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10/26/2014

The Clan of the Cave Bear (Enhanced Edition) (Earth's Children)(YL7)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children)
Hodder & Stoughton (2010-12-21)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children) (語数196,000語)

氷河期末期の時代、クロマニヨン人の少女は、不案内で危険な土地を一人で彷徨っていた。大地震がおき、彼女は両親を失った孤児だった。

同じく大地震で住処としていた洞穴を失った「氏族」(ネアンデルタール人)は、新たな住処を探して旅をしていたところ、彼女と出会う。

彼らにとって、ブロンドで青い目をしたAylaはかなり異端で、醜い少女だった。彼女は彼らのもといた土地の近くに住んでいた異なる種族(クロマニヨン人)の一人だった。

しかし氏族のまじない女のIzaは、ほっとけば死ぬとわかっている少女を見捨てていくことができず、彼女を自分たちと一緒につれていくことにした。IzaとMog-urのCrebは彼女を可愛がりながら育て、Aylaは次第に氏族の生活に慣れ、もっとも彼女を受け入れてくれたIzaの癒しの技術を学び始める。

しかし、残虐でプライドの高い次期リーダーのBroudは、彼の権威を傷つけかねない彼女の異質さを嫌うのだった。彼は次第に憎悪の念を育て、いつか自分がリーダーになったときに、復讐しようと決心する。

Ψ

邦訳版で最終巻の1歩手前まで読んでいるこちらのシリーズ。邦訳の方も完結しているのは知っていましたが、その頃には多読をはじめていたので、いつか原書で読んでみようと今までとっていましたよ。ま、このシリーズ、1巻が一番面白いので、今後どこまで読み続けることになるのか、わかりませんが…(2巻もそれなりに面白かった筈なので、2巻までは読むでしょう)。

物語の筋はぼんやりながら把握しているので、思った以上にかなりツラツラと読めました。若干薬草関係なんかは読みづらかったり、氏族の名前で混乱したりもしましたが、英文はそこまで難しくないと思います。そして文句なしに1巻は面白いです!

以前読んだときには氏族の「記憶」があまり釈然としていなかったのですが(特にIzaが薬草の「記憶」を取り出しますよね。「そんなに具体的に取り出すことのできる記憶って?」とそこで思考停止していました)、「本能」と置き換えれば、あぁ、より旧人類の彼らにはそういうところがもしかしたらあったかもしれない、と思えたり。氏族とAylaのミックスのDurcに関しても、最新の研究ではクロマニヨン人とネアンデルタール人の交配があったという話もでてきていますから、途端にCrebの「希望」にも現実味がでてきたり…。

Izaの愛情の深さには本当に心をうたれるし(彼女の遺言ときたら…!どこまでAylaのことを思いやっているのか)、Crebの洞察力はさすがのMog-urの中のMog-urだとあらためて感嘆したり(物語の中ではシャーマンのような存在です)。

邦訳版を読んだのは、10年近く前の話なので、今回「再読」にもかかわらず、本当に没頭しましたよ。長いですけど、読み終わってしまうと寂しいです。邦訳版の2巻は結構ウキウキしながら読んだ記憶はあるのですが、クロマニヨン人には、なかなかIzaやCrebたち以上のキャラクターが出てきませんのでね…。

登場人物メモ

  • Ayla…主人公。クロマニヨンの孤児。
  • Iza…Aylaをわが子もように慈しむ。氏族のまじない女でステータスがある。
  • Creb…氏族の大シャーマンみたいな存在。Aylaをかわいがる。
  • Brun…氏族の良きリーダー。IzaやCrebの兄弟。
  • Broud…Brunの息子。次期リーダー。
  • Uba…Izaの実の娘。Aylaと姉妹のように育つ。
  • Durc…Aylaの息子。
  • Oga…Broudの妻。
  • Brac…BroudとOgaの最初の息子でAylaに命を救われる。
  • Zoug…Slingの達人。
  • Goov…Crebのmog-urとしての役割を引き継ぐ青年。マジメだが小物感漂う(Crebが凄すぎた)。
  • Vorn…Broudを崇拝している男子。