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5/21/2017

Daughters of Spain: (Isabella & Ferdinand Trilogy)(YL6)

Daughters of Spain: (Isabella & Ferdinand Trilogy) (語数約99,200語)

第3巻はタイトル通り、IsabellaとFerdinandの子どもたちついての話になってきます。

野望に燃えるFerdinandは子どもたちの結婚相手を次々に決めてきます。

まずハプスブルグ家のMaximilianとは、JuanとMargaret、PhilipとJuanaの結婚を決めます。Margaretを跡継ぎのJuanへ向かいいれ、三女ののJuanaをPhilipの元へ送り出し、二重の同盟というわけです。Philipは帝国の後継者でもあることだし、FranceのItalia進出の動きはGermanの諸侯が自分たちと協力して対向すればうまくいきっこない、という自信を深めるFerdinand。さらに長女IsabellaをPortugalへたまた嫁がせれば、Portugalとの国境も安牌だし、喧嘩っ早い英国との問題については、Henry TudorにはArthurとHenryという二人の息子がいる。長男のArthurとCatalinaを結婚させれば、CatailinaはArthurより一歳年上なだけだから、ピッタリな組み合わせだ。神聖ローマ帝国、Portugal、海の向こうのEnglandとの包囲網。これでなにかとちょっかいをかけてくるFranceを抑え込める。

Ferdinandのスキなしの計画にIsabellaは娘たちをたちを手放すことについて寂しくは思うものの、自分の手元には長男のJuanが残される、と思い、同意します。

ところが、スペイン王家には次々と不幸が訪れます。

最初の不幸は長男のJuanに。嫁いできたMargaretとの相性も良く幸せの絶好調の最中、病に倒れ、あっという間に亡くなってしまいます。Margaretは妊娠しており、そこへ希望をつなぐものの、夫の死というショックのせいか、流産してしまいます。

Juanとその世継ぎへの望みが絶たれ、後継者の座は長女Isabellaへ回ってきます。彼女は再婚相手のEmmanuelとの間に王子Miguelをもうけますが、もともと体の弱い彼女は出産後間もなく死亡。跡取りとみなしていたMiguelも弱弱しい子どもで、間もなく死亡。

Portugal王Emmanuelが寡夫となったので、今度は次女のMariaを彼のもとへ嫁がせ、末娘のCatalinaをいよいよ英国へ送り出すタイムリミットも迫ってきます。女王Isabellaにとっては末娘はまだまだ幼く、一度、英国へ送り出してしまえば今生の別れとなるのが目に見えています。IsabellaはCatalinaを手放すことをできるかぎり引き延ばしていましたが、周囲からのプレッシャーについに送り出す日がやってきます。

長男の死、孫の流産、長女の死、孫の死、末娘との今生の別れ…、と次々とつらい出来事がIsabellaをおそう中、Juanaたちをスペインへ呼び寄せます。この辺からはもうLast Queenでもおなじみの展開になってきますね。Last QueenではJuanaは「まとも」でしたが、本作では評判通り、madだね…、という描き方になっています。Juanaは自分の立場も忘れ、美貌のPhilipに完全に溺れており、しかもPhilipからはうざがられいるという状態で、最悪です。Philipからうざがられるのもしょうがないよね、という奇行の数々。病症のIsabellaの悩みは尽きません。愛娘のCatalinaはArthurが亡くなったのだから帰国するんだと思っていたら、弟のHenryとの結婚話が持ち上がり帰ってこない。Henryはまだ13歳の子どもだし、CatalinaとHenryの結婚にはローマから待ったがかかっるし、そもそもこの結婚は彼女持参金狙いだったのては?という気もしてくる。Spainの後継者であるにも関わらずJuanaのBrusselsで奇行の数々はきこえてくるし、頼みの綱の孫のCharlesはまだ赤ん坊。私やFerdinandが亡くなったあとは、Spainは一体どうなるのか?Juanaは気が狂っているから、PhillipがSpainを支配することになるのか?…ありえない!Ferdinandは死ぬわけにはいかない。Charlesが大人になるまで、夫にはなんとしてでも生きててもらわなければ!

そうした心配の数々と、しかし長くよい人生でもあったというという思いとともに、本作では1504年のIsabellaの死をもってあっさり幕を閉じます。

無法状態だったスペインに秩序をもたらし、レコンキスタをも達成したIsabellaたちですが、この後半戦の不幸な出来事の連続はなんなんでしょうね。敬虔…?神の摂理…?試練…?

本作の中で病弱だった長女Isabllaは、異端審問なんかやってユダヤ人たちを追放したから彼らの呪いでこんな不幸が続くのよ、と訴えていましたが、そうとでも解釈しないとナットクできない確率の不幸続きです。しかし本作の中ではこの長女Isabella以外、誰一人そんなことは考えません。さらにこの3巻では、敬虔なXimeneseが教会のトップにのぼりつめ、グラダナでMoor人たちとの約束を勝手に反故にしていろいろやらかします。どういう理屈…?と現代人としては思いますが、"敬虔な"XimeneseやIsabellaの中では正しいと思える理屈になっています。そしてまた損得勘定のFerdinand的な視野からみても、異端審問で金持ちのユダヤ人から財産を巻き上げられたのと同様のことを、Moor人に対してもできる御旗だった、ということなんでしょうね。

聖職者たち

  • Fray Francisco Ximenese de Cisneros…女王IsabellaのCfnfessorだけど、傷心のIsabellaも彼に告白することで安らぎを覚える。
  • Francisco Ruiz…Ximenseの甥っ子。
  • Bernardín de Cisneros…Ximenseの兄弟。かなりのやんちゃ坊主だった。
  • Tomás de Torquemada…Spainでの異端審問の火付け役。糖尿病に苦しんでいる。

Spain王家の面々

  • Isabella…長女。Young Isabella。Portugalで幸せな結婚生活を送っていたけど、夫Alonsoが早世してしまい実家のSpainに出戻り中。
  • Miguel…Young IsabellaとEmanuelへの長男。
  • Juan…長男。跡取りと目されている。気遣い屋でとても優しい。Angelのニックネームがつくほど。
  • Juana…かなりワイルドな性格。心配の種。Flandersへ嫁いだが…。
  • Maria…三女。とても淡々としている。
  • Catalina…英国に嫁ぐことが決まっている末娘。家族が大好きすぎて嫁ぐ日がくることを恐れている。
  • Emmanuel…Portugal王。Young IsabellaがPortugalへ来てから惚れており、従弟のAlonsoが亡くなってから、Young Isabellaへ求婚し続ける。
  • Philip…Archduke。Juanaの夫。絶世の美男で、浮気男でもある。
  • Charles…JuanaとPhilipの長男。

新大陸発見者と応援団

  • Christobal Colon…新大陸発見者。
  • Beatriz de Arana…Colonの二番目の妻。Spain人。
  • Ferdinand…Colonの後妻との間の息子。
  • Beatriz de Bobadilla…女王Isabellaの大親友。the Marchioness of Moya。

Granadaの人々

  • Iñigo Lopez de Mendoza…the Count of Tendilla。
  • Fray Fernando de Talavera…Archbishop of Granada。アラビア語覚えて賛美歌を翻訳したりしてなんとか改宗させようとGranadaで奮闘していた。相手の立場に自らが寄っていって、改宗してくれればいいな、というスタンス。
  • Zegri…Granada に住むalfaquisのリーダー。

France

  • CharlesⅧ…France国王。もともと彼が12歳、Margaretとが3歳のとき、婚約していたが、彼が玉座についたときにはMargretはまだ11歳。これは結婚できないと思って、Anne Duchess of Brittanyと結婚してしまい、Margaretとの約束を反故にしてMaximilianを怒らせた。
  • Loius Ⅻ…CharlesⅧに男子の跡継ぎがいなくなっていたので、傍系だがFranceの玉座を継承した。

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