ページ

ラベル ★絶賛オススメ★ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ★絶賛オススメ★ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

7/24/2016

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1)(YL7.0)

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約153,760語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第1巻目。

時代は9世紀。Uhtredというイングランド、Northumbria生まれの少年から青年になるまでのお話しとなります。Earldormen(Kingより格落ちだが土地持ちで高貴な領主)生まれだけれども、Dane人たちの襲撃で10歳で孤児となり、Dane人たちのリーダーに気に入られ養子のように育ち、Vikingな生き方を教えられます。

England人なのに、こんなにDane人たちに馴染んじゃって大丈夫なのかしら…、と思いながら読んでいると、UhtredこそはNorthumbriaの正当な支配者だと思い込んでいる忠義な修道士たちの働きで、いつしかWessexの王、Alfred王との縁が生まれきます。ヤンチャキャラのUhtredとしては、聖書を読みふける生活よりも、よっぽど戦い方を覚えたりするDane人たちの生活の方が性にはあっているし、キリスト教の聖者の話よりも、よっぽどThorたちの物語の方が面白いししっくりくる。しかし運命はそう簡単には転ばないところが面白いですね!主人公がDane人たちととても馴染んでいるので、Dane人と、England人との世界観の対比なんかがうまくかけていてとても面白いです。

歴史イベントや登場人物はだいたい正しいことが多いようですが、あとがきを読むと、主人公や主人公の育ての親ともいうべきRagnerはそもそもフィクション、さらにイベントごとも物語の都合上、前倒しにしたりの加工はしているようですね。

Alfred大王の話は、Viking本を読んでいるとちらちらっと出てきていて、イングランドからみたViking史としては外せない人だと気にはなっていたのですが、本書でだいぶイメージが強固になってきました…!

※追記

10巻まで読了しましたが、このシリーズ面白い!当初はAlfred大王が辛気臭くて嫌いでしたが、だんだん彼の魅力もわかってきて王が亡くなるときは、寂しかったですよ。ブリテン島がまだ統一される前の時代のお話であり、主人公は軍事司令官としてブリテン島をあちこち移動しますので、シリーズ読了後はだいぶブリテン島の地理感もついてきますし、ウエールズやスコットとサクソン人との関係なんかも飲み込めてきて、UKニュースをみても、あぁ、と思うようになりました。2017年2月現在、10巻までありますので★絶賛オススメ★タグは1巻にだけつけておきます。

主人公の親族

★つきは実在人物確定。

  • Uhtred…主人公。次男でOsbertと呼ばれていたが、長男が殺された後、Uhtredへ改名した。
  • Gytha…主人公の継母。
  • Ælfric…主人公の叔父。主人公が跡取りなので、殺したがっている。
  • Ælfricthe Younger…ÆlfricとGythaの息子だがひ弱。
  • Æthelwulf…主人公の実の母の兄弟。Merciaにいる。
  • Æthelred…主人公のもう一人のおじ。Alfredと結婚したÆlswithの親戚でもある。Æthelwulfの兄弟でWest Saxonの境界線に近いCirrenceastreのEaldorman。40代くらいで暗い雰囲気。
  • Æthelred…Æthelredの長男の名前も父親と一緒!主人公より1歳若いけど、父親同様主人公が憎い。

Northumbria出身の人々

  • Beocca…主人公の四年時代の教育係。神父。主人公がDane人にいる間も主人公を心配し、Alfredに救い出してくれるよう働きかけ。
  • Ealdwulf…鍛冶屋。古い神々を信仰している。主人公のはじめての部下!

England側

  • King Æthelred★…Wessexの王。Alfredの兄。
  • Alfred★…主人公の王。主人公11歳のとき19歳。King Æthelredの弟。兄の死後、Wessexの王となる。とても敬虔で書物好き。病気がち。
  • Ælswith…Alfredの妻。
  • Æthelflaed…AlfredとÆswithの娘。
  • Æthelwold…King Æthelredの長男。Alfredの甥っ子。やんちゃ。
  • Leofric…主人公をトレーニングしてくれるAlfredの戦士。主人公との相性はいい!
  • Mildrith…地方行政官の娘。BeoccaやAlfredがに主人公の嫁候補として猛烈プッシュしてくる娘。敬虔なクリスチャンでDefnascirの土地持ちではあるのだが…。
  • Osferth…Alfredの非嫡出子。Leofricの姉の子なので、Leofricにとってはなんと甥っ子!
  • King Edmund★…East Angliaの王。とても信心深い。
  • Ealdorman Odda…結婚予定の嫁の庇護者?結納金せびってきた!結構ケチくさい。
  • Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。

Dane陣営にいるけどEngland人

  • Brida…主人公の同い年の少女。East Anglia攻めの最中にDane人たちにつかまり、反抗的なのでRagnarが気に入り、主人公に与えた。
  • Weland Godfredson…領主をなくしたので、Ragnarの噂を聞きつけて、雇ってもらいに来た戦士。

Dane人たち

  • Ragnar…兄を殺したDane人のリーダー。金髪のロン毛。主人公を息子のようにかわいがる。
  • Sigrid…Ragnarの妻。二人の男子に一人の女子が生き残り。
  • Ravn…Ragnarの父親。目が見えないけど、マルチリンガル。英語も話すよ。
  • Rorik…Ragnarの次男。主人公より1才若い。
  • Tuyra…Ragnarの娘。主人公が10才位のとき8歳くらい。美少女。
  • Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。
  • Sven…主人公とRorikをいじめようとする男子。Kjartanの息子。
  • Kjatan…Ragnarの右腕な船長。
  • Ivar the Boneless★…Daneのリーダーのひとり。とても痩せている。
  • Ubba Lothbrokson★…Daneのリーダーのひとり。迷信深いので、神々のいうこと(占い)しか聞く耳持ってませーん。
  • Halfdan★…IvarとUbbaの末弟。ちょっとアタマ足りない子かも…。
  • Storri…Ubbaのアドバイザー。宮廷詩人であり、魔術師。
  • Guthrum the Unlucky★…とても背が高い。14の船をもってきた。黒尽くめの軍を率いる。…マザコンなの?と思うシーンがときどき。

3/12/2016

Vlad: The Last Confession(YL7.0)

Vlad: The Last Confession: n/a (English Edition) (語数143,840語)

悪名で名高いDRACULA。

しかし本当のDracula、Vladの姿はどうだったのでしょうか?単なる恐ろしい怪物だった?本書では彼の矛盾に満ちたただの人間として描いています。

オスマンがヨーロッパへ膨張してくる時代、キリスト教圏の国々では内輪もめばかり。そんな中、戦闘の最前線のひとつだったワラキアの領主だったVladがどんな戦略でワラキアを導こうとし、オスマンから守ろうとしたのか。「悪魔の息子」と呼ばれた彼は、暴君でもあり立法者でもありました。十字軍院軍の騎士であると同時に大量殺戮者、処刑者であると同時にヒーロー、恋人であるともに殺人者でした…。

Ψ

本書では、Vladが亡くなってから5年後の1481年に、彼の山城だったPoenari城で行われた裁判から彼の生前の姿を描き出す、という形で構成されています。彼をよく知る3人が集められ、彼のオスマン朝での人質生活からはじまり、彼の最期までが語られていきます。Vladと1歳違いのオスマンの王子、Mehmet2世との因縁深いドラマもあって読みごたえたっぷりです。

Vladの一生が、年表を追うだけでもこれだけ激しいものだとは、本書を読むまで知りませんでした。Vladに対するプロパガンダも、生前死後を問わず、君主たちの都合ですごかったんですね。

コンスタンチノープルを攻略してしまうようなスルタンに対して、小国ワラキアの領主(しかも3度返り咲くというハメになる…。目まぐるしい領主たちの裏切り!裏切り!)にすぎないVladは、毎回、絶望的にみえる状況の中で、それなりの戦いをするわけですから、彼の軍司令官としての優秀さは、年表を追うだけでもわかろうというものでしょう。そしてこの圧倒的な戦力差の中で、勝機を見出そうとするわけですから、当然彼は苛烈です。

本書の中では、自分に忠実なものたち対しては優しさをみせるキャラクターとして描かれています。史実かどうかは不明ですが、趣味の鷹匠という属性も、なんだかんだいってキャラクターに説得力をもたせるエピソードで私は好きでした。愛馬や、鳥たちにみせる彼の愛情深さといったら…!いくら彼がワラキアを守ろうと頑張っても誰も信じられないような時代の中で、愛情をかえしてくれる動物たちは慰めだったんだろう、と解釈したくもなります。

年表(≒ネタバレ)を睨みながら読んでいたので、すっかりそんなVladに愛着をもってしまった私は、1476年が近づくと、「Vladがもうすぐ裏切られて死んでしまう…!」と絶望的な気分になっていました。しかしその「死」は、はっとするような終わり方をするし、1481年の裁判の決着もエッ!という展開ですので、絶望的なエンディングではなく最後まで目が離せませんでした。そして「裁判」が1481年だった意味も、Mehmetの年表を見ると、わかってきましたね。

というわけで、オスマン朝の異国情緒もたっぷり、鷹匠ネタも満載、Ilonaとの本当に物語のような(物語なんだけど!)出会いにいたるまで、読み応えたっぷりのヒストリカル・ロマン!!でした。読み終わった後の喪失感がすごい!!!

Ψ

ネタバレアリの登場人物メモ。役職名とかニックネームが散乱しているので、誰のこと言っているのか戸惑いながら読むのは、歴史ものの宿命ですね。登場人物も相当多いですよ!

Vlad Draculの息子たち

  • Mircea Dracula…長男。生き埋めによる死。
  • Vlad Dracula…次男。主人公!ニックネームは、Vlad Ţepeşとか ImpalerとかKaziklu Beyとか全部「串刺し」という意味みたいです。Vladはマルチリンガル。ギリシア語、ラテン語、フランコンニア語、オスマン語?アラビア語もたしなみ、コーランを、暗唱できるっぽいです。
  • Radu Dracula…Vladの弟。Vladの6歳下。Vladと一緒にオスマンで人質生活を送っていました。美少年で美男子に育ち、Mehemed2世のお気に入り。Vladは父の死でワラキアに戻りますが、Raduはそのまま人質生活を続行したことから、オスマンの宮廷で出世。Vladとは対照的な人生を歩みます。最期は哀れ…(涙)。

目撃者たち(1481年の裁判で召喚される告白者)

  • Ion Tremblac…最初の告白者。Vladとの付き合いは子どもの頃からで、5歳でVladと、一緒にトルコへ人質としてきた。Vladの忠実な友であり、家令みたな役割。
  • Ilona Ference…Lamaは奴隷としての名前。ハンガリー語でIlona。Vladの聖域。恋人。
  • Brother Vasilie…the Hermit。隠遁者。Ilonaのお産の時に呼ばれた僧侶。Vladの一騎打ちの戦いのときには兵として参戦していた模様。Vladは無駄な殺戮はしないと考えている。年も近く元戦士ということもあってVladに気に入られ、彼の告白をきくことになる。

オスマン朝の人々

  • Hamza …Hamza agha、のちのHamza pasha。Vladたちの人質時代の講師。鷹匠。Vladと鷹への愛を共有している。
  • Murad Han…Vladの人質自体のときのスルタン。ムラト2世。Mehmetの父。
  • Mehmet Celebi…Muradの息子。のちの「Fath」とか「The Conqueror」とも呼ばれるコンスタンチノーブルを陥落させるスルタンに。Vladより1歳年下。14歳で兵隊連れて暴れたけど、評議会から抗議を受けて1度、皇太子から引きずり降ろされたりしている。
  • Abdullah-i-Raschild…ギリシア生まれの奴隷でMehmetのお気に入り。

Wallaciaの領主たち

  • Albu cel Mare…The Great。 クセモノ。1448年、Vladの味方のフリしてVladislav側についた。
  • Turcul jupan…Wallachiaで2番目の権力者。Gales jupanの兄弟。彼の娘ElisabetaはIlonaのメイド。Ilonaはこの領主が嫌い。
  • Gales…Vladの領主の一人かな?チビで片目みたい。肝心の戦いでVladを見捨てたので、Vladに出くわさないよう逃げ回っている。…が捕まり、Vladの結婚式の日に処刑。
  • Cazan…父親と同じくらいVladに忠実。ワラキアの正当な教会のトップ。

DraculaのVitesji

  • Black Ilie…Vladの逃亡生活中にボディガードとして雇われた。アフリカの血も混ざってる?Vladのvitesjiの一人。親衛隊みたいなもんかな?とても忠実。
  • Stocia…Vladの下僕。口がきけない。なにも言わなくてもニーズを満たしてくれる。とても忠実。

その他

  • Petru Iordache…1481年裁判当時、ワラキアの領主に仕えるPoenari城の若いSpater。裁判の為やってきたHorvathyの為に執事的に動く。
  • Horvathy…Count of Pecs領主。伯爵。ハンガリー王Matthiasの取り巻きのひとり。独眼。1481年の裁判は彼が主導しているみたい。
  • Domenico Grimani…Cardinal of Urbino(イタリア山間部の小都市。ルネサンス期に栄えた)。1481年の裁判の採決を任される。カトリックですよ。(ワラキアは正教が主流ですが)。
  • Hunyadi…ワラキア出身のハンガリーの貴族。Vladの父を斬首することを命じた。MatthiasCorvinusの父。
  • Matthias Corvinus…ハンガリーの王。カラスの紋章みたいで「The Crow」とも。Vladたちより10若いけど2倍老けて見える…。彼は父親のHundtadi。Vladはそんな敵の息子の元で幽閉生活を送ったり、手を組むんですから、お互い凄まじい関係ですよね(Vladを生かしておくMatthiasの政治センスが生臭い)。
  • Thomas Catavolinus…Hamzaと一緒に派遣されてくるギリシア人。オスマン朝の広大さを思いますね。
  • Abdulmunsif…Hamzaと一緒に捕まる大使。
  • Abdulaziz…Murad時代からのマイナーな役人。大使。Hamzaと一緒にVladに捕まる。
  • Han Jiskra…ハンガリー王の欲得ずくの指揮官。Vladへの裏切りに心折れそうな若き日のHorvathyを叱咤する。
  • Elisabeta…Vladの最初の妻。Turculの娘だったと思うな。Ilonaのメイドもしてたんだけど。
  • Ilona Szilagy…Vladの2番目の妻。こっちのIlonaはハンガー王Matthiasの従妹。
  • Janos Varency…ハンガリーの強盗を捕まえる役人。Vladのハンガリーでの幽閉生活の終わりに、捕り物騒ぎで入ってきて、その傲慢さがアダとなりましたな?
  • Stephen Cel Mare…Bogdanの息子。Vladのいとこ。父親が殺されたあと、Vladと一緒に逃亡。たぶんこの方のことも「The Great」と言ってると思うよ。
  • Karafat…Vladの愛馬。メス。小柄だけどVladも背が高いわけじゃないし、愛馬だね。
  • Ahktar…メスのハヤブサ。HazmaからVladへプレゼント。

11/08/2014

Kindred(YL5)

Kindred
Kindred
posted with amazlet at 17.03.20
Beacon Press (2004-02-01)

Kindred (語数96,452語)

現代の黒人女性Dana。カルフォルニアの新しい家で夫と26歳の誕生日を一緒に迎えていたその時、突然、南北戦争前の南部の世界へ飛ばされてしまうというタイムトラベルものです。

物語ではアメリカ建国記念日200周年目の1976年と、1800年代を彼女は行ったり来たりします。彼女の祖先にあたる白人少年Rufusが危機に陥る度に、彼女は過去へ飛ばされ、少年を助けることになります。しかし命の恩人とはいえ、彼女は黒人なので周囲からは奴隷として扱われます。

1970年代的な考え方と、奴隷制度が「常識」だった南部の人々の考え方のはざまでの葛藤や、当時の人々の暮らしぶり、考え方が、「タイムトラベル」を通して、生き生きと描かれています。

Ψ

とにかく主人公のDanaが魅力的でした。現代人としての「常識」をもちながらも、そこまで一方的に当時の白人たちのやり方を責めたりはしない。そんなことを黒人の身でやったら命がいくつあっても足りないし、所詮は歴史を変えられないという諦念もあったと思います。でもだからこそ、ときには他人を傷つけ、自分も傷ついている白人の葛藤までも、かなりフラットに見つめるのですね。与えられた状況の中で、葛藤しつつも彼女は最善を尽くしたと思います。

本書は1979年にアフリカ系アメリカ人のOctavia Butlerによって書かれました。70年代にこの小説が出版されたことに、驚きを感じます。まずは当時にここまで書ける女性のSF作家がすでにいたのか、という驚き!世界は広いですね!

本書の舞台は1976年で、公民権運動もひと段落したくらいの時期ですが、DanaやKevinはかなりリベラルな感じなんだろうな(だからこそ今読むと、すごく感情移入しやすい!)ということはみてとれます。白人のKevinと黒人のDanaの結婚にいたるまでの騒動を描くことで、彼らの親世代はまだ人種差別の傷を引きずっているし、周囲も彼らほどのリベラルというわけでもなさそうだ、ということがわかります。そういう環境の中でここまで書ける、というのは、本当に凄いと思います。葛藤があるからこそ、ここまで書けるのかもしれませんね。

英文は読みやすいです。とにかく面白いし、グイグイ読めるので、オススメです!

南部の農園ということで、個人的には「それでも夜が明ける」の映像がすごくこの小説の情景と重なり合いました。南部の農園の様子を知るには、こちらの映画もいいかもしれません(全然夜は明ける気はしない映画でしたけどね…。原題は「12 Years a Slave」なのに、なんでこの邦題にしたのでしょうか)。

10/26/2014

The Clan of the Cave Bear (Enhanced Edition) (Earth's Children)(YL7)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children)
Hodder & Stoughton (2010-12-21)

The Clan of the Cave Bear (Earth's Children) (語数196,000語)

氷河期末期の時代、クロマニヨン人の少女は、不案内で危険な土地を一人で彷徨っていた。大地震がおき、彼女は両親を失った孤児だった。

同じく大地震で住処としていた洞穴を失った「氏族」(ネアンデルタール人)は、新たな住処を探して旅をしていたところ、彼女と出会う。

彼らにとって、ブロンドで青い目をしたAylaはかなり異端で、醜い少女だった。彼女は彼らのもといた土地の近くに住んでいた異なる種族(クロマニヨン人)の一人だった。

しかし氏族のまじない女のIzaは、ほっとけば死ぬとわかっている少女を見捨てていくことができず、彼女を自分たちと一緒につれていくことにした。IzaとMog-urのCrebは彼女を可愛がりながら育て、Aylaは次第に氏族の生活に慣れ、もっとも彼女を受け入れてくれたIzaの癒しの技術を学び始める。

しかし、残虐でプライドの高い次期リーダーのBroudは、彼の権威を傷つけかねない彼女の異質さを嫌うのだった。彼は次第に憎悪の念を育て、いつか自分がリーダーになったときに、復讐しようと決心する。

Ψ

邦訳版で最終巻の1歩手前まで読んでいるこちらのシリーズ。邦訳の方も完結しているのは知っていましたが、その頃には多読をはじめていたので、いつか原書で読んでみようと今までとっていましたよ。ま、このシリーズ、1巻が一番面白いので、今後どこまで読み続けることになるのか、わかりませんが…(2巻もそれなりに面白かった筈なので、2巻までは読むでしょう)。

物語の筋はぼんやりながら把握しているので、思った以上にかなりツラツラと読めました。若干薬草関係なんかは読みづらかったり、氏族の名前で混乱したりもしましたが、英文はそこまで難しくないと思います。そして文句なしに1巻は面白いです!

以前読んだときには氏族の「記憶」があまり釈然としていなかったのですが(特にIzaが薬草の「記憶」を取り出しますよね。「そんなに具体的に取り出すことのできる記憶って?」とそこで思考停止していました)、「本能」と置き換えれば、あぁ、より旧人類の彼らにはそういうところがもしかしたらあったかもしれない、と思えたり。氏族とAylaのミックスのDurcに関しても、最新の研究ではクロマニヨン人とネアンデルタール人の交配があったという話もでてきていますから、途端にCrebの「希望」にも現実味がでてきたり…。

Izaの愛情の深さには本当に心をうたれるし(彼女の遺言ときたら…!どこまでAylaのことを思いやっているのか)、Crebの洞察力はさすがのMog-urの中のMog-urだとあらためて感嘆したり(物語の中ではシャーマンのような存在です)。

邦訳版を読んだのは、10年近く前の話なので、今回「再読」にもかかわらず、本当に没頭しましたよ。長いですけど、読み終わってしまうと寂しいです。邦訳版の2巻は結構ウキウキしながら読んだ記憶はあるのですが、クロマニヨン人には、なかなかIzaやCrebたち以上のキャラクターが出てきませんのでね…。

登場人物メモ

  • Ayla…主人公。クロマニヨンの孤児。
  • Iza…Aylaをわが子もように慈しむ。氏族のまじない女でステータスがある。
  • Creb…氏族の大シャーマンみたいな存在。Aylaをかわいがる。
  • Brun…氏族の良きリーダー。IzaやCrebの兄弟。
  • Broud…Brunの息子。次期リーダー。
  • Uba…Izaの実の娘。Aylaと姉妹のように育つ。
  • Durc…Aylaの息子。
  • Oga…Broudの妻。
  • Brac…BroudとOgaの最初の息子でAylaに命を救われる。
  • Zoug…Slingの達人。
  • Goov…Crebのmog-urとしての役割を引き継ぐ青年。マジメだが小物感漂う(Crebが凄すぎた)。
  • Vorn…Broudを崇拝している男子。

9/22/2014

Son (Giver Quartet)(YL5)

Son (The Giver Quartet) (The Quartet Book 4) (English Edition)
HarperCollinsChildren’sBooks (2014-07-31)

Son (The Giver Quartet) (The Quartet Book 4) (English Edition) (語数76,096語)

皆は彼女をWater Claireと呼んだ。嵐の後、彼女は岸辺に打ち上げられていたから。

彼女が岸に打ち上げられたとき、だれも彼女がどんなコミュニティからきたかを知らなかった。

感情も、色も存在しない世界。彼女が13才で「器」となった世界。彼女が14才で「製品」を生んだ世界。彼女からそれをとりあげてしまった世界。そんな世界は人々の想像を超えていた。

しかし彼女はとりあげられた「製品」──息子に愛情を持ちはじめる。ただ一人、彼女だけが、そのコミュニティの中で密かにわが子に対する愛情を抱きはじめる。息子を追い求めてある日、彼女はとある船へ乗り込むが、船は嵐に巻きこまれ、彼女は記憶喪失となる。

打ち上げられた岸辺の付近に住む人々に助け出された彼女は、新しいコミュニティへも次第に溶け込んでいった。かつてのコミュニティのことも忘れ、息子のことさえも忘れさったかにみえた。しかし、そんなことはありえなかった。記憶を取り戻した彼女は、想像を絶する犠牲を払ってでも、彼女の息子への思いをとめられないのだった。

Ψ

というわけで最終巻です。ヒロインのClaireが生まれた世界は、1巻The GiverのJonasと同じコミュニティです。ヒロインはJonasの妹がなりながっていたBirthmotherで、Jonasが救い出した赤ん坊の母親なので、The Giverよりも少し前の時代から第4巻はスタートします。

この4巻で一気に1巻~3巻までがつながってきます。1巻で少し話題になっていたBirthmotherたちの施設での暮らしぶり、Jonasも与えられた錠剤の秘密、そして3巻でJonasたちの村に現れた謎の男、Trademasterとは一体なんだったのか…。「物語」としては、きれいに伏線を回収してエンディングを迎えます。

きれいに伏線を回収しているし、悪くもない終わり方ですが、ただ私は、1巻や3巻で現実世界の投射を物語の中にみて、一体、Jonasたちは今後どういう未来を築いていくのだろうか?などと思ってしまいました。そういう意味では、Trademasterとの対決という形で物語のエンディングを迎えたことは、少し残念でしたね。Trademasterという「目に見える形の敵」を作って物語を回収した、といった印象です。答えのでない問題であり、私たちが常に意識していないといけない類の問題ですから、下手な解決方法の提示よりも作家としては「正直」なエンディングかもしれません。

英文についてはシリーズもので世界観をつかんでいる分だけ、ラクに読めると思います。ただ語数はこれまでよりもずいぶんあります。特に3巻は少な目だったので、特にそう感じました。

それにしても、途中、Claireがあんなマッチョな展開になるとは思いませんでしたよね!

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

9/13/2014

Messenger(Giver Quartet)(YL5)

Messenger (The Giver Quartet) (The Quartet Book 3) (English Edition) (語数36,627語)

奇妙な変化が村の中では進行していた。

かつてユートピアだったコミュニティは、よそ者を歓迎していた。そもそもこの村の住人たちの多くは、よその村からの追放者たちの集まりだ。この村で生まれ育った者もでてきたが、多くはなんらかの事情があってよその村からやってきたものたちだ。お互いをいたわりあって、コミュニティを形成していた。

しかし村はまもなくすべての部外者に対して閉鎖するという決議をとった。これ以上、移民を負担することはできない。川からとれる漁獲高も減ってきたし、お互い噓をつかない、盗まない、助け合うといった村のルールを新参者のよそ者に対して"教育"するコストもばかにならない。よそ者を受け入れるメリットはどこにあるのか?

村の周囲は深い森だった。森には野獣こそいなかったが、森からの「警告」を受けたものが森に分け入ると、森に殺された。森からの「警告」は鋭い小枝での攻撃、刺してくる虫、有毒植物などのケガといった形であらわれる。

Mattyは危険なその森を通って旅することができるごくわずかなもののうちの一人だった。彼は森から好意を受けているようで、何度となく無事に森を潜り抜けていた。結果として、Mattyは点在する他のコミュニティへ、村の決議の結果を伝えるメッセンジャーとなる。それと同時に、村の閉鎖前に、Seerの娘でありMatty自身の幼馴染でもあるKiraを、説得して村へ連れてくることをSeer自身からも頼まれた。しかし指名を受けたMattyがいざ森へ入ると森は敵意をみせた。果たして彼は村の閉鎖前に、KiraをSeerの元へ連れてくることができるのか。

Ψ

ようやくこの3巻で、1巻と2巻の物語がつながりました。この村の中で1巻の主人公Jonas は"Leader"と呼ばれているようです。

盲目の人Seerは、2巻のヒロインKiraの父ですし、Mattyはあの犬を連れて回ったいたずら小僧のMattですね。

前半はかなり面白く読みました。1巻や2巻で出てくる残酷なよそのコミュニティの様子を知っているだけに、2巻ではKiraの父が世話になっている村はまさにユートピアに見えました。そして実際、この村はユートピアだったのです。1巻からこのシリーズにつきあっている読者にとっては、JonasはLeaderとしてこんな村を作っていたのか、と感慨深いものがありました。しかし、そのユートピアでさえも、世代交代もしてないというのに、移民排斥の動きを見せます。

移民排斥──どうしたってリアルな世界でのEUのことを連想してしまいます。或いは独立の動きをみせているスコットランドのこと(独立した方が経済的に得なんじゃないか、小さな枠組みの方が自分たちの意見がより反映されやすい民主主義になるのではないか等々が議論の要のようですね。アンチグローバリズム的な側面を感じますが、この押し寄せるグローバルの波の中でリアル世界ではそんなことが可能なのか?など。小説の中では森に囲まれているという独立性があるので、一種の島国根性でやっていけるかもしれませんが)。

一体、Jonasたち村人はこの問題にどういう結論を出すのでしょうか?期待したいと思う一方で、現実問題をふりかえっても、そうそう安易に出る答えではありません。

ここで村が閉じてしまえば、結局、ユートピアは存在しない or 閉じた世界でしか「ユートピア」は完結しない、ということではないのか?etc…。

しかしこの巻では、未決着のまま、衝撃のラストを迎えます。あの優しいいたずら小僧が…、という感じで、ちょっと消化不良気味なのですが、4巻では一体どんな展開が待っているのでしょうか?

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

8/31/2014

Gathering Blue (Giver Quartet)(YL5)

Gathering Blue (The Giver Quartet) (The Quartet Book 2) (English Edition) (語数47,964語)

母が亡くなり孤児となってしまったKiraは生まれつき足が悪く、コミュニティの中では役立たず。孤児となった今、「原野」へ連れていかれ、獣に食われることになるかもしれない…。どうすれば生き抜くことができるだろう?と思っていた矢先、彼女は「評議会」から呼び出された。彼女の突出した刺繍の才能を「評議会」が認め、彼女は刺繍に集中できる設備の整った建物で暮らすことになったのだ。世話係が食事や洗濯をしてくれ、衣食住の面倒はすべてみてくれる。刺繍にまつわることにだけ、集中できる整った環境だ。

彼女が「評議会」から与えられた任務は、特別なローブの復元作業だ。年に一度、「廃墟の歌」の集会で、歌い手が1日がかりで彼らの過去の物語を歌う。その歌い手が舞台で着用するローブのメンテナンス作業だ。連綿と修復されながら引き継がれたローブには、美しい色とりどりの糸で、彼らの崩壊や再生の歴史が描かれている。

彼女は糸の染色についても次第に学んでいくが、どうしても「青」の染色方法だけは、コミュニティの誰もが知らなかった。そしてローブの復元作業の過程で、彼女は次第に村の真実、隠し持つ秘密の側面を知り始めるのだった。

Ψ

Giver Quartetシリーズの2作目。前作「The Giver」で登場した人物たちは出てこないし、一見とてもマイルドだった前作のコミュニティとも、今回の主人公の住むコミュニティの様子は違います。

ですから「続編なのかな…?」とも思いますが、なんとなく世界観は地続きのようなフシもある…。

前作よりも凸凹が少ないと言われているようですが、個人的には前作よりも主人公に共感しやすくて、世界に引き込まれました。Kiraと年の近いThomasは冴えているし、かなり腕白なMattなど、子どもたちが魅力的だったせいもありますね。タイトルの美しさも、意味もぴったりで素晴らしいと思います。というわけで、一体、1巻と2巻はどこでどうつながるのかしら?と思いながら、3巻へ突入しますよー!

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

8/16/2014

The Giver (Giver Quartet)(YL5.5)

The Giver (Giver Quartet, Book 1)
HMH Books for Young Readers (1993-04-26)

The Giver (Giver Quartet, Book 1) (語数43,617語)

貧困も犯罪も病気も失業者もなく、すべての「家庭」が幸せな世界。12歳になるJonasは、そんなコミュニティの「記憶を継ぐ者」として選ばれた。

「与える者」として知られる老人から、彼はあらゆる「記憶」を引き継ぐトレーニングがはじまった。あらゆる「記憶」を自分のものとすることで、彼は、次第に、このユートピアの世界の残酷な偽善に気が付き、苦しみだす。

Ψ

すべてをコントロールされた世界で「安穏」と暮らすか、不安定だが自由な世界を選ぶか。

トレードオフの部分もありますよね。秩序正しい理想の世界と見えながらも、完全にすべてをコントロールする為には残酷な側面もあったりして。

管理社会ということで、昨年旅行へ行ったシンガポールを連想してしまいました。第三世界の「移民」は労働力以外の部分は徹底して認めない、というようなところがありますよね。当然、言論統制もありますし。でも「秩序」がなくなるよりは、多少の不自由の方がマシと解釈するべきなのかどうか。中東の混乱(…外野のちょっかいもありますが)をみてると、どちらが「マシ」なのか、一概には言えないような気もして、結構、モヤモヤしながら読んでいました。本作はGiver Quartetシリーズの1作目のようで、Jonasの今後も気になるところではあります。

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

※2014に映画化?

全米公開は8月だったみたですが、日本ではいつ公開されるのでしょうか?Meryl Streepもいい感じのメイクだし(笑)、Taylor Swiftもちょっと出演するようですね。めちゃめちゃみたい~!!シリーズやるんでしょうかね?(そっちも期待)

8/03/2014

Every Day(YL4.0)

Every Day
Every Day
posted with amazlet at 17.03.20
Knopf Books for Young Readers (2012-08-28)

Every Day (語数74,593語)

もしも毎日違うからだに「意識」がのりうつっていくとしたら。毎日、違う環境、生活。でも毎日同じ少女を愛している。

どこの誰になろうとも、困ることはなかった。「A」はコツをつかんで、うまくそれまでやってきた。なるべく背負わず。気づかれることを避けて。自分がスイッチンぐした体の持ち主の、邪魔にならないように。

ある朝、Justinの体で目覚めるまでは。JustinのガールフレンドRhiannonとい出会うまでは。その瞬間から、もう「A」これまでの生き方に耐えられなくなった。ついに、日々会いたいと思う人を見つけてしまったから。

Ψ

というわけで、最初SFなのかな?と思いきや、「体」が変わるということで、いろんなティーンの(「A」は大体自分と同じ年頃の人にスイッチングする)生活を垣間見ることもできてその部分だけでも面白かったですね。それこそゲイの子やトランスジェンダーや、或いは自殺願望があったり、ひどいトラウマに悩まされていたり、すでに働く環境だったり、それこそ百貫デブだったり…。

毎日「体」が変わるから、「A」にとっては「体」とは、パッケージみたいなもの。毎日少女になったり翌日には少年になってみたりで、ジェンダーについてはとてもフラットなスタンス。「体」なんて「見た目」なんてそれこそ「パッケージ」に過ぎないと悟りきって大事なのは「中身」だと思っていた「A」だけれども、Rhiannonと出会うことで、少しはフツーの見た目を意識してみたり。

「体」と「中身」が切り離されている状況だからこそ、逆説的に見てきたりすることもあって、その辺が非常に面白かったです。

Rhiannonとの話は縦糸として面々とつながっていますが、1日単位で別人となり、まずは状況把握から始まって…、という感じで、わりと短めの区切りで1日が過ぎていくので、テンポよく読みやすかったです。

7/20/2013

Finding Hannah(YL5)

Finding Hannah (English Edition) (語数55,000語)

ニューハンプシャーに住む主人公のDylanは15歳。彼が1階でうたたねをしている間に、2階の自室にいた姉のHannahが誘拐された。

何週間かボランティアなどによって、森の中での彼女の捜索が行われたが、手掛かりはない。Dylanはボランティアの捜索に参加していた同い年のMollyと知り合う。大規模な捜索が打ち切られた後も、あきらめきれないDylanは、Mollyと二人、森の捜索を続けることにした。

Ψ

日本だと今のところKindleオンリー本ですね。YAになりますが、オススメです。

15歳でこんなにトレッキング知識豊富でしっかり計画をたてて姉を捜索できるか?──とは思いますが。Mollyと二人、支えあって乗り越えていくところがなんといっても読みごたえあります。

結構悲痛なシーンも多いのですが、物語はひっぱるし、英文自体もやさしめなので、没頭して読みました!いろいろいうとネタばれになるので切り上げます!!

6/02/2013

A Dangerous Fortune(YL6)

A Dangerous Fortune (English Edition) (語数165,499語)

1866年の夏の蒸し暑い日、プールで泳ごうとこっそり寮を抜け出した少年たちの一人が溺死する。奇妙な事故…。その溺死は、30年に渡る愛と裏切りの始まりだった…。

愛と裏切り、上流社会から貧困層、銀行家たち、政治の駆け引きまでをとりまく大河ドラマです。冒頭の事故シーンからすっと物語に引き込まれました。主要キャラが次々に登場するのですが、一人一人が魅力的(イイヤツも悪いヤツもさまざまですが)なのに加えて、とにかくプロットが凄い。前半もぐいぐい引き込まれますが、後半も、あそこはそうだったのか!などなど伏線の回収がめくるめくされていき、怒涛の勢いで読んでしまいました。19世紀という時代背景もいいですね。物語の冒頭からの30年あまりでかなり様変わりしていて、女性が少しずつ社会に出ていく様子や、貴族社会の「称号」、電話なども導入されていき…、といった描写もなにげなく上手にされています。

Cordova出身のMicky Mirandaが本当、悪いヤツなんですけど、最後までいいキャラでしたね。学校卒業後、一日に数時間オフィスで過ごしてお金と地位のある仕事が欲しいなーとか考えていたにもかかわらず、結局、パパが「ヤクザ」もんで、いいように使われて、国に呼び出されるのがイヤで、パパの為に奔走していたり…。自分の母親世代の友達の母親Augastaに惹かれてみたり…。Mickyのパパのパワーは凄まじいの一言ですが(なにしろ海の果て…、Cordovaにいながら、息子を操りロンドンの銀行家たちを振り回しているわけですからね)、Mickyがいるからこそ、物語はここまで面白く盛り上がるわけですからね。ラストの彼の忙しさときたら…!土壇場でのスケコマシぶりには、笑えてきました(切羽つまっている中で堂々とやるもんだな、と)。

銀行家も多く登場するので、取引や金融破たんの話なども出てきますが、19世紀くらいだとそこまでとっつきにくい文脈や用語は目立ちませんでした。YL4位を読みつけていれば、物語の面白さでささっと読める感じです。シドニーシェルダンみたいな感じですね。

11/17/2012

Cirque du Freak (The Saga of Darren Shan No.1)(YL5.0)

Cirque Du Freak (The Saga of Darren Shan, Book 1)
HarperCollinsChildren’sBooks (2011-03-21)

Cirque Du Freak (The Saga of Darren Shan, Book 1) (語数48,726語)

ということで、評判の高かったDarren Shanの1巻読了。

Kindleを入手した頃は、日本からはKindleで買えなかったんですよね、このシリーズ。久しぶりにチェックしたら買えるようになってた!ってことで即効購入。

ホント、アメリカのYAはヴァンパイアもの多いよねー…、と思ったものの、他のヴァンパイアものよりも面白かった!

ドキドキハラハラの展開の連続で、「ホント、このヤンチャ坊主たちときたら…!」と言う感じで、主人公が男子ってところもいいネ(なんだかんだでヒロインもののYAが多いから…)。そして物語の中でも、家を出るシーンとかで「成長」を感じる部分があるのも、YAとしていいネ。

今後Steveとは腐れ縁があるような気がしますが(一番読めないキャラ…)、Mr.Crepsieyは見た目は怖いけど、クソガキどもよりよっぽど理路整然としていてマトモですよね?

ちなみに文章はかなり読みやすいです。つらつら読めるので、その辺もハマれる要因ですね。YL5.3ということですが、長いことを除けば、4くらいでもいいような気もします。

9/17/2010

Morning, Noon and Night(YL6.9)

Morning, Noon and Night
Morning, Noon and Night
posted with amazlet at 17.03.20
HarperCollins (2013-11-14)

Morning, Noon and Night (語数90,000語概算)

SSSのYLは6.9になっていますが、私の感覚だとYL4くらいかな。GRのYL4くらいが長ーくなった、という程度の平易な英語。それでいて、面白いので一気に読めます。

朝、昼、晩なんて邦題のシェルダン本なんてあったっけ?と思っていたら、邦題は「遺産」というタイトルみたいですね。ナットク。大富豪が死んでその遺産をめぐるミステリなんですね。

兄弟が4人いるので、それぞれの物語もきっちり描かれていて、それがうまく組み合わさっていく。飽きることなくテンポよく展開していくので、一気に読めます。これぞエンターテイメント、って感じで、さすがに売れっ子。初PBとかなら絶賛オススメです。