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4/02/2017

Castile for Isabella: (Isabella & Ferdinand Trilogy 1)(YL6)

Castile for Isabella: (Isabella & Ferdinand Trilogy) (語数約104,160語)

スペインの君主の中で有名なCastileのIsabellaの伝記物語シリーズ。1巻ではIsabellaが4歳位からの王宮での暮らしから物語はスタートして、Ferdinandとの結婚までをカバーしています。

父親のJohnⅡは死の床で、王位は異腹の長男Henryへ移譲されようとする中、自分たちは殺されてしまうかもしれないというプレッシャーで母親は半狂乱。実に不安定な幼少期をIsabellaと弟のAlfonsoは過ごします。そんな中、Aragonからの王族Ferdinandとの婚約話が持ち上がり、情緒不安定な母親がそこに希望を見出すのをみて、Isabellaは幸せを感じ、自分の伴侶はきっとFerdinandなのだ、というまだ見ぬFerdinandに対する愛を育て始めます。Isabellaの思い込みの強さには驚かされますが、頼るべき者もいないIsabellaにとってはそれが唯一の希望と化していく様子は、Jean Plaidyの筆にかかるととても自然で読ませてきますね!

意志薄弱なHenryが玉座についたおかげでCastileは次第に無秩序となっていきます。

一方、AragonはAragonでJohn王が後妻のJoanを愛するあまり末っ子のFerdinandを溺愛。先妻との間にもうけた長男Carlosをないがしろにしすぎて、Aragonに争いの種を振りまいていく様子が描かれています。

CastileもAragonの地も政情不安定で、ここから二人はレコンキスタを達成するのか…、と思うと、次巻以降の展開も気になるところです。教科書で読むとふーん、って感じですが、その前段階の状況と知ると、感慨深いものがありますね。Castile、Aragon、PortugalにFranceとの関係もJean Plaidyにかかると、するするっとアタマに入ってくるところもよいです。

ちなみにIsabellaはとても生真面目だし、信仰深くもあり、TheLastKingdomシリーズを読んだ私としましては、キャラ的にはAlfred大王の女性版という印象をもちました。でも物語は彼女の視点で進んでいくので、Alfred大王よりも彼女のキャラは受け入れやすいですね。

※Isabella & Ferdinand Trilogyシリーズ、ブログ内リンク

  1. Castile for Isabella
  2. Spain for the Sovereign

Castile

  • Isabella…主人公。
  • JohnⅡ…Castileの王。Isabellaたちの父親。
  • Queen Isabella…Portugal出身のJohnⅡの2番目の妻であり、主人公Isabellaの母でもある。情緒不安定。
  • Alfonso…Isabellaの同腹の弟。
  • HenryⅥ…Isabellaの腹違いの兄。母はMaria of Aragon。快楽主義。意志薄弱タイプ。
  • Joanna of Portugal…HenryⅥの2番目の妻。
  • Beltran de la Cueve…HenryⅥより若く、とてもハンサム。HenryⅥの妻JoannaPortugalに近づく。
  • Joanna…La Beltranejaとも。JoannaとHenryⅥとの子どもだが、実際のところはBeltran de la Cueveとの子どもかも、と噂されている。
  • John Pacheco…Marquis of Villena。Alvaroと一緒に宮廷へやってきて、HenryⅥと仲良くなり権力者となる。
  • Don Pedro Giron…the Marquis of Villenaの兄弟。Grand Master of Calatrava。兄弟の権力をかさにきて、威張っている野心家。
  • Alfonso Carillo…Archbishop of Toledo。John Pacheoの叔父。わりと一本気。
  • Don Diego Lopez de Zuñiga…the Counts of Benavente and Plascencia。Alfonso側につく大物貴族。the Marquis of Villenaのライバル。
  • Don Frederick Henriquez…Admiral of Castile。Alagonの女王になったJoan Henriquezの父親。Ferdinandの祖父。
  • Beatriz Fernandez de Bobadilla…Isabellaより四歳年上の美少女。Isabellaの侍女であり、親友ともいうべき人物。
  • Andres de Cabrera…Beatrizの結婚相手。Beatrizに尽くしてくれる。
  • Menica de la Torre…Isabellaお気に入りの侍女。
  • Alonso de Coca…Isabellaの命令のもとAlagonの各国の偵察旅行に出かける。

Portugal

  • King Alfonso of Ⅴ of Portugal…HenryⅥ妻Joanna of Portugalの兄弟。
  • Alegre…Joanna of Portugalの侍女。好色。

France

  • Duke of Guienne…フランス王の兄弟。Princess Joannaと婚約。

Aragon

  • John of Aragon…Aragonの王。最初の妻はSicilyのMartinの未亡人でBlanche of Navarre。二番目の妻は年の離れたJoan Henriquezでベタ惚れ。
  • Joan Henriquez…Ferdinandの母親。Queen of Aragon。後妻。
  • Carlos…Aragonの第一王子。the Prince of Viana。Blancheと同腹の兄弟。彼らの母はKingdom of Navarreの王族。
  • Blanche of Aragon…HenryⅣの最初の妻。John of Aragonと先妻の長女。
  • Eleanor…Blancheと同腹の姉妹。FranceのGaston de Foixへ嫁ぐ。
  • Ferdinand…主人公の夫。Aragonの王子。Blancheとは腹違いの末弟。