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7/24/2016

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1)(YL7.0)

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約153,760語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第1巻目。

時代は9世紀。Uhtredというイングランド、Northumbria生まれの少年から青年になるまでのお話しとなります。Earldormen(Kingより格落ちだが土地持ちで高貴な領主)生まれだけれども、Dane人たちの襲撃で10歳で孤児となり、Dane人たちのリーダーに気に入られ養子のように育ち、Vikingな生き方を教えられます。

England人なのに、こんなにDane人たちに馴染んじゃって大丈夫なのかしら…、と思いながら読んでいると、UhtredこそはNorthumbriaの正当な支配者だと思い込んでいる忠義な修道士たちの働きで、いつしかWessexの王、Alfred王との縁が生まれきます。ヤンチャキャラのUhtredとしては、聖書を読みふける生活よりも、よっぽど戦い方を覚えたりするDane人たちの生活の方が性にはあっているし、キリスト教の聖者の話よりも、よっぽどThorたちの物語の方が面白いししっくりくる。しかし運命はそう簡単には転ばないところが面白いですね!主人公がDane人たちととても馴染んでいるので、Dane人と、England人との世界観の対比なんかがうまくかけていてとても面白いです。

歴史イベントや登場人物はだいたい正しいことが多いようですが、あとがきを読むと、主人公や主人公の育ての親ともいうべきRagnerはそもそもフィクション、さらにイベントごとも物語の都合上、前倒しにしたりの加工はしているようですね。

Alfred大王の話は、Viking本を読んでいるとちらちらっと出てきていて、イングランドからみたViking史としては外せない人だと気にはなっていたのですが、本書でだいぶイメージが強固になってきました…!

※追記

10巻まで読了しましたが、このシリーズ面白い!当初はAlfred大王が辛気臭くて嫌いでしたが、だんだん彼の魅力もわかってきて王が亡くなるときは、寂しかったですよ。ブリテン島がまだ統一される前の時代のお話であり、主人公は軍事司令官としてブリテン島をあちこち移動しますので、シリーズ読了後はだいぶブリテン島の地理感もついてきますし、ウエールズやスコットとサクソン人との関係なんかも飲み込めてきて、UKニュースをみても、あぁ、と思うようになりました。2017年2月現在、10巻までありますので★絶賛オススメ★タグは1巻にだけつけておきます。

主人公の親族

★つきは実在人物確定。

  • Uhtred…主人公。次男でOsbertと呼ばれていたが、長男が殺された後、Uhtredへ改名した。
  • Gytha…主人公の継母。
  • Ælfric…主人公の叔父。主人公が跡取りなので、殺したがっている。
  • Ælfricthe Younger…ÆlfricとGythaの息子だがひ弱。
  • Æthelwulf…主人公の実の母の兄弟。Merciaにいる。
  • Æthelred…主人公のもう一人のおじ。Alfredと結婚したÆlswithの親戚でもある。Æthelwulfの兄弟でWest Saxonの境界線に近いCirrenceastreのEaldorman。40代くらいで暗い雰囲気。
  • Æthelred…Æthelredの長男の名前も父親と一緒!主人公より1歳若いけど、父親同様主人公が憎い。

Northumbria出身の人々

  • Beocca…主人公の四年時代の教育係。神父。主人公がDane人にいる間も主人公を心配し、Alfredに救い出してくれるよう働きかけ。
  • Ealdwulf…鍛冶屋。古い神々を信仰している。主人公のはじめての部下!

England側

  • King Æthelred★…Wessexの王。Alfredの兄。
  • Alfred★…主人公の王。主人公11歳のとき19歳。King Æthelredの弟。兄の死後、Wessexの王となる。とても敬虔で書物好き。病気がち。
  • Ælswith…Alfredの妻。
  • Æthelflaed…AlfredとÆswithの娘。
  • Æthelwold…King Æthelredの長男。Alfredの甥っ子。やんちゃ。
  • Leofric…主人公をトレーニングしてくれるAlfredの戦士。主人公との相性はいい!
  • Mildrith…地方行政官の娘。BeoccaやAlfredがに主人公の嫁候補として猛烈プッシュしてくる娘。敬虔なクリスチャンでDefnascirの土地持ちではあるのだが…。
  • Osferth…Alfredの非嫡出子。Leofricの姉の子なので、Leofricにとってはなんと甥っ子!
  • King Edmund★…East Angliaの王。とても信心深い。
  • Ealdorman Odda…結婚予定の嫁の庇護者?結納金せびってきた!結構ケチくさい。
  • Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。

Dane陣営にいるけどEngland人

  • Brida…主人公の同い年の少女。East Anglia攻めの最中にDane人たちにつかまり、反抗的なのでRagnarが気に入り、主人公に与えた。
  • Weland Godfredson…領主をなくしたので、Ragnarの噂を聞きつけて、雇ってもらいに来た戦士。

Dane人たち

  • Ragnar…兄を殺したDane人のリーダー。金髪のロン毛。主人公を息子のようにかわいがる。
  • Sigrid…Ragnarの妻。二人の男子に一人の女子が生き残り。
  • Ravn…Ragnarの父親。目が見えないけど、マルチリンガル。英語も話すよ。
  • Rorik…Ragnarの次男。主人公より1才若い。
  • Tuyra…Ragnarの娘。主人公が10才位のとき8歳くらい。美少女。
  • Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。
  • Sven…主人公とRorikをいじめようとする男子。Kjartanの息子。
  • Kjatan…Ragnarの右腕な船長。
  • Ivar the Boneless★…Daneのリーダーのひとり。とても痩せている。
  • Ubba Lothbrokson★…Daneのリーダーのひとり。迷信深いので、神々のいうこと(占い)しか聞く耳持ってませーん。
  • Halfdan★…IvarとUbbaの末弟。ちょっとアタマ足りない子かも…。
  • Storri…Ubbaのアドバイザー。宮廷詩人であり、魔術師。
  • Guthrum the Unlucky★…とても背が高い。14の船をもってきた。黒尽くめの軍を率いる。…マザコンなの?と思うシーンがときどき。

5/21/2016

Viking Sworn Brother (Viking Trilogy) (YL7)

Sworn Brother (Viking)
Sworn Brother (Viking)
posted with amazlet at 17.03.20
Pan (2011-08-19)

Sworn Brother (Viking) (語数約124,000語)

第2巻は主に彼の20代のお話しになっています。

舞台は1019年ロンドンから。1巻の終わりで、漂流していた彼はNorse人たちに助けられ、ロンドンへ渡ったわけですが、なんと、北海帝国のKnutの「妻」Aelfgifuの情夫になっていて、ぶっとびました…。美しいAelfgifuに彼はベタ惚れですが、そこは権力争いの主戦場。身ひとつの彼にはコントロールしきれるような場所ではなありません。

最終的に彼はロンドンを飛び出すこととなり、Norwayの首都へと向かう最中、Grettis Sagaで語り継がれることになるGrettirと出会います。主人公はその後、さまざまな場所…、NorwayからIceland、Jomsvikingに参加したり、Sabmeの人々としばらく暮らしたり、ビザンツ帝国を目指す最中には西のViking、Varangiansたちと一緒になったり。ヴォルガ流域ではアッバース朝の人物と出会ったり、と相変わらずの放浪生活を繰り広げることとなります。11世紀初頭の様々なエリアがでてきて本当に楽しいです。以前読んだ A Viking Romance Collection の中の中編にも、Knutの絡みやJomsvikingの話がでてきて、そのときさんざんWikipedia等で年表を睨みながら、似たような時期のことをさんざん調べていたので、今回は入りやすかったですね。裏切者と名高い海賊あがりのThorkelなんかも、あーハイハイ、あのひとね、というようなものです(笑)。Vikingを活用していたキエフ大公国のウラジミール1世の崩御後のVarangiansたちの一種の狼狽ぶり、職探しぶりなどの背景も飲み込んでいるので、Varangiansが職を求めてビザンツ帝国を目指すという流れもナットクです。東から西までのViking全般を全部物語に入れてくるとは、本当に内容が充実しているなぁと思います。

しかしそうした様々な歴史絵巻を取り込みつつ、物語の縦軸は、タイトルにあるように、Grettis SagaのGrettirです。不運を背負ったような人物ですが、弟たちには愛され、主人公とは義兄弟の仲となり、Sageとして語り継がれることになる人物ではあるのです。終盤の締めはそうきたか、という形で、きれいに収束しています。

というわけで、以下は恒例になりつつある登場人物のネタバレ含むメモ書きです。今回も盛りだくさん。

England…Aelfgifuに浮かれている。Edgarの元で狩りを覚えたり、Birthmaerの元では造幣現場をのぞいてみたり。

  • Aelfgifu…Kuntの最初の妻。サクソン貴族の娘。WikipediaだとAelgif of Northamptonの表記で。990年生まれなので、1018年時点で28歳。
  • Emma…Knutの2番目の妻。Knutよりも14歳年上。
  • Herfid…Icelandic Skald。職を探しにKnutの元にきたけれども、あまり巧い詩でもないんだよね…。
  • Thorkel…元海賊あがりのEnglandでの副摂政。裏切りばかりやっているので、悪名高い人物です。
  • Edgar…Aelfgifuの実家にいる王家の狩猟係。主人公のメンター的存在。
  • Kjartan…片手のHuscarl。主人公と親しくなる。
  • Birthmaer…造幣稼業をKnut時代以前から営んでいる。貨幣の勉強になりました…!
  • Thurulf…同い年(18か19)位の青年。赤髭だけど禿げてる!Birthmaerの甥。

Tonsberg distinct of Norway…Grettirとの出会い。

  • Grettir Asmundarson…Grettir the Strongノルウェー行きの船の中で再会。アイスランドの森にいた荒くれ者のひとり。暗闇になにより怯えている。
  • Thorstein the Galleon…Grettirのハーフbrother。父親違いだが、兄と違って落ち着いていてGrettirをとても慕っている。
  • Thorir of Grad…GrettirにNorwayで家族を殺され恨んでいる。

Iceland…ロクでもない新婚時代。

  • Gunnhilder…主人公より四歳年上の初嫁。Snorri Godiに勧められて彼女と結婚することにした。生まれてからずっと放浪生活だったので落ち着きたかったんでしょうね。
  • Audun…ケチ!Gunnhilderの父親。
  • Thrand…1巻でも主人公のメンターの一人として登場していましたが、再び登場。面倒見がいいですね!

Jomsviking時代…戦い方を少しは学ぶ。

  • Arne…Jomsvikingをほそぼそと再建しようとしている男。Thrandの昔の仲間。
  • Earl Ulf…デーン人の伯爵。Knutの姉妹を嫁にもらっている親戚。

Drang Island…Grettir兄弟との孤島での暮らし。

  • Thorbiorn Ongul…Drang Island近くのSkagafiordあたりの地主。独眼。
  • Illugi…Grettirより10位若い弟。一緒にDrang Islandに棲む。兄想いですね!
  • Thorodd…Snorri Godiの息子。
  • Bolli Bollason…Snorri Godiの義理の息子。インテリな農民。早く息子に家督を譲って世界中を旅したいという情熱をもっている。

Sabme…沈黙の取引にひかれてSambeの住む森へ。

  • Rassa…Norse語を話せるSabme。noiade。信じる神は違えども、主人公のメンター。
  • Allba…Rassaの次女。身軽なので、狩りに参加する。

Varangians…Volgaルートで東ローマ帝国へ。

  • Vevmundr…サーメ人と取引している商人。
  • Ivarr…Angantyrで悪名高いVarangian。

Sarklander

  • Salim Ibn Hauk…al-Qadirに仕える。凄いメモ魔で、Volga Vikingsのことなんかも書き残している有名なAhmad ibn Fadlanあたりがモデルなんじゃないかと思いました。Ahmad ibn Fadlanは10世紀の人物なので、時代はズレますけどね。

4/30/2016

Viking Odinn's Child (Viking Trilogy) (Viking)(YL7.0)

Odinn's Child: Odinn's Child No. 1 (Viking) (語数約124,000語)

物語の語り手はサーガで有名なLeif the Lucky and Thorgunnaの息子Thorgils Leiffsonです。

第1巻では、彼が生まれる少し前の母の話からはじまり(主人公は999年生まれ)、10代の終わりごろまでを描いています。どうやら著者はいろんなサーガを詰め込んだようで、主人公のThorgils自体はLeifの息子としてサーガに登場する人物のようですが、ちょっと気付いた分だけでもSaga of Erik the Red、Greenland sagaあたりはVinland絡みの家系なのでNjáls saga、Orkneyinga sagaあたりも出てきます。

早くに母を亡くし、少年時代にVinlandへ行ったこかと思えば、Greenlandへ戻ってからは父Leifからも疎まれ、半ば母の足跡を訪ねて、IcelandやIrelandへ。そこではアイルランド闘争に巻き込まれ、Clontarfの戦いに参戦…。

後ろ盾もない彼は、どこへ行っても「異端者」で根無し草のキャラクターです。ただし場所、場所で、侵略してくる「White Christ」に抗い、古いしきたりに従う様々なメンターが彼の前に現れ、彼はOdinnの存在を感じます。彼には様々な危険を潜り抜けることになりますが、ギリギリのところで助かり、ますますOdinnの存在を信じるのです。

というわけで、主人公の移動距離・根無し草っぷりが素晴らしいので、VinlandでのSkraelingsとの遭遇や、IcelandでのAlthing見物、Irelandでの様々な領主、王たちの争い、ケルト文化の権化ともいうべき人物との出会いまでいろいろな要素が詰め込まれていて大満足の一冊でした。前半は結構開拓暮らしなので、あ、鉄腕Dashでやってたわーとか思いながら、読んでいました。

ちなみに作者のTim Severinはアイルランド在住のイギリス人ですが、有名な冒険家でもあります。航海伝説を実証するために革張りのボートで実際にニューファランド諸島まで実験航海をしている方です。これほどVinlandまでの航海を語るうえで適切な人もいませんよね。フィクションとはいえ、本書に登場しくる様々な道具や生活ぶりの手触りが、一定程度の説得力があるのも、彼のこうした実験実証魂から相当きているような気がします。

こちらの本も登場人物が相当でてきますので、代表的なところをリストにしてみました。ネタバレありのリストなのでご承知おきください(史実やサーガの人物ばかりなので…)。

主人公の幼年期

  • Thorgils…主人公。999年生まれ。スコットランドの北部Birsay生まれ。クリスチャンネームはThangbrand。
  • Thorgunna…主人公の母。Dublinの貿易船でScotlandの一画mBirsayへやってきた。そこでたまたま寄港したLeif Erikosnと出会う。Völva(シャーマン的な女性)の能力があったようで、主人公もその才能を引き継ぐ。
  • Leif Eriksson…「赤毛のエリク」の2番目の息子。主人公の父。幸運に恵まれているので、「Leif the Lucky and Thorgunna」というニックネームも。
  • Thorvald Erikson…「赤毛のエリク」の。次男。LeifのVinlandの探検の結果に興味を持ち、Vinlandを探索、先住民のSkraelingsに襲われる。
  • Thorstein Eriksson…Leifの末弟。家族思いで、Vinlandで亡くなった兄の亡骸を取り戻しにVinlandへ目指すが…。
  • Freydis…主人公のおば。Erikの庶子。かなりのトラブルメーカー。彼女もまたVinlandへ旅立つ。
  • Thjodhild…Erickの妻。グリーンランドでは子どもたちにアルファベットとかを教える先生役。早くからクリスチャンになったので、夫のErickとはその点で対立。
  • Gudrid Thorbjornsdottir…主人公の幼少時の育ての親。若くて美人な未亡人。Völvaの才能があるようだが、熱心なクリスチャン。主人公が7歳くらいのとき、父親の末弟Thorsteinと再婚。Thorsteinが無謀な旅で亡くなった後には、Thorfinnと再婚。彼と一緒にVinlandへ。
  • Thorir…Gudridの夫。東部出身の商人。グリーンランドとアイスランドの定期貿易のパイオニア。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。
  • Thorfinn Karlsefni…Gudridの三番目の夫。アイスランドの商人。Vinlandを目指す。
  • Tyrkir the Smith…ドイツ周辺出身のLeifにとっては育ての親的な奴隷。メンター。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。

Icelander…主人公がGreenlandから追放された直後に出会った人々

  • Snorri Godi…Icelandでわりと権力者。グレイの瞳で表情を読ませない。じっくり考えて行動するタイプ。
  • Thrand Stigandi…怖そうな見た目だが、Snorriの友だち。Ordinを信仰し、予見能力をもち、主人公14歳くらいのメンター。古い神々について彼の元で主人公は体系的に学ぶ。
  • Flosi Thordarson…Burners側のリーダー。
  • Eyjolf Bolverlsson…法律に詳しいのでFlosiに買収された。
  • Thorhall Asgrimmsson…Njalが育ての親。右の足首が感染している。法律に詳しい。
  • Kari Solmundarson…Njalの義理の息子。戦士。主人公に目をかけ、IcelandからIrelandへの橋渡し役。

Orkney

  • Sigurd the Stout…Orkneyの伯爵。
  • Eithne…主人公の母Thorgunnaをかつてむかえ入れた伯爵家の妻。Ireland出身のVölva。Sigurdの母。

Irelander…1014年Clontarfの戦い前後。主人公が15歳くらい。

  • King Sigtryggr…Dublinの王でSigurdのところへ相談にきた。Norseman。商業で大儲け。
  • High King Brian Boruma…戦いにつぐ戦いで暴れまわっているタイプのアイルランド上王。外国人を追い出そうとやっきだが、彼の兵士自身が外国人で構成。キリスト教を広めようとしている。
  • King of Leinster…DublinをHigh Kingと共に狙っている。
  • Kormlod…IrishはGormlaithと呼ぶ。Dublinの王Sigtryggrの母であり、Borumaの元妻(ケンカ別れなので恨んでいる)。King of Leinsterの姉妹。
  • Brodir…巨漢で髪の長いViking。Dublinの王Sigtryggrが同盟を求めた。Thrandの友だちであり、少し予知の能力をもっている。
  • Donnachad…貧しい村のリーダーであり、Battle of Clontarfで主人公は彼に捕まり、奴隷になった。

St Ciaran…主人公はDonnachadの未納の税金のかわりに教会へ引き渡され、三年くらいを見習い修道士として過ごす。

  • Abb Aidan…修道院の院長。修道院の強化には並ならぬ意欲をもつ。
  • Saev Credine…軟弱にみえるけど、修道院きっての石工。
  • Brother Senesach…若者の教育係。気立てがよいので人望ある。
  • Brother Ailbe…司書。本のことになるとうるさい。
  • Brother Domnall…技量のある診療所の治療師だったが疫病対策で旅立つ。
  • Brother Cainnech…Domnallのアシスタントで、診療所を引き継ぐ。患者をいじめるのが好き。
  • Bladnach…足は不自由だが、凄腕の針使い。本を保護するかばん自体が聖人によるもので貴重だから、ボロボロの鞄の修繕をたのまれる。
  • Orlaith…Bladnachの娘。

逃亡生活中のIrelandで出会った人々

  • Eochaid…birthemということですが、いわゆるケルトのドルイド。あらゆることに精通した賢人で、主人公のメンター。彼の存在は感動的ですね!
  • Ardal…Thorvall the Hunterにクリソツ。King's Champion。戦士。The Ua Cannannainに仕えている。

4/10/2016

Sirens of the Northern Seas: A Viking Romance Collection (English Edition)(YL7)

Sirens of the Northern Seas
Sirens of the Northern Seas
posted with amazlet at 17.10.15
Kathryn Le Veque Anna Markland Violetta Rand Emma Prince Elizabeth Rose

Sirens of the Northern Seas (語数約130,820語)

5人の女流作家によるコレンクション。

それぞれ野の花をモチーフにしたVikingもののヒストリカルロマンスです。

KINGDOM BY THE SEA by Kathryn Le Veque

エドガー・アラン・ポーの「AnnabelLee」という詩をベースに現代と過去が交錯するお話しですね!VikingがBritain側の姫様に恋をする、というちょっとおとぎ話めいた展開です。

BANISHED by Anna Markland

年表片手にしながら、個人的にはこれが一番面白かったです。Bluebellsをモチーフに、Jomsviking(漫画「ヴィンサント・サーガ」とかにも出てくるあの幻の!伝説的な!)出身の幼馴染たちのロマンスです。年表的にはちょうど北海帝国を築き上げようかという1017年のCanuteの動きを把握していればバッチリですね。フィクションかな?と思った人物も英語のウィキペディアだとぞろぞろ実在だったりもして、若干ウソもありつつ(あとがきでどの部分が完全なフィクションか作者が種明かししてくれますが)、かなり史実もハマっています。英国史はちょっと…(面倒くさい)、と思っていましたが、Vikingモノから入っていくのもいいかもしれませんね。彼らの動きを追っていると、西はロシア、東はそれこそ北アメリカまで活動していますから、中世の歴史の勉強になります。

ちなみに、本作でもヒロインたちの過去としては、Jomsborgから追放された後、KievanRus(キエフ大公国)のウラジミール1世にしばらく仕えていたようなので、思わずKievanRusのことも軽く調べてしまいました。

デーン人サイド

★つきはWikipediaに単独頁がありました!

  • Audra Fingalsdatter…ヒロイン。VilingWoman。Kaptajin of the Dødspatrulje 女性暗殺部隊の隊長。
  • Sigmar Alvarsen…ヒロインの幼馴染?2歳年上。huscarlsとしてCanuteに仕える。
  • Fingal Adreassen…Audraの父。
  • Alvar Haraldsen…Sigmarの父。Fignalの息子をかつて殺した。
  • King Canute★…デンマーク人で、イングランド・デンンバーク・ノルウェー王。
  • Queen Elfgifu★…Canuteの最初の妻。サクソン貴族の娘。WikipediaだとAelgif of Northamptonの表記で。
  • Gertruda…ヒロインの右腕のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Vasha…ヒロインところの古参のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Dagmar…Sigmarの信頼できる戦士。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Nathan…Sigmarの男奴隷。
  • Torkild den Høje★…Jomsvikingの親玉。Canuteの幼少時のメンターでもあるらしい。以前はEthelred無思慮王と組んでいた。
  • Eadric Streona★…Torkild以上に同盟を切り替えまくっている海賊。Ethelredの娘と結婚。ちなみにCanuteの最初の妻、Elfgifuの父親Ælfhelm of Yorkはこの人に殺されています。さらに1016年のBattle of Assandunで、この人は今度はEdmud Ironsideを裏切って、Canute側についてました。裏切者の代名詞ですね。

イングランドサイド

  • Ethelred the Unready★…最終的にCanuteに追っ払われるイングランド王。1016年に病没。
  • Edmund Ironside★…Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうち3番目。上二人が死んだので、イングランドの王座に。Battle of Assandunで決定的な敗北を喫し、Canuteと和平交渉。どちらかが死んだ時は、死んだ方の領土を生きている方に譲るという話も決めて、1016年のEadwigの死をもって領地はCanuteに譲られ、Canuteはイングランドの王に。
  • Eadwig Ætheling★… Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうちの5番目。1017年にオックスフォードでCanuteに和解を求めています。

VIKING HEARTS by Violetta Rand

Hesse(今のドイツ北部)に家族と住んでいたヒロイン一家はある日、キリスト教圏の手におちて、ヒロインのみ、居合わせたノルウェーの貿易商に拾われてTrondelagまで連れていかれる話。物語が723年からはじまえるのに、なぜかHakkon Sigurdsson(900年代に活躍)の巻物とかでてきてとても混乱しました…。話自体は結構面白いのに、冒頭の723年に縛られてテンションだださがり。Hakkon Sigurdssonが出てくるならスタートという記述自体は不要ですよね。

In THE BRIDE PRIZE by Emma Prince

春を一番先に告げるcoltsfoot(フキタンポポ)がモチーフのお話。本人は女戦士として、西の新しい土地へ向かうJarlの船に乗り込みたいのに、ケチケチした親はさっさと嫁にいけといい、そうだ、祭りの賞品として娘を嫁にだしてしまえ、とたくらむ話。そこへその冬の厳しさに家族をすべて亡くした若者があらわれて…。

A VIKING'S PROMISE by Elizabeth Rose

Forget-Me-Nots(勿忘草)がモチーフのお話。793年のイギリス北部の修道院LindisfarneのVikingによる襲撃は、Viking史的には有名ですが、どうやらそこの部族の話ですね。おさなじみのJarlの息子と結婚の約束をかわすものの、Vikingとして乗り込んだ襲撃先のLindisfarneに置き去りにされてヒロインは恨みつらみ…。結構、クリスチャンの慈悲が軸の話のような気がしました。翻ってVikingはとにかく生活の為に襲撃する、というスタンスで、日本でいうところの倭寇のイメージをもてました。

3/12/2016

Vlad: The Last Confession(YL7.0)

Vlad: The Last Confession: n/a (English Edition) (語数143,840語)

悪名で名高いDRACULA。

しかし本当のDracula、Vladの姿はどうだったのでしょうか?単なる恐ろしい怪物だった?本書では彼の矛盾に満ちたただの人間として描いています。

オスマンがヨーロッパへ膨張してくる時代、キリスト教圏の国々では内輪もめばかり。そんな中、戦闘の最前線のひとつだったワラキアの領主だったVladがどんな戦略でワラキアを導こうとし、オスマンから守ろうとしたのか。「悪魔の息子」と呼ばれた彼は、暴君でもあり立法者でもありました。十字軍院軍の騎士であると同時に大量殺戮者、処刑者であると同時にヒーロー、恋人であるともに殺人者でした…。

Ψ

本書では、Vladが亡くなってから5年後の1481年に、彼の山城だったPoenari城で行われた裁判から彼の生前の姿を描き出す、という形で構成されています。彼をよく知る3人が集められ、彼のオスマン朝での人質生活からはじまり、彼の最期までが語られていきます。Vladと1歳違いのオスマンの王子、Mehmet2世との因縁深いドラマもあって読みごたえたっぷりです。

Vladの一生が、年表を追うだけでもこれだけ激しいものだとは、本書を読むまで知りませんでした。Vladに対するプロパガンダも、生前死後を問わず、君主たちの都合ですごかったんですね。

コンスタンチノープルを攻略してしまうようなスルタンに対して、小国ワラキアの領主(しかも3度返り咲くというハメになる…。目まぐるしい領主たちの裏切り!裏切り!)にすぎないVladは、毎回、絶望的にみえる状況の中で、それなりの戦いをするわけですから、彼の軍司令官としての優秀さは、年表を追うだけでもわかろうというものでしょう。そしてこの圧倒的な戦力差の中で、勝機を見出そうとするわけですから、当然彼は苛烈です。

本書の中では、自分に忠実なものたち対しては優しさをみせるキャラクターとして描かれています。史実かどうかは不明ですが、趣味の鷹匠という属性も、なんだかんだいってキャラクターに説得力をもたせるエピソードで私は好きでした。愛馬や、鳥たちにみせる彼の愛情深さといったら…!いくら彼がワラキアを守ろうと頑張っても誰も信じられないような時代の中で、愛情をかえしてくれる動物たちは慰めだったんだろう、と解釈したくもなります。

年表(≒ネタバレ)を睨みながら読んでいたので、すっかりそんなVladに愛着をもってしまった私は、1476年が近づくと、「Vladがもうすぐ裏切られて死んでしまう…!」と絶望的な気分になっていました。しかしその「死」は、はっとするような終わり方をするし、1481年の裁判の決着もエッ!という展開ですので、絶望的なエンディングではなく最後まで目が離せませんでした。そして「裁判」が1481年だった意味も、Mehmetの年表を見ると、わかってきましたね。

というわけで、オスマン朝の異国情緒もたっぷり、鷹匠ネタも満載、Ilonaとの本当に物語のような(物語なんだけど!)出会いにいたるまで、読み応えたっぷりのヒストリカル・ロマン!!でした。読み終わった後の喪失感がすごい!!!

Ψ

ネタバレアリの登場人物メモ。役職名とかニックネームが散乱しているので、誰のこと言っているのか戸惑いながら読むのは、歴史ものの宿命ですね。登場人物も相当多いですよ!

Vlad Draculの息子たち

  • Mircea Dracula…長男。生き埋めによる死。
  • Vlad Dracula…次男。主人公!ニックネームは、Vlad Ţepeşとか ImpalerとかKaziklu Beyとか全部「串刺し」という意味みたいです。Vladはマルチリンガル。ギリシア語、ラテン語、フランコンニア語、オスマン語?アラビア語もたしなみ、コーランを、暗唱できるっぽいです。
  • Radu Dracula…Vladの弟。Vladの6歳下。Vladと一緒にオスマンで人質生活を送っていました。美少年で美男子に育ち、Mehemed2世のお気に入り。Vladは父の死でワラキアに戻りますが、Raduはそのまま人質生活を続行したことから、オスマンの宮廷で出世。Vladとは対照的な人生を歩みます。最期は哀れ…(涙)。

目撃者たち(1481年の裁判で召喚される告白者)

  • Ion Tremblac…最初の告白者。Vladとの付き合いは子どもの頃からで、5歳でVladと、一緒にトルコへ人質としてきた。Vladの忠実な友であり、家令みたな役割。
  • Ilona Ference…Lamaは奴隷としての名前。ハンガリー語でIlona。Vladの聖域。恋人。
  • Brother Vasilie…the Hermit。隠遁者。Ilonaのお産の時に呼ばれた僧侶。Vladの一騎打ちの戦いのときには兵として参戦していた模様。Vladは無駄な殺戮はしないと考えている。年も近く元戦士ということもあってVladに気に入られ、彼の告白をきくことになる。

オスマン朝の人々

  • Hamza …Hamza agha、のちのHamza pasha。Vladたちの人質時代の講師。鷹匠。Vladと鷹への愛を共有している。
  • Murad Han…Vladの人質自体のときのスルタン。ムラト2世。Mehmetの父。
  • Mehmet Celebi…Muradの息子。のちの「Fath」とか「The Conqueror」とも呼ばれるコンスタンチノーブルを陥落させるスルタンに。Vladより1歳年下。14歳で兵隊連れて暴れたけど、評議会から抗議を受けて1度、皇太子から引きずり降ろされたりしている。
  • Abdullah-i-Raschild…ギリシア生まれの奴隷でMehmetのお気に入り。

Wallaciaの領主たち

  • Albu cel Mare…The Great。 クセモノ。1448年、Vladの味方のフリしてVladislav側についた。
  • Turcul jupan…Wallachiaで2番目の権力者。Gales jupanの兄弟。彼の娘ElisabetaはIlonaのメイド。Ilonaはこの領主が嫌い。
  • Gales…Vladの領主の一人かな?チビで片目みたい。肝心の戦いでVladを見捨てたので、Vladに出くわさないよう逃げ回っている。…が捕まり、Vladの結婚式の日に処刑。
  • Cazan…父親と同じくらいVladに忠実。ワラキアの正当な教会のトップ。

DraculaのVitesji

  • Black Ilie…Vladの逃亡生活中にボディガードとして雇われた。アフリカの血も混ざってる?Vladのvitesjiの一人。親衛隊みたいなもんかな?とても忠実。
  • Stocia…Vladの下僕。口がきけない。なにも言わなくてもニーズを満たしてくれる。とても忠実。

その他

  • Petru Iordache…1481年裁判当時、ワラキアの領主に仕えるPoenari城の若いSpater。裁判の為やってきたHorvathyの為に執事的に動く。
  • Horvathy…Count of Pecs領主。伯爵。ハンガリー王Matthiasの取り巻きのひとり。独眼。1481年の裁判は彼が主導しているみたい。
  • Domenico Grimani…Cardinal of Urbino(イタリア山間部の小都市。ルネサンス期に栄えた)。1481年の裁判の採決を任される。カトリックですよ。(ワラキアは正教が主流ですが)。
  • Hunyadi…ワラキア出身のハンガリーの貴族。Vladの父を斬首することを命じた。MatthiasCorvinusの父。
  • Matthias Corvinus…ハンガリーの王。カラスの紋章みたいで「The Crow」とも。Vladたちより10若いけど2倍老けて見える…。彼は父親のHundtadi。Vladはそんな敵の息子の元で幽閉生活を送ったり、手を組むんですから、お互い凄まじい関係ですよね(Vladを生かしておくMatthiasの政治センスが生臭い)。
  • Thomas Catavolinus…Hamzaと一緒に派遣されてくるギリシア人。オスマン朝の広大さを思いますね。
  • Abdulmunsif…Hamzaと一緒に捕まる大使。
  • Abdulaziz…Murad時代からのマイナーな役人。大使。Hamzaと一緒にVladに捕まる。
  • Han Jiskra…ハンガリー王の欲得ずくの指揮官。Vladへの裏切りに心折れそうな若き日のHorvathyを叱咤する。
  • Elisabeta…Vladの最初の妻。Turculの娘だったと思うな。Ilonaのメイドもしてたんだけど。
  • Ilona Szilagy…Vladの2番目の妻。こっちのIlonaはハンガー王Matthiasの従妹。
  • Janos Varency…ハンガリーの強盗を捕まえる役人。Vladのハンガリーでの幽閉生活の終わりに、捕り物騒ぎで入ってきて、その傲慢さがアダとなりましたな?
  • Stephen Cel Mare…Bogdanの息子。Vladのいとこ。父親が殺されたあと、Vladと一緒に逃亡。たぶんこの方のことも「The Great」と言ってると思うよ。
  • Karafat…Vladの愛馬。メス。小柄だけどVladも背が高いわけじゃないし、愛馬だね。
  • Ahktar…メスのハヤブサ。HazmaからVladへプレゼント。

1/03/2015

Gone Girl: A Novel(YL7)

Gone Girl: A Novel
Gone Girl: A Novel
posted with amazlet at 17.03.20
Crown (2012-06-05)

Gone Girl: A Novel (語数130,820語)

ミズーリ州に住むNickとAmyの結婚五周年の日の朝のことだった。家に戻ると何者かと争ったあり、聡明で美しい妻は消えていた。

Amyがつけていた日記からは、Nickとの出会いからしばらくの幸せな日々、そこからの次第に忍び寄る結婚生活の危機が赤裸々に書かれていた。警察やメディア、Amyの両親からNickヘと投げかけられる疑惑の目。はたして彼は本当に殺人者なのか?

Ψ

というのが、前半の話。後半はあっと驚く「真実」が展開されていきます。でもネタバレになるので書けませんね!正直、この奥さん、よくやるわ…、って感じです。映画も見てきましたが、映画はAmyの独白部分がないので、より一層、Amyが何を考えているのかわからずホラーでしたヨ。

でも、テーマは"結婚生活って""男って女って…"ってところで、ミステリー・ホラーが主軸というわけではないと思います。

もっともなかなかAmyほどの人はいないと思いますが。AmyのAmyたる所以って、やっぱり親の書いたヒットシリーズ「AmazingAmy」によるところが大きいと思いますしね。いつも「彼女があの物語の中で完璧なAmyのモデルになった人よ!」てな感じで比較、競争させられているAmy。これはものすごい強迫観念だと思いすよ…。彼女の両親の存在は、結構ホラーですよね(特に小説)。

オマケ

映画版GoneGirlのVFX。こんなに沢山エフェクトかけているんですね!!→http://vimeo.com/115019179

10/26/2014

The Clan of the Cave Bear (Enhanced Edition) (Earth's Children)(YL7)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children)
Hodder & Stoughton (2010-12-21)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children) (語数196,000語)

氷河期末期の時代、クロマニヨン人の少女は、不案内で危険な土地を一人で彷徨っていた。大地震がおき、彼女は両親を失った孤児だった。

同じく大地震で住処としていた洞穴を失った「氏族」(ネアンデルタール人)は、新たな住処を探して旅をしていたところ、彼女と出会う。

彼らにとって、ブロンドで青い目をしたAylaはかなり異端で、醜い少女だった。彼女は彼らのもといた土地の近くに住んでいた異なる種族(クロマニヨン人)の一人だった。

しかし氏族のまじない女のIzaは、ほっとけば死ぬとわかっている少女を見捨てていくことができず、彼女を自分たちと一緒につれていくことにした。IzaとMog-urのCrebは彼女を可愛がりながら育て、Aylaは次第に氏族の生活に慣れ、もっとも彼女を受け入れてくれたIzaの癒しの技術を学び始める。

しかし、残虐でプライドの高い次期リーダーのBroudは、彼の権威を傷つけかねない彼女の異質さを嫌うのだった。彼は次第に憎悪の念を育て、いつか自分がリーダーになったときに、復讐しようと決心する。

Ψ

邦訳版で最終巻の1歩手前まで読んでいるこちらのシリーズ。邦訳の方も完結しているのは知っていましたが、その頃には多読をはじめていたので、いつか原書で読んでみようと今までとっていましたよ。ま、このシリーズ、1巻が一番面白いので、今後どこまで読み続けることになるのか、わかりませんが…(2巻もそれなりに面白かった筈なので、2巻までは読むでしょう)。

物語の筋はぼんやりながら把握しているので、思った以上にかなりツラツラと読めました。若干薬草関係なんかは読みづらかったり、氏族の名前で混乱したりもしましたが、英文はそこまで難しくないと思います。そして文句なしに1巻は面白いです!

以前読んだときには氏族の「記憶」があまり釈然としていなかったのですが(特にIzaが薬草の「記憶」を取り出しますよね。「そんなに具体的に取り出すことのできる記憶って?」とそこで思考停止していました)、「本能」と置き換えれば、あぁ、より旧人類の彼らにはそういうところがもしかしたらあったかもしれない、と思えたり。氏族とAylaのミックスのDurcに関しても、最新の研究ではクロマニヨン人とネアンデルタール人の交配があったという話もでてきていますから、途端にCrebの「希望」にも現実味がでてきたり…。

Izaの愛情の深さには本当に心をうたれるし(彼女の遺言ときたら…!どこまでAylaのことを思いやっているのか)、Crebの洞察力はさすがのMog-urの中のMog-urだとあらためて感嘆したり(物語の中ではシャーマンのような存在です)。

邦訳版を読んだのは、10年近く前の話なので、今回「再読」にもかかわらず、本当に没頭しましたよ。長いですけど、読み終わってしまうと寂しいです。邦訳版の2巻は結構ウキウキしながら読んだ記憶はあるのですが、クロマニヨン人には、なかなかIzaやCrebたち以上のキャラクターが出てきませんのでね…。

登場人物メモ

  • Ayla…主人公。クロマニヨンの孤児。
  • Iza…Aylaをわが子もように慈しむ。氏族のまじない女でステータスがある。
  • Creb…氏族の大シャーマンみたいな存在。Aylaをかわいがる。
  • Brun…氏族の良きリーダー。IzaやCrebの兄弟。
  • Broud…Brunの息子。次期リーダー。
  • Uba…Izaの実の娘。Aylaと姉妹のように育つ。
  • Durc…Aylaの息子。
  • Oga…Broudの妻。
  • Brac…BroudとOgaの最初の息子でAylaに命を救われる。
  • Zoug…Slingの達人。
  • Goov…Crebのmog-urとしての役割を引き継ぐ青年。マジメだが小物感漂う(Crebが凄すぎた)。
  • Vorn…Broudを崇拝している男子。

1/14/2014

Whiteout(YL7.0)

Whiteout
Whiteout
posted with amazlet at 17.03.20
Penguin Books (2004-11-23)

Whiteout (語数114,699語)

ToniGalloはセキュリティ責任者だ。

彼女はエボラウイルスより危険なウイルスが、実験動物のウサギと共に、スコッ トランドの研究所から盗まれたことに気付いた。しかし自体はウイルスが盗まれ ること自体よりも悪い方へ転がっていく。内部からの援護により、テロリストの 攻撃ので利用する為に盗まれたのだ。

クリスマスイブは吹雪になっていたけれども、地元警察の協力はほとんどなく、Toniはウイルスを取り戻し、バイオハザードを防ぐために、犯人を追跡しなけれ ばならなかった…。

Ψ

製薬会社にギャング侵入して、危険なウイルスを盗み出す、という話なので、バイオハザードもの?と思っていたら、メインはアクションと家族もの、という感じ。

とはいえ、製薬会社の社長のクリスマスともなれば、一族が家に集まってくるわけですよ。その書き分けが巧い。それぞれの思惑や行動が後から振り返ればもう伏線だらけで、ああここで!と伏線も綺麗に回収していくんです。

てんで勝手に動いてみえる登場人物も、いちいち説得力あるし、展開はどんどんハラハラになっていくし、お見事です。

英文は読みやすいです。こんなクリスマスは御免こうむりたいですけれども、冬に引きこもって没頭するにはもってこいの一冊ですね。

8/10/2013

The Art of Racing in the Rain: A Novel(YL7)

The Art of Racing in the Rain: A Novel
HarperCollins e-books (2009-03-17)

The Art of Racing in the Rain: A Novel (語数69,306語)

Enzoは他の犬と自分は違うことを知っている。テレビをみたり、飼い主でレサーのDenny Swiftの言葉を聞くことによって自力で様々なことを学習。ほとんど人間に近い魂を持つ哲学者のようなものだ。

飼い主のDennyと二人、平和に暮らしていたわけだが、Dennyがある日Eveという女性を連れてきた。EnzoはDennyの愛情を独占できななりEveにちょっと嫉妬する。しかしそんな二人にZoeという女の子ができ、女の子が生まれた日に、「Enzo、この子をずっと守ってね」とEveに頼まれる。その時からEnzoは決心する。この子をずっと見守ろう。この一家をずっと見守ろう、と。

Ψ

テレビ好きの主人公、犬のEnzo君。彼の人生観はちょっと風変わりだけれど(生まれ変わったら人になれる、とか、サルより自分の方が人間に近いとか、魂の問題とか)、話せない分だけ、じっと飼い主たちの人生を見守り、洞察していくんですね。それが…、本当に犬っぽい!飼い主の家族に忠実で、一家の試練をそばでずっと見守っていく話なんですが、あぁワンコたちはこういうこと、考えてるかもしれないねぇ、と思いました。

Dennyの妻Eveが病に伏すあたりから一家はどんどん悲惨な方向へ転がっていくので、結構、だんだん鬱々としてきました。悲惨な状況をEnzo君はいろんなことを考えながら、見守っていくのですよ。話せないながらも時に励ましたり、行動にでたりしながら。人生を受け入れつつ、諦めることなく、生きることに健気。切ない…!切なすぎる…!

それでもレーサー根性をもったDennyとEnzo君は最後まで諦めない!…でなんとか試練を乗り越えていこうという話で。最後の最後にはやっとほっとできました。

英文は難易度は、前半のEnzo君のテレビからの知識の寄せ集めと感性に基づく独特な人生観が、ちょっととっつきにくかったかな?それからレースの表現も凝っているあたりはとっつきにくかったですね。アイルトン・セナ位は私も知っていますが、F1ファンとかではないので、ちょいちょい飛ばしながら読んでいました(比喩なので、なんとなくそれでも話はわかる)。

ちなみに私はこの本でAudibleを初購入しました。とても耳だけではついていけないので、読みながら聞く、という感じです。comで購入するとAudibleが割引対象になる本ですので、それで購入。Whispersync for Voice機能つきですが、AudibleとPaperWhiteを同時に使っていたので、あまりその辺の恩恵は受けませんでした。1章1章が短い単位になっている、ということの方がむしろ有難かったですね。

※ちなみにこの本、大人向けと児童書と2バージョンあるみたいです。私は大人向けで読みました。児童書の表紙は犬の顔の面積がもうちょっと大きいみたいですね。

2/19/2011

The Other Boleyn Girl(YL7)

The Other Boleyn Girl (The Tudor Court series) (語数206,000語 )

やっと読み終わりました。

たらたら読んでいましたが、昼ドラみたいなドロドロぶりが良い。

主人公は妹のメアリで一人称語り。

メアリは小説の中ではなかなか清からな性格で、夫がいるにもかかわらず、王に気に入られ…。王の寵愛を受けるなんてでかした!──とばかりにブーリン家から、王の愛人として送り出されてしまう(しょっぱなからこれは「まさか」の展開でした。少しの躊躇いもない一族。ブーリン家の娘たちはブーリン家の「コマ」として生きる、ということがよくわかるエピソードですね)。

色々語るとネタバレになるので(ある程度は史実ですが…)割愛しますが、メアリはひたすら姉アンに振り回され、散々な人生だなぁ、と思いきや…、という感じで、この二人の対照的な生き方が、なかなか見事に描かれていたと思います。。兄のジョージと揃って輝けるブーリン家の3兄弟──というイメージもなかなか良かったです。…でもまー、狭い宮廷の話なので、昼ドラみたいにドロドロですけどね。「家」の為にとことん「個」は振り回されるのが切ないですよ。

ちなみに当初名前では苦労しました。メアリの旦那はは二人ともWilliamですし、CatherineやらThomasやら、Henryはもはや沢山…、と言いたくなるし…、といった感じで、これは当時の流行りの名前なんでしょうかね。他には宗教絡みの用語でしょかね。なにせこの後はカトリック教徒を虐殺するメアリの時代ですからね。でもぼんやりとした感じでその辺は読み飛ばしました。昼ドラ周辺だけで十分楽しめますから。

※Kindleでの語数計算

この本はSSSに語数が書いてあったので。Kindle と語数計算?に触発されて係数を出してみると

※Locationのはじまり66 終わり10110

10045Location/206000=係数20.5

これくらいみっちりだと大体係数が20あたりなでしょうかね~。

11/07/2010

The Girl with the Dragon Tattoo

The Girl With the Dragon Tattoo (Millennium Series) (語数185,000語)

ミレニアムシリーズ1巻、1ヶ月ちょっとかかって読了。

出だしが金融ネタで娯楽本ばかり読んでいる私にはハードル高めかなー、と思いながらサンプルを呼んでいたわけですが。

仕事をほされたジャーナリストのミカエルが、大富豪から36年前に行方不明になった少女ハリエットの調査を依頼されるあたりからグッと読みやすくなりました(語彙の偏りっぷりがわかりやすいなー……)。ヴァンゲル一族がゾロゾロ登場するので、誰と誰が親子で従兄弟なんだ?というあたりは死にかけましたが、家系図を作って乗り越えました。

ツンデレ(?)のリスベットと、何故かモテモテのミカエルのコンビがなかなか楽しいです。追っているネタは陰惨ですけどね。

▲Vanger一族の家系図を描いてみました。
フルサイズの画面の下部には[操作]のメニューが出現し、PDFにも落とせます。
iPhoneのDropBoxに突っ込んでチラチラみながら読んでました。
間違ってないといいな…くらいの感じでご利用ください(汗)。

Ω Ω Ω

ちなみに現在AXN Mysteryで放映中のドラマも追いかけているんですが。ドラマなのでストーリーが省略されているところは織り込み済みにしても、このドラマ、ヒットしたの?ヒットしないよね?モテモテのミカエルはどこ?──ミカエルがいつも食器とか洗ってたりするあたりは押さえててわかるんだけど。小説とはなにかが決定的に違う…。

小説は十分楽しみましたが、ドラマは放映前が一番ワクワクしていたかもしれません。

9/17/2010

The Princess Diaries, Volume IV: Princess in Waiting(YL7)

The Princess Diaries, Volume IV: Princess in Waiting (語数49,937語)

YAではお馴染みのプリンセスダイアリーズの4巻。1,3巻をGR、2巻を原書で読了済みなので、Kindleでは4巻から。

シリーズものは人間関係等を把握済みなので、読みやすいですね。入りやすいですね。

Michaelとつきあい始めたMiaなわけですが、すごく小さいことをクヨクヨ悩みます…。プリンセスという設定上、話は大きくなりがちなんだけど、でも悩んでいることはものすごくスケールが小さい(と思いつつ、洋書だとそれほどうざいと思わず、楽しく読めるのは何故なんだろう。ティーンぽい表現が面白いというのも大きいかな。でも和書だったら、投げ出してるだろうなー…)。

Michaelは、パーフェクトなのにね(4巻時点で欠点ゼロ…)。

4巻でMiaは自分には特技がなにもない!というあたりでも相当クヨクヨ悩むわけですが、うーん、上手いね、ラストのMichaelのセリフ。そうくるか。だからこそ「Princess Diaries」なのかー、とナットクさせられる展開でした。