The Lords of the North (The Last Kingdom Series, Book 3) (The Warrior Chronicles/Saxon Stories) (語数約12,8700語)
2015年にBBC2でテレビシリーズのベースになった Bernard Cornwellのベストセラーシリーズの第3巻目。
相変わらずAlfredとのソリがあわず、自分の故郷である北へ向かう展開となっています。そこでは相変わらず、育ての父Ragnarの敵Kjartan、Sven親子が跋扈し、本来自分が継ぐ筈だったBebbanburgは叔父のÆlfricが支配しています。道中Svenの元にいた奴隷Guthredという若者を主人公は救います。Guthredは奴隷のくせに、CairLiguailというスコットランド人からも襲われ、IrelandからくるVikingたちからは川から侵入さらるという土地柄の王だと言い張る一見バカにみえる若者です。明確なリベンジの戦略もない主人公はGuthredに同行し、彼のサポート役としてとどまり、北での権力闘争へ巻き込まれていきます。
いろいろ気をもむ北での波瀾万丈な展開の第3巻は、結構作者の創作ベースな話のようです。ただし今回物語の軸となるGuthredは実在の人物で、Dane人でありながらクリスチャンであり、Dane人とクリスチャンの多いSaxon人やBriton人の心を惹きつけたこと、奴隷だったという話、聖Cuthbertの亡骸の守護者として有名な人物のようです。
Alfredとの縁もこれで切れるのかなぁと思っていましたが、まさかの展開で(そもそも主人公が架空の人物ですから…!)うーん、これはもうAlfredが死ぬまで引きずっていく縁なんだろうな、ということが見えてきた3巻でした。
Wessex側
- Hild…CippanhammへAlfredが侵入したとき、直接助けた修道女。19才。それなりに豊かな家の子どもだけど、八番目の末っ子だったので修道女に。
- Father Willibald…AlfredのEthandunの勝利のニュースをNorthunbrianへ運んできた。戦艦で主人公と親しくなった神父。Eoferwicで再会。
- Steapa Snotor…Odda the Youngerのところの強い奴隷だったが、2巻でAlfredと主人公に手ずから助けられた。
- Beocca…主人公幼年時代の教育係の修道士。主人公こそがBebbanburgの支配者だと思い定めているが、Alfredの元に身を寄せている。
Vikingたち
- Ivarr Ivarsson …Northumbriaの支配者。Ivarr Lothbroksonの息子。
- Kjartan the Cruel…Wiire 川の谷を支配している。
- Sven the One-Eyed…Kjartanの息子。Kjartanよりたちが悪いと評判。
- Tekil…Hergistが送り込んだ戦士たちのリーダー。
- Sihtric…Kjartanの私生児。Tekilとともに刺客として送り込まれてきた。
- Rangnar…主人公の義兄弟。3巻の始まりではAlfredとGuthrumの和平交渉でまたもや人質としてAlfredの元で人質生活を送るところからスタート。
- Thyra…Ragnarの娘でSvenに拉致されその後は…?
北部の人々
- Guthred…Svenのところに捕まっていた青年。Hardicnutの息子。Eochaidのところで奴隷をやってた。
- Gisela…Guthredの妹。
- Abbot Eadred…Lindisfarena出身だが追われてCair Ligualidで教会建設したりしてる。
- Father Hrothweard…Eofericの神父。狂信的。
- Hergist…Heagostealdesの領主。年寄だがEadredのEochaid打倒の呼びかけに応じて八人のよりすぐりの戦士を送る。
- Sverri Ravnson…主人公が売り飛ばされた先の船主。
- Finan…Irishman。元戦士でSverriのところへ売り飛ばされた奴隷。主人公と励ましあい、奴隷生活をしのぐ仲間。
- Offa…狗を使った大道芸人で各地を周りながら情報収集している情報屋。
- Ælfric of Bebbanburg…主人公の叔父。強力な要塞と、Dane人の邪魔をしないことで支配をキープ。