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8/31/2014

Gathering Blue (Giver Quartet)(YL5)

Gathering Blue (The Giver Quartet) (The Quartet Book 2) (English Edition) (語数47,964語)

母が亡くなり孤児となってしまったKiraは生まれつき足が悪く、コミュニティの中では役立たず。孤児となった今、「原野」へ連れていかれ、獣に食われることになるかもしれない…。どうすれば生き抜くことができるだろう?と思っていた矢先、彼女は「評議会」から呼び出された。彼女の突出した刺繍の才能を「評議会」が認め、彼女は刺繍に集中できる設備の整った建物で暮らすことになったのだ。世話係が食事や洗濯をしてくれ、衣食住の面倒はすべてみてくれる。刺繍にまつわることにだけ、集中できる整った環境だ。

彼女が「評議会」から与えられた任務は、特別なローブの復元作業だ。年に一度、「廃墟の歌」の集会で、歌い手が1日がかりで彼らの過去の物語を歌う。その歌い手が舞台で着用するローブのメンテナンス作業だ。連綿と修復されながら引き継がれたローブには、美しい色とりどりの糸で、彼らの崩壊や再生の歴史が描かれている。

彼女は糸の染色についても次第に学んでいくが、どうしても「青」の染色方法だけは、コミュニティの誰もが知らなかった。そしてローブの復元作業の過程で、彼女は次第に村の真実、隠し持つ秘密の側面を知り始めるのだった。

Ψ

Giver Quartetシリーズの2作目。前作「The Giver」で登場した人物たちは出てこないし、一見とてもマイルドだった前作のコミュニティとも、今回の主人公の住むコミュニティの様子は違います。

ですから「続編なのかな…?」とも思いますが、なんとなく世界観は地続きのようなフシもある…。

前作よりも凸凹が少ないと言われているようですが、個人的には前作よりも主人公に共感しやすくて、世界に引き込まれました。Kiraと年の近いThomasは冴えているし、かなり腕白なMattなど、子どもたちが魅力的だったせいもありますね。タイトルの美しさも、意味もぴったりで素晴らしいと思います。というわけで、一体、1巻と2巻はどこでどうつながるのかしら?と思いながら、3巻へ突入しますよー!

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

8/16/2014

The Giver (Giver Quartet)(YL5.5)

The Giver (Giver Quartet, Book 1)
HMH Books for Young Readers (1993-04-26)

The Giver (Giver Quartet, Book 1) (語数43,617語)

貧困も犯罪も病気も失業者もなく、すべての「家庭」が幸せな世界。12歳になるJonasは、そんなコミュニティの「記憶を継ぐ者」として選ばれた。

「与える者」として知られる老人から、彼はあらゆる「記憶」を引き継ぐトレーニングがはじまった。あらゆる「記憶」を自分のものとすることで、彼は、次第に、このユートピアの世界の残酷な偽善に気が付き、苦しみだす。

Ψ

すべてをコントロールされた世界で「安穏」と暮らすか、不安定だが自由な世界を選ぶか。

トレードオフの部分もありますよね。秩序正しい理想の世界と見えながらも、完全にすべてをコントロールする為には残酷な側面もあったりして。

管理社会ということで、昨年旅行へ行ったシンガポールを連想してしまいました。第三世界の「移民」は労働力以外の部分は徹底して認めない、というようなところがありますよね。当然、言論統制もありますし。でも「秩序」がなくなるよりは、多少の不自由の方がマシと解釈するべきなのかどうか。中東の混乱(…外野のちょっかいもありますが)をみてると、どちらが「マシ」なのか、一概には言えないような気もして、結構、モヤモヤしながら読んでいました。本作はGiver Quartetシリーズの1作目のようで、Jonasの今後も気になるところではあります。

※Giver Quartetシリーズ、ブログ内リンク

  1. The Giver
  2. Gathering Blue
  3. Messenger
  4. Son

※2014に映画化?

全米公開は8月だったみたですが、日本ではいつ公開されるのでしょうか?Meryl Streepもいい感じのメイクだし(笑)、Taylor Swiftもちょっと出演するようですね。めちゃめちゃみたい~!!シリーズやるんでしょうかね?(そっちも期待)

8/09/2014

Six Earlier Days(YL4.0)

Six Earlier Days
Six Earlier Days
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Knopf Books for Young Readers (2012-11-26)
売り上げランキング: 234,919

Six Earlier Days (語数6,900語)

Every Dayの番外編のような感じで、Rhiannonと出会う前の日々を飛び石で。Every Dayを読んでからどうぞ。Kindle版のみのようです。

8/03/2014

Every Day(YL4.0)

Every Day
Every Day
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Knopf Books for Young Readers (2012-08-28)

Every Day (語数74,593語)

もしも毎日違うからだに「意識」がのりうつっていくとしたら。毎日、違う環境、生活。でも毎日同じ少女を愛している。

どこの誰になろうとも、困ることはなかった。「A」はコツをつかんで、うまくそれまでやってきた。なるべく背負わず。気づかれることを避けて。自分がスイッチンぐした体の持ち主の、邪魔にならないように。

ある朝、Justinの体で目覚めるまでは。JustinのガールフレンドRhiannonとい出会うまでは。その瞬間から、もう「A」これまでの生き方に耐えられなくなった。ついに、日々会いたいと思う人を見つけてしまったから。

Ψ

というわけで、最初SFなのかな?と思いきや、「体」が変わるということで、いろんなティーンの(「A」は大体自分と同じ年頃の人にスイッチングする)生活を垣間見ることもできてその部分だけでも面白かったですね。それこそゲイの子やトランスジェンダーや、或いは自殺願望があったり、ひどいトラウマに悩まされていたり、すでに働く環境だったり、それこそ百貫デブだったり…。

毎日「体」が変わるから、「A」にとっては「体」とは、パッケージみたいなもの。毎日少女になったり翌日には少年になってみたりで、ジェンダーについてはとてもフラットなスタンス。「体」なんて「見た目」なんてそれこそ「パッケージ」に過ぎないと悟りきって大事なのは「中身」だと思っていた「A」だけれども、Rhiannonと出会うことで、少しはフツーの見た目を意識してみたり。

「体」と「中身」が切り離されている状況だからこそ、逆説的に見てきたりすることもあって、その辺が非常に面白かったです。

Rhiannonとの話は縦糸として面々とつながっていますが、1日単位で別人となり、まずは状況把握から始まって…、という感じで、わりと短めの区切りで1日が過ぎていくので、テンポよく読みやすかったです。