ページ

8/03/2014

Every Day(YL4.0)

Every Day
Every Day
posted with amazlet at 17.03.20
Knopf Books for Young Readers (2012-08-28)

Every Day (語数74,593語)

もしも毎日違うからだに「意識」がのりうつっていくとしたら。毎日、違う環境、生活。でも毎日同じ少女を愛している。

どこの誰になろうとも、困ることはなかった。「A」はコツをつかんで、うまくそれまでやってきた。なるべく背負わず。気づかれることを避けて。自分がスイッチンぐした体の持ち主の、邪魔にならないように。

ある朝、Justinの体で目覚めるまでは。JustinのガールフレンドRhiannonとい出会うまでは。その瞬間から、もう「A」これまでの生き方に耐えられなくなった。ついに、日々会いたいと思う人を見つけてしまったから。

Ψ

というわけで、最初SFなのかな?と思いきや、「体」が変わるということで、いろんなティーンの(「A」は大体自分と同じ年頃の人にスイッチングする)生活を垣間見ることもできてその部分だけでも面白かったですね。それこそゲイの子やトランスジェンダーや、或いは自殺願望があったり、ひどいトラウマに悩まされていたり、すでに働く環境だったり、それこそ百貫デブだったり…。

毎日「体」が変わるから、「A」にとっては「体」とは、パッケージみたいなもの。毎日少女になったり翌日には少年になってみたりで、ジェンダーについてはとてもフラットなスタンス。「体」なんて「見た目」なんてそれこそ「パッケージ」に過ぎないと悟りきって大事なのは「中身」だと思っていた「A」だけれども、Rhiannonと出会うことで、少しはフツーの見た目を意識してみたり。

「体」と「中身」が切り離されている状況だからこそ、逆説的に見てきたりすることもあって、その辺が非常に面白かったです。

Rhiannonとの話は縦糸として面々とつながっていますが、1日単位で別人となり、まずは状況把握から始まって…、という感じで、わりと短めの区切りで1日が過ぎていくので、テンポよく読みやすかったです。

7/13/2014

Crime and Punishment(YL8)

Crime And Punishment (Annotated) (English Edition) (語数165,499語)

Rodion Raskolnikovは貧困の元学生で、ペテルブルクの通りをさまよい、がめつい質屋の老婆の殺人計画を考えていた。

「私は本当に実際に斧を持ち、彼女の頭を粉々にくだくつもりなのだろうか?返り血の中で、盗み出す…?本当に?」

Ψ

結構な長編で悪戦苦闘しました。色々なエディションが出てきますが、古そうなこちらにしたのはKindleでお安かったから…。しかし会話文は読みやすいのですが、地の文やら独白系がわかりづらいという印象。さらに登場人物が誰が誰だかを把握するのが前半は大変だと思います。さらっと愛称になってみたり、本名になってみたり…。それって誰のこと?ロシア人には普通でも、愛称まで知りませんね…!

以前、カラマーゾフを邦訳で読んだことがありますが、ドストエフスキーの描く主人公たちって、激しくて劇場型で(舞台で科白をしゃべってるみたいよ…)、しかも妄想壁というか…。気持ちが高ぶりすぎてて、目まぐるしいんですよね。特にRaskolnikovは今風にいえば中2病…。前半は彼の独りよがりな独白を読むのが個人的には結構苦痛でした。 とはいえ、後半などは「神なんか信じない!」的な部分も描かれていて、当時のロシアへの素養がある方なら、読み解くことも色々ありそうな印象は受けました。ま、恋人のSonyaの信仰心が最後にはうちかつ、って感じで決着つけていますけどね。

4/27/2014

The Pillars of the Earth(YL8)

The Pillars of the Earth (Kingsbridge)
Penguin Books (2010-06-29)

The Pillars of the Earth (Kingsbridge) (語数400,974語)

12世紀、封建時代英国が舞台の物語。

テーマは輝かしい大聖堂の建築。

著者のFollettは、細部にわたる野蛮で輝かしい中世の英国を再構築しています。広大な森、壁に囲まれた街、城、教会はおなじみの風景となってきます。戦争の爪痕や、日常生活や労働や愛が、複雑にいりこんで色鮮やかに描き出されます。

いつか立派で美しい大聖堂を自分の手で作りたいと夢みる棟梁のTom、美しい貴婦人Aliena、若くしてKingsbridgeの修院長になったPhilip、Tomの義理の息子となる才能豊かなJack、森の中で暮らし、魔女扱いされるEllen。石工から横柄な君主まで、人物一人一人の生き様が鮮やかに描かれています。

無実の男の処刑から物語は始まり、王の屈辱で終わるまでを、大聖堂の建設をめぐって、Follettは裏切りや復讐、愛で描き切ります。

Ψ

英文は読みやすいです。

登場人物は大勢で群像劇的なところもある。

大雑把にいえば「大聖堂」が軸ではあるものの、結構、個々のキャラクターも細かく描かれているので、誰が主人公なのかな?主人公がいないのかな?という感じで進んでいきます。

そしてバラバラっぽい個々の伏線エピソードの、後半での回収っぷりがハンパないです。あのエピソードをここで拾ってきたか!え、この人物にはこういう運命?…という納得感と驚きが怒涛の勢いでやってくる後半はまさに圧巻。

とはいえ、そんな感じなので、特にお気に入りなキャラクターはおらず、不快なキャラクターは何人かいる、という感じで、伏線エピソードがばら撒かれる前半戦は、なかなかのれませんでした。当時のディティールは面白いんですけど、最初から最後まで不快なWilliam Hamleighを筆頭に、不快な事件も多くて、どんよりしてたんですよね。彼が登場する度に、テンション、ダダ下がり…。

後半はエンジンがかかってきましたが(読書スピードUP!)、最後までこれでもかという位、不幸も訪れまくりなんですよ。

とはいえ、全体としては文句なく面白いです。史実と創作が入り混じって、その史実をこういう風に織り交ぜたか!的な面白さもありますし。個人的に一番面白かった部分は、言わずもがなの大聖堂の建設工程のディティールと、「信仰」の部分ですね。

特に修院長Philipの考え方には興味をひかれました。彼は神との関係がとても1対1で、神はどう考えているだろう、ということをいつも気にしている。他人の目は関係ない。神の視線を気にしている。どうすることが「正しい」のか、神の存在を意識しながら、考え続けている、といった感じです。言われてみれば、そういうものか、と思うわけですが。「無宗教」なので、彼らの「信仰」とはそういうものなんだ、と垣間見た気がしたわけです。

「殉教」の使い方も冴えていたし(殉教者を出しちゃうと、大抵殺人側はわりに合わない位負をしょいこみますよね)、後半での王権と教会との対立と着地点も巧いの一言ですよね。

1/14/2014

Whiteout(YL7.0)

Whiteout
Whiteout
posted with amazlet at 17.03.20
Penguin Books (2004-11-23)

Whiteout (語数114,699語)

ToniGalloはセキュリティ責任者だ。

彼女はエボラウイルスより危険なウイルスが、実験動物のウサギと共に、スコッ トランドの研究所から盗まれたことに気付いた。しかし自体はウイルスが盗まれ ること自体よりも悪い方へ転がっていく。内部からの援護により、テロリストの 攻撃ので利用する為に盗まれたのだ。

クリスマスイブは吹雪になっていたけれども、地元警察の協力はほとんどなく、Toniはウイルスを取り戻し、バイオハザードを防ぐために、犯人を追跡しなけれ ばならなかった…。

Ψ

製薬会社にギャング侵入して、危険なウイルスを盗み出す、という話なので、バイオハザードもの?と思っていたら、メインはアクションと家族もの、という感じ。

とはいえ、製薬会社の社長のクリスマスともなれば、一族が家に集まってくるわけですよ。その書き分けが巧い。それぞれの思惑や行動が後から振り返ればもう伏線だらけで、ああここで!と伏線も綺麗に回収していくんです。

てんで勝手に動いてみえる登場人物も、いちいち説得力あるし、展開はどんどんハラハラになっていくし、お見事です。

英文は読みやすいです。こんなクリスマスは御免こうむりたいですけれども、冬に引きこもって没頭するにはもってこいの一冊ですね。

12/11/2013

Contingency Plan (Rapid Reads)(YL3)

Contingency Plan (Rapid Reads) (English Edition)
Orca Book Publishers (2012-10-01)

Contingency Plan (Rapid Reads) (English Edition) (語数16,800語)

夫が亡くなってからの再婚。なんて素晴らしい人と出会えたんだろうと思っていたSandraだが、やがて大きな誤りに気が付く。

Ψ

いろいろ語るとシンプルな話なのでネタバレに直結してしまいますが。12歳の娘が理想的な娘像ですな!10代ってこんなに聞き分けいいかな?、と思いつつ、Sandra自身も結構逞しいので、わりとスカッとします。英文はなんだかGRみたいな感じで平易。

11/23/2013

A Northern Light(YL6)

A Northern Light
A Northern Light
posted with amazlet at 17.03.20
HMH Books for Young Readers (2013-01-29)

A Northern Light (語数92,597語)

16歳のMattie Gokeyは大学で勉強し、いつか小説家になる夢を見ていた。しかし実現する見通しは暗かった。

母が亡くなり、長女の彼女は、父親が農場で働いていて家を留守にしている間、妹たちの面倒をみなければならない。勉強は好きで成績は良かったから奨学金は得られそうだが、進学ともなれ家もばNYまで出なければならないし、Mattieを頼りにしている父親は進学には反対だ。進学しようものなら縁を切られそうな剣幕だ。

そんなときハンサムなRoyalから求婚されてMattieはちょっと舞い上がる。しかし先に結婚して子育てや家事に追いまくられている親友の暮らしぶりをみて、あんな日常生活に追いまくられる生活では小説など書けないのでは…?そういえば大成している女流作家はみんな独身か離婚している…、ということに思い至ります。この辺の、100年前の女性であることの社会的な息苦しさ・雰囲気の描写が巧いですね。

Royalはハンサムで働き者だけど、農場の仕事そのものに彼は夢中すぎて、小説なんてバカらしいと思っているリアリストですから。これは結婚したら自分の夢をあきらめることになるぞ、と気が付くわけです。

Mattieはなにかとお金は入用だから、と思って、町のホテルで一緒に進学を目指す親友と一緒に働きだします。そこで客の Grace Brownから秘密の手紙の束を預かり燃やしてくれと頼まれます。預かった手紙をこっそり読んでいくうちにMattieはとある事件の真相に気が付きます。これもまぁ女性の立場を描くにあたって恰好のネタではあるですけど。なんだかここだけ推理小説っぽい展開に…。

なんだかMattieの話だけでも結構面白かったので、間、間に挟まるGraceの話と絡める必要があったのかなぁ?と、思いましたね。いきなりこの話になったとき面喰いましたもん。ちなみにMattieは架空の人物ですが、Graceの事件は本当にあった話みたいです。

8/10/2013

The Art of Racing in the Rain: A Novel(YL7)

The Art of Racing in the Rain: A Novel
HarperCollins e-books (2009-03-17)

The Art of Racing in the Rain: A Novel (語数69,306語)

Enzoは他の犬と自分は違うことを知っている。テレビをみたり、飼い主でレサーのDenny Swiftの言葉を聞くことによって自力で様々なことを学習。ほとんど人間に近い魂を持つ哲学者のようなものだ。

飼い主のDennyと二人、平和に暮らしていたわけだが、Dennyがある日Eveという女性を連れてきた。EnzoはDennyの愛情を独占できななりEveにちょっと嫉妬する。しかしそんな二人にZoeという女の子ができ、女の子が生まれた日に、「Enzo、この子をずっと守ってね」とEveに頼まれる。その時からEnzoは決心する。この子をずっと見守ろう。この一家をずっと見守ろう、と。

Ψ

テレビ好きの主人公、犬のEnzo君。彼の人生観はちょっと風変わりだけれど(生まれ変わったら人になれる、とか、サルより自分の方が人間に近いとか、魂の問題とか)、話せない分だけ、じっと飼い主たちの人生を見守り、洞察していくんですね。それが…、本当に犬っぽい!飼い主の家族に忠実で、一家の試練をそばでずっと見守っていく話なんですが、あぁワンコたちはこういうこと、考えてるかもしれないねぇ、と思いました。

Dennyの妻Eveが病に伏すあたりから一家はどんどん悲惨な方向へ転がっていくので、結構、だんだん鬱々としてきました。悲惨な状況をEnzo君はいろんなことを考えながら、見守っていくのですよ。話せないながらも時に励ましたり、行動にでたりしながら。人生を受け入れつつ、諦めることなく、生きることに健気。切ない…!切なすぎる…!

それでもレーサー根性をもったDennyとEnzo君は最後まで諦めない!…でなんとか試練を乗り越えていこうという話で。最後の最後にはやっとほっとできました。

英文は難易度は、前半のEnzo君のテレビからの知識の寄せ集めと感性に基づく独特な人生観が、ちょっととっつきにくかったかな?それからレースの表現も凝っているあたりはとっつきにくかったですね。アイルトン・セナ位は私も知っていますが、F1ファンとかではないので、ちょいちょい飛ばしながら読んでいました(比喩なので、なんとなくそれでも話はわかる)。

ちなみに私はこの本でAudibleを初購入しました。とても耳だけではついていけないので、読みながら聞く、という感じです。comで購入するとAudibleが割引対象になる本ですので、それで購入。Whispersync for Voice機能つきですが、AudibleとPaperWhiteを同時に使っていたので、あまりその辺の恩恵は受けませんでした。1章1章が短い単位になっている、ということの方がむしろ有難かったですね。

※ちなみにこの本、大人向けと児童書と2バージョンあるみたいです。私は大人向けで読みました。児童書の表紙は犬の顔の面積がもうちょっと大きいみたいですね。