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4/30/2016

Viking Odinn's Child (Viking Trilogy) (Viking)(YL7.0)

Odinn's Child: Odinn's Child No. 1 (Viking) (語数約124,000語)

物語の語り手はサーガで有名なLeif the Lucky and Thorgunnaの息子Thorgils Leiffsonです。

第1巻では、彼が生まれる少し前の母の話からはじまり(主人公は999年生まれ)、10代の終わりごろまでを描いています。どうやら著者はいろんなサーガを詰め込んだようで、主人公のThorgils自体はLeifの息子としてサーガに登場する人物のようですが、ちょっと気付いた分だけでもSaga of Erik the Red、Greenland sagaあたりはVinland絡みの家系なのでNjáls saga、Orkneyinga sagaあたりも出てきます。

早くに母を亡くし、少年時代にVinlandへ行ったこかと思えば、Greenlandへ戻ってからは父Leifからも疎まれ、半ば母の足跡を訪ねて、IcelandやIrelandへ。そこではアイルランド闘争に巻き込まれ、Clontarfの戦いに参戦…。

後ろ盾もない彼は、どこへ行っても「異端者」で根無し草のキャラクターです。ただし場所、場所で、侵略してくる「White Christ」に抗い、古いしきたりに従う様々なメンターが彼の前に現れ、彼はOdinnの存在を感じます。彼には様々な危険を潜り抜けることになりますが、ギリギリのところで助かり、ますますOdinnの存在を信じるのです。

というわけで、主人公の移動距離・根無し草っぷりが素晴らしいので、VinlandでのSkraelingsとの遭遇や、IcelandでのAlthing見物、Irelandでの様々な領主、王たちの争い、ケルト文化の権化ともいうべき人物との出会いまでいろいろな要素が詰め込まれていて大満足の一冊でした。前半は結構開拓暮らしなので、あ、鉄腕Dashでやってたわーとか思いながら、読んでいました。

ちなみに作者のTim Severinはアイルランド在住のイギリス人ですが、有名な冒険家でもあります。航海伝説を実証するために革張りのボートで実際にニューファランド諸島まで実験航海をしている方です。これほどVinlandまでの航海を語るうえで適切な人もいませんよね。フィクションとはいえ、本書に登場しくる様々な道具や生活ぶりの手触りが、一定程度の説得力があるのも、彼のこうした実験実証魂から相当きているような気がします。

こちらの本も登場人物が相当でてきますので、代表的なところをリストにしてみました。ネタバレありのリストなのでご承知おきください(史実やサーガの人物ばかりなので…)。

主人公の幼年期

  • Thorgils…主人公。999年生まれ。スコットランドの北部Birsay生まれ。クリスチャンネームはThangbrand。
  • Thorgunna…主人公の母。Dublinの貿易船でScotlandの一画mBirsayへやってきた。そこでたまたま寄港したLeif Erikosnと出会う。Völva(シャーマン的な女性)の能力があったようで、主人公もその才能を引き継ぐ。
  • Leif Eriksson…「赤毛のエリク」の2番目の息子。主人公の父。幸運に恵まれているので、「Leif the Lucky and Thorgunna」というニックネームも。
  • Thorvald Erikson…「赤毛のエリク」の。次男。LeifのVinlandの探検の結果に興味を持ち、Vinlandを探索、先住民のSkraelingsに襲われる。
  • Thorstein Eriksson…Leifの末弟。家族思いで、Vinlandで亡くなった兄の亡骸を取り戻しにVinlandへ目指すが…。
  • Freydis…主人公のおば。Erikの庶子。かなりのトラブルメーカー。彼女もまたVinlandへ旅立つ。
  • Thjodhild…Erickの妻。グリーンランドでは子どもたちにアルファベットとかを教える先生役。早くからクリスチャンになったので、夫のErickとはその点で対立。
  • Gudrid Thorbjornsdottir…主人公の幼少時の育ての親。若くて美人な未亡人。Völvaの才能があるようだが、熱心なクリスチャン。主人公が7歳くらいのとき、父親の末弟Thorsteinと再婚。Thorsteinが無謀な旅で亡くなった後には、Thorfinnと再婚。彼と一緒にVinlandへ。
  • Thorir…Gudridの夫。東部出身の商人。グリーンランドとアイスランドの定期貿易のパイオニア。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。
  • Thorfinn Karlsefni…Gudridの三番目の夫。アイスランドの商人。Vinlandを目指す。
  • Tyrkir the Smith…ドイツ周辺出身のLeifにとっては育ての親的な奴隷。メンター。
  • Thorvall the Hunter…五十代後半だが二十代並のタフさで左目から耳にかけて傷があり、少年たちからは畏敬の念。主人公のメンター。

Icelander…主人公がGreenlandから追放された直後に出会った人々

  • Snorri Godi…Icelandでわりと権力者。グレイの瞳で表情を読ませない。じっくり考えて行動するタイプ。
  • Thrand Stigandi…怖そうな見た目だが、Snorriの友だち。Ordinを信仰し、予見能力をもち、主人公14歳くらいのメンター。古い神々について彼の元で主人公は体系的に学ぶ。
  • Flosi Thordarson…Burners側のリーダー。
  • Eyjolf Bolverlsson…法律に詳しいのでFlosiに買収された。
  • Thorhall Asgrimmsson…Njalが育ての親。右の足首が感染している。法律に詳しい。
  • Kari Solmundarson…Njalの義理の息子。戦士。主人公に目をかけ、IcelandからIrelandへの橋渡し役。

Orkney

  • Sigurd the Stout…Orkneyの伯爵。
  • Eithne…主人公の母Thorgunnaをかつてむかえ入れた伯爵家の妻。Ireland出身のVölva。Sigurdの母。

Irelander…1014年Clontarfの戦い前後。主人公が15歳くらい。

  • King Sigtryggr…Dublinの王でSigurdのところへ相談にきた。Norseman。商業で大儲け。
  • High King Brian Boruma…戦いにつぐ戦いで暴れまわっているタイプのアイルランド上王。外国人を追い出そうとやっきだが、彼の兵士自身が外国人で構成。キリスト教を広めようとしている。
  • King of Leinster…DublinをHigh Kingと共に狙っている。
  • Kormlod…IrishはGormlaithと呼ぶ。Dublinの王Sigtryggrの母であり、Borumaの元妻(ケンカ別れなので恨んでいる)。King of Leinsterの姉妹。
  • Brodir…巨漢で髪の長いViking。Dublinの王Sigtryggrが同盟を求めた。Thrandの友だちであり、少し予知の能力をもっている。
  • Donnachad…貧しい村のリーダーであり、Battle of Clontarfで主人公は彼に捕まり、奴隷になった。

St Ciaran…主人公はDonnachadの未納の税金のかわりに教会へ引き渡され、三年くらいを見習い修道士として過ごす。

  • Abb Aidan…修道院の院長。修道院の強化には並ならぬ意欲をもつ。
  • Saev Credine…軟弱にみえるけど、修道院きっての石工。
  • Brother Senesach…若者の教育係。気立てがよいので人望ある。
  • Brother Ailbe…司書。本のことになるとうるさい。
  • Brother Domnall…技量のある診療所の治療師だったが疫病対策で旅立つ。
  • Brother Cainnech…Domnallのアシスタントで、診療所を引き継ぐ。患者をいじめるのが好き。
  • Bladnach…足は不自由だが、凄腕の針使い。本を保護するかばん自体が聖人によるもので貴重だから、ボロボロの鞄の修繕をたのまれる。
  • Orlaith…Bladnachの娘。

逃亡生活中のIrelandで出会った人々

  • Eochaid…birthemということですが、いわゆるケルトのドルイド。あらゆることに精通した賢人で、主人公のメンター。彼の存在は感動的ですね!
  • Ardal…Thorvall the Hunterにクリソツ。King's Champion。戦士。The Ua Cannannainに仕えている。

4/10/2016

Sirens of the Northern Seas: A Viking Romance Collection (English Edition)(YL7)

Sirens of the Northern Seas
Sirens of the Northern Seas
posted with amazlet at 17.10.15
Kathryn Le Veque Anna Markland Violetta Rand Emma Prince Elizabeth Rose

Sirens of the Northern Seas (語数約130,820語)

5人の女流作家によるコレンクション。

それぞれ野の花をモチーフにしたVikingもののヒストリカルロマンスです。

KINGDOM BY THE SEA by Kathryn Le Veque

エドガー・アラン・ポーの「AnnabelLee」という詩をベースに現代と過去が交錯するお話しですね!VikingがBritain側の姫様に恋をする、というちょっとおとぎ話めいた展開です。

BANISHED by Anna Markland

年表片手にしながら、個人的にはこれが一番面白かったです。Bluebellsをモチーフに、Jomsviking(漫画「ヴィンサント・サーガ」とかにも出てくるあの幻の!伝説的な!)出身の幼馴染たちのロマンスです。年表的にはちょうど北海帝国を築き上げようかという1017年のCanuteの動きを把握していればバッチリですね。フィクションかな?と思った人物も英語のウィキペディアだとぞろぞろ実在だったりもして、若干ウソもありつつ(あとがきでどの部分が完全なフィクションか作者が種明かししてくれますが)、かなり史実もハマっています。英国史はちょっと…(面倒くさい)、と思っていましたが、Vikingモノから入っていくのもいいかもしれませんね。彼らの動きを追っていると、西はロシア、東はそれこそ北アメリカまで活動していますから、中世の歴史の勉強になります。

ちなみに、本作でもヒロインたちの過去としては、Jomsborgから追放された後、KievanRus(キエフ大公国)のウラジミール1世にしばらく仕えていたようなので、思わずKievanRusのことも軽く調べてしまいました。

デーン人サイド

★つきはWikipediaに単独頁がありました!

  • Audra Fingalsdatter…ヒロイン。VilingWoman。Kaptajin of the Dødspatrulje 女性暗殺部隊の隊長。
  • Sigmar Alvarsen…ヒロインの幼馴染?2歳年上。huscarlsとしてCanuteに仕える。
  • Fingal Adreassen…Audraの父。
  • Alvar Haraldsen…Sigmarの父。Fignalの息子をかつて殺した。
  • King Canute★…デンマーク人で、イングランド・デンンバーク・ノルウェー王。
  • Queen Elfgifu★…Canuteの最初の妻。サクソン貴族の娘。WikipediaだとAelgif of Northamptonの表記で。
  • Gertruda…ヒロインの右腕のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Vasha…ヒロインところの古参のVikingWoman。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Dagmar…Sigmarの信頼できる戦士。暗殺集団The Dodekaに参入。
  • Nathan…Sigmarの男奴隷。
  • Torkild den Høje★…Jomsvikingの親玉。Canuteの幼少時のメンターでもあるらしい。以前はEthelred無思慮王と組んでいた。
  • Eadric Streona★…Torkild以上に同盟を切り替えまくっている海賊。Ethelredの娘と結婚。ちなみにCanuteの最初の妻、Elfgifuの父親Ælfhelm of Yorkはこの人に殺されています。さらに1016年のBattle of Assandunで、この人は今度はEdmud Ironsideを裏切って、Canute側についてました。裏切者の代名詞ですね。

イングランドサイド

  • Ethelred the Unready★…最終的にCanuteに追っ払われるイングランド王。1016年に病没。
  • Edmund Ironside★…Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうち3番目。上二人が死んだので、イングランドの王座に。Battle of Assandunで決定的な敗北を喫し、Canuteと和平交渉。どちらかが死んだ時は、死んだ方の領土を生きている方に譲るという話も決めて、1016年のEadwigの死をもって領地はCanuteに譲られ、Canuteはイングランドの王に。
  • Eadwig Ætheling★… Ethelred the Unreadyと最初の妻Ælfgifuの息子のうちの5番目。1017年にオックスフォードでCanuteに和解を求めています。

VIKING HEARTS by Violetta Rand

Hesse(今のドイツ北部)に家族と住んでいたヒロイン一家はある日、キリスト教圏の手におちて、ヒロインのみ、居合わせたノルウェーの貿易商に拾われてTrondelagまで連れていかれる話。物語が723年からはじまえるのに、なぜかHakkon Sigurdsson(900年代に活躍)の巻物とかでてきてとても混乱しました…。話自体は結構面白いのに、冒頭の723年に縛られてテンションだださがり。Hakkon Sigurdssonが出てくるならスタートという記述自体は不要ですよね。

In THE BRIDE PRIZE by Emma Prince

春を一番先に告げるcoltsfoot(フキタンポポ)がモチーフのお話。本人は女戦士として、西の新しい土地へ向かうJarlの船に乗り込みたいのに、ケチケチした親はさっさと嫁にいけといい、そうだ、祭りの賞品として娘を嫁にだしてしまえ、とたくらむ話。そこへその冬の厳しさに家族をすべて亡くした若者があらわれて…。

A VIKING'S PROMISE by Elizabeth Rose

Forget-Me-Nots(勿忘草)がモチーフのお話。793年のイギリス北部の修道院LindisfarneのVikingによる襲撃は、Viking史的には有名ですが、どうやらそこの部族の話ですね。おさなじみのJarlの息子と結婚の約束をかわすものの、Vikingとして乗り込んだ襲撃先のLindisfarneに置き去りにされてヒロインは恨みつらみ…。結構、クリスチャンの慈悲が軸の話のような気がしました。翻ってVikingはとにかく生活の為に襲撃する、というスタンスで、日本でいうところの倭寇のイメージをもてました。

4/02/2016

The Viking's Son (The Viking Series Book 3)(YL5.0)

The Viking's Son (The Viking Series Book 3) (English Edition) (語数約65,720語)

族長Bissetの娘のDonaldina。彼女の母親は、彼女が4歳のときに亡くなったのだと父はいう。彼女はなにかがおかしいと疑がっているが、それがなんなのか知ることはできなかった。Donaldiaの母親の死後、父親は後妻を次々娶るも、一番愛したのはDonaldiaの母で、Donaldiaを一番にかわいがってくれていた。しかしほかの家族からはかえって嫉妬され、Donaldiaは孤独だった。そんな彼女も今や成長し、Donaldiaを疎ましく思っている後妻にもそそのかされて、父親はついに彼女を結婚させようと決心した。Dpnaldiaは結婚したくはなかったし、なんとかそのたくらみから逃れようとしていた。そこへMacGreagor族の長Wallaceが彼女の氏族からスパイスを仕入れに遠路はるばるやってきていて、彼女は今回も完全に結婚などする気はなかったのだ…。

Ψ

というわけで、Vikingシリーズの3巻目・最終巻は、Stefanの長男Wallanceと、Bisset族のDpnaldiaとのロードムービー的展開でした。

2巻で7人のViking兄弟がきてから五年後のお話しですね。

残念なことにその間に、Stefanとその子どもたちは病死していて今回は登場しません!10人いた子どもたちのうち、生き残ったのは二人の姉妹と二人の兄弟という切ない状況でした。2巻からたった5年でこのありさま。昔の人、ほんとサイクル早いですよね…。

一方、ノルウェーからやってきた7人兄弟はみんな元気で、今回はKarr以外の6人がWallanceの従者としてBisset族のところまで一緒にやってきていました。ちなみに7人はかつてはOdinを信仰してたけど、今はみんなCatholicみたいですね。2巻ではWallance君は、とってもまじめで手厳しいイメージでしたが(下の子たちはみんな優しい長女のCatrinaが大好きで、わりと空気を読まないWallanceについて「なんでWallanceって長男なの?」とか文句を言われてたのが懐かしい)、うん、今回も、結婚したくなくてぷりぷりしているDonaldiaの扱い方がもう…(笑)。MacGreagorの誓いもあるし、じゃじゃ馬ならしは大変そう。Wallanceの四苦八苦を、既婚者もちらほらいるViking兄弟が笑っているのが楽しい。

さらにそこへDonaldiaどころではないわがまま娘が同行することになり、読んでいる方は、へーかつての旅はこんなふうなことに注意しながら旅してたかもね、とか思いつつ、とても楽しく読めました。

とはいえ、Donaldiaの父は、身から出た錆的なところはあるとはいえ、最後は許されないままでかわいそうでしたね…。生物学的になんでそんな疑いもったの?(めっちゃレアケースですよね)とも思うし、残虐は残虐ですが、どっぷり惚れてたわけですからね。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

主な登場人物

  • Donaldina Bisset…Donaldと二番目の妻Lanieとの間の子。金髪。
  • Donald Bisset…スコットランド南部の領主。
  • Lanie…Donaldiaの母親。クリスチャンネームはElaine。イングランド人。
  • Tearlag…Bissetの五番目の妻。Donaldiaに嫉妬して嫌う。
  • Nathair…Tearlagの兄弟。
  • Mairi Bisset…美女になるだろうと言われていた少女。
  • Wallance MacGreagor…Stefanの長男。MacGreagorの長になっていた。
  • Odhan…族から追放されてどこにも所属していない。
  • Bawheed…Odhanの息子で10代前半の少年。
  • Conall MacTavish…のんきなハッピー男。めちゃくちゃ記憶力がいいし頭もよさげ。MacTavish族長の代理で、各地へメッセージを伝えたりしている。
  • Ceit Mackay…Odhanに捕まっていた少女。14歳。と思いきや、実はMacTavishでColnalの妹だった!かなりのわがままで、旅の道中の兄弟全員をげんなりさせるw
  • Laird MacGavish…MacGavishの長。
  • Luke…Donaldiaの古い友達。
  • Juliana…Donaldiaの双子のきょうだい。
  • Magnus…双子男子の父親になってた!
  • Nikolas…未婚。星好き。

3/26/2016

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (YL5.0)

The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2) (English Edition) (語数88,660語)

14歳のCatrina MacGreagorは彼女の母親が亡くなった後、9人の兄弟たちの世話に明け暮れていた。

彼女は兄弟たちを深く愛していたけれど、日々の仕事は退屈でありながらハードで、彼女は夫をもつことなんて考えられなかった。特に好きな若者もいなかったし、自分がだれかに嫁いだら、父親一人でとても兄弟たちの世話をみきれるものではない、という思いもあった。しかしある日突然状況は一変した。七人のVikingたちが、船にのって現れたのだ。そのうち四人は、結婚適齢期だった。

Ψ

というわけで、1巻末で宣言した通りStefanは、自分の氏族MacGreagorをたちあげ、Kannakとの間に11人もの子どもをもうけ(そのうち一番下は亡くなった)、Kannak亡き後、年長の子どもたちの手を借りながら、家族を養い、氏族たちを養っていた(血縁じゃなくても、同じ「氏」になるようですね)。かつてStefanを奴隷にしたBrodies一族の襲撃に備えながら、Macoran一族、Limond一族に挟まれてた環境の中、立ち上げたばかりのMacGreagorは他の一族に比べれば、余裕もなければ、人数も少ない。Catrinaと親友のKennaがそろそろ結婚する時期だけれど、村の結婚適齢期の若者は3人くらいしかいない。MacGreagorとしては氏族の人数を増やしたいから、他所の氏族へ嫁がれるよりも同じ氏族から夫を探したいような部分もある。

そんな中、Vikingたちの登場ですよ。このVikingたち、なんとStefanの父の右腕だったAnunaiの孫息子たちなんですね。上は23歳から下は14歳までの男オンリーの兄弟たち。自分たちにはどうも略奪するVikingは合わないから、平和に暮らせる土地へ逃げよう、ということで、なんとVikingのロングシップを盗んで、スコットランドまで逃げてくるという冒険をこなすんですね。で一気に、にぎやかになり、憎っくきBrodies一族との関係なんかもドラスチックにかわっていき、なかなか楽しめました。

もう1巻でそれぞれのキャラクターに愛着もってますから、この子があの人の子どもで、えー!もうこの人亡くなっちゃったの!的な衝撃もありながら、つるつるっと読めました。まあ毎年子ども生んでたら、Kannakも若死にするよね…(涙)。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking (The Viking Series Book 1)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

Vikingの7人兄弟

  • Karr Olney…長男。23歳。
  • Hani…Karrと10ヶ月違いの弟。笑わない。22歳。
  • Steinn…かなりマイペース。21歳。
  • Magnus…強がり。20歳。
  • Nikolas…17歳。料理が趣味!
  • Almoor…15歳。子どもの面倒をよくみてくれる!
  • Obbi…末弟。14歳。

Stefan MacGreagorの子どもたち

  • Wallance…長男。15歳。赤毛に青い目。
  • Catrina …14歳。ヒロイン。
  • Elalsaid…妹。13歳。怠惰?
  • Niall…弟。12歳。かなり成長が早いみたい。
  • Carson…弟。
  • Beatan…弟。10歳。
  • Dughall…弟。7歳。母親の記憶が残っているせいかかなりの甘えたがり!
  • Garbhan…妹。6歳。
  • Aileen…妹。5歳。
  • Conan…弟。4歳。

3/21/2016

The Viking (The Viking Series Book 1) (YL5.0)

The Viking (The Viking Series Book 1) (English Edition) (語数64,480語)

15歳になる前に、Stefanついに彼の初めてのヴァイキングの襲撃に、父に参加させてもらえた。しかし戦闘は彼の期待していたものとは異なり、彼は、襲撃先のスコットランドへとりのこされてしまう。

13歳のKannakの問題は、彼の父が彼女と母を捨ててどこかへ行ってしまったこと。彼女たちが生き残るただひとつ生き残る道は、母親の反対をおさえて、彼女が夫を得ることだ、と思い詰めていた。そこへ突然、逃走していたヴァイキングが現れ、彼女は思わず彼をかくまい、助けてしまう。彼女は果たしてスッコットランドの氏族たちから、そのヴァイキングをかくまうことができるのだろうか?

Ψ

というわけで、ヴァイキングのStefanと、スコットランド人のKannakという少年少女を軸に、彼女の母とその領主との隠れた恋、はたまた領主を憎みいつか殺してやろうとたくらむ妻…などなど、それなりに物語は錯綜して展開していきます。主人公のStefanがとにかく健やかなタイプですし、ティーン向けのYAみたいな感じなので読みやすいですよ。個人的にはヴァイキングものを選んだつもりが、まさかの定住路線…、という思惑外れなところもありましたが、全3巻なので、全巻読もうかなーという感じです。

The Viking Seriesブログ内リンク

  1. The Viking's Daughter (The Viking Series Book 2)
  2. The Viking's Son (The Viking Series Book 3)
  3. The Viking’s Bride (The Viking Series Book 4)
  4. The Viking's Honor (The Viking Series Book 5)
  5. Viking Blood (The Viking Series Book 6)

3/12/2016

Vlad: The Last Confession(YL7.0)

Vlad: The Last Confession: n/a (English Edition) (語数143,840語)

悪名で名高いDRACULA。

しかし本当のDracula、Vladの姿はどうだったのでしょうか?単なる恐ろしい怪物だった?本書では彼の矛盾に満ちたただの人間として描いています。

オスマンがヨーロッパへ膨張してくる時代、キリスト教圏の国々では内輪もめばかり。そんな中、戦闘の最前線のひとつだったワラキアの領主だったVladがどんな戦略でワラキアを導こうとし、オスマンから守ろうとしたのか。「悪魔の息子」と呼ばれた彼は、暴君でもあり立法者でもありました。十字軍院軍の騎士であると同時に大量殺戮者、処刑者であると同時にヒーロー、恋人であるともに殺人者でした…。

Ψ

本書では、Vladが亡くなってから5年後の1481年に、彼の山城だったPoenari城で行われた裁判から彼の生前の姿を描き出す、という形で構成されています。彼をよく知る3人が集められ、彼のオスマン朝での人質生活からはじまり、彼の最期までが語られていきます。Vladと1歳違いのオスマンの王子、Mehmet2世との因縁深いドラマもあって読みごたえたっぷりです。

Vladの一生が、年表を追うだけでもこれだけ激しいものだとは、本書を読むまで知りませんでした。Vladに対するプロパガンダも、生前死後を問わず、君主たちの都合ですごかったんですね。

コンスタンチノープルを攻略してしまうようなスルタンに対して、小国ワラキアの領主(しかも3度返り咲くというハメになる…。目まぐるしい領主たちの裏切り!裏切り!)にすぎないVladは、毎回、絶望的にみえる状況の中で、それなりの戦いをするわけですから、彼の軍司令官としての優秀さは、年表を追うだけでもわかろうというものでしょう。そしてこの圧倒的な戦力差の中で、勝機を見出そうとするわけですから、当然彼は苛烈です。

本書の中では、自分に忠実なものたち対しては優しさをみせるキャラクターとして描かれています。史実かどうかは不明ですが、趣味の鷹匠という属性も、なんだかんだいってキャラクターに説得力をもたせるエピソードで私は好きでした。愛馬や、鳥たちにみせる彼の愛情深さといったら…!いくら彼がワラキアを守ろうと頑張っても誰も信じられないような時代の中で、愛情をかえしてくれる動物たちは慰めだったんだろう、と解釈したくもなります。

年表(≒ネタバレ)を睨みながら読んでいたので、すっかりそんなVladに愛着をもってしまった私は、1476年が近づくと、「Vladがもうすぐ裏切られて死んでしまう…!」と絶望的な気分になっていました。しかしその「死」は、はっとするような終わり方をするし、1481年の裁判の決着もエッ!という展開ですので、絶望的なエンディングではなく最後まで目が離せませんでした。そして「裁判」が1481年だった意味も、Mehmetの年表を見ると、わかってきましたね。

というわけで、オスマン朝の異国情緒もたっぷり、鷹匠ネタも満載、Ilonaとの本当に物語のような(物語なんだけど!)出会いにいたるまで、読み応えたっぷりのヒストリカル・ロマン!!でした。読み終わった後の喪失感がすごい!!!

Ψ

ネタバレアリの登場人物メモ。役職名とかニックネームが散乱しているので、誰のこと言っているのか戸惑いながら読むのは、歴史ものの宿命ですね。登場人物も相当多いですよ!

Vlad Draculの息子たち

  • Mircea Dracula…長男。生き埋めによる死。
  • Vlad Dracula…次男。主人公!ニックネームは、Vlad Ţepeşとか ImpalerとかKaziklu Beyとか全部「串刺し」という意味みたいです。Vladはマルチリンガル。ギリシア語、ラテン語、フランコンニア語、オスマン語?アラビア語もたしなみ、コーランを、暗唱できるっぽいです。
  • Radu Dracula…Vladの弟。Vladの6歳下。Vladと一緒にオスマンで人質生活を送っていました。美少年で美男子に育ち、Mehemed2世のお気に入り。Vladは父の死でワラキアに戻りますが、Raduはそのまま人質生活を続行したことから、オスマンの宮廷で出世。Vladとは対照的な人生を歩みます。最期は哀れ…(涙)。

目撃者たち(1481年の裁判で召喚される告白者)

  • Ion Tremblac…最初の告白者。Vladとの付き合いは子どもの頃からで、5歳でVladと、一緒にトルコへ人質としてきた。Vladの忠実な友であり、家令みたな役割。
  • Ilona Ference…Lamaは奴隷としての名前。ハンガリー語でIlona。Vladの聖域。恋人。
  • Brother Vasilie…the Hermit。隠遁者。Ilonaのお産の時に呼ばれた僧侶。Vladの一騎打ちの戦いのときには兵として参戦していた模様。Vladは無駄な殺戮はしないと考えている。年も近く元戦士ということもあってVladに気に入られ、彼の告白をきくことになる。

オスマン朝の人々

  • Hamza …Hamza agha、のちのHamza pasha。Vladたちの人質時代の講師。鷹匠。Vladと鷹への愛を共有している。
  • Murad Han…Vladの人質自体のときのスルタン。ムラト2世。Mehmetの父。
  • Mehmet Celebi…Muradの息子。のちの「Fath」とか「The Conqueror」とも呼ばれるコンスタンチノーブルを陥落させるスルタンに。Vladより1歳年下。14歳で兵隊連れて暴れたけど、評議会から抗議を受けて1度、皇太子から引きずり降ろされたりしている。
  • Abdullah-i-Raschild…ギリシア生まれの奴隷でMehmetのお気に入り。

Wallaciaの領主たち

  • Albu cel Mare…The Great。 クセモノ。1448年、Vladの味方のフリしてVladislav側についた。
  • Turcul jupan…Wallachiaで2番目の権力者。Gales jupanの兄弟。彼の娘ElisabetaはIlonaのメイド。Ilonaはこの領主が嫌い。
  • Gales…Vladの領主の一人かな?チビで片目みたい。肝心の戦いでVladを見捨てたので、Vladに出くわさないよう逃げ回っている。…が捕まり、Vladの結婚式の日に処刑。
  • Cazan…父親と同じくらいVladに忠実。ワラキアの正当な教会のトップ。

DraculaのVitesji

  • Black Ilie…Vladの逃亡生活中にボディガードとして雇われた。アフリカの血も混ざってる?Vladのvitesjiの一人。親衛隊みたいなもんかな?とても忠実。
  • Stocia…Vladの下僕。口がきけない。なにも言わなくてもニーズを満たしてくれる。とても忠実。

その他

  • Petru Iordache…1481年裁判当時、ワラキアの領主に仕えるPoenari城の若いSpater。裁判の為やってきたHorvathyの為に執事的に動く。
  • Horvathy…Count of Pecs領主。伯爵。ハンガリー王Matthiasの取り巻きのひとり。独眼。1481年の裁判は彼が主導しているみたい。
  • Domenico Grimani…Cardinal of Urbino(イタリア山間部の小都市。ルネサンス期に栄えた)。1481年の裁判の採決を任される。カトリックですよ。(ワラキアは正教が主流ですが)。
  • Hunyadi…ワラキア出身のハンガリーの貴族。Vladの父を斬首することを命じた。MatthiasCorvinusの父。
  • Matthias Corvinus…ハンガリーの王。カラスの紋章みたいで「The Crow」とも。Vladたちより10若いけど2倍老けて見える…。彼は父親のHundtadi。Vladはそんな敵の息子の元で幽閉生活を送ったり、手を組むんですから、お互い凄まじい関係ですよね(Vladを生かしておくMatthiasの政治センスが生臭い)。
  • Thomas Catavolinus…Hamzaと一緒に派遣されてくるギリシア人。オスマン朝の広大さを思いますね。
  • Abdulmunsif…Hamzaと一緒に捕まる大使。
  • Abdulaziz…Murad時代からのマイナーな役人。大使。Hamzaと一緒にVladに捕まる。
  • Han Jiskra…ハンガリー王の欲得ずくの指揮官。Vladへの裏切りに心折れそうな若き日のHorvathyを叱咤する。
  • Elisabeta…Vladの最初の妻。Turculの娘だったと思うな。Ilonaのメイドもしてたんだけど。
  • Ilona Szilagy…Vladの2番目の妻。こっちのIlonaはハンガー王Matthiasの従妹。
  • Janos Varency…ハンガリーの強盗を捕まえる役人。Vladのハンガリーでの幽閉生活の終わりに、捕り物騒ぎで入ってきて、その傲慢さがアダとなりましたな?
  • Stephen Cel Mare…Bogdanの息子。Vladのいとこ。父親が殺されたあと、Vladと一緒に逃亡。たぶんこの方のことも「The Great」と言ってると思うよ。
  • Karafat…Vladの愛馬。メス。小柄だけどVladも背が高いわけじゃないし、愛馬だね。
  • Ahktar…メスのハヤブサ。HazmaからVladへプレゼント。

2/06/2016

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM))(YL2.5)

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM))
Random House Books for Young Readers (2014-07-22)

Ice Wreck (A Stepping Stone Book(TM)) (語数14,800語)

アイルランド出身のShackletonの南極横断探検のお話。1914年に船ででかけるも氷塊に囲まれて身動きできず、船は氷に圧迫されて壊れてしまいます。そこからのチーム全員での生還が淡々と描かれています。チームのリーダーとしてのひとつのあり方を提示している感じです。

先日、Hallル女史の「Nansen」の翻訳本で岩波少年文庫からでている「ナンセン伝」を読んだばかりだったので、その頃の極地探検家のお話が気になったので、軽く読めるこちらを読んでみました。

Shackletonの場合はスタートからして船が氷に破壊され、その後も次々に計画通りにいかず、よくぞこれだけの困難をかわして全員生還したものだよ…、という展開でした。

一方、Nansenの場合は北極探検の為に、「いかに氷の圧力をうまくかわすか」というあたりに配慮したフラム号を設計するところからはじまっていました。その後Amundsenがこのフラム号で南極点の到達を達成します。極地探検では氷塊に囲まれて、船が壊れてしまうことはままあることのようなので、今回の本を読んで、改めて、Nansenの凄さを感じてしまいました。