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12/24/2017

The Other Side of the River, Book 14 (Marti Talbott's Highlander Series) (YL5)

The Other Side of the River, Book 14 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約64,480語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第14巻。

Danielは母親が亡くなる間際に、母親からとある秘密を告げられました。弟のCoppyには抱えきれそうもない秘密だったから黙っていることに。しかし母親が亡くなってから間もなく、弟は気狂いだから迷惑だと言われ、それまで暮らしてきた村を二人は追放されます。Dainelは弟ともに村をでて、弟を受け入れて暮らせる新天地を求めて川沿いに北へ移動することに。新天地のアテは母親が死ぬ間際に言い残した村でした…。

川沿いに移動中、彼らは女性の遺体を見つけます。女性の髪は特徴的な灰色で、一目見て、川の向こう岸に住む呪われた一族MacdeanだとDainelは悟ります。下手に関わりたくないと思いますが、弟のCoppyは無邪気で、彼女が生きていることにわざわざ気が付き、助けようと言い出します。助けないことにはテコでも動きそうもない弟の様子に諦めて、呪われるんじゃないかとビビりながらも渋々Danielは彼女を助けることに同意。

意識を取り戻した彼女の名前はIsobell Macdean。村をVikingに襲われて、崖から飛び降りることによってただ一人助かった帰るとう状況のようで行き場のない少女でした。Scotland中から呪われた一族として疎まれている特徴的な髪をもつ彼女を連れての旅は困難です。しかしCoppyがIsobellを気に入り、Dainelはしぶしぶ旅の仲間として彼女を受け入れることになります…。

一方MacGregor一族ですが、すでにTavanたちの世代からNicolの世代へ移っていました。Dainelたちの「秘密」はTavanのLaird時代の騒動にかかわっていたのです。

主な登場人物

  • Isobell Macdean…15才。髪の色が灰色の一族。
  • Daniel…長男。母親が亡くなる際に「秘密」を告げられる。
  • Carbry…Danielの弟。兄からはCoppyと呼ばれている。
  • Bridget Macdean…IsobellがDanielたちと移動中に出会った同胞の女性。
  • Conal Macdean…Bridgetの父親。70代。
  • Nicol MacGreagor…三つ子の亡き後のlaird。
  • Edanna MacGreagor…Nicolの妻。
  • Frazier MacGreagor…Nicolの従兄弟。第二司令官。
  • Lachlan MacGreagor…第三司令官。19才。Danielと数ヶ月違いの年の差。

11/19/2017

Ill-Fated Love, Book 13 (Marti Talbott's Highlander Series) (YL5)

Ill-Fated Love, Book 13 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約68,200語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第13巻。

Swinton一族とKennedy一族はとても仲が悪い。しかしKennedyの若者がSwintonのLairdの娘Glenessaと恋仲となり、Glenessaは親からの命令で無理やりSwintonsの男と結婚させられる。しかしその男は殺され、Glenessaは行方不明、Kennedy一族の元で死んだようだ…、ということからますます両者の因縁は深まった。

今回MacGreagor一族は両者の仲介役ようのような役割で登場します。Sawneyはすっかり年をとり、息子のTavanにLairdの役割を譲って引退。少し年下のElspethもすっかり年をとり、二人は毎日、日向ぼっこをしながらなんのかんのと嫌味を言い合って過ごしています。Sawney登場からこの巻ですでに6冊目ですから、読者としてもそれなりに長い付き合い…!という感じで、lairdを引退した後の生活ぶりをみるのもこのシリーズで初めてなので、意外とこのへんのくだりが面白かったです。そしてElspethといえば、9巻のA Time of Madnessで、Sawneyたちが村から追放されたとき、Sawneyたちに付き従った一家の中の娘ですね。なんて懐かしい。

ElspethはSawneyを愛していますが、SawneyにはMackinzieがいましたから、その後、二人の男と結婚します。子どもも得て、それぞれ巣立ち、孫も沢山いるふたり。

Glenessaの死因をめぐる騒動もドラマチックですが、シリーズを読みついできた読者としては、SawneyとElspethの姿が印象に残りました。

主な登場人物

  • Glenessa Swinton…Lairdの娘。美貌で評判。Kennedyに殺された。
  • Tavan MacGreagor…Lairdに。
  • Sawney MacGreagor…前Laird。ボケて間違いを犯さないうちにと、早々に息子へLairdの座を譲り渡した。
  • Elspeth MacGreagor…Sawneyより5歳年下。Sawneyたちが追放された当時15歳。SawneyたちにKeter同行したKeter一家の娘。
  • Heddie MacGreagor…Patrickの息子。17歳。
  • Baodan MacGreagor…英国へ塩を入手するため出入りしているグループのリーダー。
  • Mark MacGreagor…Patrickが捜索隊の一人に選んだ若者。隠密行動が得意。
  • Ivor Kennedy…宝石だの装飾品ジャラジャラのLaird。そうええば父親もそんな感じでしたね…。
  • Bryce Kennedy…Ivorの兄。Alisonたちの父親。
  • Katie Kennedy…MacKinnon出身のIvorの妻。
  • Alison Kennedy…自由を夢見る少女。Donahailの妹。Lairdの姪っ子だが、人里離れた場所に一家は住んでいる。
  • Donahail Kennedy…長男。15才。Lairdのの甥っ子。
  • Mona Kennedy…Bryceの妻。美人。
  • Logan Swinton…Alisonを可愛いと思っている若者。
  • Derek…英国人。農業をやっている。
  • Susan…英国人。Derekの妻。農民。
  • Lord Bellas…Derekたちの領主。

10/30/2017

語数計算から解放

Kindleでの語数計算には試行錯誤していましたが、多読王国のフォーラムをみていたら、なかなかのサイトが。

Reading Length

まんまやん!という素晴らしきサイトのタイトル(パチパチパチ)!

本のタイトルでもひけますが、ISBNの10ケタの方がヒット率高いですね。語数の精度は、ちょっとわかりませんが、語数計算するより断然楽ですもんねぇ。

10/29/2017

Choices, book 12 (Marti Talbott's Highlander Series) (YL5)

Choices, book 12 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約63,860語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第12巻。

今回は主に商業で栄えるGrahamのLairdの娘たちがさらわれる話ですね。Grahamといえば、かつてSawneyの姉PaisleyがLairdの元へ嫁ぎ、Paisleyが大事なあまり嫉妬に狂ってそこのLairdは死んでしまいまったあのGrahamです。その後一族の中の争いを制したThomasがLairdとして勝ち抜き、再び、商業の氏族として栄えています。Thomasの長女Tuesdayは、Lairdの娘としてなにひとつ不自由なく暮らしていましたが、ある日、一人でMacGreagorの土地の池へ出かけて行って、そのままストーカーのような男Olsonに拉致されます。お前の妹Fellenaもさらったから、妹を助けたければ、おとなしく自分と結婚しろと脅されて。おまけにOlsonはFellenaをさらったとき、Swintonの犯行に見せかけてきたと、とんでもないことをいう。そんなことをすれば戦争が勃発してしまう可能性がある…。

たまたまその拉致現場を見ていたAlecは彼女を救うか、戦争を阻止するためにSwintonではなくOlsonという単独犯だと仲間へ告げに行くかを悩みます。しかしどんどんOlsonは移動していき、Alecは彼らを追跡することになります。

一方、MacGreagorのLairdの娘Colinaは全然結婚する気もなく、Tavanが結婚したころから、家族の目もさけ一人で過ごすことが多くなっています。一体彼女はどんな秘密を抱えてしまっているのか…?

という、今回はLairdの娘たちの話ですね。TuesdayとColinaの話はリンクしているのか…?と思いきや、あんまりリンクしないっていう拍子抜けの部分もありますが、世代交代も感じさせる巻となっています。

主な登場人物

  • Tuesday Graham…Laridの年頃の娘。
  • Laird Thomas Graham…Scotlandで一番リッチな氏族の長。
  • Lorna Graham…Thomasの妻。
  • Fenella Graham…Tuesdayの妹。7歳にもならない。
  • Olson …中年の独身男性。
  • Jordan Graham…第二司令官。
  • Mary Graham…5歳の少女。
  • Alec MacGreagor…24才の独身男性。弓が得意。
  • Braxton MacGreagor…5歳のときからColinaに結婚をアピール。フラれ続ける。
  • Tavan MacGreagor…三つ子のひとり。一番Sawneyに似ている。何かを決断するときにはいろんなオプションを考えてから決めるタイプ。彫り物が趣味。
  • Patrick MacGreagor…三つ子のひとり。
  • Callum MacGreagor…三つ子のひとり。忍耐力もある。
  • Colina MacGreagor…三つ子たちの妹。
  • Sawney MacGregor…Laird。三つ子らの父。
  • Mackinzie MacGregor…Sawneyの最愛の妻。
  • Mark MacGreagor…6歳。戦士にあこがれ中。自分の勇気を探し続ける。
  • Kennedy Laird…Swintonへの恨みが強い。したたか。

10/21/2017

Secrets, Book 11 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

Secrets, Book 11 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約71,920語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第11巻。

前巻ではMacGreagorのLairdの三つ子のうち、二人が結婚しましたが、王都でしばらく囚われの身となっていたTavanはあまり活躍もせず独身のまま終わりました。一人独身なのでみんなに嫁の話をふられてやや食傷気味っぽいTavanが今回の主役です。三人の中で一番慎重なTavanらしく、恋愛もこれは愛なのか?なんなのか?とじっくりと見極めようとするあたり、他の二人の展開に比べてかなり慎重、とも言えますね。

そして今回はKristinという少女の出生の秘密が台風の目のようになって物語が展開してきいきます。Kristinは村はずれで優しい父Samuelのもとで農家として暮らし、森の中を一人で自由に歩き回るのが大好きな少女です。母親は幼いころに死んだと思って過ごしてきましたが、その母が実は…、という展開で、タイトルのSecretはまさにこの辺にかかってきますね。今回はなかなか悲しくもドラマチックな展開です。Kristinは頑固ですが、結構母に対する距離感は冷静で好感をもてました。

主な登場人物

  • Tavan MacGreagor…三つ子のひとり。一番Sawneyに似ている。何かを決断するときにはいろんなオプションを考えてから決めるタイプ。彫り物が趣味。
  • Patrick MacGreagor…三つ子のひとり。
  • Callum MacGreagor…三つ子のひとり。忍耐力もある。
  • Colina MacGreagor…三つ子たちの妹。
  • Sawney MacGregor…Laird。三つ子らの父。
  • Mackinzie MacGregor…Sawneyの妻
  • Kristin Macgreagor…渓谷の端に住んでいるSamuelの娘。
  • Samuel Macgreagor…Krisitinをかわいがっている父親。とても優しい。
  • Sharla MacGreagor…背の高いダークブロンドの女性。Jenaeのことを親友だと思ってきた。
  • Jenae MacGreagor…Kristinとも仲の良い女性。
  • Sile MacGreagor…寡夫暮らしの長いSamuelのもとによくやってくる。どもり。Gordonが苦手。
  • Gordon MacGreagor…Michael Buchannanと仲がいいelderのひとり。
  • Hendry Buchannan…Laird。五人の息子に恵まれたが、二人を幼くして亡くし、三人の息子は戦争で亡くし妻も亡くした。
  • Arabella Buchannan…最高の美人というわけでもはないけれど、Hendryにとっては最高の妻だった。MacGreagor出身。
  • Michael Buchannan …第二司令官。落ち着いていて気もきく。
  • Mary Buchannan…Michaelの妻。
  • Myra Buchanna…Buchannanに滞在するKristinの世話係的な女性。

10/01/2017

Triplets, Book 10 (Marti Talbott's Highlander Series) (YL5)

Triplets, Book 10 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition)

(語数約71,920語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第10巻。

前巻で結婚したMacGreagorのLaird SawneyとMackinzieはなんと三つ子の男子に恵まれた。お産があまりにも大変だったので、産婆たちは生まれた順序はわからない、という。そんな彼らが10代の後半になった頃、王から使者が村へやってきた。王がもっとも信頼していた甥とその護衛が死に、王は自分の息子と国の未来を心配していて、MaGreagorへ協力を仰いできたのだ。息子のLukeを守ってくれと。

三つ子は王子が無事村へ到着したことを王へ知らせるため、王都へ向かうことになります。そこでそれぞれ女性と出会い…、という展開。

三人とも十代だし、それまで苦労知らずで育っているので、気質はよくても用心深さはあんまりないんですよね。三人三様で活動するので、なかなか展開が目まぐるしいです。父親から半ば虐待のような形で結婚詐欺の片棒を担がされている美貌のKylieの話はうわー…、という感じで。彼女を受け入れることで一回り大きくなるような感じでしょうか。

三つ子だと誰が次期Lairdになるのかなーってあたりも気になりますよね。

主な登場人物

  • Patrick MacGreagor…三つ子のひとり。社交的。Finagal一筋?
  • Callum MacGreagor…三つ子のひとり。母親が必要なものに真っ先に気がつくタイプ。忍耐力もある。
  • Tavan MacGreagor…三つ子のひとり。一番Sawneyに似ている。何かを決断するときにはいろんなオプションを考えてから決めるタイプ。プライドも高いけど上達も早い。
  • Colina MacGreagor…三つ子たちの妹。12才。
  • Bardie MacGreagor…三つ子たちの妹。7歳。。
  • Finagal MacGreagor…Patrickが気に入っている少女。
  • Innis …Finagalの従兄の許婚。
  • Luke …スコットランドの王の息子。Englishも話せる。三つ子と同い年くらい。母はフランスの王の娘。
  • Barnad…かなりのワル。Luke王子の母方のまたいとこ。
  • Catal…かなりのワル。Luke王子の母方のまたいとこ。
  • Searlag…王都にすむ女性。Patrickに助けられて知り合いに。
  • Graw…Searlagの娘。宮廷で働いている。王の親友ともいうべきBethalの孫娘。
  • Irvine Mackinna…26で司令官へ出世。
  • Ross…Kylieの父親。娘を結婚詐欺的に利用。
  • Kylie…父親と一緒に王都へ。かなりの美人。
  • Laura…Kylieの妹。優しいので動物に好かれる。伯母のMoreckの元で暮らす。

9/09/2017

A Time of Madness, Book 9 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

A Time of Madness, Book 9 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約75,640語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第9巻。

前巻でMacGreagorのLaird Justinからクジラをもってかえってこいと不可能とも思える命令を出されて村を追い出されたNeasanたち。仲間は道中みんな死んだけれども、彼はクジラの骨をみつけ、村へ戻ってきた。

彼が最も殺したかった男は自分を追放したJustinだったが、彼はすでに死の床へついており、間もなく死んでしまった。次期Lairdとしてもっとも期待されていたのはJustinの息子Sawneyだったが、Neasanには別の野望があった。果たして彼の計画はうまくまわり、この残虐な男が次期Lairdになるのだろうか?…というひさしぶりに氏族の危機、すわ戦争か?というのが本巻です。

Sawneyの祖父NeilがLairdになる前後はかなりシビアな時代を過ごした一族ですが、一転、その息子Justin時代はかなりの安定、繁栄期でしたからね。そんなにいつも世代交代がうまく行くわけではない、Sawneyの時代の幕上げはひと悶着…というのはありそうな話です。しかしNeasanはだいぶライバルとしては抜けているので、後半は半分喜劇、Neasanがだんだん哀れにさえ見えてきます。彼は自己中なわりに、中途半端にMacGreagoぽさがあるんですよね。

そしてなにより本巻で存在感があるのは、もうひとりの主役Makinzie Cambellという孤児の少女です。彼女は親の顔もしらないほど幼いころに捨てられ、Cambell一族の中で育てられました。しかし親がいないということでなにかといじめられ、自分の殻に引きこもり、孤独に過ごしてきました。しかしそんな彼女にもつかづ離れずの見守るTavanの存在があり、「自分は孤独だと思ってきたけれど、見守られてきたんだ」ということを自覚することで、彼女は大輪の花を咲かせるように、成長するんですよね。

主な登場人物

  • Mackinzie Campbell…幼いころに孤児となり村では厄介モノ扱い。かなり強い。
  • Tavan Canpbell…19の時落馬して以来足が悪い。56歳。Mackinzieのことをっ気にかけている。Laird Campbellの兄弟。
  • Amos…スコッランド王の部下。
  • Joel…スコットランド王の部下。
  • Neasan MacGreagor…Justinに村を追い出された若者。
  • Dena MacGreagor…氏族の女主人になりたがっている女性。
  • Markus MacGreagor…Denaの父親。数少ないelderのひとり。56才。
  • Bearcha MacGreagor …隠密行動が得意なハンター。Sawneyたちに好意をもってる。Grantと親友。
  • Grant MacGreagor…Justinの姪と結婚。
  • Bryce MacGreagor…Justinの姪と結婚。
  • Paisley MacGreagor…Sawneyの姉。白髪で美人で有名。前巻でLaird Grahamと結婚したが彼の嫉妬心が凄すぎて…。
  • Sawney MacGreagor…Justinの長男。Justinの若い頃にそっくり。ほんとはAlaisdairという名前だが、誰もそう呼ばない。20歳。
  • Hew MacGreagor…Justinの次男。Sawneyより1歳年下。
  • Keter MacGreagor…Sawneyの第二司令官候補。Carleyの長男。
  • Gavina MacGreagor…Keterの妻。
  • Dolina MacGreagor…Keter の娘。11才。
  • Elspeth MacGreagor…Keterの娘。15才。
  • Blare MacGreagor…Keterの兄弟。
  • Jennet MacGreagor…Blare の妻。
  • Daw MacGreagor…Blareの息子。10代。
  • Cormac MacGreagor…Blareの息子。10代。
  • Daniel MacGreagor…妻をお産で亡くした。Justinの妹Brennaの息子。
  • Senga MacGreagor…Danielの長女。結婚できる年齢。15歳。
  • Logan MacGreagor…Danielの5歳の息子。
  • Flora MacGreagor…Danielの三歳の娘。
  • Lenox MacGreagor …独身。Paisleyの幼馴染。

9/03/2017

Abducted, Book 8 (Marti Talbott's Highlander Series) (YL5)

Abducted, Book 8 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約58,900語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第8巻。

MacGreagorのLaird Justinの次女Paisleyは、特徴的なのが白髪をもち、Scotland中で噂になるほどの美貌だった。いったん彼女の美しさの噂が広まると、遠くから彼女を一目見ようという独身男が集まってきた。近隣の氏族Laird Chisholm Grahamも、彼女と数時間過ごしただけで、あっという間に恋におち、妻にしたいと願った。しかしかつてのJustinの独身の妹たちに対する保護欲もすごかったけど、当然娘にも鉄壁の守りで、彼女と十分に過ごしたりする機会はもてそうもなかった。そんなある日、何者かが彼女を誘拐していってしまった。果たして彼らは何者なのか、彼女を戻すつもりはあるのだろうか?

…という、誘拐ものです。Justinは二人の娘と四人の子持ちになっており、妻のDeoraは6人目のお産で亡くなっています。長女は結婚済みで、次女のPaisleyが16歳を迎えようかという年頃になっています。長男はSawneyでPaisleyの弟でまだまだ子どもですが、とても気立てがよさそうな子どものなのでこの子が次期Lairdになるのでしょうか。

娘の誘拐のことで頭がいっぱい、娘の為なら戦争を起こさんばかりのJustinですが、人の話を聞かない自分本位のLaird Monroが突然娘のBlankaを預けにきて、あんたは独身だから俺の娘と結婚するに違いない、と勝手なことを言って娘を置いて行って、こんな混乱しているときに再婚するの…?という不思議な展開があったり。Kennedysはこれまで盗みの常習犯でイヤな氏族、って感じでしたがLairdが変わってかなりまともな感じになったんだな、ということを感じてみたり。

そして何より、Neilと違って壮絶な苦労をしていないJustinは、将来に禍根を残すんじゃないの?…という決断を最後に行います。Justinの妹Carleyは前巻では不幸でしたが、本巻でも結構不幸ですね…。本人の気立てはいいのに。

登場人物一覧

  • Paisley MacGreagor …Justinの二番目の娘。15歳。
  • Laird Chisholm Graham…独身。Paisleyに一目惚れ。23歳。
  • Leslie MacGreagor…Justinの長女。既婚。
  • Deora MacGreagor…六人目のお産のとき亡くなる。
  • Carley MacGreagor…Justinの三番目の妹。再婚した。
  • Moan MacGreagor…Carleyの再婚相手。Justinのよきアドバイザー。
  • Alisdair MacGreagor…Justinの長男。Paisleyより2歳下。かなりうるさいのでSawneyと呼ばれている。
  • Hew Macgreagor…Justinの次男。
  • Thomas MacGreagor…Blankaの護衛役に。基本は狩人。
  • Neasan MacGreagor…母親がCarleyと親友。
  • Laird Macalister…かなり残虐な性癖のLaird。
  • Rona Macalister…Macalister の亡くなった妻の姉妹。毒薬に詳しい。
  • Adair MacDuff …Rossの弟。
  • Ross MacDuff …Adairの兄。
  • Laird Monro…なかなか巨大な氏族のLaird。自分の娘を是非Justinに、と置いていく。
  • Blanka Monrf…Laird Monroの娘。気立てよく穏やか。
  • Blathan Keith…Keithsの第二司令官。

8/26/2017

The Golden Sword, Book 7 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

The Golden Sword, Book 7 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約65,720語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第7巻。

珍しくこの巻はちょっとしたミステリー風味で、主に3人の若者とMacGreagorでおきた殺人を軸に物語は展開していきます。

一人目は森の中で母と孤立するように暮らしていてる少年Essen MacKinnon。母を亡くして一人で彼女を埋葬したその日、なぜかEssenの名前を知る男が現れ、黄金の剣の話をします。自分は老い先短いから、お前が探しさなさい、そのために一人でも生きていける術を教えるから、と、Essenとしばらく暮らし、そして彼もまた死んでいきます。Essenはそこから数年、一人で暮らしますが、やがて旅にでてもやっていけそうだと思えた18の年に、宝剣探しの旅へ出ます。

もうひとりはスコットランドの宮廷に仕えるBethal MacGreagor。彼女は四巻のカップルHannishとBethiaの娘です。とても気の利く彼女は、すっかり女王のお気に入りとなり、王にも気に入れられます。しばらく宮廷で働いたら、故郷へ戻って結婚しようと考えていたBethalですが、王は手放したがらず、逆に、MacGreagorの独身男を連れてくればいいではないか、と思い至ります。

そして3人目はPatches。彼女はJustinの一番末の妹です。彼女は同年代であまり相性のよくないBreiveから、ある日、あなたはさっさと結婚するべきね、と言われます。Breive曰く、Justinには二人の娘しかいないから、次期Lairdはきっと妹たちの夫ということになるでしょう。その為にあなと結婚したがる男たちが、あなたの結婚が決まらない限り結婚しようとしないから、私たちの結婚も遅れるのよね、と。Patchesはそんなことを考えたこともなかったから、悩みだします。そして翌日、Breiveは何者かに殺されます…。一体誰が彼女を殺したのか…?

このEssenがある種の純粋培養というか、無垢な感じでとてもいいんですね。そして黄金の剣といえば、かつてNeil時代にWalrickが抜いて見せたMacGreagorの剣ですよね。どんどん氏族の歴史も積み重なって、そこからまた物語がつながっていって…。まさに氏族のsaga。巻数を積み重ねるにつれどんどん深みもましていきますね。

  • Essen MacKinnon…母とふたり森の中に隠れ住んでいる少年。
  • Moran Larmont…Essenが森の中で出会った男性。優しそう。
  • Allie MacKeith…Essenが旅の道中出会った女性。野垂れ死にしそうだった。MacBainの人と結婚したが、MacBainsから追放された。
  • Patches MacGreagor…Justinの四人姉妹のうちの一番末の妹。クリスチャンネームもあるけど幼いころしばしば服をダメにしてつぎはぎだらけだったのでみんなからPatchesと呼ばれることに。
  • Bethal MacGreagor…Scotslandの宮廷で務めている。BethiaとHannishの娘。the Slype-Groat boardが得意。Scotlandの女王のお気に入り。王にも気に入られる。
  • Donan MacGregor…走るのが得意。Patchesとそれまでそう親しく話したことがあるわけではなかった。Patchesより六歳年上。かなりハンサム。
  • Breive MacGreagor…Patchesと同い年の少女。Donanが好き、だいたいのことで意見が一致しないのでPatchesは苦手意識。Bethalとは仲が良い。
  • Carley MacGreagor…Justinの四人姉妹のうちの3番目の妹。Mefinと昨年結婚。
  • Mefin MacGregor…Carleyの夫。Jusitinの妹を嫁にしたわりに出世しない。食事はいつも遅刻、とだらしない。
  • Shaw MacGreagor…Justinの一番上の長女の夫。第二司令官。Justinがもっとも信頼する男。
  • Trallen MacGreagor…夫に暴力を振るわれた。Kennedysに嫁いでいた。4巻で9人姉妹の一人Alisonと結婚したBenの従妹みたいですね。
  • Balloch MacGreagor…双子と仲がいい。双子にいつもゴシップを教えてくれる独身男性。
  • Catell MacGreagor…双子の姉妹のひとり。Donanに惚れていたが、だんだんBallochを好きに。
  • Jinty MacGregor…双子の姉妹のひとり。Donanに惚れてる。
  • Ruskin MacGreagor…JustinがScotland王のもとに連れて行った独身男性の一人。宮廷で女性といい仲に。

8/19/2017

Betrothed, Book 6 (Marti Talbott's Highlander Series)(YL5)

Betrothed, Book 6 (Marti Talbott's Highlander Series) (English Edition) (語数約115,9400語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第6巻。

この巻から短編の集まりではなく、1冊で1話という感じになるようです。そしてMacGregorsも世代変わりして、Neilの息子、JustinがLairdになっていました。

子ども時代からして性格がよさげなJustinでしたが、妹が4人。母のGlennaは健在。Neilがしっかり一族繁栄の土台を気づいていたこともあって、Neilが亡くなってから3年。なかなかMacGreagorsは繁栄しているようです。

そこへある日、例の言葉"hollow"がEnglandから届き、Justinは困惑します。祖父時代のLairdとEnglandの王たちの間の秘密の合言葉。しかしこの言葉を知る最後の王はすでに死んでいる筈。いまさら誰が、MacGreagorのLairdをEngland側で招集しているのだ…?

一方England側では、Lady Deora Medwinは彼女の意志に反して王の非嫡出子のTrumbleとの婚約を強要されていました。母は亡くなり、今は父と娘二人だけの家族。Deoraは父のMedwinを深く愛していましたが、こんなひどい結婚を強要してくるなんて、父はこんなことをするような人間だったのだろうか?お嬢様のDeoraにできることはもはやただ一つ、逃げること。

Ψ

ということで、この二人が主役になりますが、まぁJustinの不器用っぷりが可愛いです。Neilの当初の不器用っぷりを思い出す(笑)。

そして妹たちに対する過保護っぷり、シスコンぶりときたら…!

ちなみにDeoraの父親はなんと前巻1話目「Clare」でAlcottの執事をやっていたStuartですね。例の決闘で土地を手に入れ、裕福になっていました。MacGreagorsと生涯の友情を約束していたから、どこかで出てくるのかなぁとその時は思いましたが、その伏線の回収がこの巻でした。

登場事物一覧

  • Lady Deora Medwin…Medwinの一人娘。
  • Lord Stuart Medwin…Deoraの父。かつてLord Alcott of Cumberlandを殺して今の領地を得た。
  • Swete…Deoraの子供の頃からの侍女。
  • Lord Elseway Trumble…Deoraの婚約者。ぼんくら。王の非嫡出子。
  • Baron Vance…Trumbleと犬猿の仲で、Deoraと結婚したがっていた。
  • Franklin…Vanceの下男。
  • Justin MacGreagor …MacGreagor のlaird 。
  • Shaw MacGreagor…Justinの右腕。英語を話せる。Justinの妹Brennaが好きだが、これまでシスコンのJustinがうるさいので近寄れなかった。
  • Ginnion MacGreagor…戦闘のときは誰より獰猛だけど、女性がいるときは優しく子羊のようにおとなしい。頭痛治療が得意。
  • Cowall MacGreagor…Justinの護衛。 Hewitt、Toshと従兄弟。
  • Hewitt MacGreagor…Justinの護衛。Cowall,Toshと従兄弟。
  • Tosh MacGreagor…Justinの護衛。Cowall, Hewitt と従兄弟。
  • Lennie MacGreagor…Justinの護衛。
  • Moan MacGreagor…第二司令官。Justinの留守中は村を預かる。
  • Ceanna MacGreagor…Justinの一番上の妹。もうすぐ17才。Glenna に似ている。
  • Brenna MacGreagor…Justinの妹。シャイ。15才。庭造りが好き。
  • Carley MacGreagor…Justinの妹。14才。
  • Lorna MacGreagor…Justinの妹。9才。
  • Dicocail Kennedy…Swintonsとの戦争のあとLairdになった。Justin曰く公正で賢明なタイプだから氏族のために尽くすだろうと。

オマケ

このシリーズときどきplaidを着るのを手伝うシーンとか、プリーツを作っているシーンがでてきて、前から着方が気になっていたんですよね。そういえばいまどき動画があるんじゃない?と思って検索したらちらほらありました。

plaidは想像以上に大きい布だし、一人で着こなすには寝ころばないとムリじゃない…?という気がしました。こういう動画は面白いですねぇ!

Marti Talbott's Highlander Series 5 (Clare, Dolee, Catlin & Lasha)(YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 5 (Clare, Dolee, Catlin & Lasha) (English Edition) (語数約73,160語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第5巻。

1話目は4巻でEnglandへのKadickの夫探し、独身男の嫁探し騒動で、姉のGreerに修道院から救い出されたClareのお話。修道院でも扱いにこまるほどの彼女は凄い美人で、目立たないようにいつもボロを着ていた。ところで村へついてボロを脱いだらものすごい美人。ということで、男たちからの注目を集め、女たちからは、"彼女が結婚を決めないと、独身男たちがチャンスがあるんじゃないかといつまでも決断をしない"と嫉妬され…。姉との再会は嬉しかったけれども、周囲からのプレッシャーで針のむしろの気分で過ごしていた。というのも修道院にいた頃、たまたま市場で知り合ったAlcott of Cumberlandと恋に落ち、ひそかに手紙のやりとりをしていたのだ。その彼が死んだという手紙を受け取り、絶望していたところへ、姉が現れて修道院から連れ出してくれた。しかし彼への思いは消えず、とても結婚するような気分ではない…。こんなに結婚への周囲のプレッシャーが強いなら、いっそEnglandへ戻った方がいいのではないか?

…ということで果たしてClareはEnglandへ戻ることになるのかどうか?という展開ですね。

2話目は子宝に恵まれない夫婦の話。とても夫のCamranを愛し合っているのにどうしても子どものできないDolee。さまざまな治療や薬をためして体も壊しそうになって夫からはもう無理して試そうとするな、と止めれていた。

土地柄、結婚後3年たっても子どもができなければ夫は離婚してもいいというルールがあった。3年目に入り、Camranはそれでも自分を愛してくれているという思いもあったが、子どものことを諦めきれないDoleeは、九人姉妹の一人Nessaから、Kennedy一族によくあたる女占い師がいるのよね、という話を聞いて…。

3話目はなんと予想外の来訪者がMacGreagorへやってきて…、というお話。LairdのNeilが、父親が死んで兄のSweenと争っていた時、叔母のRachel一家は仲のいいCameron一族へ去っていき、戻ってきませんでした。その子どもたちが、来訪するのです。

MacDonald一族にMacGregor一族が襲撃されたとき、Cameron一族はMacDonaldよりの中立、というような雰囲気でしたが、一体LairdになったBlairや、Englandの王位継承権をBlairと結婚するために放棄したCharletたちはどうしたんだろうと思っていました(それから出世しそうだったハンサムボーイYuleとかSteppenの姉Mareeあたりは全然若いと思いますが、どうしたんでしょうかね…。疫病?)。RachelたちやCharletのその後はこのお話でわかります。

4話目は新天地にきてからのご近所氏族Haldaneとのお話。この氏族はMacGreagor氏族の周辺をウロウロし、偵察されていることはわかっていましたが、一向に対話しようという気配もなく、敵対的なのかどうかもわからず、不気味な存在でした。ある日、狩りの途中で立往生している子どもをみつけたCowan MacGreagorは、キルトの柄からHaldaneの子どもか、と察して、誘拐の誤解を受けても困るので、Haldaneへ単身、子どもを送り届けます。子どもはLairdの一人息子で、Lairdからも感謝されます。そこでわかったことは、どうやらHaldaneのLairdはまともだが、その妻が相当な情緒不安定で、村全体がおかしくなっていること。この気分屋の妻がいるために、妻をつれてMagCreagorへ挨拶にいくこともできないし、かといって置いていくこともできない。それでもこの妻を愛しているのだという。一方、Lairdの妹Lahsaは独身で、兄家族と同居しており、このヒステリックな義姉にうんざりしていた。いずれこの小さな村の中の男と結婚することが義務だと思い込んでいたが、今日甥っ子を助けてくれたあの男性は…?という感じの一目ぼれ展開ですね。個人的には、HaldaneのLairdは、この妻相手に忍耐強く、面白いなぁと思いました。

NeilはLairdとして繁栄期って感じですね。ときどき女性たちから、「出ていく!」とか言われてドキマギしていますけれども賢いGlennaもいますからね。序盤に彼は苦労しすぎているので、若死にするのではないかと心配していました。

1話:Clare

  • Clare …Greerの妹。凄い美人なのでいつでも注目の的で苦労している。
  • Marlow…修道院の人間でよく市で売買している。
  • Alcott of Cumberland…イングランド人。Lord Wickerlyに。
  • Stuart of Cumberland…Alcottのsteward。半分ScotなのでGaelicを話せる。
  • George of Leics…Englandの新しい王。
  • Tristan MacGreagor…Englandの新王の噂を最初にNeilへ知らせる人物。偵察に長けている。英語を話せる。
  • Lucas MacGreagor…Jesuupの再婚相手。
  • Jessup MacGreagor…Englandの女性。亡くなったEngland王と親しかった。

2話:Dolee

  • Dolee MacGreagor…心からCamranを愛している。21才。
  • Camran MacGreagor…Doleeの夫。毛皮職人。
  • Nessa…九人姉妹の五女。いつも姉妹からはwitlessとか言われている。
  • Ros MacGreagor…Nessaが好きな相手。しかしEmilyがいつも彼の回りにいる。母親違いの年の離れた弟たちがおり、面倒見がよい。

3話:Catlin

  • Catlin Cameron…BlairとCharletの娘。身のこなしが素早い。Liardの息子Lammondから追いかけまわされている。
  • Thomas Cameron…RachelとConnorの子ども。17才。かなり陽気。
  • Julia Cameron…RachelとConnorの子ども。兄Thomasとはいつも口げんか。
  • Lammond Cameron…Lairdの息子。かなり残虐なタイプ。
  • Thanna Cameron…他に女がいないとき、Lammond Cameronに立ち寄る相手。Lammondのことは嫌っている。
  • Vallam MacGreagor…Catlinとバッタリ森であったときに、彼女にけがをさせられる。不覚をとったと思うも、Catlinから目が離せない。
  • Luag MacGreagor…NeilからCatlinの護衛役に任命。Neilの遠征のときはだいたい第二司令官をやっている。
  • Slade MacGreagor…九人姉妹の長女Edanaの夫。ハンサム。Cameronに親戚がおりMcDonald襲撃のときは親戚に匿ってもらった。
  • Hannish MacGreagor…Bethiaの夫。裏切りのFerguson のlaird を暗殺した。

4話:Lasha

  • Cowan MacGreagor
  • Ena Haldane…lairdの妻。かなり情緒不安定。笑えば美人。
  • Lasha Haldane…laird の妹。
  • Sionn Haldane…Lashaの婿候補の一人。狩人。明るいし、思いやりがある。
  • Lorna…Cowanに気があるけど、お産を考えるととても声もかけられない。
  • Aleen …九人姉妹の末っ子。Lornaと友だち。

8/12/2017

Marti Talbott's Highlander Series 4 (Bethia, Alison, Kadick & Glorie) (YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 4 (Bethia, Alison, Kadick & Glorie) (English Edition) (語数約87,420語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第4巻。

3巻でより北部へ移動してWalrickがLairdをつとめていたMacClurgと合流することになったMacGreagor一族。1話目はそうとは知らず、しばらくEnglandのおばの家に身を寄せていたBethiaの物語です。彼女は恋人が別の女性と婚約したと思い、別の女性と結婚した彼を見て暮らすのは耐えられないと思って、数年前にEnglandへ旅立ちました。しかしEnglandでは叔母が死に、従弟たちはかなり性質が悪くていられなくなり、従弟の馬をとっさに盗んで久しぶりに単身故郷へ戻ってきたわけです。ところがもう村がない。焼け落ちた後がある。MacGreagorは全滅したのか?と思って絶望していたところへ、Neilが散り散りとなった氏族を探すために放った捜索隊の一人、元恋人Hannishが現れて、二人は再会して…、という展開。Bethiaの従兄が相当なワルで、二人はずっとこの従兄に追跡されます。そしてBethiaには叔母の家で働いていて残してきたScotsのハーフメイドGreerを救い出したくて仕方がありません。果たして従弟たちをまいてメイドのGreerを救出することができるのか…?という展開になっていきます。

以降はネタバレあり。それなりに長いシリーズですので備忘録的に!

2話目は前巻で合流した9人姉妹の三女Alisonの物語です。Alisonは母親がお産で亡くなったことから、絶対子どもを産みたくない≒結婚したくないと思い詰めており、男どもの視線にはうんざりしている日々を送っています。Alisonは動物が大好きで、家畜にかまいたくてしょうがない。しかしMacGreagorでは家畜の世話は男の仕事になっているから、遠目にみるだけ。そんなことから家畜の世話をよくするBenの姿がだんだん視野にはいってきます。BenはどうやらAlisonは男が近づくと遠ざかることに気づいて、彼女が自分の方を見ていても気づかないフリをし、彼女から話しかけてくるのを待ち続けています。…なんだかナウシカの「こわくない、こわくない」みたいな感じの展開ですねwさらに別部族でAlisonを見初めて自分の嫁に…、と思い込んでいる男が誘拐を思い詰めてて、という危険も迫ってくる話です。9人姉妹の団結力も見もの。

3話目は生まれつき顔にあざのあるKadickの物語。顔にアザがあるせいで、呪われていると思った実の母親には捨てられ、子どものいなかったMillin夫妻に育てられたKadick。自立して今は一人暮らしをしているけれど、皆から無視されていると感じる日々。あるときNeilたちの会議にあらわれ「私はこの村で無視されている。このままでは夫を得ることができないからイングランドへ夫を探しに行く」と宣言。Neilは驚愕して、イングランドへは護衛をつけてあげよう、と申し出る。Neilの妻Glennaは動じず、どうせいくならイングランドへ独身男をたくさん連れて行って嫁探しもしたら?とそそのかす。イングランド人のJessupやGreerは喜んで、シャツを脱げば嫁にくるわよ、とからかいつつ、お祭りで誘い出したり、とにかくお肉で歓待すればメイドなんかをやっている娘たちはイチコロよ、とアドバイス。結局英語を話せる通訳も必要だということでNeilとGreerが同行することに。果たして独身男たちに嫁はみつかるのか?そしてKadickの夫となる人物は…?

4話目はGlorieというタイトルですが、かなりの部分、Kadickの殺害未遂の事件に起因した展開となります。MacGreagorが来る前、Walrickが現れる以前に、Kadickは小屋に火をつけられ、殺されそうになったことがあった。犯人はわからない。Neilは自分たちがくる以前のこととはいえ、激怒します。そんな大事件を誰も一度も触れずに隠しているとはどういうことなのだ?とMacClurg全体に不信感を抱きます。はたして両氏族は相いれない、と別の道を行くことになるのか?それとも…。

この巻ではNeilは不幸に翻弄されているばかりではなく、偉大なLairdとして皆を率いていく感じがでてきましたね。とはいえ、よく彼を襲う頭痛とか、不穏な感じも多少あるんですよねー。

1話:Bethia

  • Bethia MacGreagor…二年前からEnglandの叔母の家に住んでいたが故郷へ戻ってきた。
  • Aunt Beth…Bethiaのおば。
  • James…Bethiaの従兄弟。Aunt Bethの一人息子。がめつい。もしかして財産狙いで母を殺しました…?
  • Baron Giffart…絶賛妻募集中のイングランド人。でもモテない…。
  • Luella …Bethiaの従姉妹。かなりの意地悪。
  • Hannish MacGreagor…Bethiaが心響を飛び出した原因の人物。Neilが散り散りになった一族を呼び寄せるために各地に放った者の一人。
  • Brendan MacGreagor…BethiaがHannishのガイドで新天地に向かう道中に合流。独身。
  • Greer…BethiaのEnglandでの友だち。叔母の家でメイドをしていたが、スコットランドのハーフでGaelicを解すので親しくなった。

2話:Alison

  • Ben MacGreagor…家畜の世話全般をよくしている若手。
  • Alison…九人姉妹の四女。
  • Nessa…九人姉妹の五女。15歳。
  • Millin MacClurg…Alisonにゴシップを教えてくれる未亡人。疫病で夫を失う。41歳。
  • Cenna MacGregor…NeilとGlennaの娘。Glennaの母親の名前にちなんで。
  • Dominic …Alisonの護衛。
  • Comin MacDuff…Alisonを嫁にしたがって、誘拐するしかないと思い詰めている男。

3話:Kadick

  • Kadick MacClurg…小柄な女性。Millin夫妻が育ての親で愛されて育った。弁がたつ。
  • Donnahail MacGreagor…疫病で生まれつき足の悪かった妹を亡くした。散り散りになったMacGreagor一族の探索に出た八人のうちの一人。とても優しい。
  • Feargon MacClurg…九人姉妹の次女Slavaの思いの人。
  • Luag…Neilがこの旅で第二指揮官に選んだ若者。
  • Maon MacClurg…イングランドへ嫁探しの旅にでる若者の一人。
  • Dora…イングランド人のメイド。
  • Carol…イングランド人のメイド。
  • Glorie…イングランド人のメイド。
  • Maggie…イングランド人のメイド。

4話:Glorie

  • Glorie…イングランド人。祈ることが仕事と思っている。かなり頑固でNeilも手を焼く。
  • Silus MacClurg …Kadickの夫探し、嫁探しツアーに参加した若者。
  • Dora…イングランド人のメイド。赤毛で緑の瞳。
  • Burk MacClurg…Glorieが気になっている。そういえば森の中をさまよっていたWalrickをLairdとして迎えに行った一人であのとき一番の若手で15歳でしたね。
  • Cobb MacClurg…頑固なelder。Burkの叔父。

8/05/2017

Marti Talbott's Highlander Series 3 (Taral, Ralin, Steppen, Edana & Slava)(YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 3 (Taral, Ralin, Steppen, Edana & Slava) (English Edition) (語数約1196600語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第3巻は5話ありますが、1話ずつがかなりの密接具合で、Highlandに蔓延する疫病、半数近くの死者を出すMacGreagor一族、戦闘能力が落ちたところへのMacDonaldの襲撃…、とNeilはまたもや一族の存亡の危機に立たされ、この巻でもあらゆるタイプの苦労をしっぱなしです。 以降はネタバレあり。それなりに長いシリーズですので備忘録的に!

1話目は2巻の終わりでめでたくGlennaと結婚したNeilでこのまま円満夫婦か?と思いきや意外とそうでもなく…。ともかくLairdとしてNeilが忙しすぎて夫婦水入らずの時間が全然ない。Glennaは立場を理解しつつも疎外感いっぱい、一方Neilは結婚のキッカケにやっぱり負い目を感じていて、今一歩踏み出せない状態で、こじれにこじれ…。第2司令官Patrickの妻となったイングランド人のJessupはGaelicがあまり話せないせいでこれまた孤立していたので、言葉が通じないなりにもGlennaとJessupは意気投合。「幹部の男どもは仲良すぎていつもくっついていてなかなか家に帰ってこないじゃない!」とこれまで登場してきた女性陣がストライキを起こす、というなかなか活気のある展開です。

ほほえましい感じになって1話が完結するのかなーと思いきや、展開。終盤、Highland一体で疫病が蔓延して、MacGreagorsはなんと半数近くの死者を出してしまいます。そして主人公としてクローズアップされてきた人々も、半数は亡くるという読者としてもちょっと呆然とするような展開を迎えます。

2巻の終盤で盲目になりつつあるKindelと結婚したWalrickですがこの疫病でKindelを亡くし、絶望のあまり、夢うつつの状態で森をさまよいます…。2話ではこのWalrickの放浪、そこからの北の大地での道の一族との遭遇が描かれています。絶望状態からの「え、どうなるの?」という面白展開なんですよね。一方、並行して疫病で人数を一気に減らして弱体化したMacGreagorsは、北のMacDonaldから狙われることになります。今やFergusonはMacDonaldと同盟を組み、Cameron一族もMacDonaldと戦う気はない、という状況の中、Neilは機密が漏れることを恐れて多くを語らないし、女性たちはどうすれば生き延びられるのかとの不安に右往左往して、それぞれの身の振り方を決めます。年頃のRalinはMacGreagorのGillと惹かれあい、襲撃で結婚生活が短くなることを覚悟しながらMacGreagorの衣装で結婚したいという思いから結婚。一方、疫病でDanを亡くしたTaralは感じのよさげなFergusonの男と結婚して身の安全をはかったりします。

3話はついにMacDonaldが襲撃してくるシーンとなります。

兄のPatrickを疫病で亡くしたSteppenは、NeilとGlennaの家で過ごしていました。MacDonaldによる襲撃を予測していたNeilは、

彼らの幼い息子Justinと宝剣をSteppenに託し、まずは目立たぬように逃げろ、と言い含めて二人を一足先に村の外へ逃します。

Patrickや母が亡くなって絶望したJessupはイングランドへ戻っていたので、Steppenはひとまず義理の姉を頼れ、とNeilから言われていましたが、村を抜け出した晩に村が大火災で焼け落ちるのを目撃して、「MacGregorsは皆死んだのだ、Neilたちの子どもJustinをイングランドで育てるわけにはいかない」と思い、スコットランドの奥地へ、北へ北へと向かっていきます…。

一方のNeilは一族全員をまずは秘密のトンネルから逃し、囮として自身は10人の護衛と共に最後まで村へ残り、村自体を焼き払います。Viking Seriesから読み継いでいる私としては、この土地にやってきた当初からの一族の思い出を知っているので、郷愁的な思いも沸いていて、命をかけてまで土地にしがみつく必要はない、というNeilの決断に、よく決断したなとグッとくるものが…。

Neilは先に逃した妻のGlennaとJessupの屋敷で落ち合いますが、Steppenがいつまで経ってもやってこない。一族を再集結させるための新天地を開拓する役目もあるので後ろ髪惹かれる思いで、やはり彼らも北の大地へ向かう流れとなります。

4話は美青年Sladeの話。MacDonaldの襲撃時に彼はCameronの親戚を頼って10人をかくまってもらいましたが、MacDonaldの追撃もひと段落した今、いつまでも親戚の家にいるわけにもいかず、かといってアテのない旅に子連れは困難…。というわけで、若い彼が10人の先遣隊としてNeilを探し出すことに。やがてSladeはGlennaが一族の為にと残した森の中の目印をみつけ、それを頼りに移動していたところ、父親に「売り飛ばされ」そうになっている9人姉妹に出会います。女性が困っていると首を突っ込むのがMacGregorの男たちなので、Sladeも迷わず彼女たちをかばい、追っ手を避けながらMacGreagorsがいるであろう新天地の旅を続けます。ロクでもない父親と兄弟たちから妹たちを守ってきたEdana。妹たちの「家長」的存在でもあり、妹たちもなかなかにそれぞれにたくましいんですよね!

そして5話目は9姉妹の次女Slavaの話。実は父親が9姉妹をKennedy兄弟に売り飛ばそうとしていたことには根拠があった…、という思わぬ展開。9姉妹の団結力にはちょっと瞠目しました。

それにしてもMacGregorsの女性を大切にする、という鉄則が北の大地でも近隣の村々も巻き込んでいろいろな展開に生きてくるあたりが、このシリーズの面白いところですね。そして一族消滅の危機を乗り越えたNeilの苦労は、この巻でひと段落がつくんでしょうか?

1話目:Taral

  • Taral MacGreagor…朝日が大好きな早起き娘。ユーモアセンスがありよく笑う。2巻でYuleに嫁いでいったMareeの妹。結構苦労します。
  • Dan MacGreagor …Taralが好き。Neilの護衛の一人。繊細で記憶力がとてもいい。
  • Armitage MacGreagor…壁の外に住んでいる。Taralをしきりに散歩にさそい、礼儀正しい。しかし退屈。
  • Olson MacGreagor…Taralの婿候補としては一番若い。楽しい子だけれど落ち着きがない。18才。
  • Steppen MacGregor…Patrickの妹。お話し上手のMareeをとても気に入っていたエピソードが懐かしいですね。Mareeの妹のTaralの親友。
  • Leesil MacGreagor…一歳。NeilとGlennaが育てている娘。
  • Lorne MacGreagor…Neilの護衛の中で一番シャイだが、Fergusonから嫁をもらうことに。
  • Dolak…Ferguson出身のLorneの婚約者。

2話目:Ralin

  • Gelson MacClurgs…Walrickを森のなかで見つけて自分たちのリーダーに良さそうだと拾ってくる。19才。第二指揮官に。
  • Mark MacClurgs…18才。第三指揮官に。
  • Cobb MacClurgs…17才。
  • Austin MacClurgs…17才。
  • Burk MacClurgs…15才。
  • Knox MacClurgs…自分をLaird と思っている男。他人を罰するのが大好き。
  • Ayson MacClurgs…二十歳。イケメンだけどかなりのシャイ。Effieが気になる。
  • Effie MacClurgs…Buchananの夫を持っていた女性。
  • Laird Ronan Graham…MacClurgsと親しくしている族長。
  • Ralin MacGreagor…Taralと親友。壁の外で暮らしていたが、疫病で父を亡くして、壁の内側のTaralと一緒に暮らし始めた。
  • Gill MacGreagor…平均的な男。
  • Steppen MacGreagor…17歳。家族を亡くし、NeilとGlennaの元で暮らしています。
  • Justin MacGreagor…NeilとGlennaの息子。
  • Laird Shaw Ferguson…1巻でKennaが嫁いだFergusonのLairdなので、結構年だね。
  • William Ferguson…好青年に見えるが…。

3話目:Steppen

  • Lucas MacGreagor…逃走経路を綿密に組み上げ、McDonaldからの追手をひきつけ、攪乱。
  • Katie MacClurgs…Walrickの養女。ああいえばこういう、というタイプ。
  • Clifton MacClurg…Katieよりひとつ下。
  • Janell MacClurg…Walrickと同い年くらいの女性。子どもたちの面倒をよく見てくれる。

4話目:Edana

  • Slade MacGreagor…かなりのハンサム。家具職人になることを希望している。結構堅実な考え方。
  • Edana…19歳。長女。姉妹の家長的存在。
  • Slava…次女。内省的。でも猪くらい倒すわよ。
  • Charlotte…三女。
  • Alison…四女。
  • Nessa…五女
  • Sheena…六女。14歳。
  • Colina…七女。
  • Laura…八女。
  • Aleen…九女。11歳。
  • Jonrose MacClurg…Gelsonの妻。
  • Lorne MacClurg…Gelsonの息子。

5話目:Slava

  • Geddes MacGreagor…Taralへ求婚中。とても優しい!
  • Laird Kennedy…ハンサム。結構、理性派なんじゃないかとは思いますよ。

7/22/2017

Marti Talbott's Highlander Series 2 (Maree, Gillie, Jessup & Glenna) (YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 2 (Maree, Gillie, Jessup & Glenna) (English Edition) (語数約119,040語)

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、の第2巻は4話あります。1巻でも様々な名前がでてきましたが、2巻でも引き続ぎ、1巻の人物やなんかもでてくるので、だんだんMacGreagorの族長一族の周辺の面々が身近になってきました!

1話目はKevinとAnnaの息子たち、SweenとNeilが青年になってからのお話です。SweenはKevinの長男ということもあって次期族長と目されているものの、問題児。47歳となるKevinは、1年ほど前にSweenを3番手の指揮官とし、彼を次期族長にして、果たして一族の為になるのだろうか?と、見極めようとしています。弟のNeilの性格は申し分ないが、一族を引きにいるには若すぎる…。

一方、BlairはCameronのLairdになっていて、若いYuleをそろそろ3番手の指揮官として育てようとしています。尊敬するKevinの元へ預けたらいい刺激になるのではないかと、MacGreagor一族の元へ送り出すことにしました。送り出されたYuleがMacGreagorで最初に出会ったのは、お話上手で子どもたちに囲まれているMaree。彼はすぐに彼女を気に入り、彼女も彼に惹かれます。

ところが父親に叱責されて不貞腐れていたSweenの目にMareeの姿がたまたま目に入り、彼女はSweenに八つ当たりされ、男性不信に落ちてしまう…、という不穏な展開。族長の息子といえども、女性や子どもに決して手を挙げてはいけないという鉄則のあるMacGreagor一族の中にああって、なんということをしてくれたんだ、という話にこれはなりますよね。

2話ではついにKevinは亡くなり、皆、Neilが次期族長なんだと思っていたところへ、Sweenが悪友や手下を連れ込み、村を乗っ取る、というまさかの展開。Neilは21歳。Sweenは攻撃的なMacDonald一族と話をつけており、NeilはMacDonaldにとらえられ、処刑されそうになります。そこで命を救ってくれたのが、MacDonald一族のGillieという女性だったが…、という展開。Neilはとても性格がいいのに、兄のお陰で苦労の連続、そして「立場」もあって孤独ですね…。兄のSweenと対決せざるをえない状況に追い込まれたNeilの決断は…、という感じの話です。

3話ではNeilの右腕Patrickのお話。たまたま森の中で酷い怪我をしているEnglandの女性Jessupと出会い、彼女と恋に落ちる話なのですが、JessupはEnglandの王の友達(1巻でCharletが玉座を譲った彼ですね!)であるものの、狂人じみた兄と、強欲な叔父に苦労させれていて…、というままならぬ人生を歩んでいました。

4話はいよいよNeilの結婚話ですね。族長になってしまっているので、その立場から気苦労も多く、嫁探しが意外と難航していて…、という感じ。最終的に彼はとても賢いGlennaという女性と結婚することになりますが、結婚のキッカケがGlennaにとっては酷いものだったので、Neilはそれが引け目となって、のちのちまで尾をひいていきます。

KevinやAnnaみたいな立派な両親のもとでも、Sweenみたいに相当ひねくれて育ってみたり。かたや性格のとてもいい優しい弟のNeilは、兄や、その立場から苦労の連続すぎて…(涙)。でもまじめすぎるNeilを作者がいじりたくなる気持ちはわかります。その方が波瀾万丈のドラマになりますもね…。

1話目:Maree

  • Yule Cameron…Cameron一族の3番手となる若者。
  • Blair Cameron…CameronのLairdに。
  • Maree MacGregor…子ども好きの15歳の少女。物語を話すことが大好き。
  • Sween MacGregor…Kevin MacGreagorの長男。19歳。
  • Neil MacGregor…Kevinの次男。15才。素直で優しい。
  • Mungo…Sweenの悪友。次期族長になるであろうSweeとくっついていれば出世できると思っている。
  • Steppen MagGreagor…6歳の娘。なかなかの頑固もの。

2話目:Gillie

  • Neil MacGreagor…21才。
  • Gillie MacDonald…MacDonaldの戦士たちの世話係。いつかMacDonaldから出て、女性や子どもを大切に扱ってくれるMacGreagor一族へ逃れたいと考えている。
  • Mayze MacGreagor…とてもシャイな女性。あまり美人じゃない。18才。
  • Dugan MacGreagor…Mayzeの歌声は素敵だなと思っている若者。狩りが得意。
  • Patrick MacGreagor…Neilが族長になったら、第二指揮官にしようと思っている男。
  • Steppen MacGreagor…Patrickの最愛の妹。12歳。
  • Laird Forbes…妻をSweenたちに誘拐される。

3話目:Jessup

  • Patrick MacGreagor…第二指揮官。
  • Jessup…イングランド人の女。森の中で、Patrickに助けられる。イングランドでも裕福な家の娘。
  • Lord Machael Russell…歩けない老人。Rupertたちのおじ。歩けなくなってからというもの宝石に目がない。
  • Rupert…Jessupだけが彼を諌められる。
  • Lord Roy…Jessupの夫候補たが、評判悪くJessup自身も毛嫌い。

4話目:Glenna

  • Glenna Larmont…六人の弟と二人の妹がいるパパ大好きっ子の族長の娘。
  • Laird Larmont…凄い戦士だけど、ちょっとでも違反するとすぐ殺すくらいの短気と無鉄砲さで有名。
  • Ewing Larmont…Laird Larmontに長女の嫁探しを命令され、語り部として日銭を稼ぎながら、夫候補を探して旅をしている。。
  • Walrick MacGreagor…双子の片割れ。なかなかの戦士。20才。
  • Donnel MacGreagor…双子の片割れ。彼らが5歳のとき、誘拐された。
  • Victoria MacGreagor…Neil に片思いしている女性。
  • Kessan MacGreagor…第3司令官。結構よく気の付くタイプかな?
  • Kindel…Kessanに片思いして気づいてもらえないのでNeilに相談。

7/02/2017

Marti Talbott's Highlander Series 1 (Anna, Rachel & Charlet)(YL5)

Marti Talbott's Highlander Series 1 (Anna, Rachel & Charlet) (English Edition) (語数約98,580語)

Highlander Seriesの第1巻。

Viking Seriesでスコットランドに定住したMacGreagor一族のその後…、のようですね。MacGreagor一族はなかなかに栄え、周辺の部族からも一目をおかれるような存在になっています。そして相変わらず、女性や子どもを傷つけてはならない、という鉄則も生きている。

1巻では3人の女性が主人公です。1話目はEnglandの娘Anna、2話目はAnnaの年の離れた妹Rachel、3話目はEnglandの王から預かったCharletの物語。

相変わらずこの作者の物語は年号不明ですが、1話目からかなり面白かったです。AnnaはEnglandのちょっとした領主の娘ですが、この父親がかなりのDV。母親は鎖につながれ、母と妹を「人質」にAnnaをScotsの族長と結婚させようとする。Annaを殴り放置、花嫁として約束の場所へ迎えに来たMacGreagorの若き族長Kevinはそのあまりの状態に憤り、まさかAnnaの父親から虐待を受けているとは知らず、状況は飲み込めないまま、用心しながら一族の元へ連れ帰る…、といったかなり怒涛な幕開けで一気に物語の世界へ連れ込まれました。そして1話目のAnnaといい、とにかく女性たちの意志がとても強い。激しい。

2話目は成長した妹Rachelの話で、こちらもかなりのヤンチャ。身の軽さに自信をもち、Kevinの右腕として動く若造Connorにとても対抗意識をもっている。近隣のFerguson(Viking Seriesを読んでいると懐かしいですね!)が戦争をしかけてきて…、という話なのですが、お転婆すぎてハラハラです。

3話目はEngland王からKevinがかつて預かった娘Charletの物語。王は子どもの命を助けるため、Kevinへ子どもを人知れず預けたわけですが、誰が親なのかも経緯も不明。赤毛で緑の眼をしたCharletは評判の美人となりますが、ロクでもない男につきまとわれ、同年代の娘たちからは嫉妬をされてうんざりしているCharlet。そしてEnglandからの遣いのものたちに命を狙われて…、という展開で、色んな難題を解決していく展開がかなり面白い。

Viking Seriesを読んでなくても、話はわかりますし、Viking SeriesよりHighlander Seriesの方が圧倒的に面白いですね。

1話目

  • Kevin MacGreagor…MacGreagorのLaird、26歳。600人に満たない一族。19のとき両親が亡くなり、突然族長になることに。
  • Katie MacGreagor…Kevinの妹。
  • Tomas…Kevinの親友。村のサブリーダー。
  • Clymer…Kevinの親友。
  • Justin…散々目の司令官。英語話者。
  • Athena…Kevinの母親の親友。45歳くらい。Kevinのち父親とStonehamとの間のイザコザを知る。
  • Stoneham…EnglishのBaron。Kevinに娘を与えるから同盟をくもうと声をかけてきた。
  • Anna…Stonehamの娘。
  • Rachel…Annaの四歳にもならない妹。
  • Harold…Anna の母親の遣い。老人で背が低い。
  • Catherin…Annaの母親。
  • Thiecher …Annaが大好きな黒い馬。

2話目

  • Rachel…17歳。かなりのおてんば娘。隠密行動が得意。
  • Connor…Rachelと同じくらい隠密行動が得意。三番目の司令官にならんとするところ。
  • Charlet…Connorにホレてる15歳。
  • Sween…Annaの長男。10歳。
  • Neil…Annaの次男。6歳。

3話目

  • Charlet…赤毛の美少女。産みの親は知らないけれど、育ての親に愛され幸せに生きてきた。
  • Kenna …Charletに嫉妬している少女のひとり。15才。
  • Blair Cameron…Thomas Cameronの第二司令官。親切。
  • Laird Shaw Ferguson…独身。二年前の戦争で兄をMacGreagorに殺されているけど、不親切な男だと思っていたから、むしろ仕方ないことと受け止め、両部族の平和を願っている。なかなかのハムサム。

6/04/2017

The Viking's Honor (The Viking Series Book 5) (YL5)

The Viking's Honor (The Viking Series Book 5) (English Edition) (語数約79,980語)

Viking Seriesの第五巻。前巻でまだ8歳だった少年Obbiが、もう40近くの息子をもっているので、50年後くらいでしょうかね。

やっとScotlandの地にScot然として定住したMacGreagor一族。50年で様子はさまがわりし、かつて彼らを向かい入れてくれたChattan一族はしばらくは例の馬で稼いでいたけれども、それも今は昔、種馬がこなくなるまでのこと。

定住してからしばらくはMacGreagor一族ととChattan一族との間での結婚もすすみましたが、代替わりした若いChattanの族長は、このままだと一つの部族になってしまう、と恐れ、MacGreagorとの結婚を禁止し、それどころか、山をおりて別のChattanと一緒になってしまいます。

そんなわけで今ではMacGreagors一族の未婚の男どもは外へ嫁探し。毎年商売で南へ行くので、そのついでに色んな部族から嫁をもらってくる、という具合ですが、困ることはなく、平和に過ごしていました。

しかし近頃ではVikingたちはScotlandの北から侵入してきて、確実に南にきているという不穏な噂を聞くようになります。族長は危機意識を持ち、長男Jamisonと若者二人に任務を与えることにします。主な任務は周囲の一族はViking対策をどう考えているのかということ。どういうわけか一人だけ巨人並みにやたらと育ちすぎた弟Paytonの体のサイズにあった巨大な馬を手に入れること。

本当にそんな巨大な馬がいるのかはわかりませんが、三人の若者はEnglandまでいけば巨大な馬がいるらしいという噂を頼りに、馬を買い付けるつもりで旅に出ます。

一方、Irelandでは歌と踊りの大好きなShannonがその日も鼻歌交じりに過ごしていたら、Viking襲来。とあるVikingにかくまわれて一人生き残りますが、家族は皆殺しにされます。ひそかにVikingに対する復讐を胸を抱き、生き残った親友Evaを誘って、私たちには頼れる夫が必要よ、と海を渡って立ち去ったVikingたちを追うようにScotlandへやってきます。

そして贅沢な暮らしに飽き飽きしているEnglandの娘Brightie。DVな兄Sewardに態度が悪いとばかりに頻繁に殴られ、次期、earlになりそうな兄の親友Kenrickとの結婚を強要されています。England人の間で奴隷として暮らしているScotsの方がよっぽど自分より恵まれている、とさえ感じる籠の鳥Brightie。奴隷であり、腕がたつことから護衛でもあるLaurenを誘って、兄の手のとどこかない場所へ脱出することを決意します。

と、主に3組の動きが描かれ、やがて1本の流れへ…、という感じなのですが。Vikingの略奪にあってほとんど着の身着のままScotlandへ渡ってきたShannonたち少女二人組。お嬢さん然として世間知らずなBrightieの旅。この二組の旅が過酷すぎて、目を離せず、一気に読んでしまいました。

EnglandとScotlandの関係や体制の違いもわかりやすく描写されています。Vikingも脅威ですが、うん、Englandも酷いよね?

本書には年表が一切でてこないので、もどかしいところも多々ありますが、そもそもVikingがEnglandに最初にやってきたのは787年頃のころ。Irelandへの侵入は8世紀末と言われているので、たぶん5巻は800年になるちょっと前くらいなのではないかと思います。TheLastLingdomシリーズの後半は918年頃ですが、その頃になるとすでにScotlandにも強力な王が出現していますから、そこまでは時代はすすんでいないでしょう。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  3. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  4. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

MacGreagor

  • Colby MacGreagor…族長。もうすぐ四十歳。
  • Payton MacGreagor…背が高い。族長の息子。馬に乗れないくらいデカイ。
  • Jamison MacGreagor…族長の長男。
  • Hensen MacGreagor…身軽。
  • Moan MacGreagor…Hensenの弟。Paytonと仲はいいみたい。

Irelandの人々

  • Shannon Carr…アイルランドの北部の沿岸部に棲む少女。音楽とダンスが大好きで5日贅沢させてくれる男性が現れたら、と夢見てる。
  • Eva Doogan…Shannonの親友。
  • Oola…Irelandの老人。小船をもっている。
  • Gunnarr Steinn…Shannonを捉え、逃したViking。Shannonは彼の体臭からSpice と呼んでいる。

Scots

  • Adair Campbell…ShannonたちがScotlandに上陸して初めに会ったScot。
  • Sulwin…Aadairの妻。
  • Nessia…双子の弟たちを抱えてShannonたちと遭遇した六歳にも満たない少女。

England

  • Brightie Tweddle…北部イングランド。贅沢な暮らしに飽き飽きしている女性。
  • Seward Tweddle…Brightieの兄。かなり狂暴。頬に傷がある。
  • Kenrick Loft…Sewardの親友。
  • Lauren Guthrie…奴隷であり、Brightieの護衛。
  • Claudette Fermin…Kenrickにベタ惚れの女性。

5/28/2017

The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4) (YL5)

The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4) (English Edition) (語数約75,020語)

Viking Seriesの第四巻。VikingだったStefanがScotlandの女性と結婚してたちあげたMacGreagor一族。今でも彼の方針通り、女性や子どもを大事にすることを旨とし、Scottlandの湾岸沿いに暮らしていた。けれどもVikingの来襲が激しくなり、もともとMacGreagorはVikingの末裔じゃないかと彼らの出自を知る近隣の氏族からVikingと共謀しているのではないかと疑われ、いつ近隣の氏族から襲われるかわからないような状態になってきた。

そこで族長のWardは一族を引き連れ、自分たちの出自を知らない程度の遠くの北方の土地へ移動する決心をする。

一方、北部の山間には、Chattanという小さな氏族がいた。その村はそこそこ裕福に暮らしていたけれども、女ばかりが生まれて、男手不足。Chattanの族長は、娘ばかりをかかえて、娘たちの結婚にやきもきしていた。長女のEffieは美人だが、結婚なんかしない、と頑固で手を焼いていた。

そこへMacGreagorの一族が新天地を求めて移動してきて…、という展開で、さて何組のカップルができるかな?というお話です。

それにしてもVikingの来襲がいよいよ激しくなり、ScotからVikingの出自であるというだけで忌み嫌われ…。なんとも切ない展開ですよね。Vikingにレイプされてできた子も忌み嫌わて、殺されんばかり…、という話ですから、どれほど憎まれていたことか、という話です。次巻もあるようなので、一体、このブリテン島に根をはやしたMacGreagorはどうなっていくのか、見守りたいと思います。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  3. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

MacGreagor一族

  • Ward MacGreagor…一族の長。VikingだったStefanの息子であるWallaceの七番目の孫であるAlistarの息子。寡夫で息子が一人。27才。 
  • Machara…Wardの亡くなった妻。 
  • Obbi…Wardの一人息子。八歳。 
  • Reid…WardがMacoranの女から預かった赤ん坊。 
  • Elder Niven…Wardの義理の父親。七人兄弟の末っ子Obbiの孫? 
  • Branan…Wardが一目おく男。よいハンター。独身。ハンサム。 
  • Ludvic…Wardの右腕。細かいことにこだわるタイプ。Wardよりもニ、三歳年上。Brananの兄。四人の子持ち。 
  • Bridget…Ludvic の長女。12 才。 
  • Jessie…Ludvic の妻。Wardの兄弟。 
  • Osgar…羊飼い。 
  • Alisa…Osgarの妻。赤ん坊をなくしたばかりで乳がでるのでReidを養う。 
  • Lena…Wardに意見を述べる頑固な女性。寡婦。 
  • Davina…Lenaと1歳違いの姉妹。寡婦。子育て後、Lenaと同居している。 LenaとDavinaはしょっちゅう姉妹喧嘩。
  • Katie …Niven よりも年寄りの老婆。 
  • Cobbler Cormack…旅の道中母Katieを亡くす。狩も好きだし、革の扱いが上手。靴も作れる。 
  • Connor …17歳の若者。のんびりしている。 
  • Gillies …独身。まだ若いので結婚できると思ってない。 
  • Parlan…独身。優しい。 
  • Evan…寡夫。 
  • Tyree…寡夫。 

Chattan一族

  • Cailean Chattan…一族の長。 
  • Effie Chattan…auburnの髪。Chattan 一族の地主の娘で15 歳から7ヶ月までの5人姉妹の長女。 
  • Neiline…七歳位の妹。 
  • Roddy…Caileanの兄弟。 
  • Maisie…Roddyの長女。Chattan で結婚適齢期だった唯一の男性Dermidのもとへ嫁ぐ。 
  • Dallis…Roddyの次女。なかなか辛抱強いタイプ。 
  • Kirstin…幼少時に足を折って完治せず、それからびっこをひくようになった。 
  • Wynda…結婚願望強い!
  • Leslee…おっとりタイプの少女。 
  • Farquharson…Caileanの友人。 近所の氏族の長。

5/21/2017

Daughters of Spain: (Isabella & Ferdinand Trilogy)(YL6)

Daughters of Spain: (Isabella & Ferdinand Trilogy) (語数約99,200語)

第3巻はタイトル通り、IsabellaとFerdinandの子どもたちついての話になってきます。

野望に燃えるFerdinandは子どもたちの結婚相手を次々に決めてきます。

まずハプスブルグ家のMaximilianとは、JuanとMargaret、PhilipとJuanaの結婚を決めます。Margaretを跡継ぎのJuanへ向かいいれ、三女ののJuanaをPhilipの元へ送り出し、二重の同盟というわけです。Philipは帝国の後継者でもあることだし、FranceのItalia進出の動きはGermanの諸侯が自分たちと協力して対向すればうまくいきっこない、という自信を深めるFerdinand。さらに長女IsabellaをPortugalへたまた嫁がせれば、Portugalとの国境も安牌だし、喧嘩っ早い英国との問題については、Henry TudorにはArthurとHenryという二人の息子がいる。長男のArthurとCatalinaを結婚させれば、CatailinaはArthurより一歳年上なだけだから、ピッタリな組み合わせだ。神聖ローマ帝国、Portugal、海の向こうのEnglandとの包囲網。これでなにかとちょっかいをかけてくるFranceを抑え込める。

Ferdinandのスキなしの計画にIsabellaは娘たちをたちを手放すことについて寂しくは思うものの、自分の手元には長男のJuanが残される、と思い、同意します。

ところが、スペイン王家には次々と不幸が訪れます。

最初の不幸は長男のJuanに。嫁いできたMargaretとの相性も良く幸せの絶好調の最中、病に倒れ、あっという間に亡くなってしまいます。Margaretは妊娠しており、そこへ希望をつなぐものの、夫の死というショックのせいか、流産してしまいます。

Juanとその世継ぎへの望みが絶たれ、後継者の座は長女Isabellaへ回ってきます。彼女は再婚相手のEmmanuelとの間に王子Miguelをもうけますが、もともと体の弱い彼女は出産後間もなく死亡。跡取りとみなしていたMiguelも弱弱しい子どもで、間もなく死亡。

Portugal王Emmanuelが寡夫となったので、今度は次女のMariaを彼のもとへ嫁がせ、末娘のCatalinaをいよいよ英国へ送り出すタイムリミットも迫ってきます。女王Isabellaにとっては末娘はまだまだ幼く、一度、英国へ送り出してしまえば今生の別れとなるのが目に見えています。IsabellaはCatalinaを手放すことをできるかぎり引き延ばしていましたが、周囲からのプレッシャーについに送り出す日がやってきます。

長男の死、孫の流産、長女の死、孫の死、末娘との今生の別れ…、と次々とつらい出来事がIsabellaをおそう中、Juanaたちをスペインへ呼び寄せます。この辺からはもうLast Queenでもおなじみの展開になってきますね。Last QueenではJuanaは「まとも」でしたが、本作では評判通り、madだね…、という描き方になっています。Juanaは自分の立場も忘れ、美貌のPhilipに完全に溺れており、しかもPhilipからはうざがられいるという状態で、最悪です。Philipからうざがられるのもしょうがないよね、という奇行の数々。病症のIsabellaの悩みは尽きません。愛娘のCatalinaはArthurが亡くなったのだから帰国するんだと思っていたら、弟のHenryとの結婚話が持ち上がり帰ってこない。Henryはまだ13歳の子どもだし、CatalinaとHenryの結婚にはローマから待ったがかかっるし、そもそもこの結婚は彼女持参金狙いだったのては?という気もしてくる。Spainの後継者であるにも関わらずJuanaのBrusselsで奇行の数々はきこえてくるし、頼みの綱の孫のCharlesはまだ赤ん坊。私やFerdinandが亡くなったあとは、Spainは一体どうなるのか?Juanaは気が狂っているから、PhillipがSpainを支配することになるのか?…ありえない!Ferdinandは死ぬわけにはいかない。Charlesが大人になるまで、夫にはなんとしてでも生きててもらわなければ!

そうした心配の数々と、しかし長くよい人生でもあったというという思いとともに、本作では1504年のIsabellaの死をもってあっさり幕を閉じます。

無法状態だったスペインに秩序をもたらし、レコンキスタをも達成したIsabellaたちですが、この後半戦の不幸な出来事の連続はなんなんでしょうね。敬虔…?神の摂理…?試練…?

本作の中で病弱だった長女Isabllaは、異端審問なんかやってユダヤ人たちを追放したから彼らの呪いでこんな不幸が続くのよ、と訴えていましたが、そうとでも解釈しないとナットクできない確率の不幸続きです。しかし本作の中ではこの長女Isabella以外、誰一人そんなことは考えません。さらにこの3巻では、敬虔なXimeneseが教会のトップにのぼりつめ、グラダナでMoor人たちとの約束を勝手に反故にしていろいろやらかします。どういう理屈…?と現代人としては思いますが、"敬虔な"XimeneseやIsabellaの中では正しいと思える理屈になっています。そしてまた損得勘定のFerdinand的な視野からみても、異端審問で金持ちのユダヤ人から財産を巻き上げられたのと同様のことを、Moor人に対してもできる御旗だった、ということなんでしょうね。

聖職者たち

  • Fray Francisco Ximenese de Cisneros…女王IsabellaのCfnfessorだけど、傷心のIsabellaも彼に告白することで安らぎを覚える。
  • Francisco Ruiz…Ximenseの甥っ子。
  • Bernardín de Cisneros…Ximenseの兄弟。かなりのやんちゃ坊主だった。
  • Tomás de Torquemada…Spainでの異端審問の火付け役。糖尿病に苦しんでいる。

Spain王家の面々

  • Isabella…長女。Young Isabella。Portugalで幸せな結婚生活を送っていたけど、夫Alonsoが早世してしまい実家のSpainに出戻り中。
  • Miguel…Young IsabellaとEmanuelへの長男。
  • Juan…長男。跡取りと目されている。気遣い屋でとても優しい。Angelのニックネームがつくほど。
  • Juana…かなりワイルドな性格。心配の種。Flandersへ嫁いだが…。
  • Maria…三女。とても淡々としている。
  • Catalina…英国に嫁ぐことが決まっている末娘。家族が大好きすぎて嫁ぐ日がくることを恐れている。
  • Emmanuel…Portugal王。Young IsabellaがPortugalへ来てから惚れており、従弟のAlonsoが亡くなってから、Young Isabellaへ求婚し続ける。
  • Philip…Archduke。Juanaの夫。絶世の美男で、浮気男でもある。
  • Charles…JuanaとPhilipの長男。

新大陸発見者と応援団

  • Christobal Colon…新大陸発見者。
  • Beatriz de Arana…Colonの二番目の妻。Spain人。
  • Ferdinand…Colonの後妻との間の息子。
  • Beatriz de Bobadilla…女王Isabellaの大親友。the Marchioness of Moya。

Granadaの人々

  • Iñigo Lopez de Mendoza…the Count of Tendilla。
  • Fray Fernando de Talavera…Archbishop of Granada。アラビア語覚えて賛美歌を翻訳したりしてなんとか改宗させようとGranadaで奮闘していた。相手の立場に自らが寄っていって、改宗してくれればいいな、というスタンス。
  • Zegri…Granada に住むalfaquisのリーダー。

France

  • CharlesⅧ…France国王。もともと彼が12歳、Margaretとが3歳のとき、婚約していたが、彼が玉座についたときにはMargretはまだ11歳。これは結婚できないと思って、Anne Duchess of Brittanyと結婚してしまい、Margaretとの約束を反故にしてMaximilianを怒らせた。
  • Loius Ⅻ…CharlesⅧに男子の跡継ぎがいなくなっていたので、傍系だがFranceの玉座を継承した。

5/04/2017

Spain for the Sovereigns: (Isabella & Ferdinand Trilogy 2)(YL6)

Spain for the Sovereigns: (Isabella & Ferdinand Trilogy) (語数約114,080語)

第2巻はIsabella23歳、Ferdinand22歳からスタート。そしてスペインのレコンキスタが完了するまでをカバーしています。

Isabellaは恋い焦がれてFerdinandと結婚したわけですが、次第に彼の強欲さ、浮気…などなどにも気づいてきます。しかし女王としての義務感の強い彼女は、CastileとAragonがSpainと結びつくことを重視し、現実を受け入れていきます。辛抱強く対応は穏やかなIsabellaですが、確固たる信念があり、短気で目先の利益を重視するFerdinandとの対比が面白いですね。ある意味凸凹のコンビで、だからこそ、大事業を二人は達成したのかな、とも思いました。

序盤はCastileのIsabellaの足元固めが展開されていきます。HenrⅣの子どもとされるJoanna(ただしHenrⅣの妻Joanna of Portugalの浮気の果ての子どもという噂がつきまとう)を祭り上げる一派がおり、このPortugalをバックにした姪との対決です。ちょうどIsabellaは長男Juanを妊娠している時期ですが、彼女のは町々を訪問し、地道に自分の味方を増やしていきます。PortugalはFrance頼みでIsabellaらに対して戦争を仕掛けたところがあり、Franceが援軍をださなくなると自滅…。Isabellaは王位を確固たるものへとしていきます。生真面目で信念のあるIsabellaは、賄賂も拒否し(強欲なFerdinandはそれが歯がゆい…!)、法と秩序をCastileへもたらし、HenrⅣ時代の無秩序で盗人の跋扈する状態にうんざりしていた市民たちから歓迎され、愛されていきます。

それから間もなく、ユダヤ人憎しの司祭たち一派が異端審問の設置をIsabellaに嘆願しにきます。敬虔なIsabellaは最終的に異端審問の設置を許可。Isabellaの足元で異端審問のユダヤ人狩りは次第にエスカレートしていき、あることないことすべてユダヤ人たちがやったのだというデマがまかり通り、それを証拠として取り締まりがいよいよ厳しくなっていきます。ゲットーやダビテの星的な扱いというのは、なにもナチス時代に始まったことではないのだな…、と今回初めて知りました。そしてユダヤ人たちは最終的には財産もなにもかも没収され、スペインから追放されるのです。

並行してIsabellaたちはMoor人との聖戦を本格化させていきます。Isabellaの2つの野望は異端者を彼女の国土から追っ払うこと。スペイン中でクリスチャンの旗をはためかせること。Ferdinandは戦場を駆け巡り、Isabellaも子どもたちを引き連れて、戦場へ赴き、士気をあげていきます。一方のGranada王国は内輪モメ。母親にそそのかされたBoabdil王子が父王と対立するような構図となり、クリスチャンたちが迫ってきているのに、内部分裂しているというお粗末さ…。徐々にMoor人たちの街々を落としていき、ついに半島でMoor人たち最後の都市、グラナダの包囲戦へ。Isabellaらしいな、と思わず苦笑したのは、グラナダの前にSanta Feの町を築きはじめたところです。グラナダ市民は厳しい冬には、野営しているクリスチャンたちは耐えられず、きっと包囲網も緩むだろう、という希望をもっていましたが、「絶対に今のチャンスを逃さず、落とす!」という信念をもっているIsabellaはグラナダの前に石造りの都を築きはじめ、グラナダ市民たちの希望を打ち砕くわけです。Castileの国庫は戦費もかさんでスッカラカンにもかかわらず、こういうときにこういう決断をするIsabella。さすがというかなんというか…。そしてこれはダメだと思ったGranadaはついに降伏…。

同時進行で忘れてはならないのはChristoforo Colomboの存在です。彼は新大陸がある筈という確固たる信念をもっており、新大陸発見のためのスポンサー探しをしていました。どうやらポルトガルでは支援を得られない、と見切りをつけ、スペインへやってくるわけですが、スペインは聖戦真っ盛り。IsabellaはColomboの計画に興味をもつものの、戦費がかさんで投資する余力がない。そもそもColomboは傲慢でした。新大陸を発見するのだから自分を貴族待遇のAdminalにしろとか、新大陸発見の暁にはそこの副王にしろとか要求が過大。Isabellaはあっけにとられるし、Ferdinandは怒り心頭。しかし計算高い彼は考えます。新大陸を発見できなければ結局Colomboは何者でもないし、発見すれば、スペインにとっては利益にはなる。自分を支援する気がないならFranceでスポンサーを募るというし、万が一、Franceの投資でColomboがなんらかの発見をするなんてことがあったら、たまらない…。Castileの国庫は空だがAragonの国庫は別会計で実のところ潤沢である。女王やCastileにはAragonの国庫の内情は秘密にしつつ、Aragonの国庫からColomboの支度金を出すことにします。そしてColomboは出航し、見たこともない品々をBarcelonaへ戻ってきたのでした。

1492年前後は話題が豊富でてんこ盛り状態ですが、様々な人の思惑と行動原理が垣間みれて、さすがJean Plaidy…、といったところでしょうか。

おっとちなみにThe Last Queenの主人公Juanaもとっくに生まれていて、他の子どもたちに比べるとかなりヤンチャですでにその「狂気」の片鱗をみせています。Isabellaは自分の気のふれた母親影をそこにみて、いつか狂人になるのではないかとひそかに恐れています。Last Queenを読んだ後だと、伏線だなぁとわかりやすい…!

※Isabella & Ferdinand Trilogyシリーズ、ブログ内リンク

  1. Castile for Isabella
  2. Spain for the Sovereign

Isabellaの対抗馬、HenryⅣの遺児Joanna周辺の人々

  • Princess Joanna…Castileの王HenrⅣの「遺児」。しかし冒頭では12歳の少女であり、周りから祀り上げられて翻弄され…。哀れです。
  • Alfonso V of Portugal…Princess Joannaの叔父。Joannaより30は年上。結構気分屋でわりとトンデモナイです。
  • Prince John…AlfonsoⅤの息子。下段King Johnと同一人物。
  • Dona Beatriz of Portugal…Isabellaの叔母。
  • Duke of Arevalo…Princess Joannaを祀り上げたい貴族。
  • the Marquis…Princess Joannaを祀り上げたい貴族。
  • Alfonso Carillo…Archishop of Toledo。最初はIsabellaの応援団長だったけど、全然彼女は操り人形になってくれないのでしびれを切らし…。

IsabellaとFerdinand周辺の人々

  • Alonso…Ferdinandの婚外子。長男。結構やんちゃっぽい。
  • Isabella…Isabellaの長女。この巻で嫁ぎます!
  • Juan…Isabellaの長男。Ferdinandの父親Johnにちなんで名づけられた。聞き分けがよいタイプ。
  • Juana…Isabellaの三番目の子ども。王女。The Last Queenの主人公!
  • Maria…Isabella四番目の子ども。王女。
  • Beatriz de Bobadilla…Isabellaの王女時代からの大親友。Colomboの確固たる新大陸への信念にうたれる。
  • Don Pedro Gonzalez de Mendoza…Cardinalでもある。聖職者でもあるけれど政治家でもあり、かなりリベラルっぽい。Isabellaの懐刀のような存在。異端審問設置には反対している。
  • Tomás de Torquemada…ドミニカ会の修道士。HenryⅣがIsabellaの聴罪司祭にたまたま選んだ。
  • Fray Fernando de Talavera…Torquemadaの次に女王の聴罪司祭になった人物。Torquemadaよりだいぶ表面的にはマイルド。

Granada王国関係者

  • Muley Abul Hassan…グラナダの王。
  • El Zagal…Abul Hassanの兄弟。
  • Sultana Zoraya…スルタンの王妃。もともとはDona Isabella de Solisという名前で、カスティーリャ人だったが、ムーア人の手におち、王のStar of the Morningへ。
  • Abu Abdallah…Zorayaの子ども。王子。Boabdilとして知られる。Abul Hassanの長男。かなりの呑気気質。
  • Hamet Zeli…MalagaでFerdinand率いるクリスチャンの包囲網にされても、断固として降伏を拒否する。

Portugal

  • King John…Portugalの王。AlfonsoV of Portugalの長男で王に。コロンビスの航海事業には手を貸さなかった。
  • Alonso…King Johnの王子。狩り好き。
  • Emmanuel…Alonsoの従兄弟。なかなかのハンサム。家系図広げると、この方本当はKing Johnの従弟兼義弟のあのお方だと思うので、Alonsoとは叔父・甥関係だと思うんですが、本書ではcousin扱いされているんですよね…。

France関連(長女Isabellaの嫁ぎ先)

  • Louis XI…Franceの王。なにかとPortugalからの働きかけで、スペインにちょっかいかけてくる。
  • Charles VIII…Louisの息子でフランス王に。
  • Francis Phoebus…Aragonの元王女でフランスに嫁いだEleanorの孫。Navarreの王。フランス王女の子どもでもある。ハンサムっぽいよ。

コロンブス周辺の人々

  • Christoforo Colombo…ジェノヴァ出身。スペインでの名前はCristobal Colonと名乗ることにしたみたい。
  • Diego…Christoforoの息子。
  • Fray Juan Perez de Mavchena…Prior of Santa Maria de la Rabida。好奇心一杯のサンタ・マリアの長。
  • Fray Diego de Denza…王子Juanの家庭教師。
  • Beatrix de Arana…Cristobalがスペインにきてからのお隣さんで、再婚相手。
  • Bartholomew…France居住。Colonの兄。
  • Luis de Sant'angel…Colonの応援団。Aragonese Secretary of Supplies。

4/02/2017

Castile for Isabella: (Isabella & Ferdinand Trilogy 1)(YL6)

Castile for Isabella: (Isabella & Ferdinand Trilogy) (語数約104,160語)

スペインの君主の中で有名なCastileのIsabellaの伝記物語シリーズ。1巻ではIsabellaが4歳位からの王宮での暮らしから物語はスタートして、Ferdinandとの結婚までをカバーしています。

父親のJohnⅡは死の床で、王位は異腹の長男Henryへ移譲されようとする中、自分たちは殺されてしまうかもしれないというプレッシャーで母親は半狂乱。実に不安定な幼少期をIsabellaと弟のAlfonsoは過ごします。そんな中、Aragonからの王族Ferdinandとの婚約話が持ち上がり、情緒不安定な母親がそこに希望を見出すのをみて、Isabellaは幸せを感じ、自分の伴侶はきっとFerdinandなのだ、というまだ見ぬFerdinandに対する愛を育て始めます。Isabellaの思い込みの強さには驚かされますが、頼るべき者もいないIsabellaにとってはそれが唯一の希望と化していく様子は、Jean Plaidyの筆にかかるととても自然で読ませてきますね!

意志薄弱なHenryが玉座についたおかげでCastileは次第に無秩序となっていきます。

一方、AragonはAragonでJohn王が後妻のJoanを愛するあまり末っ子のFerdinandを溺愛。先妻との間にもうけた長男Carlosをないがしろにしすぎて、Aragonに争いの種を振りまいていく様子が描かれています。

CastileもAragonの地も政情不安定で、ここから二人はレコンキスタを達成するのか…、と思うと、次巻以降の展開も気になるところです。教科書で読むとふーん、って感じですが、その前段階の状況と知ると、感慨深いものがありますね。Castile、Aragon、PortugalにFranceとの関係もJean Plaidyにかかると、するするっとアタマに入ってくるところもよいです。

ちなみにIsabellaはとても生真面目だし、信仰深くもあり、TheLastKingdomシリーズを読んだ私としましては、キャラ的にはAlfred大王の女性版という印象をもちました。でも物語は彼女の視点で進んでいくので、Alfred大王よりも彼女のキャラは受け入れやすいですね。

※Isabella & Ferdinand Trilogyシリーズ、ブログ内リンク

  1. Castile for Isabella
  2. Spain for the Sovereign

Castile

  • Isabella…主人公。
  • JohnⅡ…Castileの王。Isabellaたちの父親。
  • Queen Isabella…Portugal出身のJohnⅡの2番目の妻であり、主人公Isabellaの母でもある。情緒不安定。
  • Alfonso…Isabellaの同腹の弟。
  • HenryⅥ…Isabellaの腹違いの兄。母はMaria of Aragon。快楽主義。意志薄弱タイプ。
  • Joanna of Portugal…HenryⅥの2番目の妻。
  • Beltran de la Cueve…HenryⅥより若く、とてもハンサム。HenryⅥの妻JoannaPortugalに近づく。
  • Joanna…La Beltranejaとも。JoannaとHenryⅥとの子どもだが、実際のところはBeltran de la Cueveとの子どもかも、と噂されている。
  • John Pacheco…Marquis of Villena。Alvaroと一緒に宮廷へやってきて、HenryⅥと仲良くなり権力者となる。
  • Don Pedro Giron…the Marquis of Villenaの兄弟。Grand Master of Calatrava。兄弟の権力をかさにきて、威張っている野心家。
  • Alfonso Carillo…Archbishop of Toledo。John Pacheoの叔父。わりと一本気。
  • Don Diego Lopez de Zuñiga…the Counts of Benavente and Plascencia。Alfonso側につく大物貴族。the Marquis of Villenaのライバル。
  • Don Frederick Henriquez…Admiral of Castile。Alagonの女王になったJoan Henriquezの父親。Ferdinandの祖父。
  • Beatriz Fernandez de Bobadilla…Isabellaより四歳年上の美少女。Isabellaの侍女であり、親友ともいうべき人物。
  • Andres de Cabrera…Beatrizの結婚相手。Beatrizに尽くしてくれる。
  • Menica de la Torre…Isabellaお気に入りの侍女。
  • Alonso de Coca…Isabellaの命令のもとAlagonの各国の偵察旅行に出かける。

Portugal

  • King Alfonso of Ⅴ of Portugal…HenryⅥ妻Joanna of Portugalの兄弟。
  • Alegre…Joanna of Portugalの侍女。好色。

France

  • Duke of Guienne…フランス王の兄弟。Princess Joannaと婚約。

Aragon

  • John of Aragon…Aragonの王。最初の妻はSicilyのMartinの未亡人でBlanche of Navarre。二番目の妻は年の離れたJoan Henriquezでベタ惚れ。
  • Joan Henriquez…Ferdinandの母親。Queen of Aragon。後妻。
  • Carlos…Aragonの第一王子。the Prince of Viana。Blancheと同腹の兄弟。彼らの母はKingdom of Navarreの王族。
  • Blanche of Aragon…HenryⅣの最初の妻。John of Aragonと先妻の長女。
  • Eleanor…Blancheと同腹の姉妹。FranceのGaston de Foixへ嫁ぐ。
  • Ferdinand…主人公の夫。Aragonの王子。Blancheとは腹違いの末弟。

3/18/2017

The Last Queen(YL6)

The Last Queen (English Edition)
Hodder & Stoughton (2010-09-10)

The Last Queen (English Edition) (語数約124,000語)

物語はスペインによるレコンキスタ、1492年のグラナダ陥落から。スペインの王女Juanaは13歳。両親のFernando王とIsabel女王がスペインを統一し、ムーア人を排除するという印象的なシーンからはじまります。両親は娘たちを次々と同盟の為各国へ嫁がせ、年頃になった主人公のJuanaもハプスブルク帝国の後継者であるFlandersのPhilipのもとへ嫁ぎます。彼女は会ったこともないPhilipの為に愛する祖国スペインを離れがたかったけれども、Philipの美男子ぶりにすぐに恋に落ちてしまいます。二人は子宝にも恵まれ、Philipは浮気性の気質をみせつつも、おおよそ順調な結婚生活を過ごします。しかし故郷のスペインでは、王位継承者たちが次々に不幸に見舞われ、彼女は次の王位継承者になってしまいます。その状況に夫のPhilipは、スペインの王になる野望をいだきます。両親の思惑や夫の野望の板挟みになってしまう主人公。そうした状況が彼女を限界まで追い込んでいく…、という展開です。ちまたでは愛する夫Philipが早死にし、気が狂ってしまった女王…というイメージのようですが、本書では全く異なる解釈をしていますのでお楽しみに…!

これまでなんとなくレコンキスタを完了させたカトリック両王の時代は盤石な時代…という印象がありましたが、こんなにも跡取り問題や諸侯との緊張関係ですぐにも崩れそうな状態でもあったのですね。父親のFernandoがAragonの王で、母親のIsabelはCastileの女王。二人が結婚することでCastileとAragonを合わせてスペインと呼び、二人はスペインのレコンキスタも完了させるほどのパワーをもっていました(コロンブスがIsabelの支援で新大陸を発見するのもこの頃!)。しかしCastileの諸侯はAragonの王であるFernandoをよそ者として嫌っているし、AragonはAragonで男系しか王として認めないという法があるので、本来はカトリック両王の長男がスペインをまるごと継承すれば丸く収まる話でした。しかし長男は若死、問題は噴出です。カトリックで一夫一婦制なのに、男系だけが跡継ぎというAragonのシステムにそもそも無理がありますね。お産での死亡率は高いので、王ともなれば後妻というカタチで腹違いの兄弟たちがいることもありますが、それにも限界があります。主人公は女性なのでCastileの女王にはなれてもAragonの王にはなれない。一つ世代を飛ばして、孫たち世代に期待がかけられるわけですが、最初の男の孫も死んでしまい、主人公の息子たちに期待がどっと押し寄せるわけですね。

ちなみに妹のCatalinaもガッツリ登場。CatalinaはHenry VIIIの最初の妻で、映画化もされたThe Other Boleyn Girlにも登場しますね。"そういえばあの中でCatherine of Aragonってめっちゃ呼ばれてたわ。Aragonって父親がAragonの王だからなのか"となんだかいまさら状況が飲み込めてきました。でもどうしてCatherine of Aragonと呼ばれ、SpainとかCastileじゃないのかはよくわかりません。JuanaはCastileの女王なので、Juana of Castileと呼ばれる点はナットクですが、どうしてCatherineはAragonになってしまうのか…。

そして最後の最期、あとがきを読んでいて作者が男性であることに驚きました。この作者、Amazonのリコメンドでルネッサンスの女性を主人公とした著作ばかりでてくるし、本書ではJuanaの周囲の男性は自分本位でDVだったり、ロクでもない男どもばかり登場するので、なんとなく女性が書いているのだと思いこんでいました。インタビュー記事を読むと、ジェンダーは関係ないと。役者が本人とは全然違うキャラクターの役になりきるように、自分も役になりきるんだよ、とさらっと答えていました。そういうものなんですねぇ…!インタビュー記事ではアメリカ人だと(作者は半分スペイン育ちですけど)、ヨーロッパの先入観から、ちょっとは自由になれてちょっと違った切り口で書けるんだよ、という話も出ており、ははぁ、日本人が書いたらもっとフラットかもね、なんて思いました。

The Last Queen by C. W. Gortner - book trailer

2/09/2017

Who Was Ferdinand Magellan? (Who Was?)(YL3)

Who Was Ferdinand Magellan? (Who Was?)
Grosset & Dunlap (2004-08-03)

Who Was Ferdinand Magellan? (Who Was?) (語数約8,289語)

マゼラン海峡のマゼランの伝記。GRみたいな読みやすさなのでタグはGRをつけています。とはいえ、歴史本なので単語はちょっとクセがあります。

もっと意気揚々とした人生を送った人物かと思いきや、なかなか過酷。コロンブスが新世界をみつけ、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ大陸を経てのインドへの航路を発見したりする大航海時代に生まれた彼も、自分自身で新航路をみつけたいと願っていました。マゼランは西周りで東洋の香辛料が豊富な島々へたどり着けるのではないかと思っていたわけです(当時地中海にはどーんとオスマン帝国があり、そこを通るには高い通行税を払わないといけませんでしたから、欧州勢はなんとか地中海を避けて東洋と貿易できないかとルートを探していたわけです)。

当初彼はポルトガル宮廷に仕えていましたが、王との相性が悪く、出世もみこめないので、スペインの王の援助を求めます。しかしまぁポルトガルの王がそれに嫉妬し、航海は出向前からトラブル含み…。それでも鉄の意志(神を強固に信じていた様子)で、マゼランは5隻の船団をひっぱっていきます。ラテンアメリカの東海岸沿いに南下しながら「海峡」探しをするわけですが、大きな川と海峡の区別はいちいち調べなければ区別がつかないわけで、難航。そのうち冬になり、越冬したり、パタゴニアでは巨人に出会ったり…(パタゴニアンの話は初めて知りました。ちょっと調べると、3mサイズというのは船員たちのホラ話で、2m弱程度じゃないかということですが…。イギリス人航海士三浦按針とかの報告にも出ているみたいですね)。

規模もわからない広すぎる太平洋をひたすら西へ航海しているうちに、船員たちはビタミン不足で次々壊血病などで倒れる中、マゼランだけは平気そうだったなど、興味深さとある種の冷徹さ、信仰の強固さなど、思いをはせたくなるエピソード満載でした。そうして世界一周を果たした船団ですが、コストがかかるわりに利益がないと当時は打ち捨てられていたんですね。

イラストも沢山ついていて、このコンパクトさで情報量満載!近頃この時代に興味をもっているわけですが、周辺情報のビギナー本としてこのシリーズはお手頃ですね。

2/05/2017

The Flame Bearer (the Last Kingdom Series, Book 10) (YL6)

The Flame Bearer (The Last Kingdom Series, Book 10) (語数約148,800語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになったBernard Cornwellのベストセラーシリーズの第10巻目。

いよいよ主人公長年の夢、故郷Bebbanburg奪還の展開へ。

強固な城塞都市であるBebbanburg奪還は、焦る必要もないので、包囲戦を考えていた主人公ですが、そこは従弟もさるもの、Norse人のEinarたちを雇い、主人公たちを追っ払おうとしたり。それとは別口でなかなか手ごわいScotsの王ConstantinがBebbanburgをかすめ取ろう動いたり。Merciaの女王Æthelflaedとは前巻で、主人公のお膳立てでうまいこと条約を結べた義理の息子Sigtryggrですが、今度は南方からSaxonたちが進軍してきてたり…。頼みのÆthelflaedもどうやら本巻は917年頃の設定なので、死に至りつつあり…。

周囲は敵だらけ、わずかな部下たち。これまでSaxonやMerciaとともに戦ってきた主人公ですが、Alfredの息子EdwardやÆthelflaedらとは近しい思いを抱きつつも、だんだんと対立を深めてきます。義理の息子がpaganですから、ある意味、しょうがないですね。

本巻でもグイグイ話は展開されて、あの伏線がここで回収されて、そっちの話は実はそうだったのか!という見事さでシリーズ全体の伏線もだいたい回収されたんじゃないでしょうか。話としては一区切りに思えますが、Historical Noteを読むと、より大きな野望、Englishを話す人々が一つの国となる野望は達成されていないので、Uhtredが何を考えているかによらず、彼の話もまた終わらないのである、というような気になる一文がありましたので、続刊するのかもしれません。もっともこの野望は主人公というより、Alfredの夢だったわけですが…。

もういい加減Finanともどもじいさんなので、甲冑を着て走り回るのには無理があるんじゃないかと思いますが…。もっともシリーズ後半、彼が歳を取ってからの方が、より剣のテクニックを丁寧に描写されるようになって、体力をテクニックでカバーしているんだなぁ、という感じは強まっていますけどね。いずれにせよこのシリーズは相当楽しみましたので、続刊するならそれはそれで楽しみですが、新刊は年内にでるのでしょうか。ここまできたら年内に出てほしい…。

主人公の周辺。

  • Æthelflaed…Merciaの女王。King Alfredの娘であり、主人公とは愛人関係だった。
  • Sigtryggr…主人公の娘Striorraの夫。Eoferwicを有し、Northenbriaの王に収まろうとしている。赤い斧の旗。
  • Finan…Irelandの戦士。主人公とは若いころから苦楽を共にし、親友であり片腕。視力がとてもよく、素早い剣技。
  • Berg…主人公のところにいる若手戦士。主人公に命を助けられ、恩義を感じている。頬にオオカミの入れ墨を入れているが、なんでブタのマークをつけているのかと仲間内でからかわれている。
  • Rorik…Ragnallの息子だが、主人公が引き取り、主人公の従者になった。
  • Swithun…West Saxonの若い家臣。天使のような微笑みを浮かべるけど、結構狡猾でスリ並の早業。
  • Gerbruht…大男で力持ちだけど、頭はあまりよくない。でも忠実。
  • Kettil…潔癖症なDane人の若手戦士。オサレ。
  • Eadith…元Merciaの盟主Æthelredの女だが、今は主人公の妻。
  • Father Eadig…Eoferwicから来た神父。
  • Archbishop Hrothweard…Eoferwicの大司教。WestSaxon人。Lindisfarenaを再建したがっている。
  • Ieremias…キチガイじみてるからBishop。Dane人。Dagfinnrという名前でかつて主人公の義兄弟だったRagnarに仕える私兵だったが、ある時期から神からの天啓をうけたとばかりにIereminasと名乗りはじめた。Dunholmの支配者である主人公から古い砦のあるGyruumを借りている。

Wessex

  • King Edward…Wessexの王。40台前半。
  • Æthelstan…WessexのKing Edwardの長男。秘密の結婚の結果生まれた子どもなので、庶子扱いされている。王になる可能性もあるので、次男Ælfweard王子の祖父Æthelhelmから命を狙われており、長年主人公や、Merciaの女王であり叔母でもあるÆthelflaedの庇護のもと過ごしてきた。現在22か23。
  • Ælfweard…Æthelhelmの孫。King Edwardの息子。まだ14歳にも満たない。
  • Æthelhelm…King Edwardの義理の父。跳ねている牡鹿が旗。
  • Ælswyth…Æhelhelmの末娘。13、4位。
  • Brice …Æthelhelmに忠誠を尽くす兵士。戦闘能力はあるけど、頭はあまり良くない。
  • Father Herefrith…Æthelhelmに仕えていた元戦士の神父。
  • Bishop Wulfheard…Herefordの司祭だが、ほとんどWessex王の側で過ごしている主人公にとっての長年の天敵。頭がまわってやりにくいが、女好きという弱点が…。
  • Brunulf Torkelson…WestSaxon。Torkel Brunulfsfon の息子。Hornecastreの古いローマの砦に居座っている。住んでたDane人達を殺しはしないけど、全員追い出してる。

Bebbanburg側

  • Waldhere…主人公の従兄弟の軍司令官。長年手ごわいScotsと戦ってきた。
  • Einar Eglison…ドラゴンの旗。Norse人。主人公の動きに不安になった従兄弟が新しく雇った戦闘員たちのリーダー。30代位。

Scots

  • King of Alba…Scotlandの王。Constantinとも。
  • Cellach mac Causantín…Alba王の息子。20歳。

1/29/2017

Warriors of the Storm (The Last Kingdom Series, Book 9) (YL6)

Warriors of the Storm (The Last Kingdom Series, Book 9) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約12,400語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになったBernard Cornwellのベストセラーシリーズの第9巻目。

本巻は史実というより、これまでのオールキャラ総集編、みたいな感じす。

前巻でÆthelflaedを名実ともにMerciaの女王にした主人公は、本巻ではNorthumbriaとの前線であるCeasterを守っていたところから始まります。そこへ義理の息子Sigtryggrの兄RagnallがIrelandから一大軍勢を引き連れて、Ceaster周辺を襲撃。さらに彼の軍勢は北へと抜け、それに恭順を示すNorthumbriaの諸侯が加わり、Northumbriaの諸侯の盟主の一人であり、かつての恋人でもあるBridaが主人公の前に立ちはだかります。Rangall傘下には因縁のHaestenも加わり、今回もいかにも口先の巧い彼らしい立ち振る舞いで活躍しています。さらにはIrelandからの軍勢には、Finanの宿敵もおり、ここでついに彼のIrelandを追われた事情もわかってきます。兄Rangallが出てくるということは、当然、Irelandへ渡っていったRangallの弟Sigtryggrやそこへ嫁いだ娘のStiorraも再登場…、ということで今回は作者が作ったほとんど架空の人物たちメインで物語が進行していくので、あまり史実絡みの事象はありません。とはいえ、9巻まで読み進んでくると、主人公の一家はもうほとんど親戚感覚。長年の因縁の人物たちも次々と現れて決着をみせてくれる展開となると、これはもうほとんどファンサービス作品(笑)。Uhtredももう孫までできているのに、孤軍奮闘、娘たち一家もしっかり面倒見て、どえらいじーさんになっています。

主人公の周辺。

  • Father Oswald…主人公の長男。神父になったので主人公から絶縁され、長男としての名Uthredをはく奪。
  • Uhtred…主人公の次男。長男が絶縁されてしまったので、跡継ぎとして育てられる。
  • Stiorra…主人公の愛娘。Sigtryggrと結婚し、Irelandで暮らし、子どももできた。
  • Finan…Uhtredの最も信頼する部下。一緒に奴隷時代も過ごした。Irish。
  • Osferth…King Alfredの私生児。Alfredは聖職者にしたかったけれども、戦士の道を歩む。戦いに喜びを見出している様子もないが、父親ににてマジメで思慮深く几帳面。今は腹違いの妹でありMerciaの女王であるÆthelflaedの元にいる。
  • Æthelstan…King Edwardの長男。結婚に事情があったので庶子扱いされているが、主人公はWessexの正当な跡継ぎだと思って、育てている。
  • Eadith…Merciaの盟主であり主人公の従兄だったÆthelredの妾。Æthelredの死後主人公の元に。主人公がCnutに受けた傷を癒し、信頼されている。
  • Berg…18か19のNorse人。前巻で処刑寸前のところを主人公に助けられて、以来、素直に主人公に忠誠を誓っている。
  • Dudda…Ireland近海に詳しいので主人公が雇った船長。いつも飲んだくれているが仕事はする。

Mercia

  • Æthelflaed…Merciaの女王。King Alfredの娘であり、主人公とは愛人関係。
  • Ælfwynn…Æthelflaedの一人娘。あの子の頭には羽が詰まっている…、というのが母親Æthelflaedのコメント。
  • Cynlæf Haraldson…Ælfwynnの恋人?Edward王の戦士の一人だったがÆlfwynnと出会ってからGleawecestreへ移ってきた。thegnの息子。
  • Merewalh…Æthelflaedに仕える司令官。実直。
  • Father Ceolnoth…双子の神父のうちのひとり。主人公と昔から犬猿の仲。
  • Father Celoberht…双子の神父のうちのひとり。主人公に歯をおられた。
  • Bishop Leofstan…主人公のおひざ元Ceasterに着任した主教。いつもニコニコ。弱者にやさしい。Father Beoccaの教え子。
  • Gomer…Bishop Lofstanの妻。
  • Father Glaedwine…Æthelflaedに仕える聖職者。AlfredがWessexに作った学校の卒業生。Æthelflaedはもっぱら事務員として使っていたが、彼の名声は詩人であること。讃美歌などを作る。

Norse・Irish・Northumbriaの人々

  • Ragnall Ivarson…主人公の娘が嫁いだSigtryggrの兄。Sea Kingなどと名乗り船団を率いて、ブリテンで大暴れ中。かなり残虐。
  • Rorik…Ragnallの息子。9歳にならずや。母は不明。
  • Sigtryggr Ivarson…ハンサム。神に愛されていると彼の仲間は言う。主人公の娘Stiorraと結婚。
  • Conall…Finanの弟。
  • Father Haruld…Haestenをクリスチャンに改宗させたという神父。
  • Mus…EadsByrigで捕虜にした美少女。
  • Brida…主人公の幼馴染。もとはSaxon人だが、主人公同様Dane人の文化に馴染んでDane人側についてしまった。主人公の義兄弟ともいうべきRagnar亡きあと、Dunholmを支配している。
  • Vidarr…Ragnallに忠誠を誓う20代半ばのNorse人。妻が主人公たちの捕虜にされたので、Ceasterへやってきた。
  • Askatlta…Vidarrの妻。
  • Oryar Freyson…Ragnallの船長の一人。主人公と同じくらいの年頃。慎重で、出来はいい。妻子をRagnallに人質にされている。
  • Bjarke Neilson…Ragnallの船長の一人。妻子をRagnallの人質にされている。
  • Haeseten…若いころ主人公に救われ忠誠を誓っていたが、裏切り、ずるがしこい立ち回りで生き延びてきた。

1/09/2017

The Empty Throne (The Last Kingdom Series, Book 8) (YL6)

The Empty Throne (The Last Kingdom Series, Book 8) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約99,200語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになったBernard Cornwellのベストセラーシリーズの第8巻目。

今回は911年頃のÆthelredの死、そしていかにしてÆthelflaedへ権力は移行させていったか、という話が軸となっています。女の玉座なんて認められるか、という周囲の「常識」をいかにうまくひっくりかえすか、足を引っ張ろうとするライバルをいかに蹴落とすかを巡って話が進みます。

前巻ではCuntの剣で瀕死の重傷を主人公が負いますが、Teotanhegleの戦いでÆthelredもまた重傷を負いその傷がもとで死に至る…、という説を今回作者はとったようです。

そしてだんだん次世代が育っていきている描写が増えてきましたね。冒頭では21歳になる息子のUhtred視点の一人が語りからはじまりますし、今回はなんといっても娘のStiorra。Lundeneに彼らがいたころは父親が帰ってくると足にまとわりついてくる愛嬌のある幼子でしたが、気が付けばとても母親に似てきて父親にとってはとてもミステリアス。普段から戦場ばかり駆け巡って娘のことはÆthelflaedにまかせっきりですから、娘の考えていることは全然わからない。せっかく周囲に馴染めるようクリスチャンとして育てたつもりなのに、どうやら修道女たちに異教徒の娘といじめられて、クリスチャン嫌いとなっていてドッキリしたてみたり。でもどうやら度胸もあるし、かなり頭がまわる。ÆthelflaedはStiorraと同世代の自分の娘Ælfwynnのことを比べては、私の娘はバカ娘で困る、頭に羽でも詰まっているんじゃないかしら、とこぼして、Stiorraの賢さをうらやむほどに。

Edwardの長男であり庶子として扱われているÆthelstanはまだまだ少年ですが、長男であるが故に有力貴族から命を狙われつつも、主人公の庇護のもと、「あなたは正統な王位継承者なんだ。いずれ王になるのときのために」と主人公なりの現場主義な帝王教育を順調に受けています。王の道もまた修羅の道ですね(…Æthelstanの伝記ものがあったら読みたい程度には気になってきました)。

Æthelredの女だったEadithも今回活躍しますが(正妻Æthelflaedにとってはライバル)、Eadithとその兄Eardwulfは不思議な関係でしたね。Eadithはふんわりとしていて、運命に流されるタイプなのかもしれませんが、なんのかんのいって優しい。Æthelredはそういうところに惹かれたのかもしれませんね。そして賢いけれども女たらしすぎて女から嫌われるEardwulfは、しまいには妹を娼婦呼ばわりし、主人公が「彼女が娼婦なんだとしたらそれはお前のためだろう」ってかばうんですから…!妹が微妙に兄を諦めている感じだったのは、この性根のせいなんでしょうか。

また今回はWalesのAlfredともいうべきKing Hywelなんかも登場したり、Irelandでの凄まじい生存競争ぶりの話がNorse人Sigtryggrからでてきたりして、同時代の近場エリアの情勢がチラ見できるところも面白かったです。

ハンサムボーイのSigtryggrは再登場するんでしょうかね…?戦闘中に片目になったら自分をOrdinだ…!と笑う男って相当気違っていて面白いですよ?

主人公周辺

  • Æthelstan…Wessex王Edwardの長男であるが「庶子」の少年。双子。やんちゃ。
  • Eadgyth…Edwardの「庶子」の少女。Æthelstanと双子。
  • Uhtred…主人公の跡継ぎ。次男だったが長男が聖職者になってしまったので、Uhtredの名前を受け継ぐ。
  • Stiorra…主人公の末娘。今は亡き最愛の妻Giselaに似てきてツライ。17くらい。
  • Finan…Uhtredの最も信頼する部下。一緒に奴隷時代も過ごした。Irish。
  • Osferth…Alfredの私生児。Alfredは聖職者にしたかったけれども、戦士の道を歩む。戦いに喜びを見出している様子もないが、父親ににてマジメで思慮深く几帳面。
  • Rædwald…かつてÆthelflaedの護衛官を破っていて今はUhtredの補佐官。慎重派。
  • Godric Grindanson…Uhtred の従者。12歳。
  • Gerbruht…大食漢。頭は少々鈍いがガタイの良さを生かしてパワフル。父親は神父だったようで、子どもの頃、父について各地へ巡礼している。
  • Berg Skallagrimmrson…Rognavaldの手下だった少年。ちょっと息子のUhtredに似ていたので、気になって主人公が処刑される直前に助ける。
  • Father Cuthbert …Edwardの秘密の結婚式を挙げた神父。唯一の生き証人なので主人公にEdwardから託された。今は盲目。
  • Mehrasa…FatherCuthbertの妻。元奴隷。Cuthbertが美貌に惚れ込み結婚。
  • Ingulfrid…Osferthの女に。もともと主人公の従兄のUhtredの妻だったが、主人公がさらったのでBennanburgに戻ってもどうせ不貞を疑われて殺されるので、戻れなくなった。

Mercia

  • Æthelred…主人公の従兄でMerciaの盟主。
  • Æthelflaed…Alfredの娘。Wessex王Edwardの姉。Æthelredの正妻。主人公と浮気。
  • Ælfwynn…Æthelflaedの一人娘。Uhtredより少し若い。幼馴染で周囲からはUhtredと結婚すればいいのに、と思われている。
  • Merewalh…Æthelredの部下だったが見捨てて、今はÆthelfleadの忠実な戦士。
  • Eadith…Æthelredの女。
  • Eardwulf…Eadithの兄弟。ハンサムで賢い。Æthelredの軍隊の司令官。
  • Bishop Wulfheard…Gleawecestreにいる司教。もともとHerefordの司教だった。主人公を嫌っているのでÆthelredのお気に入り。前巻では主人公をMerciaから追い出そうと、主人公の領地Fagranfordaの小屋を焼き払ったりしている。
  • Father Penda…Bishop Wulfheardの部下だが、主人公とは関係がある。

Wessex

  • Æthelhelm…Wessex王Edwardの義理の父。Ealdorman。大男。娘はEdwardの妃。Edwardにつぐ金持ちで彼の私兵はWestSaxon軍の中で三番目に大きい。Edwardの相談役。
  • Ælfweard…Æthelhelmの孫。
  • Brice…ベテラン兵士。たいていÆthelhelmの旗のもとで戦っている。

Wales

  • Bishop Asser…主人公と険悪の仲だったWales出身の司祭ひとり。Alfredからの信任が厚かった。Alfredの死後、Æthelhelmのおひざ元のScireburnanで司祭に収まっていた。
  • King Hywel…Twddewiあたりを支配しているWalesの王。
  • Father Edwyn…Twddewiにいた神父のひとり。Scireburnan出身でSaxonの言葉を話す。Bishop Asserと一緒にこの地へきた。
  • Anwyn…King Hywelのチーフアドバイザーであり聖職者。Saxonの言葉を話す。

Norse

  • Ivar Imerson…アイルランドで悪名高い海賊。しかしIrishも同じくらい狂暴なので、彼をかなり押しだしている。
  • Sigtryggr Ivarson…Ivarの息子の一人。20かそこからでハンサム。神に愛されていると彼の仲間は言う。

1/02/2017

The Pagan Lord (The Last Kingdom Series, Book 7) (YL6)

The Pagan Lord (The Last Kingdom Series, Book 7) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約99,200語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになったBernard Cornwellのベストセラーシリーズの第7巻目。

今回の最終的な舞台は910年Teotanheale(Tettenhall)の戦い。Tettenhallで戦いがあったということとそこでWessex・Merciaの連合軍はDane人に勝ったという以外、詳細不明の戦いで、作者があとは妄想力で補完している話となります。

ブリテン一の剣術遣いCnutの仕込んでいる策略は相変わらず複雑に入り組んでいてい、49になってもいまだ脊髄反射で動きがちの主人公はその穴にハマり込み…。いかにしてワナだったということに気が付き、反撃に出るかというところは、作者の妄想とはいえ十二分に読み応えアリ!

Edwardの長男Æthelstan(「庶子」なので主人公が育てている)は、8歳ながら主人公に臆する気配もなく結構ヤンチャな感じがでていて将来性を感じる一方で、主人公の長男Uhtredはやっぱりというか聖職者になりたいと言い出す始末。Bebbanburgの領主としての意識の強い主人公がそれを認められる筈もなく、縁を切り、嫡男としてのUhtredの名前をとりあげ、末息子OsbertをUhtredと名乗らせて嫡男としたり…。そんな末息子も今回はじめてのShieldWallに参加して戦士の片鱗をみせつつ、やっぱりクリスチャンなんですよね。

異教徒の主人公は周囲がほとんどクリスチャンで本当に生きにくい…!誤解されまくりで気難しい男だと言われるけれど、愛人のÆthellfeadだけは主人公のある種の単純さ気質をよく理解している。

それからAlfredの長男Osferthにもついに恋の季節が…!彼はAlfredの庶子で敬虔なクリスチャンだからこそ、自分は生まれた時から罪深いと絶望していてこれまで浮いた話のひとつもありませんでした。こんな生まれた時からどんな努力しようもなく罪の烙印を押し付ける教えって残酷だな、とOsferthを見るたびに心で泣いてましたが、次巻ではどうなっていますでしょうかね。

主人公の周辺。

  • Uhtred…Alfredの元で幼少期を過ごし聖歌隊になんかも参加しちゃってついに聖職者になりたいと言い出した主人公の長男!主人公に息子じゃないから今後Father Judasを名乗れと言われる。
  • Osbert…主人公の末っ子。19歳。かなり厳しく育てた。長男が絶縁されたのでUhtredを名乗ることに。
  • Stiorra…主人公の末娘。16位かな?
  • Æthelstan…KingEdwardの長男。8歳。
  • Father Cuthbert…主人公のところの神父。Edwardが主人公に送ってきた牧師。
  • Finan…Uhtredの最も信頼する部下。一緒に奴隷時代も過ごした。Irish。
  • Osferth…Alfredの私生児。Alfredは聖職者にしたかったけれども、戦士の道を歩む。戦いに喜びを見出している様子もないが、父親ににてマジメで思慮深く几帳面。

Mercian

  • Æthelred…主人公の従兄でMerciaの支配者。
  • Æthelflaed…Alfredの長女。Merciaを支配している主人公の従兄弟Æthelredのところへ嫁ぐ。が、半ば黙認状態で主人公が愛人。
  • Eadith…Æthelredのお気に入りの美女。Merciaの王妃になりたがっている。
  • Eardwulf…Eadithの兄。Æthelredの私兵の司令官。20代。
  • Merewalh…Æthelredの部下だけど、主人公と仲は良い。いつも前線の汚れ仕事ばかりやっている。
  • Ælfwynn…Æthelflædの一人娘。

Bebbanburg

  • Ælfric…Bebbanburgの領主。主人公の叔父。
  • Uhtred…Ælfricの跡継ぎ。Bebbanburgの正当な支配者のつもりなので、Uhtredを名乗っているわけですね。
  • Ingulfrid…従兄弟のUhtredの妻。Dane人で美女。
  • Osbert…従兄弟のUhtredとIngulfridの間の子で本人たちは直系におさまったつもりなのでUhtredだけど、主人公に改名させられる。主人公からしたら自分の息子が直系で、傍系だし。
  • Hoskuld Leifson…Ingulfridの父親。Sigtryggに仕えている。
  • Sitrygg…Norsemanの戦士。アイルランドに王国を作っていたけど、競争激しい土地柄なので追い出さてCumbralandにいる模様。

Vikingたち

  • Cnut Ranulfson…若い頃から白髪なNorthumbriaの支配者。いまは40位。賢く無慈悲。IceSpiteという剣をもってて北から南まで恐れられている。
  • Sigurd Thorrson…Northumbriaの支配者。主人公が息子を殺しているので恨んでいる。
  • Frigg…Cnutの妻。かつてのErce。超絶美人。
  • Cnut Cnutson…CnutとFriggの双子のうちの息子。6才。
  • Sigril…CnutとFriggの双子のうちの少女。
  • Jarl Haesten…主人公にかつて助けられたDane人。今はCnutの靴をなめている状態だけど、かなり貪欲。