Fatherland: 20th Anniversary Edition (語数85,800語 概算)
二次大戦時にもしもドイツが勝っていたら1964年はこんなふうになっていた…、というパラレルワールド小説。映像化もしているみたいですね。面白いもんね。
虚構なんだけど、二次大戦あたりの政治家に詳しいと多分、かなりうまく現実と虚構を取り混ぜているそうなので、より楽しめると思われますよ(ごめんね、でも私は詳しくないよ!)。
主人公のMarchは刑事で、とある殺人事件を追っているうちに、ドイツ国家にとっての「重大機密」に気付き、アメリカ人ジャーナリストCharlieと共にその謎を追っていく…という展開。
車のブランドで立場を表現したり(ベンツやBMWはリッチ層、フォルクスワーゲンやオペラは現場で働く人、みたいな感じ)、やたらと巨大な建造物でナチスの体質をあらわしたり、途中、謎を追ってスイスへ飛ぶシーンもあるけれど、そこはベルリンに比べて色鮮やかな世界だったり…。
そういう細かな文化の描写も面白いし、「東へ行ってしまったユダヤ人は一体どこへ消えてしまったのか」という謎は私たちにとってみれば了解事項のことなので、長いわりには読みやすいと思います。ドイツ語の単語が入り交ざっているところは「う…」と詰まって読みづらく感じましたが、全体の構造はとっつきやすかったので、ゴールできました。Marchもおっさんぽいがカッコイイしね。「相棒」のJaegerが
We're not all made to be heroes, Zavi.There have to be people like me, so people like you can look so clever.
って嫉妬するくらいにね。
最後はちょっと希望と絶望が入り混じり、ガーン、っとショックでした…(希望で終わると思っていたから!)。
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