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3/26/2016

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (YL5.0)

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (English Edition) (語数88,660語)

14歳のCatrina MacGreagorは彼女の母親が亡くなった後、9人の兄弟たちの世話に明け暮れていた。

彼女は兄弟たちを深く愛していたけれど、日々の仕事は退屈でありながらハードで、彼女は夫をもつことなんて考えられなかった。特に好きな若者もいなかったし、自分がだれかに嫁いだら、父親一人でとても兄弟たちの世話をみきれるものではない、という思いもあった。しかしある日突然状況は一変した。七人のVikingたちが、船にのって現れたのだ。そのうち四人は、結婚適齢期だった。

Ψ

というわけで、1巻末で宣言した通りStefanは、自分の氏族MacGreagorをたちあげ、Kannakとの間に11人もの子どもをもうけ(そのうち一番下は亡くなった)、Kannak亡き後、年長の子どもたちの手を借りながら、家族を養い、氏族たちを養っていた(血縁じゃなくても、同じ「氏」になるようですね)。かつてStefanを奴隷にしたBrodies一族の襲撃に備えながら、Macoran一族、Limond一族に挟まれてた環境の中、立ち上げたばかりのMacGreagorは他の一族に比べれば、余裕もなければ、人数も少ない。Catrinaと親友のKennaがそろそろ結婚する時期だけれど、村の結婚適齢期の若者は3人くらいしかいない。MacGreagorとしては氏族の人数を増やしたいから、他所の氏族へ嫁がれるよりも同じ氏族から夫を探したいような部分もある。

そんな中、Vikingたちの登場ですよ。このVikingたち、なんとStefanの父の右腕だったAnunaiの孫息子たちなんですね。上は23歳から下は14歳までの男オンリーの兄弟たち。自分たちにはどうも略奪するVikingは合わないから、平和に暮らせる土地へ逃げよう、ということで、なんとVikingのロングシップを盗んで、スコットランドまで逃げてくるという冒険をこなすんですね。で一気に、にぎやかになり、憎っくきBrodies一族との関係なんかもドラスチックにかわっていき、なかなか楽しめました。

もう1巻でそれぞれのキャラクターに愛着もってますから、この子があの人の子どもで、えー!もうこの人亡くなっちゃったの!的な衝撃もありながら、つるつるっと読めました。まあ毎年子ども生んでたら、Kannakも若死にするよね…(涙)。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

Vikingの7人兄弟

  • Karr Olney…長男。23歳。
  • Hani…Karrと10ヶ月違いの弟。笑わない。22歳。
  • Steinn…かなりマイペース。21歳。
  • Magnus…強がり。20歳。
  • Nikolas…17歳。料理が趣味!
  • Almoor…15歳。子どもの面倒をよくみてくれる!
  • Obbi…末弟。14歳。

Stefan MacGreagorの子どもたち

  • Wallance…長男。15歳。赤毛に青い目。
  • Catrina …14歳。ヒロイン。
  • Elalsaid…妹。13歳。怠惰?
  • Niall…弟。12歳。かなり成長が早いみたい。
  • Carson…弟。
  • Beatan…弟。10歳。
  • Dughall…弟。7歳。母親の記憶が残っているせいかかなりの甘えたがり!
  • Garbhan…妹。6歳。
  • Aileen…妹。5歳。
  • Conan…弟。4歳。

3/21/2016

The Viking (The Viking Series Book 1) (YL5.0)

The Viking (The Viking Series Book 1) (English Edition) (語数64,480語)

15歳になる前に、Stefanついに彼の初めてのヴァイキングの襲撃に、父に参加させてもらえた。しかし戦闘は彼の期待していたものとは異なり、彼は、襲撃先のスコットランドへとりのこされてしまう。

13歳のKannakの問題は、彼の父が彼女と母を捨ててどこかへ行ってしまったこと。彼女たちが生き残るただひとつ生き残る道は、母親の反対をおさえて、彼女が夫を得ることだ、と思い詰めていた。そこへ突然、逃走していたヴァイキングが現れ、彼女は思わず彼をかくまい、助けてしまう。彼女は果たしてスッコットランドの氏族たちから、そのヴァイキングをかくまうことができるのだろうか?

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というわけで、ヴァイキングのStefanと、スコットランド人のKannakという少年少女を軸に、彼女の母とその領主との隠れた恋、はたまた領主を憎みいつか殺してやろうとたくらむ妻…などなど、それなりに物語は錯綜して展開していきます。主人公のStefanがとにかく健やかなタイプですし、ティーン向けのYAみたいな感じなので読みやすいですよ。個人的にはヴァイキングものを選んだつもりが、まさかの定住路線…、という思惑外れなところもありましたが、全3巻なので、全巻読もうかなーという感じです。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

3/12/2016

Vlad: The Last Confession(YL7.0)

Vlad: The Last Confession: n/a (English Edition) (語数143,840語)

悪名で名高いDRACULA。

しかし本当のDracula、Vladの姿はどうだったのでしょうか?単なる恐ろしい怪物だった?本書では彼の矛盾に満ちたただの人間として描いています。

オスマンがヨーロッパへ膨張してくる時代、キリスト教圏の国々では内輪もめばかり。そんな中、戦闘の最前線のひとつだったワラキアの領主だったVladがどんな戦略でワラキアを導こうとし、オスマンから守ろうとしたのか。「悪魔の息子」と呼ばれた彼は、暴君でもあり立法者でもありました。十字軍院軍の騎士であると同時に大量殺戮者、処刑者であると同時にヒーロー、恋人であるともに殺人者でした…。

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本書では、Vladが亡くなってから5年後の1481年に、彼の山城だったPoenari城で行われた裁判から彼の生前の姿を描き出す、という形で構成されています。彼をよく知る3人が集められ、彼のオスマン朝での人質生活からはじまり、彼の最期までが語られていきます。Vladと1歳違いのオスマンの王子、Mehmet2世との因縁深いドラマもあって読みごたえたっぷりです。

Vladの一生が、年表を追うだけでもこれだけ激しいものだとは、本書を読むまで知りませんでした。Vladに対するプロパガンダも、生前死後を問わず、君主たちの都合ですごかったんですね。

コンスタンチノープルを攻略してしまうようなスルタンに対して、小国ワラキアの領主(しかも3度返り咲くというハメになる…。目まぐるしい領主たちの裏切り!裏切り!)にすぎないVladは、毎回、絶望的にみえる状況の中で、それなりの戦いをするわけですから、彼の軍司令官としての優秀さは、年表を追うだけでもわかろうというものでしょう。そしてこの圧倒的な戦力差の中で、勝機を見出そうとするわけですから、当然彼は苛烈です。

本書の中では、自分に忠実なものたち対しては優しさをみせるキャラクターとして描かれています。史実かどうかは不明ですが、趣味の鷹匠という属性も、なんだかんだいってキャラクターに説得力をもたせるエピソードで私は好きでした。愛馬や、鳥たちにみせる彼の愛情深さといったら…!いくら彼がワラキアを守ろうと頑張っても誰も信じられないような時代の中で、愛情をかえしてくれる動物たちは慰めだったんだろう、と解釈したくもなります。

年表(≒ネタバレ)を睨みながら読んでいたので、すっかりそんなVladに愛着をもってしまった私は、1476年が近づくと、「Vladがもうすぐ裏切られて死んでしまう…!」と絶望的な気分になっていました。しかしその「死」は、はっとするような終わり方をするし、1481年の裁判の決着もエッ!という展開ですので、絶望的なエンディングではなく最後まで目が離せませんでした。そして「裁判」が1481年だった意味も、Mehmetの年表を見ると、わかってきましたね。

というわけで、オスマン朝の異国情緒もたっぷり、鷹匠ネタも満載、Ilonaとの本当に物語のような(物語なんだけど!)出会いにいたるまで、読み応えたっぷりのヒストリカル・ロマン!!でした。読み終わった後の喪失感がすごい!!!

Ψ

ネタバレアリの登場人物メモ。役職名とかニックネームが散乱しているので、誰のこと言っているのか戸惑いながら読むのは、歴史ものの宿命ですね。登場人物も相当多いですよ!

Vlad Draculの息子たち

  • Mircea Dracula…長男。生き埋めによる死。
  • Vlad Dracula…次男。主人公!ニックネームは、Vlad Ţepeşとか ImpalerとかKaziklu Beyとか全部「串刺し」という意味みたいです。Vladはマルチリンガル。ギリシア語、ラテン語、フランコンニア語、オスマン語?アラビア語もたしなみ、コーランを、暗唱できるっぽいです。
  • Radu Dracula…Vladの弟。Vladの6歳下。Vladと一緒にオスマンで人質生活を送っていました。美少年で美男子に育ち、Mehemed2世のお気に入り。Vladは父の死でワラキアに戻りますが、Raduはそのまま人質生活を続行したことから、オスマンの宮廷で出世。Vladとは対照的な人生を歩みます。最期は哀れ…(涙)。

目撃者たち(1481年の裁判で召喚される告白者)

  • Ion Tremblac…最初の告白者。Vladとの付き合いは子どもの頃からで、5歳でVladと、一緒にトルコへ人質としてきた。Vladの忠実な友であり、家令みたな役割。
  • Ilona Ference…Lamaは奴隷としての名前。ハンガリー語でIlona。Vladの聖域。恋人。
  • Brother Vasilie…the Hermit。隠遁者。Ilonaのお産の時に呼ばれた僧侶。Vladの一騎打ちの戦いのときには兵として参戦していた模様。Vladは無駄な殺戮はしないと考えている。年も近く元戦士ということもあってVladに気に入られ、彼の告白をきくことになる。

オスマン朝の人々

  • Hamza …Hamza agha、のちのHamza pasha。Vladたちの人質時代の講師。鷹匠。Vladと鷹への愛を共有している。
  • Murad Han…Vladの人質自体のときのスルタン。ムラト2世。Mehmetの父。
  • Mehmet Celebi…Muradの息子。のちの「Fath」とか「The Conqueror」とも呼ばれるコンスタンチノーブルを陥落させるスルタンに。Vladより1歳年下。14歳で兵隊連れて暴れたけど、評議会から抗議を受けて1度、皇太子から引きずり降ろされたりしている。
  • Abdullah-i-Raschild…ギリシア生まれの奴隷でMehmetのお気に入り。

Wallaciaの領主たち

  • Albu cel Mare…The Great。 クセモノ。1448年、Vladの味方のフリしてVladislav側についた。
  • Turcul jupan…Wallachiaで2番目の権力者。Gales jupanの兄弟。彼の娘ElisabetaはIlonaのメイド。Ilonaはこの領主が嫌い。
  • Gales…Vladの領主の一人かな?チビで片目みたい。肝心の戦いでVladを見捨てたので、Vladに出くわさないよう逃げ回っている。…が捕まり、Vladの結婚式の日に処刑。
  • Cazan…父親と同じくらいVladに忠実。ワラキアの正当な教会のトップ。

DraculaのVitesji

  • Black Ilie…Vladの逃亡生活中にボディガードとして雇われた。アフリカの血も混ざってる?Vladのvitesjiの一人。親衛隊みたいなもんかな?とても忠実。
  • Stocia…Vladの下僕。口がきけない。なにも言わなくてもニーズを満たしてくれる。とても忠実。

その他

  • Petru Iordache…1481年裁判当時、ワラキアの領主に仕えるPoenari城の若いSpater。裁判の為やってきたHorvathyの為に執事的に動く。
  • Horvathy…Count of Pecs領主。伯爵。ハンガリー王Matthiasの取り巻きのひとり。独眼。1481年の裁判は彼が主導しているみたい。
  • Domenico Grimani…Cardinal of Urbino(イタリア山間部の小都市。ルネサンス期に栄えた)。1481年の裁判の採決を任される。カトリックですよ。(ワラキアは正教が主流ですが)。
  • Hunyadi…ワラキア出身のハンガリーの貴族。Vladの父を斬首することを命じた。MatthiasCorvinusの父。
  • Matthias Corvinus…ハンガリーの王。カラスの紋章みたいで「The Crow」とも。Vladたちより10若いけど2倍老けて見える…。彼は父親のHundtadi。Vladはそんな敵の息子の元で幽閉生活を送ったり、手を組むんですから、お互い凄まじい関係ですよね(Vladを生かしておくMatthiasの政治センスが生臭い)。
  • Thomas Catavolinus…Hamzaと一緒に派遣されてくるギリシア人。オスマン朝の広大さを思いますね。
  • Abdulmunsif…Hamzaと一緒に捕まる大使。
  • Abdulaziz…Murad時代からのマイナーな役人。大使。Hamzaと一緒にVladに捕まる。
  • Han Jiskra…ハンガリー王の欲得ずくの指揮官。Vladへの裏切りに心折れそうな若き日のHorvathyを叱咤する。
  • Elisabeta…Vladの最初の妻。Turculの娘だったと思うな。Ilonaのメイドもしてたんだけど。
  • Ilona Szilagy…Vladの2番目の妻。こっちのIlonaはハンガー王Matthiasの従妹。
  • Janos Varency…ハンガリーの強盗を捕まえる役人。Vladのハンガリーでの幽閉生活の終わりに、捕り物騒ぎで入ってきて、その傲慢さがアダとなりましたな?
  • Stephen Cel Mare…Bogdanの息子。Vladのいとこ。父親が殺されたあと、Vladと一緒に逃亡。たぶんこの方のことも「The Great」と言ってると思うよ。
  • Karafat…Vladの愛馬。メス。小柄だけどVladも背が高いわけじゃないし、愛馬だね。
  • Ahktar…メスのハヤブサ。HazmaからVladへプレゼント。