から嫁をもらってくる、という具合ですが、困ることはなく、平和に過ごしていました。
しかし近頃ではVikingたちはScotlandの北から侵入してきて、確実に南にきているという不穏な噂を聞くようになります。族長は危機意識を持ち、長男Jamisonと若者二人に任務を与えることにします。主な任務は周囲の一族はViking対策をどう考えているのかということ。どういうわけか一人だけ巨人並みにやたらと育ちすぎた弟Paytonの体のサイズにあった巨大な馬を手に入れること。
本当にそんな巨大な馬がいるのかはわかりませんが、三人の若者はEnglandまでいけば巨大な馬がいるらしいという噂を頼りに、馬を買い付けるつもりで旅に出ます。
一方、Irelandでは歌と踊りの大好きなShannonがその日も鼻歌交じりに過ごしていたら、Viking襲来。とあるVikingにかくまわれて一人生き残りますが、家族は皆殺しにされます。ひそかにVikingに対する復讐を胸を抱き、生き残った親友Evaを誘って、私たちには頼れる夫が必要よ、と海を渡って立ち去ったVikingたちを追うようにScotlandへやってきます。
そして贅沢な暮らしに飽き飽きしているEnglandの娘Brightie。DVな兄Sewardに態度が悪いとばかりに頻繁に殴られ、次期、earlになりそうな兄の親友Kenrickとの結婚を強要されています。England人の間で奴隷として暮らしているScotsの方がよっぽど自分より恵まれている、とさえ感じる籠の鳥Brightie。奴隷であり、腕がたつことから護衛でもあるLaurenを誘って、兄の手のとどこかない場所へ脱出することを決意します。
と、主に3組の動きが描かれ、やがて1本の流れへ…、という感じなのですが。Vikingの略奪にあってほとんど着の身着のままScotlandへ渡ってきたShannonたち少女二人組。お嬢さん然として世間知らずなBrightieの旅。この二組の旅が過酷すぎて、目を離せず、一気に読んでしまいました。
EnglandとScotlandの関係や体制の違いもわかりやすく描写されています。Vikingも脅威ですが、うん、Englandも酷いよね?
本書には年表が一切でてこないので、もどかしいところも多々ありますが、そもそもVikingがEnglandに最初にやってきたのは787年頃のころ。Irelandへの侵入は8世紀末と言われているので、たぶん5巻は800年になるちょっと前くらいなのではないかと思います。TheLastLingdomシリーズの後半は918年頃ですが、その頃になるとすでにScotlandにも強力な王が出現していますから、そこまでは時代はすすんでいないでしょう。
The Viking Seriesブログ内リンク
- The Viking (The Viking Series Book 1)
- The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
- The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
- The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
- Viking Blood (The Viking Series Book 6)
MacGreagor
- Colby MacGreagor…族長。もうすぐ四十歳。
- Payton MacGreagor…背が高い。族長の息子。馬に乗れないくらいデカイ。
- Jamison MacGreagor…族長の長男。
- Hensen MacGreagor…身軽。
- Moan MacGreagor…Hensenの弟。Paytonと仲はいいみたい。
Irelandの人々
- Shannon Carr…アイルランドの北部の沿岸部に棲む少女。音楽とダンスが大好きで5日贅沢させてくれる男性が現れたら、と夢見てる。
- Eva Doogan…Shannonの親友。
- Oola…Irelandの老人。小船をもっている。
- Gunnarr Steinn…Shannonを捉え、逃したViking。Shannonは彼の体臭からSpice と呼んでいる。
Scots
- Adair Campbell…ShannonたちがScotlandに上陸して初めに会ったScot。
- Sulwin…Aadairの妻。
- Nessia…双子の弟たちを抱えてShannonたちと遭遇した六歳にも満たない少女。
England
- Brightie Tweddle…北部イングランド。贅沢な暮らしに飽き飽きしている女性。
- Seward Tweddle…Brightieの兄。かなり狂暴。頬に傷がある。
- Kenrick Loft…Sewardの親友。
- Lauren Guthrie…奴隷であり、Brightieの護衛。
- Claudette Fermin…Kenrickにベタ惚れの女性。