The Last Kingdom (The Last Kingdom Series, Book 1) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約153,760語)
2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第1巻目。
時代は9世紀。Uhtredというイングランド、Northumbria生まれの少年から青年になるまでのお話しとなります。Earldormen(Kingより格落ちだが土地持ちで高貴な領主)生まれだけれども、Dane人たちの襲撃で10歳で孤児となり、Dane人たちのリーダーに気に入られ養子のように育ち、Vikingな生き方を教えられます。
England人なのに、こんなにDane人たちに馴染んじゃって大丈夫なのかしら…、と思いながら読んでいると、UhtredこそはNorthumbriaの正当な支配者だと思い込んでいる忠義な修道士たちの働きで、いつしかWessexの王、Alfred王との縁が生まれきます。ヤンチャキャラのUhtredとしては、聖書を読みふける生活よりも、よっぽど戦い方を覚えたりするDane人たちの生活の方が性にはあっているし、キリスト教の聖者の話よりも、よっぽどThorたちの物語の方が面白いししっくりくる。しかし運命はそう簡単には転ばないところが面白いですね!主人公がDane人たちととても馴染んでいるので、Dane人と、England人との世界観の対比なんかがうまくかけていてとても面白いです。
歴史イベントや登場人物はだいたい正しいことが多いようですが、あとがきを読むと、主人公や主人公の育ての親ともいうべきRagnerはそもそもフィクション、さらにイベントごとも物語の都合上、前倒しにしたりの加工はしているようですね。
Alfred大王の話は、Viking本を読んでいるとちらちらっと出てきていて、イングランドからみたViking史としては外せない人だと気にはなっていたのですが、本書でだいぶイメージが強固になってきました…!
※追記
10巻まで読了しましたが、このシリーズ面白い!当初はAlfred大王が辛気臭くて嫌いでしたが、だんだん彼の魅力もわかってきて王が亡くなるときは、寂しかったですよ。ブリテン島がまだ統一される前の時代のお話であり、主人公は軍事司令官としてブリテン島をあちこち移動しますので、シリーズ読了後はだいぶブリテン島の地理感もついてきますし、ウエールズやスコットとサクソン人との関係なんかも飲み込めてきて、UKニュースをみても、あぁ、と思うようになりました。2017年2月現在、10巻までありますので★絶賛オススメ★タグは1巻にだけつけておきます。
主人公の親族
★つきは実在人物確定。
- Uhtred…主人公。次男でOsbertと呼ばれていたが、長男が殺された後、Uhtredへ改名した。
- Gytha…主人公の継母。
- Ælfric…主人公の叔父。主人公が跡取りなので、殺したがっている。
- Ælfricthe Younger…ÆlfricとGythaの息子だがひ弱。
- Æthelwulf…主人公の実の母の兄弟。Merciaにいる。
- Æthelred…主人公のもう一人のおじ。Alfredと結婚したÆlswithの親戚でもある。Æthelwulfの兄弟でWest Saxonの境界線に近いCirrenceastreのEaldorman。40代くらいで暗い雰囲気。
- Æthelred…Æthelredの長男の名前も父親と一緒!主人公より1歳若いけど、父親同様主人公が憎い。
Northumbria出身の人々
- Beocca…主人公の四年時代の教育係。神父。主人公がDane人にいる間も主人公を心配し、Alfredに救い出してくれるよう働きかけ。
- Ealdwulf…鍛冶屋。古い神々を信仰している。主人公のはじめての部下!
England側
- King Æthelred★…Wessexの王。Alfredの兄。
- Alfred★…主人公の王。主人公11歳のとき19歳。King Æthelredの弟。兄の死後、Wessexの王となる。とても敬虔で書物好き。病気がち。
- Ælswith…Alfredの妻。
- Æthelflaed…AlfredとÆswithの娘。
- Æthelwold…King Æthelredの長男。Alfredの甥っ子。やんちゃ。
- Leofric…主人公をトレーニングしてくれるAlfredの戦士。主人公との相性はいい!
- Mildrith…地方行政官の娘。BeoccaやAlfredがに主人公の嫁候補として猛烈プッシュしてくる娘。敬虔なクリスチャンでDefnascirの土地持ちではあるのだが…。
- Osferth…Alfredの非嫡出子。Leofricの姉の子なので、Leofricにとってはなんと甥っ子!
- King Edmund★…East Angliaの王。とても信心深い。
- Ealdorman Odda…結婚予定の嫁の庇護者?結納金せびってきた!結構ケチくさい。
- Odda the Younger…Ealdorman Oddaの息子。Mildrithが好きだったので、嫁にしてしまった主人公を恨んでいる。
Dane陣営にいるけどEngland人
- Brida…主人公の同い年の少女。East Anglia攻めの最中にDane人たちにつかまり、反抗的なのでRagnarが気に入り、主人公に与えた。
- Weland Godfredson…領主をなくしたので、Ragnarの噂を聞きつけて、雇ってもらいに来た戦士。
Dane人たち
- Ragnar…兄を殺したDane人のリーダー。金髪のロン毛。主人公を息子のようにかわいがる。
- Sigrid…Ragnarの妻。二人の男子に一人の女子が生き残り。
- Ravn…Ragnarの父親。目が見えないけど、マルチリンガル。英語も話すよ。
- Rorik…Ragnarの次男。主人公より1才若い。
- Tuyra…Ragnarの娘。主人公が10才位のとき8歳くらい。美少女。
- Ragnar the Younger…Ragnarの長男も同名。主人公より9才年上。アイルランドでしばらく戦い方を学んでいた。父親似。
- Sven…主人公とRorikをいじめようとする男子。Kjartanの息子。
- Kjatan…Ragnarの右腕な船長。
- Ivar the Boneless★…Daneのリーダーのひとり。とても痩せている。
- Ubba Lothbrokson★…Daneのリーダーのひとり。迷信深いので、神々のいうこと(占い)しか聞く耳持ってませーん。
- Halfdan★…IvarとUbbaの末弟。ちょっとアタマ足りない子かも…。
- Storri…Ubbaのアドバイザー。宮廷詩人であり、魔術師。
- Guthrum the Unlucky★…とても背が高い。14の船をもってきた。黒尽くめの軍を率いる。…マザコンなの?と思うシーンがときどき。