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7/24/2016

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1)(YL7.0)

The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約153,760語)

2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第1巻目。

時代は9世紀。Uhtredというイングランド、Northumbria生まれの少年から青年になるまでのお話しとなります。Earldormen(Kingより格落ちだが土地持ちで高貴な領主)生まれだけれども、Dane人たちの襲撃で10歳で孤児となり、Dane人たちのリーダーに気に入られ養子のように育ち、Vikingな生き方を教えられます。

England人なのに、こんなにDane人たちに馴染んじゃって大丈夫なのかしら…、と思いながら読んでいると、UhtredこそはNorthumbriaの正当な支配者だと思い込んでいる忠義な修道士たちの働きで、いつしかWessexの王、Alfred王との縁が生まれきます。ヤンチャキャラのUhtredとしては、聖書を読みふける生活よりも、よっぽど戦い方を覚えたりするDane人たちの生活の方が性にはあっているし、キリスト教の聖者の話よりも、よっぽどThorたちの物語の方が面白いししっくりくる。しかし運命はそう簡単には転ばないところが面白いですね!主人公がDane人たちととても馴染んでいるので、Dane人と、England人との世界観の対比なんかがうまくかけていてとても面白いです。

歴史イベントや登場人物はだいたい正しいことが多いようですが、あとがきを読むと、主人公や主人公の育ての親ともいうべきRagnerはそもそもフィクション、さらにイベントごとも物語の都合上、前倒しにしたりの加工はしているようですね。

Alfred大王の話は、Viking本を読んでいるとちらちらっと出てきていて、イングランドからみたViking史としては外せない人だと気にはなっていたのですが、本書でだいぶイメージが強固になってきました…!

※追記

10巻まで読了しましたが、このシリーズ面白い!当初はAlfred大王が辛気臭くて嫌いでしたが、だんだん彼の魅力もわかってきて王が亡くなるときは、寂しかったですよ。ブリテン島がまだ統一される前の時代のお話であり、主人公は軍事司令官としてブリテン島をあちこち移動しますので、シリーズ読了後はだいぶブリテン島の地理感もついてきますし、ウエールズやスコットとサクソン人との関係なんかも飲み込めてきて、UKニュースをみても、あぁ、と思うようになりました。2017年2月現在、10巻までありますので★絶賛オススメ★タグは1巻にだけつけておきます。

主人公の親族

★つきは実在人物確定。

  • Uhtred…主人公。次男でOsbertと呼ばれていたが、長男が殺された後、Uhtredへ改名した。
  • Gytha…主人公の継母。
  • Ælfric…主人公の叔父。主人公が跡取りなので、殺したがっている。
  • Ælfricthe Younger…ÆlfricとGythaの息子だがひ弱。
  • Æthelwulf…主人公の実の母の兄弟。Merciaにいる。
  • Æthelred…主人公のもう一人のおじ。Alfredと結婚したÆlswithの親戚でもある。Æthelwulfの兄弟でWest Saxonの境界線に近いCirrenceastreのEaldorman。40代くらいで暗い雰囲気。
  • Æthelred…Æthelredの長男の名前も父親と一緒!主人公より1歳若いけど、父親同様主人公が憎い。

Northumbria出身の人々

  • Beocca…主人公の四年時代の教育係。神父。主人公がDane人にいる間も主人公を心配し、Alfredに救い出してくれるよう働きかけ。
  • Ealdwulf…鍛冶屋。古い神々を信仰している。主人公のはじめての部下!

England側

  • King Æthelred★…Wessexの王。Alfredの兄。
  • Alfred★…主人公の王。主人公11歳のとき19歳。King Æthelredの弟。兄の死後、Wessexの王となる。とても敬虔で書物好き。病気がち。
  • Ælswith…Alfredの妻。
  • Æthelflaed…AlfredとÆswithの娘。
  • Æthelwold…King Æthelredの長男。Alfredの甥っ子。やんちゃ。
  • Leofric…主人公をトレーニングしてくれるAlfredの戦士。主人公との相性はいい!
  • Mildrith…地方行政官の娘。BeoccaやAlfredがに主人公の嫁候補として猛烈プッシュしてくる娘。敬虔なクリスチャンでDefnascirの土地持ちではあるのだが…。
  • Osferth…Alfredの非嫡出子。Leofricの姉の子なので、Leofricにとってはなんと甥っ子!
  • King Edmund★…East Angliaの王。とても信心深い。
  • Ealdorman Odda…結婚予定の嫁の庇護者?結納金せびってきた!結構ケチくさい。
  • Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。

Dane陣営にいるけどEngland人

  • Brida…主人公の同い年の少女。East Anglia攻めの最中にDane人たちにつかまり、反抗的なのでRagnarが気に入り、主人公に与えた。
  • Weland Godfredson…領主をなくしたので、Ragnarの噂を聞きつけて、雇ってもらいに来た戦士。

Dane人たち

  • Ragnar…兄を殺したDane人のリーダー。金髪のロン毛。主人公を息子のようにかわいがる。
  • Sigrid…Ragnarの妻。二人の男子に一人の女子が生き残り。
  • Ravn…Ragnarの父親。目が見えないけど、マルチリンガル。英語も話すよ。
  • Rorik…Ragnarの次男。主人公より1才若い。
  • Tuyra…Ragnarの娘。主人公が10才位のとき8歳くらい。美少女。
  • Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。
  • Sven…主人公とRorikをいじめようとする男子。Kjartanの息子。
  • Kjatan…Ragnarの右腕な船長。
  • Ivar the Boneless★…Daneのリーダーのひとり。とても痩せている。
  • Ubba Lothbrokson★…Daneのリーダーのひとり。迷信深いので、神々のいうこと(占い)しか聞く耳持ってませーん。
  • Halfdan★…IvarとUbbaの末弟。ちょっとアタマ足りない子かも…。
  • Storri…Ubbaのアドバイザー。宮廷詩人であり、魔術師。
  • Guthrum the Unlucky★…とても背が高い。14の船をもってきた。黒尽くめの軍を率いる。…マザコンなの?と思うシーンがときどき。

7/18/2016

King's Man: No. 3(Viking Trilogy) (YL7)

King's Man: No. 3 (Viking) (語数約119,900語)

第3巻は主にビザンツ帝国での話になります。文化的ってこういうことか、という感じでこれでもかという権謀術数にわくわくしてしまいました。

ビザンツ帝国までたどりついた主人公はそこで護衛として雇われています。Varangiansはコトバもロクにわからず、あらゆる政争の外側にいるから皇帝が直接雇っていて、信頼が厚い、という構図になっていたようですね。そこへVarangian Guard としての職を求めて自分の軍団を引き連れてきたHarald Sigurdssonたちと出会います。

Haraldたちはビザンツ帝国のシーレーンを確保するためにアラブの海賊掃討や、シシリー奪還戦へ赴いたりするわけですが、その際には、ノルマンディーのヴァイキングたちも登場します。自分たちと風貌は似ているけれど、馬術は巧みだし、コトバはなんとかかんとかラテン語で通じるという関係性。このシリーズ、あらゆるヴァイキングのバリエーションを全部ぶっこんでくるので、ヴァイキングオタクにはたまりません。Varangiansはリッチになったら故郷へ戻りたいと思っていますが、Normandyは征服下土地で暮らしたいと思っているあたりが、顕著な違いです。

ついにノルウェイの王座を手に入れたHaraldは、次の目標としてイングランドへの侵攻の野望をもっていました。Haraldは、ThorgilsへノルマンディのWilliam公との間で秘密同盟の話をまとめてこいと命じます。Thorgilsは最後のご奉公とばかりに僧侶のフリをしてWlliam公へ近づき、同盟の話をまとめます。交渉は成立したものの、Thorgilsはいつものあの予知夢とともに、Wlliam公に同盟についていっぱい食わされたことに気付き、急ぎ、イングランドへ向けて出発したHaraldを追いかけます。果たしてOdinの敬虔な信者たちの運命は…。

ビザンツ帝国の面々

  • Basileus RomanusⅢ…ビザンツの皇帝。
  • Zoë…皇后。前皇帝Constantineのお気入りで、彼の主張でRomanousと結婚。
  • John the Orphanotrophus…孤児院の院長。皇帝の次に権力を掌握しているやり手。
  • Halfdan…デンマーク出身のベテランの指揮官。引退するべき年頃だが、仕事好きで、故郷とのつながりも切っているので帰る場所もなくコンスタンチノープルにいる。
  • Alexis of the Studius…宗教的権威の最高峰。
  • Michael IV…Zoëのお気に入り。1010年生まれ。John the Orphanotrophusの弟。
  • Pelagia…the Meseでパンやをやっているエネルギッシュな女傑。主人公と親しい。妹はZoëのお針子として働いている。
  • Halldor Snorrason…Snorri Godiの五番目の息子。東ローマ帝国に就職しにきた。
  • Theodore…Lemnos 島出身のギリシア人。
  • Simeon…銀売りのひとだけど、金や宝石も扱い、金貸しなんかも実際にはやっている。
  • Trdat…建築家の若者。祖父はアルメニア出身の有名な建築だった。
  • Stephen…Johnの義理の兄弟で海軍を掌握。
  • George Maniakes…陸軍の将軍。
  • Nikephorus…包囲攻撃のプロ。Trdatの従兄。
  • Fer de Bras…Iron Arm。Syrabuse包囲作戦時の一騎打ちでサラセンに勝利。
  • Constantine Psellus…前皇帝Romanusの葬式のときに主人公に根掘り葉掘り聞いてきた若者。
  • Michael the Caesar…Johnの甥。MichaelⅣの次の皇帝へ。
  • Constantine…Johnの兄弟。
  • Alexis the Patriarch…Zoëのサポーター。

Harald陣営

  • Harald Sigurdsson…ノルウェーの王。Knutに追いやられてキエフ大公国の庇護の元、Varangian Guard として就職しに軍隊連れてきたな。
  • Magnus the Good…Haraldの甥。Norwayでの王位を主張。魅力的でエネルギッシュで人民からも人気がある。
  • Ulf Ospaksson…Haraldの宮廷で最も経験豊富な元帥。
  • Skule Konfrostre…Haraldの息子Olafの親友の一人。性急。
  • Skyrkar…Ulf将軍の亡き後の、Haraldたちの将軍。

Gotlandで出会った人々

  • Thorald…Serklandで亡くなったと思われる人。
  • Runa…Thoraldの妻。荒地に姉妹の家族と残される。主人公より15歳年下。二人目の嫁。
  • Folkmar…荒野の農夫。Old Beliver。Runaの義兄。
  • Freyvid…主人公とRunaの子ども。双子。
  • Freygerd…主人公とRunaの子ども。双子。
  • Tostig…Northeumbria の支配を主張するもGodwinssonに取られちゃったのでHaraldにくっついている。

イングランドの面々

  • Magbjothr…スコットランドを14年間支配していた王。彼自身の民にはMac Bethad mac Findlaechと呼ばれている。
  • Grouch…スコットランドの女王。直接的な王位継承者の彼女と結婚してMagblotherは玉座を主張。彼自身も王家の血は持つものの身分は低い。彼女の前夫はMormaer of MorayでMagbjothrたちに殺された。
  • The Earl of Northunmbria Siward…スコットランドの前王たちの息子をけしかけて、Bethadに対して王位を主張させる。
  • SveinEstrithson…Knutの甥。
  • Harold Godwinsson…Edwardの継承者としてEnglandを支配。

ノルマンディー

  • William the Bastard…Duke of Normandy Edwardは自分にEnglandを残したと思っていたので、Harold Godwinssonが横取りしたので面白くない。